異世界に迷い込んだ給食のお兄さんは魔王様にごはんを作りたい。食べるならごはんをどうぞ。

猫屋町

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18.魔王様とお兄さんの関係(*)

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いい感じに話し合いが終わりそうなところ本当に申し訳ないが、俺には確かめないといけないことがある。

「ーーところで、一足飛びにプロポーズしてもらったけど、そもそも俺たちって付き合ってないよな?」

出来るだけ軽く、同意を求めるように話を振ると、言葉を失ったように口を開けたまま固まった。

「?!」

これ、やっぱりなのか。
フォルティス的には付き合ってたのか?

「告った記憶も告られた記憶もないんだけど」

「こく、る?」

「好きとか愛してるとか恋人になって欲しいとか伝えること」

意味を伝えるとフォルティスは考え込んでしまった。
本気で俺と付き合ってたつもりだったみたいだな。
甘やかしたり、いちゃいちゃしてた自覚はあるけど、まだ踏ん切りがつかなかったし、フォルティスも何も言わないし曖昧なままでいいかと流してた俺も悪いんだけど。
そりゃ、勘違いするよな。ゼロ距離だもん。

恋愛事に疎そうなフォルティスに気付いてたのに何も言い出さなかったのも悪かったよな。
だんだん心苦しくなってきて、謝ろうした時。

「……言ったこと、なかったか?」

「ないな? いや、悪い。責めてるとか拗ねてるとかじゃないんだ。俺も何も言わなかったし」

「俺の中ではもう伊織を愛してることが当たり前過ぎて伝えていないことに気付いてなかったみたいだ」

はにかむような笑みで見つめられ、不覚にもときめいてしまった。性別を超えた美しい顔にそんな表情はずるいだろ。

「愛、してるのか」

聞くともなくしに、そう呟くとフォルティスは両手で俺の頬を挟み、逃さないとばかりに追い討ちをかけてくる。

「もちろん、愛してるよ。私の駄目なところも受け入れてくれる伊織が愛しくて仕方ない。楽しそうに料理したり、私が食べているのを見て喜ぶ顔も好きだし、ベッドで乱れる姿も……」

「わかった。よぉっく、わかったから、それ以上言わなくていい」

これ以上何を言い出すのかそら恐ろしく、フォルティスの口を両手で塞いだ。
もごもご言っているが、知ったこっちゃない。
誰がベッドで乱れてるんだ、誰が。大体あれはフォルティスのせいでーー

と、一瞬、フォルティスとの行為を思い出し、力が緩んだのがまずかった。
フォルティスの口を塞いでいた手をペロリと舐められ、引っ込めようとしたが逆に腕を掴まれる。

「やめーーッ」

濡れた紅い舌が手のひらを這い、薬指をしゃぶった。
ゆっくりと形を確かめるように舌が這い回り、たどり着いた先端の、爪と指の間の皮膚が薄い敏感な部分を弄られる。

「んんッ」

しゃぶられているのは指だが、これは完全に口淫だ。

俺の答えを待つんじゃなかったのかと訊くと。

「口説かないとは言ってない。伊織に選んでもらえるよう、最善を尽くすつもりだ」

その最善とやらが、指フェラなのか、魔王様よ。
文句を言いたいのに、フォルティスからもたらされる快楽を覚えた身体は、あっさりと理性を裏切り、熱を灯す。

「フォルティス……」

もう指を嬲られるだけじゃ満足出来ない。
仕返しとばかりに耳朶に噛みつき、出来るだけいやらしく聞こえるように囁いた。

「……指だけで、満足なのか?」


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