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しおりを挟む今までの変態行為、これで全部水に流してやるから勘弁してくれ。
ここから食べるまでが長いかと思っていたけれど、ドラゴンボウル伝説を信じきっている皆は、すぐに豚の睾丸を食べ始めた。
まずは、蓮見先輩が1つ、そして秋人も。琉生は一度に2つ食べていた。でも心陽君だけはオットセイのペニスから手をつけている。
「朱南ちゃん、これって何?凄い長いんだけど。」
「あ、それは山梨県で有名なほうとうだよ。」
「え?ほうとう?!こんなに太かった??」
高梨先生のはもっと太かっただろ。いちいち太いかどうかなんてことでツッコまないでほしい。そういうあんたはどれだけツッコんでるんだ。
「ドラゴンボウルうまい、伝説の味がする。」と先輩が感想を述べているが、そもそも伝説の味ってなんだ。それより伝説を作るのはこれからなんだよ。
私のテンションは爆上がりしていた。
だって皆が信じられない濃度の精力鍋を食しているのだから。
きっとすぐに隣同士で求め合うはずだ。秋人と先輩、琉生と心陽君ペアで。
え?琉生と心陽君?真っ先にそこから?!まさに結ばれる運命の2人が、ついに結ばれる?!
漫画の中の最終回、周りの大人たちに結婚を認めて貰えない琉生と心陽は、山奥の厳かな教会で2人きりの結婚式をするのだ。
誓い合う2人は、イエス様の見ている前で、狂いながら求め合う。でもその姿がエロいというよりも芸術的なのだ。男と男の美しいセックス。
それを見た私は涙を流し、最終巻をビニールカバーに入れ保管した。
教会ではなく私の部屋だけれど、イエス様の前でなく、秋人と蓮見先輩がいたしている前だけれど。
そして私は、「あ」と気付いたようにスマホを取り出し、「ゴメン、パパからだ!ちょっと電話してくるね!」とにこやかな笑顔でその場から退いた。
玄関の靴箱にしまっていた、モニタリング用の簡易モニターとイヤホンを取り、さりげなく玄関から出たのであった。
裏庭に出ると、植木と寮の壁際に身を潜め、簡易モニターを手にした。イヤホンをつけて電源をONにすれば、4分割された画面がモニターに映し出される。
皆何か言い合いながらも鍋を食べているが、そろそろ効果が出始める頃だ。
秋人は一応箸と器を持ってはいるが、何かがずっと気になっている様子だ。
もしかしてカメラを設置していることがバレたのだろうか?まずいと思い、どこを見ているのかと目を凝らせば、タンスの方を見ているようだった。
···まさかと思うけど、まだ下着の入っている段を気にしてるんじゃないよね?
蓮見先輩は綺麗な正座を崩さず鍋を食べているが、たまに何かを感じ取ったように、「オフッ」と小さく声を漏らしているのは気のせいだろうか?いや媚薬の効果が出そうなっているのかもしれない。
ヤバいな。蓮見先輩は真っ先に隣にいる秋人を襲いにいくだろうか?となると、秋人のお尻は今日にてご臨終である。
琉生は、かなり気持ち悪いのだが、箸を舐めるようにして豚の睾丸を食べている。いつもはそんなにネチネチした食べ方じゃないはずだ。
箸を舐めているということは、もしかしてそういう願望があるということだろうか??え?!小陽君のナニを?ネチっこく?舐めるの??!
あ、ちょっと鼻血出そう。
私はミスターオクレの顔を思い浮かべ、高ぶる感情を押し戻した。
小陽君はベッドの方ばかりを気にしていて、それは早くベッドに僕を連れてってくれという合図なのだろうか?!
さっき押し戻した感情が再び沸き上がり、私はすぐそこにある排水管の中に口を当て、「フォォォオオオオオオ」と力の限り叫んだ。この排水管はどこに繋がっているのかはわからない。
そんなこんなしている間にも、皆の食べる手が止まっていく。
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