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レオと初めて身体を繋げた日から数ヶ月が経とうとしている。レオの私への溺愛っぷりは格段にレベルを上げていて大層面倒な事になっていた。
「ティア、このドレスはダメ」
「何ででしょうか」
「胸開き過ぎ」
「はぁ~」
というやりとりが至る所で巻き起こる。
エマも最近は呆れてジト目で傍観している。
「レオ、いい加減にして下さい。着れるドレスがなくなってしまいます」
「じゃあ、俺が揃える。もう注文は済んでるから…」
「え!!?また買ったんですか!!」
「俺の私財だから何に使おうといいでしょ」
ダメだ、これは。毎晩のように抱かれ、愛を確認し合っているのに何がそんなに不安なのか。
不安になる病にでもかかってるのか!
「ほら、もうお仕事でしょ。いってらっしゃいませ」
「行きたくない…ティアとイチャイチャしたい」
「今の今までべったりしてたでしょ!」
「足りない、ティアが足りない…」
「今すぐ行かないのなら寝室を別に「行ってきます!」…いってらっしゃいませ」
ちゅ、とキスをして執務室に向かうレオを見て、エマが盛大に溜息をついた。
「あれダレですか。″氷の王太子″は何処行きました?」
「旅にでも出てるんじゃないかしら」
「長旅ですね…」
エマがはぁっと重い溜息をついた。エマも、レオの過保護っぷりに辟易としていた。
「今日は王妃様のお茶会に招待されているのよね」
「はい、準備をして行きましょう」
「ドレスはこちらでいかがでしょうか」
「素敵ね。…首が隠れて」
「……独占欲の塊が集中してますからね!」
またしてもエマがぷりぷりと怒っている。可愛いドレスが着させられないと毎日呟いている。理由は…全身に跡がくっきりついているからだ。
「いらっしゃい、レティアちゃん」
「王国の月にご挨拶申し上げます」
「王太子妃教育はもう終了してもいいわね。あとは実践と慣れだから」
「本当ですか!良かったです!実家にも帰れますね!」
「そうねぇ…家族にも会いたいわよねぇ。結婚したらなかなか会えないから」
「はい!色々と心配を掛けてしまったので…」
「本当に申し訳ないわ…」
王妃様は眉を下げて困った顔をしている。きっと色々として下さったんだろうな。
「でも残念ながら、帰れないと思うわよ」
「えっ!?」
一度入ると出られない迷宮ラビリンス…ではない王宮から、私は出られないらしい。
何故なら…
「3ヶ月後に聖マルクネス教会で挙式よ」
「へっ?」
「レオが病んでる時に挙げた功績がやたらと多くて、陛下が褒美をあげるって話になってね」
「あ、はい」
「レティアちゃんとすぐに結婚するって言ったのよ」
「……無理…でしょうね、それは」
王族の結婚式にはかなりの時間がかかる。来賓だって多いし、料理やら設備やら数え出したらキリがない。しかも、ドレスだって時間はかかる。
「それがねぇ、終わっちゃったのよねぇ…」
「……は?」
王妃様は頬に手を当てて、悩ましげに目線を下げる。わぁ、凄い色っぽい…じゃなくて!!
終わった…ですと?
「レオを不眠不休で働かせると、碌な事にならないわね。まぁ、来賓や会場やドレスが全部終わってるなら私は問題ないんだけどね。可愛い娘も出来るし」
「それは…ありがとうございます…?ん?」
「まぁ…びっくりするわよねぇ…」
「何が何だか…」
頭の中を疑問がグルグルと回っている。どうやれば1年かかる準備が半月で終わる?来賓の予定を確保できるのか。
謎すぎで、レオは一体何をしたのかが気になる。
「答えは簡単。初めからその日に向けて準備してたからだよ」
「ひゃああ!!」
耳元で囁かれて驚きて叫んでしまった。王妃様が笑っている。
「あなた、本当にタチが悪いわね。ちゃんと言ってなかったの?」
「出来れば当日まで内緒にしようかと思ってたんですけどね。母上がバラしちゃったから」
「馬鹿ね。当日まで内緒にしたりなんかしたら、挙式前に花嫁の脱走事件が起きるわよ」
「え、ティアほんと?」
「そうですね、納得いかないですね」
「怖っ!」
怖いのは隠したまま挙式しようとするレオだ。何を企んでたんだ、何を。
「だって実家に帰るとか、式があるから一緒に寝ないとか言い出しそうだし」
「まさにそれよ、私が今日お茶会をしたのは」
「何かあるんですか?」
「まず、3ヶ月後だからわからないといえばそうだけど、妊娠はダメよ?悪阻とかあるかもだから。あと、挙式が近くなったらキスマークもダメ。足腰が立たないまでするのもダメ……聞いてるの?レオ」
「俺にばっか都合が悪い。妊娠は、今の所ないです。計算してるので」
「あわわわわ…」
むくれるレオと、慌てる私。心当たりがありすぎるぅ。これは一緒に寝たらダメだな。絶対押し切られて好きにされちゃう。始まっちゃったらぐずぐずにされて抵抗できないし…。
「ティア顔真っ赤」
思い出しちゃった?とこっそり聞いてくる。
「違っ…!れ、レオは準備どう、どうやったの!?」
慌てて話題を変えたけど、レオの、ニヤニヤは止まらない。
「そりゃティアと婚約の話を取り付ける時に、1年後空けといてねって主要な来賓に知らせて、教会に手を回して、設備も1年前から徐々に進めて、ドレスもその時からデザインして……最初から婚約して何年も待つつもりは無かった」
「あなたそんな前から計画してたの!?」
「初めて会った日に、1年後の今日、結婚するって決めてた。早まるのはいいけど、それ以降になるのは我慢ならないし。だから、ティアに初めて会った日が結婚記念日」
「レオ……」
この天使で悪魔な男は、どれだけ自分に惚れさせる気なのだろう。驚きと嬉しさで胸が締め付けられる。
ポロリと涙が溢れる。
「え!?ティア!?嫌だった!?相談せずに勝手に決めたから怒った!?ごめんね、泣かないで!?」
「違…嬉しくて…。ドレスだって…前からデザイン画見ながら何度も好み聞いてたし…私が決められるのはドレスだけだし…」
「うん、何回も何種類も見せてたよね。だから、ティアだけが似合うドレスが仕上がってる」
「も…、私に甘過ぎぃ…」
優しい手つきで頭を撫でるレオが、愛しい。強引で、意地悪な面がほとんどの王太子様。
でも、とびきり甘くて優しい。
涙をハンカチで押さえながら、今日から私も挙式準備を手伝う事を約束した。
王妃様は微笑ましいと言っていたが、自分の息子が周到すぎて怖いと本気で引いていた。
ちなみに破瓜の証も既に教会に提出済という話を聞いて、しばらく脳内停止をしたのは言うまでもない。
「ティア、このドレスはダメ」
「何ででしょうか」
「胸開き過ぎ」
「はぁ~」
というやりとりが至る所で巻き起こる。
エマも最近は呆れてジト目で傍観している。
「レオ、いい加減にして下さい。着れるドレスがなくなってしまいます」
「じゃあ、俺が揃える。もう注文は済んでるから…」
「え!!?また買ったんですか!!」
「俺の私財だから何に使おうといいでしょ」
ダメだ、これは。毎晩のように抱かれ、愛を確認し合っているのに何がそんなに不安なのか。
不安になる病にでもかかってるのか!
「ほら、もうお仕事でしょ。いってらっしゃいませ」
「行きたくない…ティアとイチャイチャしたい」
「今の今までべったりしてたでしょ!」
「足りない、ティアが足りない…」
「今すぐ行かないのなら寝室を別に「行ってきます!」…いってらっしゃいませ」
ちゅ、とキスをして執務室に向かうレオを見て、エマが盛大に溜息をついた。
「あれダレですか。″氷の王太子″は何処行きました?」
「旅にでも出てるんじゃないかしら」
「長旅ですね…」
エマがはぁっと重い溜息をついた。エマも、レオの過保護っぷりに辟易としていた。
「今日は王妃様のお茶会に招待されているのよね」
「はい、準備をして行きましょう」
「ドレスはこちらでいかがでしょうか」
「素敵ね。…首が隠れて」
「……独占欲の塊が集中してますからね!」
またしてもエマがぷりぷりと怒っている。可愛いドレスが着させられないと毎日呟いている。理由は…全身に跡がくっきりついているからだ。
「いらっしゃい、レティアちゃん」
「王国の月にご挨拶申し上げます」
「王太子妃教育はもう終了してもいいわね。あとは実践と慣れだから」
「本当ですか!良かったです!実家にも帰れますね!」
「そうねぇ…家族にも会いたいわよねぇ。結婚したらなかなか会えないから」
「はい!色々と心配を掛けてしまったので…」
「本当に申し訳ないわ…」
王妃様は眉を下げて困った顔をしている。きっと色々として下さったんだろうな。
「でも残念ながら、帰れないと思うわよ」
「えっ!?」
一度入ると出られない迷宮ラビリンス…ではない王宮から、私は出られないらしい。
何故なら…
「3ヶ月後に聖マルクネス教会で挙式よ」
「へっ?」
「レオが病んでる時に挙げた功績がやたらと多くて、陛下が褒美をあげるって話になってね」
「あ、はい」
「レティアちゃんとすぐに結婚するって言ったのよ」
「……無理…でしょうね、それは」
王族の結婚式にはかなりの時間がかかる。来賓だって多いし、料理やら設備やら数え出したらキリがない。しかも、ドレスだって時間はかかる。
「それがねぇ、終わっちゃったのよねぇ…」
「……は?」
王妃様は頬に手を当てて、悩ましげに目線を下げる。わぁ、凄い色っぽい…じゃなくて!!
終わった…ですと?
「レオを不眠不休で働かせると、碌な事にならないわね。まぁ、来賓や会場やドレスが全部終わってるなら私は問題ないんだけどね。可愛い娘も出来るし」
「それは…ありがとうございます…?ん?」
「まぁ…びっくりするわよねぇ…」
「何が何だか…」
頭の中を疑問がグルグルと回っている。どうやれば1年かかる準備が半月で終わる?来賓の予定を確保できるのか。
謎すぎで、レオは一体何をしたのかが気になる。
「答えは簡単。初めからその日に向けて準備してたからだよ」
「ひゃああ!!」
耳元で囁かれて驚きて叫んでしまった。王妃様が笑っている。
「あなた、本当にタチが悪いわね。ちゃんと言ってなかったの?」
「出来れば当日まで内緒にしようかと思ってたんですけどね。母上がバラしちゃったから」
「馬鹿ね。当日まで内緒にしたりなんかしたら、挙式前に花嫁の脱走事件が起きるわよ」
「え、ティアほんと?」
「そうですね、納得いかないですね」
「怖っ!」
怖いのは隠したまま挙式しようとするレオだ。何を企んでたんだ、何を。
「だって実家に帰るとか、式があるから一緒に寝ないとか言い出しそうだし」
「まさにそれよ、私が今日お茶会をしたのは」
「何かあるんですか?」
「まず、3ヶ月後だからわからないといえばそうだけど、妊娠はダメよ?悪阻とかあるかもだから。あと、挙式が近くなったらキスマークもダメ。足腰が立たないまでするのもダメ……聞いてるの?レオ」
「俺にばっか都合が悪い。妊娠は、今の所ないです。計算してるので」
「あわわわわ…」
むくれるレオと、慌てる私。心当たりがありすぎるぅ。これは一緒に寝たらダメだな。絶対押し切られて好きにされちゃう。始まっちゃったらぐずぐずにされて抵抗できないし…。
「ティア顔真っ赤」
思い出しちゃった?とこっそり聞いてくる。
「違っ…!れ、レオは準備どう、どうやったの!?」
慌てて話題を変えたけど、レオの、ニヤニヤは止まらない。
「そりゃティアと婚約の話を取り付ける時に、1年後空けといてねって主要な来賓に知らせて、教会に手を回して、設備も1年前から徐々に進めて、ドレスもその時からデザインして……最初から婚約して何年も待つつもりは無かった」
「あなたそんな前から計画してたの!?」
「初めて会った日に、1年後の今日、結婚するって決めてた。早まるのはいいけど、それ以降になるのは我慢ならないし。だから、ティアに初めて会った日が結婚記念日」
「レオ……」
この天使で悪魔な男は、どれだけ自分に惚れさせる気なのだろう。驚きと嬉しさで胸が締め付けられる。
ポロリと涙が溢れる。
「え!?ティア!?嫌だった!?相談せずに勝手に決めたから怒った!?ごめんね、泣かないで!?」
「違…嬉しくて…。ドレスだって…前からデザイン画見ながら何度も好み聞いてたし…私が決められるのはドレスだけだし…」
「うん、何回も何種類も見せてたよね。だから、ティアだけが似合うドレスが仕上がってる」
「も…、私に甘過ぎぃ…」
優しい手つきで頭を撫でるレオが、愛しい。強引で、意地悪な面がほとんどの王太子様。
でも、とびきり甘くて優しい。
涙をハンカチで押さえながら、今日から私も挙式準備を手伝う事を約束した。
王妃様は微笑ましいと言っていたが、自分の息子が周到すぎて怖いと本気で引いていた。
ちなみに破瓜の証も既に教会に提出済という話を聞いて、しばらく脳内停止をしたのは言うまでもない。
感想 5
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