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神様の境界には生きているものなんてほとんど居ない。以前鳥を助けてくれたが、あれだって元々は死んでいた生物だった。そこに招かれるのは恐らく神様――二分様によって裁かれる罪人くらいだったのではないだろうか。いや、罪人すら、ここへ来たことがあるかどうかは定かではない。
だって――高校の先輩のことを考えるに、神様は例えその相手を見ていなくても、『願われたら』命を半分取り上げることが出来るのだから。
そんな世界で神様はずっと一人で暮らしてきたのだ。――時々分け与えられる『神様の取り分』が、神様を思う人々の存在証明に繋がっていた。
「神様」
「寂しかった。寂しい。どうして。俺は間違えたのか? 由香を苦しませていた。罪人だろう。罪は裁かれるべきだ。そうやって俺は存在してきたのに。もう会えないと言う。何かしらきっと齟齬がある。齟齬があるはずだ。だってそうだろう。そうでないと俺は、俺は、君に会えてうれしかったのに、君はもう俺に会わないと言って、おかしい。おかしいだろう? おかしい。おかしい。寂しい。寂しい、寂しい、寂しい、寂しい、寂しい――」
何度も同じ言葉を繰り返し、不意に神様は言葉を止めた。ぷつりと糸が切れたように感情を根こそぎ落とした声で「でももう、由香は俺の番になったから」とだけ続ける。
静かな声だった。情緒の不安定さが、そのまま声に現れている。明らかに普段の神様らしくない様子だった。
いつか、――供えられたものが神様の有り様を決定する、と言っていた。もしかしたら、本来の神様は今の状態に近い性格だったのかもしれない。それが長い年月を経て、和菓子といったものを供えられることが多くなり、穏やかな性格に変わっていったのだろうか――。
「ふ。あは。面白いことを考えているな。俺は別に何も変わってないのに」
ひたりと、指先が喉の辺りに触れる。そのまま首筋を辿って、鎖骨に触れ、ゆっくりと胸元に触れた。瞬間、お腹の奥から熱のようなものが登ってくるのがわかる。
なんとも言えない――どうしようもなく他人の体温を恋しくおもう、切ない感情が脳裏で揺れる。畳を背にして、由香は神様を見上げた。表情は全くわからない。視線があっているのかすらも。
「好きだよ。大好きだ。絶対に離したくない。子々孫々と見守るつもりだった。それは本当だ。でも、最近――そう、ここ、一年くらい、ずっと、どうして俺が我慢しなければならないのだろう、と思ったんだ」
指先が溶けるように衣服の上を広がる。それは衣類の隙間を縫うようにして、由香の肌に触れてきた。冷たい体温のそれが肌をなぞる。衣服を着ているのに、隠れている肌の部分をゆっくりとくすぐるように撫でられる。経験したことのない感覚に体がびくびくと震えた。
「かみさ、ま……っ」
「肌、本当に柔らかいな。それに温かくて……触れてるだけで心地良くなってくる」
衣類の上が持ち上げられるようにして、上半身が露わになる。悲鳴のような声が漏れそうになって、すぐ口元に指が突っ込まれた。舌を軽く引っ張られて、喉が震える。痛くはない、えずくこともない、絶妙な力加減だった。
舌の表面にとろりとした液体が落ちてくる。必死に拒否をしようとするが、出来ない。舌が震えだすのと同時に指先が離れて、そのまま唇が重なってくる。
手の平よりも体温の高い、肉厚の舌が由香の舌を舐めしゃぶるように動く。唾液をこそげるように舌の裏側まで舐められて、呼吸が上手く出来ない。舌を吸われながらお腹の辺りをなぞられると、電気が体全体に走ったかのような感覚を覚えた。
「んむ、う……っ、かみさま、ぁ、……っ」
「誰かの嫁になって、誰かの子どもを作って、誰かと幸せになる所を、祝いたい気持ちもあったんだ。本当だよ。でも――それって、俺としてくれてもいいことだろ? だって君の相手になるであろう人間の男性には、君以外にも色々な相手が居るのに、どうしてわざわざ俺の特別である君を奪っていくんだ?」
舌先が首筋をなぞる。生暖かい感覚に背筋が震えた。
体がおかしい。さっきから、――多分、神様から与えられる何か……液体のようなものを由香が飲み込む度に、感覚が鋭敏になっていくような感じがする。しかも痛覚とかそういったものではなくて、快感に繋がる刺激だけを余さず拾いあげていっている。
「俺が我慢する必要なんて無い。だって俺は君が今後関係を結ぶ誰よりも先に君に出会っていたんだから。いつになったらまた会えるのだろうと思った。何度もせっついて良かった。宮部。君が幼い頃、俺の所に来たいと言ったから夢で伝えた時は全く取り沙汰にしなかったくせに、今回はすぐに動いてくれたよ」
紡がれた言葉に由香は息を詰まらせた。――神様の居る場所、つまりは祠のあたりは禁足地になっていて。
だから幼い頃の由香は、神様の住んでいる所まで向かうことが出来なかった。その時、神様は『夢で伝えておく』と言っていて――けれどそれ以降音沙汰が一切無かったから、まあ夢に出るの大変だし、と言っていたからな、と思っていたのだ。
違った。ちゃんと約束を守ろうとしてくれていたのだ。
神様の手の平が由香の胸元に触れる。柔らかな胸をゆっくり揉みほぐすように手の平が動いた。下着のホックが簡単に外されて、その下からゆっくり撫でるように胸を刺激される。
先端の周囲、淡紅色の縁をなぞるように指先が動く。中心に向かうようにして神様の指がそろそろと動いて、その周囲を爪先で軽く辿るようにされて由香は声を上げた。
「まって、神様、からだ、変、で、私……っ」
「ふ。可愛い。吐息が熱くなっていて、……俺を見る目も潤んでいて。ここも……、可愛らしい色をしている。ゆっくり撫でてやるから」
「んぁ、あ……っ」
周囲を焦らすようになぞっていた指先が、そろそろ、とピンと立った先端の側面に触れた。先端まで辿るように爪先がつう、と撫でて、すぐに離れる。それを何度も繰り返される内に、体が熱されているかのように熱くなっていくのがわかった。
「ひ、うぅ、……っ、も、そこ、だめ……っ」
「どうして? ずーっと気持ち良いって声、聞こえてくるのに」
だって――高校の先輩のことを考えるに、神様は例えその相手を見ていなくても、『願われたら』命を半分取り上げることが出来るのだから。
そんな世界で神様はずっと一人で暮らしてきたのだ。――時々分け与えられる『神様の取り分』が、神様を思う人々の存在証明に繋がっていた。
「神様」
「寂しかった。寂しい。どうして。俺は間違えたのか? 由香を苦しませていた。罪人だろう。罪は裁かれるべきだ。そうやって俺は存在してきたのに。もう会えないと言う。何かしらきっと齟齬がある。齟齬があるはずだ。だってそうだろう。そうでないと俺は、俺は、君に会えてうれしかったのに、君はもう俺に会わないと言って、おかしい。おかしいだろう? おかしい。おかしい。寂しい。寂しい、寂しい、寂しい、寂しい、寂しい――」
何度も同じ言葉を繰り返し、不意に神様は言葉を止めた。ぷつりと糸が切れたように感情を根こそぎ落とした声で「でももう、由香は俺の番になったから」とだけ続ける。
静かな声だった。情緒の不安定さが、そのまま声に現れている。明らかに普段の神様らしくない様子だった。
いつか、――供えられたものが神様の有り様を決定する、と言っていた。もしかしたら、本来の神様は今の状態に近い性格だったのかもしれない。それが長い年月を経て、和菓子といったものを供えられることが多くなり、穏やかな性格に変わっていったのだろうか――。
「ふ。あは。面白いことを考えているな。俺は別に何も変わってないのに」
ひたりと、指先が喉の辺りに触れる。そのまま首筋を辿って、鎖骨に触れ、ゆっくりと胸元に触れた。瞬間、お腹の奥から熱のようなものが登ってくるのがわかる。
なんとも言えない――どうしようもなく他人の体温を恋しくおもう、切ない感情が脳裏で揺れる。畳を背にして、由香は神様を見上げた。表情は全くわからない。視線があっているのかすらも。
「好きだよ。大好きだ。絶対に離したくない。子々孫々と見守るつもりだった。それは本当だ。でも、最近――そう、ここ、一年くらい、ずっと、どうして俺が我慢しなければならないのだろう、と思ったんだ」
指先が溶けるように衣服の上を広がる。それは衣類の隙間を縫うようにして、由香の肌に触れてきた。冷たい体温のそれが肌をなぞる。衣服を着ているのに、隠れている肌の部分をゆっくりとくすぐるように撫でられる。経験したことのない感覚に体がびくびくと震えた。
「かみさ、ま……っ」
「肌、本当に柔らかいな。それに温かくて……触れてるだけで心地良くなってくる」
衣類の上が持ち上げられるようにして、上半身が露わになる。悲鳴のような声が漏れそうになって、すぐ口元に指が突っ込まれた。舌を軽く引っ張られて、喉が震える。痛くはない、えずくこともない、絶妙な力加減だった。
舌の表面にとろりとした液体が落ちてくる。必死に拒否をしようとするが、出来ない。舌が震えだすのと同時に指先が離れて、そのまま唇が重なってくる。
手の平よりも体温の高い、肉厚の舌が由香の舌を舐めしゃぶるように動く。唾液をこそげるように舌の裏側まで舐められて、呼吸が上手く出来ない。舌を吸われながらお腹の辺りをなぞられると、電気が体全体に走ったかのような感覚を覚えた。
「んむ、う……っ、かみさま、ぁ、……っ」
「誰かの嫁になって、誰かの子どもを作って、誰かと幸せになる所を、祝いたい気持ちもあったんだ。本当だよ。でも――それって、俺としてくれてもいいことだろ? だって君の相手になるであろう人間の男性には、君以外にも色々な相手が居るのに、どうしてわざわざ俺の特別である君を奪っていくんだ?」
舌先が首筋をなぞる。生暖かい感覚に背筋が震えた。
体がおかしい。さっきから、――多分、神様から与えられる何か……液体のようなものを由香が飲み込む度に、感覚が鋭敏になっていくような感じがする。しかも痛覚とかそういったものではなくて、快感に繋がる刺激だけを余さず拾いあげていっている。
「俺が我慢する必要なんて無い。だって俺は君が今後関係を結ぶ誰よりも先に君に出会っていたんだから。いつになったらまた会えるのだろうと思った。何度もせっついて良かった。宮部。君が幼い頃、俺の所に来たいと言ったから夢で伝えた時は全く取り沙汰にしなかったくせに、今回はすぐに動いてくれたよ」
紡がれた言葉に由香は息を詰まらせた。――神様の居る場所、つまりは祠のあたりは禁足地になっていて。
だから幼い頃の由香は、神様の住んでいる所まで向かうことが出来なかった。その時、神様は『夢で伝えておく』と言っていて――けれどそれ以降音沙汰が一切無かったから、まあ夢に出るの大変だし、と言っていたからな、と思っていたのだ。
違った。ちゃんと約束を守ろうとしてくれていたのだ。
神様の手の平が由香の胸元に触れる。柔らかな胸をゆっくり揉みほぐすように手の平が動いた。下着のホックが簡単に外されて、その下からゆっくり撫でるように胸を刺激される。
先端の周囲、淡紅色の縁をなぞるように指先が動く。中心に向かうようにして神様の指がそろそろと動いて、その周囲を爪先で軽く辿るようにされて由香は声を上げた。
「まって、神様、からだ、変、で、私……っ」
「ふ。可愛い。吐息が熱くなっていて、……俺を見る目も潤んでいて。ここも……、可愛らしい色をしている。ゆっくり撫でてやるから」
「んぁ、あ……っ」
周囲を焦らすようになぞっていた指先が、そろそろ、とピンと立った先端の側面に触れた。先端まで辿るように爪先がつう、と撫でて、すぐに離れる。それを何度も繰り返される内に、体が熱されているかのように熱くなっていくのがわかった。
「ひ、うぅ、……っ、も、そこ、だめ……っ」
「どうして? ずーっと気持ち良いって声、聞こえてくるのに」
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