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第三章
できるだけ丁寧にリボンを結ぶ日
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「え・・・・!佐伯さんって今週末が誕生日なの!?」
キッチンにてアオは少し大きな声をあげてしまった。思わず両手で口を塞ぎ、ちらりとリビングの方を見遣る。アオの視線の先にいる佐伯と一色は何やら話し込んでいる様子だった。
「・・・・よかった。聞かれてなさそう。」
アオが胸を撫で下ろすと、隣で透がクスクスと笑った。
「なぁに、アオ、佐伯さんから聞いてなかったの?」
「うん。全然聞いてなかった。それに、誕生日とか頭になかった・・・・」
「アオ、色々大変だったからね。これからは、記念日を祝える心の余裕が増えてくるんじゃないかな。」
「そうだといいけど・・・・。どうしよう、僕、なんにも用意できてない。透、どうすればいいかな!?」
「えぇ~!あと数日あるんだし大丈夫だよ。」
アオが泣きつくと透は楽しそうに笑いながら暢気な返事をした。
「透はさ、一色さんの誕生日に何してるの?」
「うーん。毎年ばらばらな気もするけど、ちょっとしたプレゼントと隆文さんが好きな料理を準備して帰りを待ってる。隆文さんは甘い物がすっごく苦手なんだけど、僕が作る南瓜のクッキーだけは気に入ってるからそれも沢山焼いておくんだ。」
「え、なんか可愛いね。とってもギャップだ・・・・!」
「可愛いでしょ~。アオも佐伯さんの好物を作ってみたら?アオ、料理上手だし。」
「うん。そうしてみようかな。・・・・僕、誰かの誕生日お祝いするの久しぶりかも。」
「そっかそっかぁ。まあ肩の力抜いて頑張りなされ。」
透が戯けたように言った。
「うん。あんまり時間ないけど僕なりにやってみるよ。」
「うんうん、その調子。・・・・ところでアオ先生、この次はどうすればいいのですか?」
「あ、えっとね、この下敷きの線に合わせて中心から外側に向かって均等に延ばしていって。」
「えっ・・・・!!全然うまくいかないんだけど!・・・・アオもう2枚目?!?!」
「あはは。慣れれば簡単だよ。」
今日、アオと透はピザを生地から作っている。発酵も終えて、生地を丸く延ばす工程で早速透が躓いた。
「うー、慣れかぁ。」
佐伯が一色に「アオがピザを生地から作り始めた」という旨を世間話程度に漏らしたら、それを一色から聞いた透が「是非教えてもらいたい」ということで、休日に佐伯の家でピザ作りをすることになったのだ。
「僕、高校生の時にピザ屋でアルバイトしてたからさ。」
「通りで慣れてるってわけね。でも意外だなぁ。アオはお花屋さんとか似合いそうな雰囲気。」
「え、そうかなぁ」
◇◇◇
「アオは花屋とかに居そうだよな。おまえ、花言葉とかよく知ってるから。」
いつか紫音にも似たようなことを言われたことがあった、とアオは思った。
(そう言えば、僕、紫音の誕生日に何を贈ってたっけ・・・・?)
あの日、決定的に紫音との仲が壊れた自身の誕生日の記憶は色濃く残っているが、アオは紫音の誕生日に毎年何をしていたか上手く思い出すことができなかった。
「アオ、顔色悪い。」
透の心配そうな声音でアオは我に帰った。
「あ、ごめん。」
「謝らなくて大丈夫。それに、頸。何か不安なことでもある?」
透に言われて、アオは自分が頸に手を当てていることに気がついた。
「あ、ぼく、どうしちゃったんだろう」
佐伯と番になってから、アオは心に棲み着いていた酷い喪失感を驚くほど感じなくなっていた。それなのに、これまでのような喪失感によく似た不安や恐怖が混ぜこぜになった感情にアオは立ち竦んでしまった。呼吸が僅かに速くなる。頸を抑える手に力が入る。
「アオ、少し座ろうか。」
透は素早く手を洗うとキッチンを後にした。
(呆れられちゃったかな・・・・どうしてこんな日に思い出すんだろう。佐伯さんと番になれたのに、どうして、紫音のこと思い出すんだろう・・・・)
くらりと視界が揺れたので、アオは目を閉じた。
涙が溢れそうになるのを必死に耐えた。
「アオ、つらいか?」
よく知っている香りが鼻腔を掠めたと思ったら、アオは温かい体温に包まれていた。トクン、トクンと美しい一定のリズムが耳の奥に響いてアオの心臓の方へと落ちてゆく。
「さえき、さん・・・・」
無理やり涙を押し込めたせいで、みっともなく声が震えてしまいアオは俯いた。
「つらいか?」
佐伯はアオを強く抱き寄せた。
「わ、わかんない、でも、くるし・・・・」
「大丈夫だ。ずっと傍にいる。」
「さ、佐伯さん。ごめん、なさい。ぼくは、佐伯さんのこと、ちゃんと好きなのに、ど、して、どうして・・・・」
「アオ、分かっているから。きみの気持ちはしっかり俺に伝わっているから。」
「佐伯さん、ごめんなさい」
アオはふっと短く息を吐くと、脱力した。腕の中で意識をなくしたアオの顔は酷く青ざめていた。汗で額に張り付いたアオの柔らかな髪を佐伯はかきあげキスを落とした。
◇◇◇
目を覚ますとよく知った天井が目に映る。
(あ・・・・僕の部屋。)
「気分はどうだ?」
穏やかな声がすぐ近くで聞こえた。
「さえきさん」
「俺もアオの隣で横になったら少し寝てしまった。」
佐伯は微笑むと、とんとんとアオの背中を撫でる。
「あ・・・・透と一色さんは?」
「今日は帰ったよ。アオの体調が良くなったらまた遊びに来てくれるらしい。」
「そっか。悪いことしちゃいました。」
「そんなことはないさ。透くんは生地の作り方が分かったと満足して帰っていったぞ。小麦粉と水の分量は押さえておくべきポイントなんだろう?アオと話せて楽しかったとも言っていたな。」
「僕も、楽しかったな。また、会いたい。」
「もちろんだ。・・・・しかしな、アオ。俺は妬いたぞ。」
佐伯が神妙な顔をして言った。
「え・・・・どうして、ですか?」
「何故、透くんは名前で呼んで、俺は佐伯さんのままなんだ?」
真剣な顔をしてそんなことを言う佐伯におかしさが込み上げてアオは思わず笑ってしまった。
「ふっ、ふふ、あはは。名前で呼んで欲しいんですか?」
「そんなに笑わなくたっていいだろう。いつかは名前をと思っていたが、まさか透くんに先を越されるとはな。」
「僕もあんな風に話せる友人ができたことに驚いているんです。ほんとは、佐伯さんと一色さんを見ていて少し羨ましかったんだと思います。」
「羨ましかったのか?」
「うん。だってああやって心を許し合える人はなかなかいないでしょ。」
「まあ確かに、あいつとは腐れ縁というか、うーん、なかなか貴重な存在だとは思うよ。」
佐伯のそんな言い回しがアオには彼らの強固な友情を物語っているように感じられた。
アオは佐伯のシャツの裾をついっと引っ張る。
「あのね。ま、雅史さん」
アオが俯きがちに呟く。その色白な顔は見事に茹で上がっている。
「・・・・きみ、可愛過ぎないか?」
佐伯はアオを腕の中に閉じ込めたまま、真っ白なシーツの海原をごろごろと転がっていく。
「わっ・・・・!!!ちょっ、潰れる!!!!」
「ふふ、アオ、もう一度俺を呼んでくれ。」
「・・・・っ!」
「なあ、ダメか?」
「・・・・雅史、さん」
うっかり聞き逃してしまいそうなほど小さな声で
アオが再び佐伯の名前を呼んだ。
「なんだい?アオ。」
「僕も雅史さんのようになりたい。自分でちゃんと自分のことを決めたい。」
佐伯はアオの頬を親指の腹でゆるゆると撫でた。
そして、形の整った繊細なアオの鼻先にキスをした。
「俺にはもう既にそう見えるんだがな。きみが俺を選んでくれたから今があるんだろう?」
「ん、そうかな?」
「ああ。なあ、アオ。これだけは言うぞ。きみに落ち度はなかった。誓って、なかった。」
「・・・・っ」
佐伯は穏やかに話し続ける。
「以前にも言ったが、つらかったことを無理に忘れようとしなくていい。そして、きみがどんなことを思い出しても、そのことを今の幸せと比べることなんてしなくていい。人は生まれ落ちてしまった時から、ただ巡ってゆく一日のどこかで死んでしまう運命なのだから。だから、今だけを生きていればいいんだ。」
佐伯の言葉はアオの血液となって身体中を巡る。
「ずっと、僕の不安に気づいていたの?」
「何となくはな。でも、きみに伝えることを躊躇ったのも事実だ。きみを傷つけたくなかったから。でも、俺たちの日常は、きみの過去も、もちろん俺の過去も含めたものだから。」
アオは佐伯を見つめて言った。
「佐伯さん、ありがとう。」
アオの薄藍がきらきらと輝く。
「また佐伯に戻ったな。」
「あ!え、えっと、雅史さん・・・・」
「雅史でもいいぞ」
「え!それはちょっとまだ慣れないというか、さ、雅史さんは僕より10個も上だし!呼び捨ては・・・・」
「歳は関係ないんじゃないか。実際、敬語も抜けてきてるしな。」
佐伯が揶揄うように指摘した。
「う、確かに照れてるだけです!」
「ほぉ、照れているのか。可愛いな。」
「・・・・雅史さんのいじわる!」
佐伯とアオはふっと見つめ合いクスクスと笑った。
アオの薄藍がきらきらと輝く。
それは、真っ白な海に一輪の青い花が咲いているようだった。
キッチンにてアオは少し大きな声をあげてしまった。思わず両手で口を塞ぎ、ちらりとリビングの方を見遣る。アオの視線の先にいる佐伯と一色は何やら話し込んでいる様子だった。
「・・・・よかった。聞かれてなさそう。」
アオが胸を撫で下ろすと、隣で透がクスクスと笑った。
「なぁに、アオ、佐伯さんから聞いてなかったの?」
「うん。全然聞いてなかった。それに、誕生日とか頭になかった・・・・」
「アオ、色々大変だったからね。これからは、記念日を祝える心の余裕が増えてくるんじゃないかな。」
「そうだといいけど・・・・。どうしよう、僕、なんにも用意できてない。透、どうすればいいかな!?」
「えぇ~!あと数日あるんだし大丈夫だよ。」
アオが泣きつくと透は楽しそうに笑いながら暢気な返事をした。
「透はさ、一色さんの誕生日に何してるの?」
「うーん。毎年ばらばらな気もするけど、ちょっとしたプレゼントと隆文さんが好きな料理を準備して帰りを待ってる。隆文さんは甘い物がすっごく苦手なんだけど、僕が作る南瓜のクッキーだけは気に入ってるからそれも沢山焼いておくんだ。」
「え、なんか可愛いね。とってもギャップだ・・・・!」
「可愛いでしょ~。アオも佐伯さんの好物を作ってみたら?アオ、料理上手だし。」
「うん。そうしてみようかな。・・・・僕、誰かの誕生日お祝いするの久しぶりかも。」
「そっかそっかぁ。まあ肩の力抜いて頑張りなされ。」
透が戯けたように言った。
「うん。あんまり時間ないけど僕なりにやってみるよ。」
「うんうん、その調子。・・・・ところでアオ先生、この次はどうすればいいのですか?」
「あ、えっとね、この下敷きの線に合わせて中心から外側に向かって均等に延ばしていって。」
「えっ・・・・!!全然うまくいかないんだけど!・・・・アオもう2枚目?!?!」
「あはは。慣れれば簡単だよ。」
今日、アオと透はピザを生地から作っている。発酵も終えて、生地を丸く延ばす工程で早速透が躓いた。
「うー、慣れかぁ。」
佐伯が一色に「アオがピザを生地から作り始めた」という旨を世間話程度に漏らしたら、それを一色から聞いた透が「是非教えてもらいたい」ということで、休日に佐伯の家でピザ作りをすることになったのだ。
「僕、高校生の時にピザ屋でアルバイトしてたからさ。」
「通りで慣れてるってわけね。でも意外だなぁ。アオはお花屋さんとか似合いそうな雰囲気。」
「え、そうかなぁ」
◇◇◇
「アオは花屋とかに居そうだよな。おまえ、花言葉とかよく知ってるから。」
いつか紫音にも似たようなことを言われたことがあった、とアオは思った。
(そう言えば、僕、紫音の誕生日に何を贈ってたっけ・・・・?)
あの日、決定的に紫音との仲が壊れた自身の誕生日の記憶は色濃く残っているが、アオは紫音の誕生日に毎年何をしていたか上手く思い出すことができなかった。
「アオ、顔色悪い。」
透の心配そうな声音でアオは我に帰った。
「あ、ごめん。」
「謝らなくて大丈夫。それに、頸。何か不安なことでもある?」
透に言われて、アオは自分が頸に手を当てていることに気がついた。
「あ、ぼく、どうしちゃったんだろう」
佐伯と番になってから、アオは心に棲み着いていた酷い喪失感を驚くほど感じなくなっていた。それなのに、これまでのような喪失感によく似た不安や恐怖が混ぜこぜになった感情にアオは立ち竦んでしまった。呼吸が僅かに速くなる。頸を抑える手に力が入る。
「アオ、少し座ろうか。」
透は素早く手を洗うとキッチンを後にした。
(呆れられちゃったかな・・・・どうしてこんな日に思い出すんだろう。佐伯さんと番になれたのに、どうして、紫音のこと思い出すんだろう・・・・)
くらりと視界が揺れたので、アオは目を閉じた。
涙が溢れそうになるのを必死に耐えた。
「アオ、つらいか?」
よく知っている香りが鼻腔を掠めたと思ったら、アオは温かい体温に包まれていた。トクン、トクンと美しい一定のリズムが耳の奥に響いてアオの心臓の方へと落ちてゆく。
「さえき、さん・・・・」
無理やり涙を押し込めたせいで、みっともなく声が震えてしまいアオは俯いた。
「つらいか?」
佐伯はアオを強く抱き寄せた。
「わ、わかんない、でも、くるし・・・・」
「大丈夫だ。ずっと傍にいる。」
「さ、佐伯さん。ごめん、なさい。ぼくは、佐伯さんのこと、ちゃんと好きなのに、ど、して、どうして・・・・」
「アオ、分かっているから。きみの気持ちはしっかり俺に伝わっているから。」
「佐伯さん、ごめんなさい」
アオはふっと短く息を吐くと、脱力した。腕の中で意識をなくしたアオの顔は酷く青ざめていた。汗で額に張り付いたアオの柔らかな髪を佐伯はかきあげキスを落とした。
◇◇◇
目を覚ますとよく知った天井が目に映る。
(あ・・・・僕の部屋。)
「気分はどうだ?」
穏やかな声がすぐ近くで聞こえた。
「さえきさん」
「俺もアオの隣で横になったら少し寝てしまった。」
佐伯は微笑むと、とんとんとアオの背中を撫でる。
「あ・・・・透と一色さんは?」
「今日は帰ったよ。アオの体調が良くなったらまた遊びに来てくれるらしい。」
「そっか。悪いことしちゃいました。」
「そんなことはないさ。透くんは生地の作り方が分かったと満足して帰っていったぞ。小麦粉と水の分量は押さえておくべきポイントなんだろう?アオと話せて楽しかったとも言っていたな。」
「僕も、楽しかったな。また、会いたい。」
「もちろんだ。・・・・しかしな、アオ。俺は妬いたぞ。」
佐伯が神妙な顔をして言った。
「え・・・・どうして、ですか?」
「何故、透くんは名前で呼んで、俺は佐伯さんのままなんだ?」
真剣な顔をしてそんなことを言う佐伯におかしさが込み上げてアオは思わず笑ってしまった。
「ふっ、ふふ、あはは。名前で呼んで欲しいんですか?」
「そんなに笑わなくたっていいだろう。いつかは名前をと思っていたが、まさか透くんに先を越されるとはな。」
「僕もあんな風に話せる友人ができたことに驚いているんです。ほんとは、佐伯さんと一色さんを見ていて少し羨ましかったんだと思います。」
「羨ましかったのか?」
「うん。だってああやって心を許し合える人はなかなかいないでしょ。」
「まあ確かに、あいつとは腐れ縁というか、うーん、なかなか貴重な存在だとは思うよ。」
佐伯のそんな言い回しがアオには彼らの強固な友情を物語っているように感じられた。
アオは佐伯のシャツの裾をついっと引っ張る。
「あのね。ま、雅史さん」
アオが俯きがちに呟く。その色白な顔は見事に茹で上がっている。
「・・・・きみ、可愛過ぎないか?」
佐伯はアオを腕の中に閉じ込めたまま、真っ白なシーツの海原をごろごろと転がっていく。
「わっ・・・・!!!ちょっ、潰れる!!!!」
「ふふ、アオ、もう一度俺を呼んでくれ。」
「・・・・っ!」
「なあ、ダメか?」
「・・・・雅史、さん」
うっかり聞き逃してしまいそうなほど小さな声で
アオが再び佐伯の名前を呼んだ。
「なんだい?アオ。」
「僕も雅史さんのようになりたい。自分でちゃんと自分のことを決めたい。」
佐伯はアオの頬を親指の腹でゆるゆると撫でた。
そして、形の整った繊細なアオの鼻先にキスをした。
「俺にはもう既にそう見えるんだがな。きみが俺を選んでくれたから今があるんだろう?」
「ん、そうかな?」
「ああ。なあ、アオ。これだけは言うぞ。きみに落ち度はなかった。誓って、なかった。」
「・・・・っ」
佐伯は穏やかに話し続ける。
「以前にも言ったが、つらかったことを無理に忘れようとしなくていい。そして、きみがどんなことを思い出しても、そのことを今の幸せと比べることなんてしなくていい。人は生まれ落ちてしまった時から、ただ巡ってゆく一日のどこかで死んでしまう運命なのだから。だから、今だけを生きていればいいんだ。」
佐伯の言葉はアオの血液となって身体中を巡る。
「ずっと、僕の不安に気づいていたの?」
「何となくはな。でも、きみに伝えることを躊躇ったのも事実だ。きみを傷つけたくなかったから。でも、俺たちの日常は、きみの過去も、もちろん俺の過去も含めたものだから。」
アオは佐伯を見つめて言った。
「佐伯さん、ありがとう。」
アオの薄藍がきらきらと輝く。
「また佐伯に戻ったな。」
「あ!え、えっと、雅史さん・・・・」
「雅史でもいいぞ」
「え!それはちょっとまだ慣れないというか、さ、雅史さんは僕より10個も上だし!呼び捨ては・・・・」
「歳は関係ないんじゃないか。実際、敬語も抜けてきてるしな。」
佐伯が揶揄うように指摘した。
「う、確かに照れてるだけです!」
「ほぉ、照れているのか。可愛いな。」
「・・・・雅史さんのいじわる!」
佐伯とアオはふっと見つめ合いクスクスと笑った。
アオの薄藍がきらきらと輝く。
それは、真っ白な海に一輪の青い花が咲いているようだった。
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