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19.魔王様とお兄さんの攻防 *
しおりを挟む「……指だけで、満足なのか?」
「そんなわけないだろ。伊織が欲しい。全部私のものにしたい」
ダイヤモンドの瞳が情欲に濡れている。
「ーーいいよ、フォルティスの好きにして」
「本当か?!」
「ただし、挿入は無しな」
気持ちいいことは好きだし、フォルティス相手ならまあいいかと思わないでもないけど。
そこまでしちゃうと引き返せなくなりそうで怖い。
「…………触るだけならいいか?」
「挿れないのにそんなことして楽しいの?」
ちょっとよく分からなくて首を傾げると、真剣な目で頷かれた。
「すごく触りたい。絶対に痛くしないし、気持ち良くなってくれるよう頑張るから触らせてくれないか」
「……わかった」
気持ちは理解出来ないけど、そこまで触りないなら好きにしてくれ。そんな真面目な顔で力説されたら断れない。
「ありがとう、伊織」
「お礼を言われるようなことじゃ、ーー!」
ないと言い終わるより早く口を塞がれた。両手で頬を挟まれて、熱い口唇から逃げることもできない。
初めてにしては深過ぎる口付けに目眩を起こしそうになる。
「んん、ーーんぅ……はぁ、フォルティス……」
息が上がり、目尻から生理的な涙がこぼれる。その雫をちゅっと吸い取ったフォルティスは俺がジト目で睨むのに口を尖らせた。
「キスはダメと言われてない」
「確信犯め……」
「……嫌だったのか?」
少し考えて、首を振る。
驚いたし、息苦しかったけど、求められて全然嫌じゃなかった。
だいたい、キスすらしたくない相手に好きにしてなんて言わない。
ただ、するならするでもっと雰囲気にこだわりたかったというか、でもそんな乙女思考が恥ずかしいというか。
「べつに、いやじゃないけど」
もっとこう、思い出に残るようなキスをしたかった。
そうもごもごと伝えると。
「キスについては明日、きちんと仕切り直しをさせてくれ」
そう言って、左手の甲に口付けられた。
「仕切り直しって、そんなのいいよ」
気にするなと軽くキスしようとした瞬間、ふいっと顔を逸らされ、口唇は頬にあたった。
「なんで」
「明日までお預けにしよう」
「っーーあ、そ」
「だから、口唇以外にたくさんさせてくれ」
甘く響く低い声を耳に直接吹き込まれ、そのまま耳朶に口付けられる。
「は?! ちょっ、んんっーー」
吸いつかれ、甘噛みされ、舌で穴を探られ腰の震えが止まらない。
ただ耳を弄られているだけなのに、下腹部に熱が溜まっていく。
「ん、っん、ぁ……ちょ、そこばっかりぃんん……」
快楽に力の入らない腕でフォルティスを押しやろうとすると、逆に両手を大きな片手で掴まれ、一纏めに拘束されてしまう。
「な、に……っ」
空いている片手でシャツが捲られ、胸まで剥き出しにされた。絶え間なく与えられ続ける快感に胸の突起も期待するように震えている。
「美味そうだ……」
フォルティスの吐息に腰が跳ねた瞬間、じゅっと水音を立てて口に含まれた。熱い口内で硬くなったところを舌で押しつぶされ、捏ね回される。
「、ぁ、やぁ……んっんっはぁ……」
散々愛撫されやっと解放された尖は赤く充血し、過敏になっていた。突起に空気に触れるだけでも背筋が続々するほど気持ちいい。
「こちらばかりで、放っておかれるのはかわいそうだな」
「……?」
快楽にぼやける頭では、フォルティスのいう意味が分からず、首を傾げた。
すると、俺の反応に悪戯っぽく笑ったフォルティスは、色づいていない方の突起に手を伸ばし、キュッとキツめに摘んだ。
途端にピリッとした痛みと痺れるような快感が走る。
「あぁんんっ」
先程までの甘く溺れるような愛撫とは違う、刺激に張り詰めていた中心が弾けた。
開放の余韻に喘いでいると、フォルティスはそんな姿をじっと見て。
「……伊織は痛い方が好きなのか?」
「は?!」
違うと否定しても、イッたばかりでは説得力がない。
「伊織が気持ち良くなれるよう、最善を尽くそう」
何かに火がついたフォルティスに改めてベッドへ沈められたーー
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