20 / 28
第十六話・鬼に金棒、猫に???(後編)
しおりを挟むターニーに注文しておいたシトリンの武器が完成する日、三人は再び開陽の塔へ。
「こんな感じでどうかな。デザインは猫獣人であるシトリンちゃんに合わせてみたんだけど」
そう言ってターニーがおもむろに持ってきた槌は……。
「猫の手⁉」
「肉球⁉」
「槌……ですよね?」
誰がどれだか、いずれも反応は似たようなもので。
それは、柄の部分を含めた全長がシトリンの身長よりも高い一七〇センチほど。それそのものは怪力のシトリンなので問題はなかったのだが、三人の目を引いたのはその槌の先端部分。
「えーと、猫の手……ですよね?」
「だね!」
そう、柄の先は猫の手のひらを模したデザインになっているのだ。といっても直径で約七〇センチほど、ちょうどシトリンがひざをかかえて座ったときと同じくらいのサイズ。
つまり、柄の先に巨大な猫の手があるという『巨大な猫グッズ』のようで。
「とりあえずシトリンちゃん、持ってみて?」
そう言ってターニーが差し出すそれを、
「あ、はい……」
と恐々と両手で受け取るシトリン。
「結構、ズシッてきますね」
「あ、重すぎた?」
「いえ、ちょうどいいです。むしろ普段使いしてるやつのが軽かったので」
ちなみにシトリンが普段使いしている戦闘槌、実に四百五十キロあるのだが。
「ギリで一トンは切ってるけど、安っぽい木の床とかに置いたら底が抜けちゃうから注意してね」
「はい、ありがとうございます!」
二人の会話を黙ってみていたマリンだったが、
「ちょっとシトリン、いい?」
「はい?」
マリンはシトリンが持っている槌の先端、なにかの鉱物で加工されている肉球部分を触ったりコンコンと叩いてみたりして感触を確かめる。
「これ、ダマスカス鋼なんじゃ……」
驚きを隠せないマリン。だがリビアンは苦笑いをしながら、
「いやいや、マリン殿。ダマスカス鋼の製造加工なんて神話に出てくるレベルの、『失われた技術』であろう。そもそもダマスカスそのものが、存在するかどうかも都市伝説だといわれてるぐらいで」
だがターニーはキョトンとして、
「いや、合ってるよ。それはダマスカス鋼だね」
「え……⁉」
「やっぱり‼」
「『だますかす』って、なんです?」
反応もやはり三者三様である。
まずダマスカス鋼と呼ばれる、『世界最強の硬度』を誇る鉱物がかつて存在していた。だがそれは古代遺跡から発見される『古文書』の中にのみ存在し、誰も実際にそれを目にした者はいない。
そして古文書の記述のとおりならば、その硬度ゆえに加工も並大抵ではない……というか人間では不可能に近い。一説には、空から降ってきた『星の欠片』からしか採れないともいわれていて。
「あー、企業秘密だからどこから入手したかは言えないけど。ダマスカス鋼なのは間違いないよ」
よくよく考えてみれば、古代遺跡から出土される古文書がまだ古文書じゃなかったころからターニーは生きているのだ。彼女にとってその古文書は、今の時間を生きる人間たちにとっての『本屋でいつでも買える物』ぐらいの認識でしかないだろう。
「ちょっと私もよいだろうか⁉」
そう言ってリビアンは、返事を待たずに槌の先端に触れる。
「肉球を模してはいるが、確かに未知の硬度……宇宙から落ちてきても傷一つ負わなさそうな」
「アダマンタイト鋼よりも硬そうじゃね……」
マリンが口にした『アダマンタイト鋼』、これはダマスカス鋼とは対極をなす存在だ。といっても硬度の話ではなく、まるで架空の物であるかのようなダマスカスとは対極的に『実在している』という意味で。
「アダマンタイトであっても、これだけの巨大な塊はもはや神話レベルだが」
リビアンは開いた口が塞がらない。アダマンタイトは実在する世界最強の硬度を誇る鉱物でありながら、誰もがその手に取ることができるものではないからだ。
「アダマンタイトは私も、戦闘奴隷時代に聞いたことがあります。原石は最大で握りこぶしほどしかないのに、滅多に採れないことから希少価値があるとも」
シトリンも、ようやく自分の手に持っている物の価値を把握することができて冷や汗が止まらないでいる。
「これには、もう一つシトリンちゃんに合わせた仕かけがしてあってね。確認だけど、シトリンちゃんて、『闘氣』を自在に出せる?」
「……初耳ですけど、それはどういったものでしょうか?」
「あーそうだね、意識したことがないなら説明が難しいんだけど……」
ちょっと困ったような表情を浮かべたターニー、何かを思いついたのかニッと笑う。そしてチラと意味ありげな視線をマリンに向けて、小さく頷く。
「そっかー、シトリンちゃん知らないんだ? いくら奴隷だからって、こんなのも知らないとはきっとご主人様であるマリンさんもアホなんだろうね?」
「は?」
「ご主人様の頭がスッカスカだから、奴隷もそれに似ちゃうのかな」
いきなりシトリンというかマリンの悪口雑言を並べたて始めたターニーに、最初は困惑が隠せなかったシトリン。だがシトリンよりも先に、まずリビアンの表情が変わる。
「シトリンちゃんは悪くないよ、教えなかったマリンさんが悪い。いや、知らないから教えられなかったのかな? マリンさんて本当に使えないよね」
「ターニー殿、何を……」
ムッとした表情で横入りしようとしたリビアンを、マリンが無言のまま片手で制した。そのマリン、自分が罵倒されているにも関わらず表情は変わらず……むしろ、ちょっと笑いを堪えてる節さえある。
だがシトリンは、それどころではない。憤怒の感情がその表情に、琥珀色の瞳に宿る。
そしてターニーは小馬鹿にしたような表情で、さらに続けた。
「こんな子どもでも知ってるようなことを知らないなんて、SSランクハンタ―て眉唾じゃないの? マリンさんは大ウソつきだね」
「……マリンさんの悪口を言うなぁっ‼」
殺気だったシトリンが槌の柄をギュッと握りしめて、ターニーに思わず殴りかかろうとした瞬間だった。
『シャキーンッ‼』
と乾いた金属音がして、肉球を模した五本の指先から鋭利な刃が飛び出す。これもまた、猫の爪を模した形となっていた。
「ひゃあっ⁉」
思わずびっくりして、シトリンが腰を抜かしてしまう。ちょうど爪の形の刃が飛び出した位置がシトリンの頭上だったからいいようなものの……だが、なんとか柄から手を離さなかったのは上出来だろう。
「ターニーさんも性格が悪い……」
それを見て、マリンは苦笑いだ。シトリンに手を貸して立ち上がるのを手伝うと、
「さっきシトリンが抱いた殺気にも似た怒りの感情、これが『闘氣』じゃね。魔力と似てるけどちょっと違う、シトリンは普段意識していないだけで戦うときはこの力を使ってるんよ」
「へ?」
「なるほど!」
納得できないシトリンと、納得できたリビアン。
「先ほどシトリン殿は、マリン殿をバカにされた怒りで普段よりも何倍もの力が沸いたはずだ。そういうことで合ってるだろうか?」
「じゃね。でもターニーさん、手段は選んでくださいよ」
すこし責めるような目で、ターニーを見やるマリン。そしてターニーは気まずそうに笑いながら、
「ごめん、ごめん! 実際に自分で出したほうが説明しやすいと思ってさ。シトリンちゃんもごめんね?」
「はぁ……で、その闘氣ってのを出したら、爪が出る⁉」
「その爪もダマスカスだから、この世に斬れぬ物はないだろうね。なんだったら外に出て、この開陽の塔を根っこから斬り離すこともできるよ」
「……え」
「さっきのシトリンちゃんは、感情のままに無意識で闘氣を出したけど。これを意識的に出し入れすることを、まず覚えてもらわないといけないんだ」
この説明だけは、言い含めるように真剣な表情のターニーである。
「まず感情の制御。こんなおっかない鋼爪は、普段は使うことはあまりないだろうと思う。そして万が一に間違って出してしまった場合、意識して引っ込める必要もあるね」
「それが、自らの身体から出し入れする闘氣と同期しているわけですね?」
そう確認するマリンは、ちょっと迷惑そうな表情だ。そして続けて、
「なんつーおっかない武器を作るんですか、あなたって人は……」
と言いながらジト目をターニーにくれる。
「いやぁ~、頑張りすぎちゃって。てへ!」
リビアンとシトリンは、スケールの大きさに二の句が告げないでいた。
「ふざけるなっ‼」
突如として、開陽の塔は最上階――ターニーの居室から怒声が響く。階下の客間にお世話になっているマリンたち三人は、そのただならぬ雰囲気を察して階上へ急いだ。
「ターニーさん⁉」
見るとターニーは魔導映像受信機のモニターの前で、褐色肌でもわかるくらい顔を真っ赤にして憤っている。
「いったい何が……」
マリンたち三人、モニターを注視してみると。
『渦中のテュムラス・スファレライト男爵に独占インタビュー‼』
という派手なテロップ。そして、インタビューを受けている男爵の画面に、
『不完全な魔導具が出回ったことによる哀しい事故でした』
『誰もが安心して使える魔導具の開発に尽力していただきたい』
などの字幕。かの魔導運転轡は六賢者が一人、ソラの商会で設計開発されたものだ。
そして制作は同じく、六賢者が一人のターニーの工房が請け負った。そして本来ならば、男爵がそう主張した以上はソラとターニーの元へ捜査の手が伸びる。
そしてターニーが憤ったのは、それに関するコメンテーターの……。
『かの六賢者は、「不可侵条約」で守られていますからね。たとえ王室といえど安易に口出しができないわけですよ』
不可侵条約とは、帝国皇室を始めとする七ヶ国の王家は六賢者に不利益な干渉をしないことを条件として、六賢者にも内政干渉をさせないという相互条約だ。
この場合、男爵はここミザール王国の王が叙爵しているわけなので……捜査の手はソラにもターニーにも出しにくいという現況となっていた。
『まぁ被害にあった七名、うち三名が死亡した惨憺たる結果になってしまいましたが六賢者には最終的には手を出せません。まぁ国としても被害者としても泣き寝入りでしょうなぁ』
これはつまり、男爵の言うとおり魔導具は欠陥品だが誰も文句が言えないと主張しているわけである。
「このクソ野郎、あのときに殴っておくべきだったぜ!」
リビアンもターニーに同調して、今にもモニターに掴みかからんばかりだ。まさしくリビアンが懸念したとおり、放送局による貴族社会へ忖度ともいえる報道内容である。
「このままじゃ、ソラ姉もターニーさんもダーティーイメージがついたままじゃね」
マリンが厳しい表情でつぶやく。
「貴族なんて、そんなものですよ」
シトリンは、無表情でポツリと吐き捨てた。かつて戦闘奴隷時代……観客席で選手として駆り出された奴隷たちの勝敗に熱狂して賭博に興じていたのは、ほかならぬ貴族を始めとした富裕層だった。
それを思い出して、シトリンは侮蔑の表情をモニターに投げかける。
「調査したいならしろってんだ、畜生。こっちから出向いてやろうか⁉」
ターニーが憮然として、悔しそうに声を絞りだすも……こっちはこっちで内政干渉になってしまう。お互いが手を出せないまま、事件は灰色の終息に向かっていたのだった。
「なんとかならないもんかな。このままじゃ、うちの工房もソラの商会も大ダメージだよ。もういっそのこと、ボクらで帝国を支配しちゃおうか」
ターニーが、物騒な発言だ。ここでいう『ボクら』とは、デュラ・ソラ・アルテ・イチマル・ターニー・ティアの六賢者。
もっとも六人集まらなくても、その一人ひとりがそれが可能な人智を超越した存在ではあるのだが。
「ターニーさん、落ち着いてください。そういう世紀末な事態にならないように、不可侵条約が結ばれたんですよ」
柔らかに諭すマリンだが、自分とて内心では腸が煮えくり返っている。
「わかってるよ、わかってはいるんだけど……くっそ、くっそ!」
怒りの持って行き場がなくて、ジレンマのターニーである。
「ターニーさんにお訊きします。魔導具の欠陥は、ないわけですよね。それは絶対ですか?」
ターニーをまっすぐに見て、マリンが問いかける。
「ちょっ、マリン殿⁉ ターニー殿に対してその発言は」
「確認なんです。捜査が全然されていない状況では、欠陥じゃないとは言い切れないのでは?」
「マリン殿‼」
もしターニーが本気でキレたら、三人がかりでも叶わない。リビアンは青い顔でマリンを諌めるが、マリンは興奮しているわけではなかった。
むしろ冷静で、静かにターニーの返答を待っているのだ。
「仮に……もし欠陥があったなら、責任は取る。王国の判決に従うよ。ボクが我慢できないのは、捜査も裁判もしてもらえないことなんだ」
そう言って、ターニーはギラつく視線をマリンに放る。
「わかりました、そのお覚悟がおありならば私に手立てがあります」
「え?」
「マリンさん?」
「マリン殿、なにを」
三者の反応に、マリンは無言でニコリと笑って返す。そしておもむろに携帯型魔電を取り出すと、いずこかへ発信。
『(トゥルルルル……トゥルルルル……プッ)はーい、クラリスちゃんでーす。ブルーですか?』
「はい、ブルーです。ちょっとお力をお借りしたくて魔電させていただきました、クラリス『殿下』」
魔電相手の声はマリンにしか聴こえないので、三人はマリンの『殿下』という呼びかけに三者三様の反応を示す。
「は、殿下? ……いやいや、クラリスって帝国皇太子の⁉」
リビアンは、この突然の流れについていけないでいる。
「あぁ、あの人か……」
そう呟きながら、ちょっとジト目になってしまうシトリン。
マリンの大好きな帝王イカを狩って、二人きりで楽しい酒宴(といってもお酒を呑むのはマリンだけ)を楽しみにしてたあの日。
いきなりマリン宅に天璇の塔のデュラと押しかけて、酒宴を始めてしまったこの帝国の皇太子、クラリス皇女。
相手は皇太子と六賢者の一人とあって、平民であるマリンと奴隷のシトリンは有無を言わさず『もてなす側』に回らざるを得なく……せっかくシトリンが持ち帰った帝王イカは、そのほとんどがクラリスとデュラのお腹に入ったのだった。
クラリスからは後日お詫びがあったものの、食べ物の恨み……いや、マリンとのしっぽり酒宴を邪魔された恨みは恐ろしいのである。
そして――ターニーの表情は強張っていた。
(クラリス……『七人目』か)
だが誰もターニーには視線を向けていないので、それは気づかれなかったけど。
「うん、そういうわけなんです。ところで殿下は今、どちらに? メグレズのアルテ姉のところですか?」
メグレズ王国は天権の塔、六賢者の長女格であるアルテ師のところにクラリスがいるという。ちなみにアルテは、マリンの腐女子友達である。
「はい……はい、わかりました。ではお願いしますね?」
そう締めて、マリンは魔電を切った。そしてターニーたちに向き直って不敵に笑ってみせると、
「目には目を歯には歯を。王侯貴族には王侯貴族じゃね」
そう言って、ウインクをしてみせるのだった。
さすがは次期皇帝の呼び名も高いクラリス皇女というか、事態は急展開をみせる。ソラとターニーの両師が捜査に協力的な姿勢というのも手伝い、ミザールの王室としても拒否できない空気ができあがる。
「あ、来た」
開陽の塔の最上階、ほぼ真円の間取りのその中央には大きな魔法陣。その魔法陣が俄に光を発し、それが治まったかと思うとローブを羽織った一人の女性が顕現する。
「ターニー、久しぶりね」
「開陽の塔へようこそ、ソラ」
そう、フェクダ王国は天璣の塔の魔女・ソラが魔法陣を利用して転移してきたのである。この通信用の魔法陣はソラが各賢者の塔に描いてまわった『作品』なので、『作者』であるソラだけはこれを利用して自由に行き来できるのだ。
「あら、お客さ……マリン? シトリンちゃんもどうしてここに?」
「お久しぶりです、ソラ姉」
「ソラ様、こんにちは」
ペコリと頭を下げる、マリンとシトリン。そして――。
「え? え? え? ソラ師⁉」
いきなり魔法陣から人が出現しただけでも腰を抜かしそうだったのに、それが六賢者が一人・ソラだったこともあってリビアンは狼狽しきりだ。
「あぁ、ソラ姉。紹介しますね、こちらリビアングラスさん。ふとした縁で友人になりまして、うちの近所に越してこられます」
マリンのその紹介を受けて、ソラはリビアンに右手を差し出す。
「はじめまして、ソラです。私について説明は不要かしら?」
「ももっ、もちろんです! お会いできて光栄です‼」
ガチガチになりながら、自らも右手を差し出すリビアン。手袋をしていたことに気づいて、慌てて取って。
二人が握手をするのを見ながらシトリンは小声で、
「マリンさん、マリンさん」
「ん?」
「リビアンさん、もう一生手袋を取れないですね?」
「うーん。私にはそういうの、よーわからんね」
「……でしょうね」
大陸六賢者のうち、ソラ・ティア・アルテ・デュラと知り合いでターニーとも縁ができた。というか帝国の皇女とも交友があるのだ、マリンにとって、自身が緊張するほどの存在というのはいない。
「実はソラ姉がここミザールに出向くことになったのは、私のせいでもあるんです」
「マリンの?」
「はい」
そこでターニーも交えて、これまでのいきさつをソラに説明。ふむふむと頷いていたソラは納得した顔になり、
「なるほどね。今クラリスはメグレズにいるから、なんでミザールの交通事故に関わってんのかと思ったらそういうことか」
「はい、お手を煩わせてしまい……」
「あぁ、気にしないでマリン。むしろ私もターニーも手が出せないまま、ブランドの地位が下がっちゃうところだったからね。感謝しているの」
「そう言っていただければ」
安堵の表情を見せるマリンに、ソラは優しく微笑んでみせる。
「さっそくだけどソラ、衛兵局にこれからボクと出向いてくれるかな。押収された遠隔操作機器を見分しよう」
「いいわね。もし『そう』だったらそのナントカ男爵を地獄に追い詰めてやりましょう。ただ本当に欠陥だったら、私たちも覚悟は決めないとね」
だがそう言ってのけるソラの表情には、一切の揺らぎがない。まるで、勝つことが決定している試合に出向く勝者の顔だ。
「ソラ姉、勝算はあるのですか?」
「ん? 『しかない』わね。ま、安心して待ってなさい」
「はい!」
そして、ターニーはソラを伴い塔をあとにする。残された三人は特にやることもなく待つしかなく、とりあえずのティータイムと洒落込む。
「マリン殿」
「ん?」
「もういちいち驚くのも疲れた。マリン殿はほかに、どのような人脈があるのだ? 差し支えなければ教えてもらえないだろうか」
リビアンは、少々ぐったりした表情である。もちろん、手袋も装着し直してあった。
ターニー、ソラと握手した手だ。サインももらっておけばと、少し悔やんでいるのは内緒である。
「んー、ソラ姉には小さいころから可愛がってもらってたし、ティアさんは恩人。アルテ姉は……まぁなんというか友人? ターニーさんとは今回が初対面で、クラリス殿下とは同じSSランクハンターとして交友があった。それぐらいじゃね」
「いや、それぐらいもなにも十分すごいのだが……ソラ師、ティア師とは必然の出会いだったように見受けるが、アルテ師とはいったいどうやって?」
「えーと、即売会で……知り合った、みたいな?」
「なんの即売会なのだ?」
「……魔導書の」
もちろん、それは大嘘であって。まぁある意味で魔導書ではある。
「マリン殿は魔法も使えるのか⁉」
「あ、いや。使えたらいいなって思って。ほら、錬金術に役立つかもしれんし?」
「ふむ。そのような場にも気さくに姿を見せてくれるのだな、アルテ師は」
「あ、まぁ……うん」
「マリン殿?」
さっきから挙動不審のマリン、早くこのネタが終わってくれないかと内心では祈りっぱなしである。まさかBLの薄い本の即売会で意気投合して友人となったなんて、死んでも言えない。
「まぁ、そのアレなんよ。アリオトは玉衝の塔のイチマル師とかはまだ会ったことないけん」
「まるで、メラクのデュラ師とは会ったことあるような言い方だが?」
「えーと、うちで酒盛りやっていった……ことが?」
そのときが初対面で、クラリスが勝手につれてきただけである。だがリビアンは大きく溜め息をつく。
「……六人中、五人と会ってるだけでもう規格外なのだが」
苦笑いを隠せないで、ティーカップに口をつけるリビアン。そしてふと思い出したように、
「クラリス殿下と交友があるってことは、まさかとは思うが……」
「あぁ、ディオーレ皇帝陛下? SSランクは正式にはフェクダのアルカス陛下から認定されたんじゃけど、認定証はディオーレ皇帝陛下から直々にもらったんよ」
「はぁ……」
リビアンは、もう驚くのも飽きたといった表情だ。もともと帝国の皇帝、ディオーレはフェクダの王女様だった。
兄のアルカスがフェクダの王位を継いだ形となったが、それに伴い先の皇帝の養女として帝都・ドゥーベ市国に『次期皇帝候補』として身柄を預けた経緯がある。
マリンとは娘にして次期皇帝であるクラリスが同じSSランクハンターであることから、一応は名前を覚えてもらっている関係だ。
「もうなにを聞いても驚かないぞ、マリン殿。これより驚く話といったら、神様と知り合いなんて話になるからな」
「……」
ティーカップを持つマリンの手が、ピタリと止まる。
「……なぜ黙るのだ、マリン殿」
「ううん、さすがにそれはないけん」
そう、さすがにそれはないのだが……腐女子友達のアルテはハイエルフ。この世界、エルフは亜人のカテゴリだがハイエルフは精霊だ。
そして神の眷属である天使もまた精霊で、つまりは精霊であるアルテも創生の女神・ロードの眷属なのである。
「アルテ姉なら、ロード様のことを『口うるさいババア』とか言ってたんよね」
マリンがボソッとつぶやいたその言葉は、幸いにしてリビアンはシトリンとおしゃべり中なので聞かれることはなかった。
そして後日、かの魔導具欠陥事故に関しては怒涛の展開をみせた。まず魔導運転轡はフェクダ限定での試験運営だったことから、遠隔操作機器には『日時』『押したボタン』がログに記録されるようになっていた。これは今回のような事故が起こったときに検証するためのものだったが、一般にはその存在は公開されていない。
くわえてソラの商会による技術者およびターニー以外にはログを閲覧することはできず、またログの消失に備えてリアルタイムで天璣の塔にある記録用魔石にもバックアップが記録されるようにしていたのが功を奏す。
結果として、男爵は停止ボタンと誤って加速ボタンを押したことが判明。くわえて事故後も押しっぱなしだったこと、リモコンをはたき落とされて停止したこともマリンの証言と辻褄が合った。
裁判はほぼ『罰をどうするか』という部分に主点が置かれ、男爵による無罪の訴えはことごとく却下される。最終的に爵位剥奪、元・男爵はフェクダ南の沖合い遠くにある孤島の刑務所に収監される運びとなった。
平民の身に落とされた妻と子や、職を失った家人たちは散り散りに屋敷をあとにしてその後の行方は誰も知れず。すべての財産はそれぞれ、被害者やその遺族に分配されていく。
「じゃあ私は帰るわね」
「お疲れ、ソラ」
ソラが名残惜しそうに別れを告げて、開陽の塔の魔法陣を経由してフェクダの天璣の塔へと戻る。そして久しぶりに戻ってきた平穏の日々の中、マリンたちも開陽の塔をあとにすることになった。
「ターニーさん、お支払いのほうですけど」
「うん? あぁ、シトリンちゃんの猫球槌ね」
「あれだけの大きさのダマスカス鋼、もうどのくらいの金額になるのか見当もつきませんが……もし私に払えないほどだったら、分割払いにしていただければ、と」
さすがにあの大きさのダマスカス鋼ともなれば、いかなシトリンを四億リーブラをポンと出して引き取ったマリンといえどもその金額は予想もつかない。なので心持ち、青ざめてもいた。
「んー、満足いただけなかったみたいだからね。原価でいいよ」
「え?」
ターニーのその言葉を受けて、マリンはわけがわからずキョトンとしてしまう。
「いや、あの⁉ とんでもないレベルのものを作っていただけて、満足どころか恐れ多いくらいで!」
「えー? でもマリンさん、言ったじゃん?」
「え、私がなにを……」
マリン、必死に記憶の中を探る。たしか納品の際に……。
『なんつーおっかない武器を作るんですか、あなたって人は……』
確かにそう言った。だがそれは、称賛がすぎての発言だ。
「あれは、不満とかそういうのではないんですが……」
「わかってるよ、でも満足いただけなかったのは確か。今のシトリンちゃんには、正直扱いづらい……だよね?」
「まぁ現状では、はい」
「お客様のニーズに応えられなかったものを、正規価格で売るわけにはいかない。これは職人の矜持なんだ」
「うーん……」
マリンとしては、その厚意をありがたく受け取るべきかどうかで逡巡する。では正規価格ってどのくらいなのかと気にかかって。
「本当はおいくらなんですか?」
「五千億リーブラだね……市場で売ろうと思えば」
「……」
ターニーがしれっと言ってのけるその金額に、マリンたち三人は凍りつく。王国の国家予算の、実に数年分くらいはあるのだ。
「まぁ確かに払えないです。でも原価も凄そう……」
最初に、予算について相談しておくべきだったと悔やむマリンだ。最悪、返品になるかもしれない。
(返品、受け付けてもらえるんかねぇ)
オーダメイドで、しかも猫の肉球を模してある。デザイン的にもそうなのに、値段的にも市場に卸せるわけがないのは明白だった。
「マリン殿……」
「マリンさん……」
顔面蒼白で今にも死にそうな表情のマリンを心配して、リビアンとシトリンも青くなる。だがターニーはカラッと笑って、
「だから原価分でいいよ。三千リーブラほどいただければ」
ダマスカス鋼ともなれば、その粉末一つまみでも一万リーブラを超える。三人は、我が耳を疑った。
「は?」
「え?」
「ん?」
互いに顔を見合わせて、
「あ、単位が抜けてるんじゃね。三千億リーブラなんじゃ……うぅ、たいして変わらんけ」
とマリンが絶望的な表情で呟き、
「私もできるだけ力になろう……なるだろうか」
リビアンは不安そうな表情を浮かべる。
「私、バイト増やします……」
シトリンは悲壮感でいっぱいだ。だがターニーは、手を振って慌てて否定する。
「いやいや、三千であってるよ。ダマスカス鋼なんて、ボクの秘密の倉庫にゴロゴロあるから、三千てのはそこからの輸送費ね」
つまり、原価はゼロに等しい。
「……」
「……」
「……」
「マリンさん、どうした?」
マリンたちは、二の句が告げないでいる。いくらなんでも三千リーブラなんて、三人でランチをしたらお釣りがくるかどうかって価値しかないのだ。
「さすがに安すぎるというか、せめて十億リーブラは払わせてもらいたいのですが……」
当初マリンは、十億リーブラまでは出せる算段だった。だが包丁一本ですら屋敷が建つお値段のするターニーの謹製である、多少の予算オーバーは見込んでいたわけで。
「うーん、まいったな。ボクとしても作ってて楽しかったし、シトリンちゃんだってご主人様からそんな高い物を受け取りにくいんじゃないのかな?」
「まぁ、それはハイ」
シトリンはターニーのその発言に同調して、チラとマリンを見る。マリンは難しそうな表情で考え込んで無言のままだ。
ターニーもマリンにどうしたら納得してもらえるかと思案にくれながらなんとなく部屋を見渡して、テーブルの端に置いてあった遠隔操作機器と厚い用紙の束が目に入る。
かの裁判で使用した証拠品と、その資料だ。そしてそれを見てピンときた表情を浮かべたターニー、
「じゃあこうしよう。シトリンちゃんには試供者になってもらうってのはどうかな? 使い心地や、改善してほしいところとかを定期的にレポートにして提出してもらう。どのくらいで傷むかも、定期的にメンテナンスに通ってもらうことにしてさ」
名案が浮かんだとばかり、ターニーの口も軽い。
「だから、貸し出し扱い。もちろん返してくれなんていうつもりはないんだけど、試用してもらう代わりに、それらの義務を負ってもらう……どう?」
しかしマリンは慎重だ。言葉を選んでもらってはいるが、いずれもマリンに安価で済まそうとしてくれるターニーの思いやりでしかないのはわかったから。
「マリン殿、あまりターニー殿を困らせてもなんだ。ここは落とし所じゃないだろうか」
黙ったままのマリンにターニーは困惑を隠せなかったが、リビアンの助け舟を受けてマリンもようやく笑顔を見せる。
「わかりました、そのお役目お引き受けします」
「そうか、よかった!」
かくして四億リーブラという前代未聞の超高額で落札された奴隷であるシトリンが、市場価格で五千億リーブラもする武器を所持するというとんでも状況がここに極まったのであった。
魔石高速列車で、途中車中泊を含みながら一日半の強行軍。ずっと列車の座席に座りっぱなしだったせいか、フェクダの首都・ガンマ駅で下車したときには三人ともヘロヘロ……になってるかと思いきやそうでもなく。
初めての列車旅で窓の外を指差してはキャッキャはしゃぐシトリン、終始車内販売でお酒を買っては呑みびたるリビアン、そして涼しい顔してハードコアなBL本(ブックカバーで表紙は隠し済み)を読み漁るマリンとめいめいが列車の旅を楽しんでいたのだった。
「リビアン、途中ハンターギルド寄っていくけん」
「承知した。ついでだから、私のギルドカードも転籍手続きしとこうかな」
リビアンのハンターギルドカードは、アルコル諸島自治区が発行したものだからだ。そのままでも使えないことはないが、あくまで外国人扱いになるためフェクダに住まう前提では不利なことも多い。
「おみやげを渡してくるんですよね?」
「そうなんよ」
明日から出勤再開ではあったが、お土産だけは今日渡して身軽になっておきたいとマリンは考えたのだ。そして三人を乗せた馬車は一路、街中を急ぐ。
「店長にはコレと、モルガナさんがコレで……」
お土産の選別にいそしむシトリンを眺めつつ、リビアンが口を開く。
「店長?」
「あぁ、シトリンはハンターじゃけど本業はウエイトレスなんよ。ハンターギルド内のレストランの店長さんのことじゃね」
「へぇ、堅実なのだな」
そのリビアンの言葉に、シトリンが振り向く。
「どういう意味です?」
「ハンター業なんて明日は大金、明後日は収入無し……そんな不確実な世界だからな。兼業とはいえど定職があると、最低限の安定した収入がある」
「なるほど」
シトリンとしてはそんなつもりではなかったが、言われてみれば確かにと納得する。そしてマリンは、ふとあることに気づいた。
「あ、しまった……」
「ん? マリン殿?」
「マリンさん、どうかしました?」
心持ちもうしわけなさそうな表情でマリン、リビアンに向き直る。
「リビアンにまだ言ってなかったことがあったんよね」
「というと?」
だがそのリビアンの問いにマリンが応える前に、馬車はギルド前の停留所に到着する。いそいそと荷物を抱えて降りる三人、会話の続きをする間もなくギルド内へ入っていく。
「あら、マリンさん。シトリンちゃんもお帰りなさい!」
「ただいま帰りました、パールさん」
「店長、おみやげですけどバックヤードに置いてきましょうか?」
パールはシトリンが休暇中、一人でウエイトレスをしていた。そして今日も、忙しそうにテーブル間を駆け回っていたのだ。
「あぁ、ごめんねお願いできる? 今ちょっと忙しくて……そちらは?」
初めて見る狼獣人に、パールが目をとめた。
「あぁパールさん、こちらリビアングラス……ええと?」
「リビアングラス・ラスペルパだ。といってもファミリーネームなんてたいそうなものじゃなくて、部族名だが」
だがその発言を受けて、パールが怪訝そうな表情になる。
「狼獣人でラスペルパ……確か、マリンさんが五年くらい前に屠った邪狼鬼・インダイトが」
「はい。ギルマスのおっしゃるとおり、そのインダイトの妹さんです」
「そう……」
いわばマリンは兄の仇になるので、リビアンがマリンに対してどういう感情を持っているのかと不安になるパールだ。だが、
「ちょっと待ってくれ、マリン殿。今、ギルマスと言ったか?」
リビアンは、目の前のウエイトレスがギルドマスターであるという真実を知らない。なので目を白黒させていた。
「あぁ、そうなんよ。といっても本業がウエイトレスで、ギルドマスターは片手間にやってらっしゃるんじゃけど」
そう悪戯っぽく笑って紹介するマリンに、
「逆だっつーの!」
と軽く頭にチョップを入れて笑いながらツッコむパールである。
「見たところ、マリンさんを恨んでは……いないのよね?」
「もちろんだ。むしろ感謝しているぐらいで……ええと、パール殿といったか?」
リビアンのその発言を受けて、安堵するパール。指名手配された凶悪犯とはいえど、兄を殺したマリンを恨んでいるのではないかと心配したのだ。
「リビアングラスさんね。よろしく、プラティナ・カルセドニーです。といってもここではパールの名前でやっているから、パールって呼んでちょうだい」
そう言ってニコリと笑うパールに、マリンは先ほど馬車の中でリビアンに言いかけて最後まで言えなかった言葉を思い出す。
(あ、まだ言ってなかったけん……)
だが時すでにお寿司、いや遅し。リビアンの表情は、気の毒なくらい血の気が引いて真っ青になっていた。
「プラティナ……カルセドニーと名乗った、いやおっしゃいましたか?」
「? えぇ、でもパールでいいですよ?」
ギギギッ……そんな音を立てながら、リビアンはロボットのような動きでマリンに振り返る。
「マリン殿……まさか、とは思うのだが」
「ごめん、言い忘れちょった。そのまさか、なんよね。ごめんね?」
プラティナ・カルセドニー。今は男爵位を賜るその兎獣人は、かつてこのフェクダのみならず他国をも震え上がらせた伝説の獣人クラン『戦場の狂乱獣』のリーダーだった。
当時はカルセドニー男爵の奴隷だったことから、法律でSランクとなることが認められずAランクに甘んじていたが、逆に『どのSランクハンターよりも強いAランクハンター』ということで耳目を集めた伝説のハンターだ。
カルセドニー男爵の逝去にともない、パールは奴隷解放。そのまま男爵の遺言を受けて男爵位を継承するとともに、Sランクに無条件昇格。
そしてレストラン『白兎の黒足袋亭』を開業してウエイトレスをやる傍ら、ここハンターギルドのギルドマスターにも就任したのだ。それが今から約百年ほど前のこと。
だが百年経ってもその勇名は色あせることなく、今日び獣人が人間と肩を並べてハンター業を務めることができるのはパール率いるアル=ミラージの功績によるところが大きい。いわば獣人のハンターにとっては神そのもの……いや、神以上の存在といってもよかった。
獣人にとっては、かの六賢者よりも崇拝の対象といっても過言ではないのだ。
「えっと、リビアン? パールさんは気さくな人じゃけ、そんな緊張せんでも」
「まって、マリンさん」
「え?」
パールが怪訝そうに、リビアンの前で手のひらをヒラヒラと振ってみせる。そしてシトリンが心配そうにリビアンの顔を見上げつつ、口を開いた。
「立ったまま気絶してますね……」
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
見上げた空は、今日もアオハルなり
木立 花音
青春
──私の想いは届かない。私には、気持ちを伝えるための”声”がないから。
幼馴染だった三人の少年少女。広瀬慎吾(ひろせしんご)。渡辺美也(わたなべみや)。阿久津斗哉(あくつとおや)。そして、重度の聴覚障害を抱え他人と上手くうち解けられない少女、桐原悠里(きりはらゆうり)。
四人の恋心が激しく交錯するなか、文化祭の出し物として決まったのは、演劇ロミオとジュリエット。
ところが、文化祭の準備が滞りなく進んでいたある日。突然、ジュリエット役の桐原悠里が学校を休んでしまう。それは、言葉を発しない彼女が出した、初めてのSOSだった。閉ざされた悠里の心の扉をひらくため、今、三人が立ち上がる!
これは──時にはぶつかり時には涙しながらも、卒業までを駆け抜けた四人の青春群像劇。
※バレンタイン・デイ(ズ)の姉妹作品です。相互にネタバレ要素を含むので、了承願います。
※表紙画像は、ミカスケ様にリクエストして描いて頂いたフリーイラスト。イメージは、主人公の一人悠里です。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
戦国鍛冶屋のスローライフ!?
山田村
ファンタジー
延徳元年――織田信長が生まれる45年前。
神様の手違いで、俺は鹿島の佐田村、鍛冶屋の矢五郎の次男として転生した。
生まれた時から、鍛冶の神・天目一箇神の手を授かっていたらしい。
直道、6歳。
近くの道場で、剣友となる朝孝(後の塚原卜伝)と出会う。
その後、小田原へ。
北条家をはじめ、いろんな人と知り合い、
たくさんのものを作った。
仕事? したくない。
でも、趣味と食欲のためなら、
人生、悪くない。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる

