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出会い
コツ
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「うーんまあ、控え目にいってゴミのような応対だな。」
山本は遠慮というものを知らない。ずかずかと人を傷つけるような言い方を平気で言う時が多々ある。それでも不思議なもので周囲の人間から嫌われることはあまりない。俺も苦手なタイプではあるものの、嫌いなわけではない。普段からおちゃらけて、そういった邪険な言葉も軽く聞き流せるような雰囲気が出ているからなのだだろうか。
「ゴミは言い過ぎだよ。山本さん。でも確かにかなり問題のある対応ではあるよね。」
山本にゴミ扱いされ、永井からも手厳しい指摘を受け、少し凹む。一体何がいけないというのだろう。礼儀を重んじて会話をしただけなのに、それのどこに問題があるのかよく分からない。
「お前、友だちにもいつもこういう態度とってるの?ごみなの?」
「あの、アドバイスを教えてくれよ。ゴミとか言わずに。地味に傷つくんだが。」
「いやいや、まず自分で気づかないっていうのがおかしいでしょ。」
おちゃらけて軽いとはいえ、先ほどまではどこか憎めず、知的な雰囲気だった山本がゴミゴミ連呼するようになり徐々に苛立ちが湧いてくる。カレーがうまいからまだなんとか我慢できるものの、カレーがまずかったら顔面にぶちまけているところだ。
「うーん。私も流石にこの応対だとチャットをしようとは思わないかなぁ。あと、山本さん。ゴミゴミうるさい。せっかく美味しいオムライス食べてるんだから、食欲なくなるようなこと言わないで。」
そう言いながらも永井はぱくぱくとオムライスを食べる。基本がさつ加減がひどい。昨日の色っぽさや今朝の無機質感を全く感じさせない振る舞いである。
「……どこがいけないんだ?」
ゴミゴミ言われる中少し考えてはみたものの、分からないことはやっぱり分からない。
「田中さんは、他人行儀でいる人と仲良くなりたいと思う?」
ようやく永井が助言をしてくれる様子を示した。他人行儀であるといっても元々知り合いではない人に対して馴れ馴れしいのもどうかと思うのだが、そういうものではないのだろうか。
「よく会話はキャッチボールに例えられるけど、キャッチボールにおいてボールをちゃんと投げ返すことは当たり前のことだろ?相手がいつも会話を振ってくれるわけじゃないんだから、せめて会話が進むような応対をしないととだめじゃんか。」
山本もようやく罵倒ではなく助言をくれた。
「会話が進むような応対?例えばどんな感じだよ。」
永井はオムライスを完食し、口をナプキンで拭く。コップに残った水も飲み干し、少しすると
「じゃあ今から私と山本さんがさっきの田中さんがやってた話し方と、チャットが続くような話し方をしてみるから、自分でどこが違うのか考えてみて。」
と山本に目配せをした。山本もやれやれといった感じで永井の目配せに応える。2人はすでに会話のキャッチボールなるものが出来ているように、会話下手な俺は感じた。
「じゃあまずは田中さんがチャットでやってたパターンの会話ね。」
「おう。」
永井と山本の様子を俺は注意深く観察する。
永井>こんにちは!
山本>こんにちは。
永井>今日は天気がいいですね!
山本>そうですね。
永井>こんな天気がいいと散歩したくなっちゃいますね!
山本>そうですね。
永井>普段散歩とかよくしますか??
山本>あまりしませんね。
永井>そうなんですかー!インドア派なんですか??
山本>そうですね。
永井>お家では何をしてるんですか??
山本>基本寝てます。
永井>そうなんですね!!仕事がお疲れなんですね!!
山本>そうですね。
永井>……えーっと、お仕事は何されてるんですか??
山本>文房具メーカーです。
永井>そうなんですか!!すごい!
山本>そうですか。
永井>うん!ふりしゃーとかよく使ってましたよ!
山本>そうですか。
永井>うん!
永井と山本はちらちらと俺の様子を伺い、話を続ける。
永井>えーっと、文房具メーカーってどんな仕事をされるんですか??
山本>僕は人事なので、社内トラブルに対処したりとかしてますね。
永井>そーなんだ!大変ですねー
山本>そうですね。
永井>今まで一番大変だったなーって思ったことは何ですか??
山本>それは社外秘なので。
永井>そうですかー。でも色々大変なんですね!!
山本>そうですね。
永井>ストレスとかたまっちゃいますよね??
山本>そうですね。
永井>私も日々ストレスとの戦いですよー!
山本>そうなんですか……
側から見ているとそこまで変な会話ではないと思う。相手の質問に対してきっちりと返してるし、多少淡白ではあるが分かりやすくていいのではないかと感じる。
「どう?」
山本が俺にきく。
「いや、別にいいと思うけど。」
俺がそう答えると、2人は顔を見合わせ
「……だめだこりゃ」
「……そうねー」
とため息をついた。ただでさえ鬱陶しい時が多々ある2人がコンビになるとさらに鬱陶しさが二乗される。段々面倒くさく感じてきた。
「じゃあ次はさっき言ったようにチャットが続くようにやるぞ?」
「おう。」
鬱陶しい、面倒くさいと思いはするが、ここで投げ出したら何も進歩がない。それにむかつくだけで終わってしまうのはただ損した気分になるだけだ。今後のためにも多少は我慢するしかない。
永井>こんにちは!
山本>こんにちはー。
永井>今日は天気がいいですね!
山本>だねー。昼寝したら気持ちよさそうだ。
永井>確かに!散歩日和でもありますよねー!
山本>うん。代々木公園とかでのんびりしたい。
永井>いいですねー、代々木公園!最近はあんまり時間ないから行けてないけど、今度ゆっくり行ってみよっかな!
山本>いいですね。代々木公園の近くに最近美味いホットケーキ屋ができたんですよ。
永井>そうなんですか??なんてお店ですか??
山本>うーん。それは秘密笑
永井>えーっ!教えてくれてもいいじゃないですかー!
山本>美味いところは自分でみつけるもんだよー。それにあんまり人来ちゃうとゆったりできないもの。
永井>いやーっ、けちですね!
山本>まあまあ。……じゃあ君が本当に甘いもの好きだと俺が認めるレベルだったら教えてあげよう。
永井>本当ですか??よしっ!こいっ!
山本>うむ。第1問……
2人は俺をちらっと見る。
「どう?」
永井が俺にきく。
「どうって……最初の会話の方がいい感じに思えたけど。」
「えっ?なんでさ?」
山本が怪訝そうな顔をする。
「うーん、だって、後半の会話ってなんか無理してる感じしない?」
「しないだろ。これで無理してる感じあるんだったらチャットなんてやらない方がいいぞ。」
山本の口調が徐々に冷めていっているような気がした。山本は普段後半での会話のような話の広げ方をすることが多いのだろう。
「そうかー?」
「……まあいいや。今の会話の前半と後半で何か違うなって思ったところはある?」
「そうだなー。さっき言ってた話題提示に関しては後半の方があったかもしれない。」
山本も俺と同じカレーを頼んでいたが、あまり食が進んでいない。山本のことはコミュニケーション能力も仕事の能力も高く、尊敬する部分は多々あるものの、根本的に俺たちは相容れない存在なのかもしれない。
「なんだよ。分かってるじゃん。そういうことだよ。話相手はお前の良い反応を待ってるんだよ。お前の反応は淡白だし、広がらない。話を広げる作業ってのは2人で話す場合、お互いが広げていこうって思わないと中々広がらないもんだし、自分が広げようとしてるのにそれに相手が乗ってこないとすごい疲れるんだよ。」
そういうものなのだろうか。その感覚はよく分からない。元々口下手なので必要以上に会話をしようと思わない性格で、自分が話さなくても、相手が話したいことを話していればそれでいいのではないかと感じてしまう。でも、今まで会話が上手くいかないなと思う場面は、思い返してみると自分が相手に対して淡白すぎたのかもしれない。幸子も永井も山本も、俺の周囲の人間は、みんな積極的に自分の話を展開するため、自分から話を広げようとしなくても良かったから、それでいいのだと思っていた。
「そうか、分かった。参考にするよ。」
そう言ったあと、永井の方をちらっと見ると永井は
「うん。」
軽く頷き、にこにことする。会社での永井も山本同様苦手だなと感じる時があり、今はそれを少し強く感じる。でも、きっとそれは山本や永井に問題があるのではなく、俺に問題があるからなのだろう。
これを機に少しずつ直してみよう。そしたら他人との関わりも今より楽しくなるかもしれないし、もしかしたら幸子とも、また何か違った関係が構築できるかもしれない。
山本は遠慮というものを知らない。ずかずかと人を傷つけるような言い方を平気で言う時が多々ある。それでも不思議なもので周囲の人間から嫌われることはあまりない。俺も苦手なタイプではあるものの、嫌いなわけではない。普段からおちゃらけて、そういった邪険な言葉も軽く聞き流せるような雰囲気が出ているからなのだだろうか。
「ゴミは言い過ぎだよ。山本さん。でも確かにかなり問題のある対応ではあるよね。」
山本にゴミ扱いされ、永井からも手厳しい指摘を受け、少し凹む。一体何がいけないというのだろう。礼儀を重んじて会話をしただけなのに、それのどこに問題があるのかよく分からない。
「お前、友だちにもいつもこういう態度とってるの?ごみなの?」
「あの、アドバイスを教えてくれよ。ゴミとか言わずに。地味に傷つくんだが。」
「いやいや、まず自分で気づかないっていうのがおかしいでしょ。」
おちゃらけて軽いとはいえ、先ほどまではどこか憎めず、知的な雰囲気だった山本がゴミゴミ連呼するようになり徐々に苛立ちが湧いてくる。カレーがうまいからまだなんとか我慢できるものの、カレーがまずかったら顔面にぶちまけているところだ。
「うーん。私も流石にこの応対だとチャットをしようとは思わないかなぁ。あと、山本さん。ゴミゴミうるさい。せっかく美味しいオムライス食べてるんだから、食欲なくなるようなこと言わないで。」
そう言いながらも永井はぱくぱくとオムライスを食べる。基本がさつ加減がひどい。昨日の色っぽさや今朝の無機質感を全く感じさせない振る舞いである。
「……どこがいけないんだ?」
ゴミゴミ言われる中少し考えてはみたものの、分からないことはやっぱり分からない。
「田中さんは、他人行儀でいる人と仲良くなりたいと思う?」
ようやく永井が助言をしてくれる様子を示した。他人行儀であるといっても元々知り合いではない人に対して馴れ馴れしいのもどうかと思うのだが、そういうものではないのだろうか。
「よく会話はキャッチボールに例えられるけど、キャッチボールにおいてボールをちゃんと投げ返すことは当たり前のことだろ?相手がいつも会話を振ってくれるわけじゃないんだから、せめて会話が進むような応対をしないととだめじゃんか。」
山本もようやく罵倒ではなく助言をくれた。
「会話が進むような応対?例えばどんな感じだよ。」
永井はオムライスを完食し、口をナプキンで拭く。コップに残った水も飲み干し、少しすると
「じゃあ今から私と山本さんがさっきの田中さんがやってた話し方と、チャットが続くような話し方をしてみるから、自分でどこが違うのか考えてみて。」
と山本に目配せをした。山本もやれやれといった感じで永井の目配せに応える。2人はすでに会話のキャッチボールなるものが出来ているように、会話下手な俺は感じた。
「じゃあまずは田中さんがチャットでやってたパターンの会話ね。」
「おう。」
永井と山本の様子を俺は注意深く観察する。
永井>こんにちは!
山本>こんにちは。
永井>今日は天気がいいですね!
山本>そうですね。
永井>こんな天気がいいと散歩したくなっちゃいますね!
山本>そうですね。
永井>普段散歩とかよくしますか??
山本>あまりしませんね。
永井>そうなんですかー!インドア派なんですか??
山本>そうですね。
永井>お家では何をしてるんですか??
山本>基本寝てます。
永井>そうなんですね!!仕事がお疲れなんですね!!
山本>そうですね。
永井>……えーっと、お仕事は何されてるんですか??
山本>文房具メーカーです。
永井>そうなんですか!!すごい!
山本>そうですか。
永井>うん!ふりしゃーとかよく使ってましたよ!
山本>そうですか。
永井>うん!
永井と山本はちらちらと俺の様子を伺い、話を続ける。
永井>えーっと、文房具メーカーってどんな仕事をされるんですか??
山本>僕は人事なので、社内トラブルに対処したりとかしてますね。
永井>そーなんだ!大変ですねー
山本>そうですね。
永井>今まで一番大変だったなーって思ったことは何ですか??
山本>それは社外秘なので。
永井>そうですかー。でも色々大変なんですね!!
山本>そうですね。
永井>ストレスとかたまっちゃいますよね??
山本>そうですね。
永井>私も日々ストレスとの戦いですよー!
山本>そうなんですか……
側から見ているとそこまで変な会話ではないと思う。相手の質問に対してきっちりと返してるし、多少淡白ではあるが分かりやすくていいのではないかと感じる。
「どう?」
山本が俺にきく。
「いや、別にいいと思うけど。」
俺がそう答えると、2人は顔を見合わせ
「……だめだこりゃ」
「……そうねー」
とため息をついた。ただでさえ鬱陶しい時が多々ある2人がコンビになるとさらに鬱陶しさが二乗される。段々面倒くさく感じてきた。
「じゃあ次はさっき言ったようにチャットが続くようにやるぞ?」
「おう。」
鬱陶しい、面倒くさいと思いはするが、ここで投げ出したら何も進歩がない。それにむかつくだけで終わってしまうのはただ損した気分になるだけだ。今後のためにも多少は我慢するしかない。
永井>こんにちは!
山本>こんにちはー。
永井>今日は天気がいいですね!
山本>だねー。昼寝したら気持ちよさそうだ。
永井>確かに!散歩日和でもありますよねー!
山本>うん。代々木公園とかでのんびりしたい。
永井>いいですねー、代々木公園!最近はあんまり時間ないから行けてないけど、今度ゆっくり行ってみよっかな!
山本>いいですね。代々木公園の近くに最近美味いホットケーキ屋ができたんですよ。
永井>そうなんですか??なんてお店ですか??
山本>うーん。それは秘密笑
永井>えーっ!教えてくれてもいいじゃないですかー!
山本>美味いところは自分でみつけるもんだよー。それにあんまり人来ちゃうとゆったりできないもの。
永井>いやーっ、けちですね!
山本>まあまあ。……じゃあ君が本当に甘いもの好きだと俺が認めるレベルだったら教えてあげよう。
永井>本当ですか??よしっ!こいっ!
山本>うむ。第1問……
2人は俺をちらっと見る。
「どう?」
永井が俺にきく。
「どうって……最初の会話の方がいい感じに思えたけど。」
「えっ?なんでさ?」
山本が怪訝そうな顔をする。
「うーん、だって、後半の会話ってなんか無理してる感じしない?」
「しないだろ。これで無理してる感じあるんだったらチャットなんてやらない方がいいぞ。」
山本の口調が徐々に冷めていっているような気がした。山本は普段後半での会話のような話の広げ方をすることが多いのだろう。
「そうかー?」
「……まあいいや。今の会話の前半と後半で何か違うなって思ったところはある?」
「そうだなー。さっき言ってた話題提示に関しては後半の方があったかもしれない。」
山本も俺と同じカレーを頼んでいたが、あまり食が進んでいない。山本のことはコミュニケーション能力も仕事の能力も高く、尊敬する部分は多々あるものの、根本的に俺たちは相容れない存在なのかもしれない。
「なんだよ。分かってるじゃん。そういうことだよ。話相手はお前の良い反応を待ってるんだよ。お前の反応は淡白だし、広がらない。話を広げる作業ってのは2人で話す場合、お互いが広げていこうって思わないと中々広がらないもんだし、自分が広げようとしてるのにそれに相手が乗ってこないとすごい疲れるんだよ。」
そういうものなのだろうか。その感覚はよく分からない。元々口下手なので必要以上に会話をしようと思わない性格で、自分が話さなくても、相手が話したいことを話していればそれでいいのではないかと感じてしまう。でも、今まで会話が上手くいかないなと思う場面は、思い返してみると自分が相手に対して淡白すぎたのかもしれない。幸子も永井も山本も、俺の周囲の人間は、みんな積極的に自分の話を展開するため、自分から話を広げようとしなくても良かったから、それでいいのだと思っていた。
「そうか、分かった。参考にするよ。」
そう言ったあと、永井の方をちらっと見ると永井は
「うん。」
軽く頷き、にこにことする。会社での永井も山本同様苦手だなと感じる時があり、今はそれを少し強く感じる。でも、きっとそれは山本や永井に問題があるのではなく、俺に問題があるからなのだろう。
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