捨てられ爆薬令嬢は敵総長の溺愛を受ける

由汰のらん

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6-7.

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「…ゾイの行動に一貫性がないな。」

「どういうこと?」

「なぜゾイはシシルと婚約破棄したんだ?シシルに飽きたから?ミレーヌが好きだから?」


 パーティー会場でゾイは色々な理由を並べていた。きっと私を納得させるために適当に並べた言葉なのだろう。


「私が無能だと思っていたからじゃない?おとといはまるで私の爆破の能力が欲しいかのような口ぶりだったわ。」

「無能だったとしても、シシルは元々火の魔力を持っているんだぞ?ゾイの水とシシルの火で特異魔法を持つ子供を生むために婚約してたんだろ?わざわざ破棄する必要はないはずだ。」


 ということは、私と破棄しなければならない理由があったということ?


「ゾイが国王の座を狙う男なのは分かる。でもグレゴリー王子の下手に出るというやり方は納得いかないな。」


 私もそれは疑問だ。


「もしかしたらゾイは、誰かに入れ知恵されているのかもしれない。」

「い、入れ知恵?!」

「実は、シシルが捕まった日、ポルトが不思議な鳥獣を捕まえたんだ。」

「鳥獣って、あの竜みたいに大きな鳥の魔獣のこと??」

「いや、使い魔よりも小さな鳥獣だ。」


 レオが小さい鳥獣もいるのだと教えてくれた。

 ポルト先生が、私の後ろを飛び回ってついていく不思議な鳥に気がつき、もしかすると鳥獣かもしれないと捕まえたのだそう。ポルト先生は中隊長なだけあって魔獣に詳しいのだ。


「その鳥獣が、特異魔法を持つ魔獣だったんだよ。」

「特異魔法ってミレーヌのような?」


 魔獣にも稀に特異魔法を持つものが生まれてくるらしい。その魔獣は闇市や闇オークションで高値で取引されているのだとか。


 私の後をつけていた鳥獣は、大きな瞳で見たものを撮像するという特殊な魔力があり、餌を与えれば壁などに録画した映像を映し出すという、盗撮の魔法を使うのだそう。


 私が駐屯地からレオの屋敷に向かう様子から、王都で買い物をしている様子まで全て記録されていたとか。


「えええっ何それ!気持ちわるっ!」


 確認のためとはいえ、それをレオやポルト先生、他の騎士に見られたのかと思うとゾッとする。

 どうかレオの屋敷の庭でアイリーンのクッキーを一皿全部食べた映像や、瓶から直接ノンアルコールビールを飲んだ映像は記録されていませんように!


 でもそれを聞いて、ふと思い出した。


「そういえばゾイが私に、"火と雷両方の魔力を融合した爆破魔法が使える"ってカミール王子から聞いたと言っていたけれど、私、カミール王子には"火と雷両方"なんて言ってないわ。2つの魔力が使えるかもしれないって言っただけで。」

「きっと鳥獣で記録した映像を見たんだろう。訓練場では雷の魔法が実際使えるとわかったからな。」


 そんな鳥獣がいるなんて恐ろしい。…ゾイが盗撮していたのだろうか?いや、ゾイがそんな姑息な手段を使うとはとても思えない。


「心当たりがあるとすれば、キラだよな?」

「そうだ!カミール王子が言っていたようにキラも転生してきているかもしれない!…でもキラが私を盗撮する理由なんて全く思い浮かばない。」

「もう少し調べさせてくれ。必ず迎えに来る。」


 レオが私の頭を撫でてくれて、立ち上がろうとしたところでレオの袖を掴んだ。


「…な、何だ?」

「あ、あのね、レオ…」


 2人きりの密室で、レオがごくりと喉を鳴らす。


「その、と、トイレに行きたくて…!」

「……」


 なぜだろう?レオの顔色が暗くなった気がする。


 私はレオの計らいでなんとか人としての尊厳を守れるトイレに行くことが出来た。








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