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なんだか
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「驚い…てはいるけど…」
正直なところ、1ヶ月も僕のことを遠くから観察した上で、彼女が僕の人となりを判断したのなら、彼女の言い分もある程度の説得力があるような気がした。僕と言う人間が空っぽであることは僕自身が1番分かってる。そう見えるのも無理ない。実際空っぽなのだから。それは僕を遠くから観察する人間が持つ感想としては至極真っ当であると思う。ただ流石の僕も人と直接話す上ではある程度のことは考えて話す。だから僕のことを興味を持って遠くからずっと観察しない限り、僕が隙だらけで、何も考えてない空っぽな人間であることは分からないように思える。僕がというよりも、人間誰しもそんな簡単に他人から見てあぁ、この人は空っぽで、それがよりにもよっていい意味で空っぽなんだなと思うなんてことはないんじゃないかと思う。そういう意味では何故僕なんかを1ヶ月も観察し続けたのだろうと驚きよりも疑問を強く感じた。
「よくもまぁ僕なんかをそんな長い間観察できたね。そこまで僕は魅力のある人間ではないと思うけど。」
女はそうだね、と小さく同意し、
「最初は正直誰でも良かったし、色んな人のことを観察してたよ。君だけじゃない。」
「ふーん。」
なるほど。
「でも君ほど同じことを繰り返してる人間はいなかった。興味を持ったというか、観察しやすかったの方が近いかも。」
「あぁ…」
それは納得できる。観察しがいがあるというより、観察が楽だったんだな。
「でも、それだけじゃないよ。」
それだけじゃない?
「やっぱり、君がいいと思ったの。私も君と一緒。毎日同じように空っぽに日々を過ごしてる。」
「君も?」
「うん。」
女は小さく頷く。
「遠くから見てたのに、鏡に近づいて自分の姿を覗いてるように感じたんだ。」
「へぇ…」
女から、先ほど自分が思ったことと全く同じことを言われ、僕はそれが妙に心地よく感じてしまった。
多分この瞬間から僕らの命のカウントダウンは始まったんだと思うを
死神に魅入られたのだ。僕を導く死神の顔は思えば実に僕好みの顔をしていた。吸い込まれるような黒い眼はこの人となら死んでもいいと思わせる不思議な力を感じさせた。
正直なところ、1ヶ月も僕のことを遠くから観察した上で、彼女が僕の人となりを判断したのなら、彼女の言い分もある程度の説得力があるような気がした。僕と言う人間が空っぽであることは僕自身が1番分かってる。そう見えるのも無理ない。実際空っぽなのだから。それは僕を遠くから観察する人間が持つ感想としては至極真っ当であると思う。ただ流石の僕も人と直接話す上ではある程度のことは考えて話す。だから僕のことを興味を持って遠くからずっと観察しない限り、僕が隙だらけで、何も考えてない空っぽな人間であることは分からないように思える。僕がというよりも、人間誰しもそんな簡単に他人から見てあぁ、この人は空っぽで、それがよりにもよっていい意味で空っぽなんだなと思うなんてことはないんじゃないかと思う。そういう意味では何故僕なんかを1ヶ月も観察し続けたのだろうと驚きよりも疑問を強く感じた。
「よくもまぁ僕なんかをそんな長い間観察できたね。そこまで僕は魅力のある人間ではないと思うけど。」
女はそうだね、と小さく同意し、
「最初は正直誰でも良かったし、色んな人のことを観察してたよ。君だけじゃない。」
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「あぁ…」
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