転生したらBL漫画の男装女子でしたが、皆さん私に気にせずヨロシクやっちゃって下さい

由汰のらん

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2-11.

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 いや、うん、大丈夫大丈夫。


 いける気がするよ私。BとCの間だし。筋肉で胸がでかくみえる男とかいるし。


「じゃ、じゃあ僕は先に学校行くねー....」


 心陽君の目から反れるように背中を向け、さっさと倉庫から出て行こうとする私。


「....ああ、何で気付かなかったんだろう僕。」

「.......」

「自分でも何でこんなに一門先輩につっかかりたくなるのか、不思議だったんです。」

「...へ?..」

「先輩.....女の子だったんですね?」


 身体は向けず、顔半分だけで振り返ると、私は白々しく彼に言った。


「え?お、女の子??ち、違うよ。これは、アレだよ、....女性ホルモン剤飲んでるんだよ!!」


 自分でもひくような嘘をついてしまった。

 え?女性ホルモン剤飲んでる男ってことは私、おネエでも目指してるの??いや定評が落ちるとか以前の問題じゃん。

 それでも女ってバレるよりはギリギリマシかもしんない。


 もう何でもいい、さっさと行こう。

 そう思って倉庫から駆け出した時だった。

 心陽君が突然後ろからタックルしてきたと思ったら、私の腰をまさぐり始めたのだ。


「なッッ!!///」


 慌てて振り払うと、倉庫から雨の降る外に尻もちをついてしまい、私は再びずぶ濡れになってしまった。

 でもウィンドブレーカーは心陽君に貸したままだから、白いTシャツが透けてもうそれは裸同然、いや、裸よりも恥ずかしい醜態を晒してしまったのだ。

 もう言い逃れはできない。というか心陽君ならきっと皆に言いふらす。

 なんだか立ち上がる気力もなく、私はそのまま胸を隠すように雨の中で体操座りをした。


 でも心陽君は手を伸ばしてくれて、


「先輩.....、可愛い。」

「.....え?」

「風邪ひくから、早くこっち戻って下さい。」

「.......」


 手をひかれてまた倉庫に入ると、心陽君が私にウィンドブレーカーを掛けてくれた。



 それから心陽君は、違う意味でウザい存在になった─────。



「朱南先輩ってB寄りのCなんですか?C寄りのBなんですか??」

「.....唐突に何の話。」

「朱南先輩の胸のサイズに決まってるじゃないですか!!分からないから質問してるんですよ。」


 何だこの無駄な時間。

 因みに私はBとCの間だと言ったが、彼ら4人につきまとわれるようになった心労でちょっと痩せてしまい、B寄りのBになってしまったのだ。


「ねー先輩~、ぶっちゃけ僕ら4人の中で誰が一番好きなんですか~?僕年下だから、これでもいつ先輩を奪われるんだろうってハラハラしてんですよ??」

「とてもそうは見えないけどね?...心陽君てさ、ぶっちゃけ男にモテそうなんだから男と付き合ってみなよ。何事も経験だよ?」

「その脈絡のないアドバイスは何なんですか。てか朱南先輩こそ、今まで何人かに告られそうになったの知ってます?」

「........」

「僕らの誰かと付き合っちゃえば、もう狙われることはなくなるんですよ?早く誰か一人に絞って下さい!」


 私、4人の中の誰かと付き合うなんて一言も言ってないんだけど。


「朱南先輩が絞らないつもりなら、こっちもどんどんルールを緩くしていきますから!」

「は?」

「今まで先輩の肌には触れるなだの何だの、ガラスのように扱ってきましたが、大学に行ったら手マンまでアリってことにしますから!」

「いきなりルール突き破りすぎじゃない??!馬鹿なの??!!」

「どっちが馬鹿か試してみます?いっとくけど僕、朱南先輩が泣こうが喚こうが、笑顔で襲える自信ありますよ?」


 心陽君が机に手をつき、いきなり顔を至近距離まで近づけてきて、私は思わず息が詰まってしまった。

 心陽君てほんと可愛い顔してる。
この顔が泣き散らして身悶えている姿が早くみたい。

 どうにかこうにか、あの3人の気持ちが心陽君に向くように出来ないものか.....。

 心陽君に迫られている状況にも関わらず、私はやっぱり心陽君が男に襲われている姿を想像していた。


 ....思えば高校生活は、女とバレても余裕だった。

 適当な婚約者候補を探そうと思っても、4人に邪魔されるばかりだったから、4人にされるがまま、お姫様扱いされてるしかなかったし。


 しかし大学に入ると、4人の男たちは進化することとなる。

 ポ◯モンでいうところのメガ進化ってやつだ。

 あんなに可愛いかったゼ◯ガメがメガ◯メックスになってしまい、え?なにそのふてぶてしい姿。私は弱くてもずっとゼニ◯メの姿が良かったのに、と思ってしまうような変貌を遂げるのだ。


 それもこれも、全部私のせいだ。だって私、前世では生粋のダメンズウォーカーだったし。

 


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