夕焼け

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出会い

オンラインとオフライン

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「じゃあ、また会社でね!」
永井のアパートから出る時、永井は会社での、あのにこやかな笑顔を見せた。その笑顔が、先ほどまでの非日常を、今まで通りの、何の変哲もない、日常に変えていく。いつも永井がにこにことした表情をするのは、昨晩や今朝のような自分を隠すためなのだろうか。本当の永井はどれがスタンダードなのか分からないけれど、分からなくていいと思った。むしろ、分からない方がいいのではないかと思う。
永井の家から自宅へ歩く途中、昨日の猫をみつけた。
「にゃー。にゃー。」
猫は昨日のように甘えた鳴き声で俺に近づく。昨日とは多分、色々違うであろう俺のことを、この猫は覚えているのだろうか。それとも、甘えさせてくれるのであれば誰でもいいのだろうか。猫を昨日よりもしっかりと撫で回し、頭をぽんぽんと軽く叩く。猫は不思議そうに俺の顔を覗き、再び
「にゃー。」
と甘えた声で鳴いた。
あと15分もすれば、また小学生が来る。俺は小学生に遭遇する前に猫を後にし、自宅へ足早に歩いた。
家に着くとすぐにシャワーを浴び、昨日の朝のように、氷の入ったコップに注いだ炭酸水を飲む。もうアルコールはほどんど体に残っていなかったが、炭酸水を飲むことで、少しすっきりした気持ちになった。
時刻は8時50分。まだ会社に行くまで時間があったので、昨日始めたチャットを覗いてみると、昨日友だち申請したをした人から返信が来ていた。

返信を返してくれたこは4人いて、1人目はまだ社会人になっていない大学生だという明美。2人目は自分と同じ社会人2年目で商社に勤めてる結花。3人目は年齢不詳のフリーターの南。4人目は永井と似たような髪型だが、顔は少しクール系の顔写真を載せた、あいうえおと名乗る子であった。とりあえず無難な返事をそれぞれにすると、明美からすぐに返信が来た。

明美>よろしくー!社会人?

大和>はい。2年間小さな文房具メーカーで働いてます。

明美>そーなんだー!文房具よく使ってますよ!大学生ですからwww

大和>そうですか。

明美さんが退室しました。

チャットというのは中々難しいものだ。相手がノリノリだと思っても、次の瞬間冷めていなってしまう。
こんな調子で会社を出るまでに4人全員から退室されてしまい、自分はチャットに向いてないのではないかと思い、へこんだ。永井の家に行ったことが随分昔のように感じる。とりあえずあと一週間だけやってみて、何もなかったらやめてしまおう、俺はそう心に決めた。

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