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家族
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携帯を胸ポケットにしまい、新快速の窓から外を見やるとちょうど明石海峡大橋を過ぎた所だった。休日や通勤ラッシュの時間と違って車内にはまばらに人が居るだけで、列車がレールを軋ませる音に混じって営業マンと思しきスーツを着た若い男が神経質そうにキーボードを叩く音が響いている。
心地よい揺れの中で微睡んでいると、春の日差しに揺り起こされて思わず顔をしかめる。瞬く間に駆けてゆく駅名標の中に、垂水という文字を見つけた。もう記憶も定かでは無いが、確か五つか六つの時に母に連れられてここによく降りたものだ。当時、地元の病院では診るのが難しい病気にかかっていた母は、神戸に親戚がいるのもあってか月に何度か垂水の大きな病院に通っていた。今ではすっかり良くなって病院に行くことも無くなり、記憶もおぼろげになってしまったのだがこの駅名は何故だか印象的に覚えている。
やがて電車は三ノ宮駅に到着し、ホームに降り立つと自販機でコーヒーを買って、ベンチに座ってフラワーロードを行き交う人や車を眺めていた。今の会社に就職したのにかこつけて、実家を飛び出してここに住んでからもう何年経っただろうか。ホームから見える百貨店も、そのずっと先に見える海も、山奥の田舎に住んでいた僕には随分珍しい光景だったけれども、今では安心感すら感じさせてくれる。思い出がコーヒーの苦味に混じって舌先で溶けていった。
ふいに携帯が震える。画面に映し出されたメールの差出人を見て、手早く返信を済ませると残りのコーヒーを一気に流し込む。空き缶を押し込むようにしてゴミ箱に入れて、大きくため息をついてから改札へと向かった。
「大事な話があるんだ」
朝食を終えて、コーヒーを啜っていると大神さんが神妙な面持ちで切り出してきた。
「はい」
若干気圧されながらもそう答える。昨夜、僕たちは結ばれた。それまでにも何度も身体を重ねたけれど、肉欲に任せたそれではなくてお互いの心が、大げさに言うと魂が結ばれたような気がした。そんな矢先に大事な話ときたものだから、僕は王子様のプロポーズを待つ町娘(実物はそんなに良いものじゃないけれど!)のような気持ちで、或いは目の前に餌を置かれてご主人様のよしの合図を待つ飼い犬のようにじっと次の言葉を待つ。
ゴトリ
無機質な音を立てて、テーブルの上に僕の想像とはおおよそ似つかわしく無いモノが置かれた。サバイバルナイフ。思わず眉を上げて口を開きかける。だが、なんと言えば良いのだろうか。大神さんはナイフをくるりと回して柄を僕の方に向ける。
「もし、私の事を許せないと思ったら…」
大神さんの表情は読み取れない。
「え、あの、え?いやっ、あの」
混乱する僕を尻目に、大神さんは更に何かを取り出す。大きめのレジ袋がくしゃりと音を立ててテーブルの上に置かれる。
「君の服だ」
未だに理解が追いつかないが、促されるままに袋の中を覗き見る。
「…っ!?おえっ!」
胃酸が逆流して喉の奥が酸っぱくなる。生理的反応からか目頭が熱くなる。袋の中には、確かに昨日着ていた僕の服が入っていた。ボロボロで血まみれの。
「僕が見つけるのが遅過ぎたんだ」
片足は折れてしっちゃかめっちゃかになっていた。折れた木の枝が突き刺さって内臓に到達していた。手足の指は僅かに何本かを残して黒ずんで壊死していた。たとえ命が助かったとしても、もうまともに生活する事は出来ないであろう事は明らかだった。大神さんは時折声を詰まらせながらも淡々と状況を説明した。
「本当にごめん…」
「い、いや、でも」
何とも無いじゃないか。僕は自分の身体を見渡し、両手を握っては開いてみる。確かに服からは血と死の匂いが立ち込めているが、僕の身体は至って正常で、そんな惨劇はおろか打撲の痛みすら感じないくらいだ。タチの悪い冗談のつもりなのだろうか、へらへらと笑いながら大神さんを見る。
「私の血を、君に飲ませてしまったんだ」
「へ?」
人狼の血は、それを与えられた者を人狼へと感染させる。血に含まれる人狼因子とでも言うべきそれは、人間の身体に入るとたちどころにあらゆる細胞に感染して自らの遺伝子を人間のそれと結合させ、人狼の細胞へと作り変えていく。人狼の生命力を支えるその血は、宿主の遺伝子への侵略と引き換えに強大な生命力を与え…
「君を助けるには、この血の力に頼るしか無いと思った」
他人事のように大神さんの話を聞いていた。嘘や冗談を言っている様には見えない。本当ならもっと驚いたりするべきなんだろうが、不思議とそんな感情は湧き出て来ない。携帯を買った時にショップの店員が何枚もパンフレットを差し出して見せては、料金やオプションの説明を必死にしているのを前にしてただ無関心に相槌を打つように放たれる言葉を飲み込んでいく。
「それでも、君にこんな運命を背負わせるべきじゃなかったっ…!」
大神さんの語気が強くなってくる。息が荒くなり、握りしめた拳はわなわなと震えている。
「人間である事を奪ってしまったんだ!私はっ…!」
噛み付かんばかりの表情で、そう懺悔をした。
「そうなんですね」
正直な所、驚きはした。未練や後悔や怒りがこれっぽっちも無いかと言うと嘘になってしまう。それまで黙って話を聞いていた僕は、テーブルの上のナイフを手に取った。鈍く光る刃先にノコギリの様な背。生き残るために自然に争い、生き物を効率的に殺すために設計されたそれを眺める。大神さんの顔に僅かに緊張が走った後、悟った様な諦めの様な表情になった。
「ああ、それでいいんだ…君は何も悪く無い」
僕はそれに答えずに、目をつぶって大きく深呼吸してから切っ先に力を込めた。
ポタ…ポタ…
テーブルの上に血が垂れ落ちる。酸素をたっぷりと取り入れて鮮紅色に輝くそれはルビーのようだった。
「な、なにを…」
大神さんは目を見開き、驚いた様子でそう言った。
「綺麗ですね」
僕は指先から流れる血を眺めながら目を細めた。小さな傷口からはチリチリとした痛みがした。早くも血小板が止血を始めたのか、指先で玉を作っている血を舐めとると鉄の味と…
「大神さんと一緒になれたんだ」
目を丸くして硬直していた大神さんは、我にかえると箪笥をひっくり返す様に漁りながらサビオ、サビオとブツブツと繰り返し、ようやく見つけたのか持ってきた絆創膏を慎重に僕の指に巻いた。僕がお礼を言うと大神さんはえらい剣幕で怒るので、思わず笑うと更に怒られた。
静寂に包まれた白銀の世界の中で、月が二人を照らしている。
「怖くない?」
僕は笑顔を作って、大神さんの手を握る。本当は不安でいっぱいで、緊張に押しつぶされそうだ。それでも、寒さからだけではない手の震えも、伝わってくる温もりで和らいでいく。
「ああ、もう…」
大神さんに抱きしめられると、ふわりと優しい匂いがした。
「ぐっ…う、ぐ」
頭の中に閃光が走ったかと思いきや、脳みそをカクテルシェイカーで揺さぶられる。運動中枢から滅茶苦茶な指令が送られて、身体のあらゆる筋肉が跳ね回る。
「大丈夫、大丈夫だからね」
大神さんの声が遠くで聞こえる。インフルエンザにかかった時の様に、身体中が熱くなって脂汗が滲んでくる。制御を失って暴走する手足はギリギリと嫌な音を立てて変形を始めていた。
「うっ、がっ!えっ…おえっげっ」
視界が歪んで世界が周り三半規管が役に立たなくなる。目が回り吐き気がこみ上げて、内臓を全て吐き出してしまうかのような勢いで吐瀉物を撒き散らす。苦しさに耐えかねて身体中を掻き毟ると、鋭く生えた爪が身につけていた衣服を布切れへと変貌させる。次いで背筋を冷たい指先でなぞられた感触がして、思わず身震いをすると全身の毛穴という毛穴から獣毛が生え始め、皮膚の下を虫が這い回るようなこそばゆさと、再構成される骨格が筋肉を引きちぎる痛みに支配される。
「がっ…ぐる…」
大神さんに助けを乞おうと口を開いても、せり出したマズルからは獣の唸り声しか出て来ない。血の味がする口の中で歯茎が疼き、ジャリジャリと砂を噛む様な感触に思わず吐き出すと血に染まった真珠の様な歯がこぼれ落ちた。
「がうっ!うるる…」
生え始めた犬歯があまりにも痒い。怒りにも似た激情が渦巻いて、目の前に差し出された獣の腕に噛み付く。オオカミの牙を持ってしてもそれは突き破れそうになく、ならば食いちぎってやろうと顎に力を込める。
「怖くないからね?」
頭に乗せられた手の感触に、怒りは瞬く間に消し飛んだ。噛みついていた牙を離してゆっくりと深呼吸をする。かつてとは異なる電気信号に耳を澄ませる。耳鳴りがするほど静かだった世界は、遠くで鳴く梟の声や、木の葉が風に揺られる音、キタキツネの寝息、星の音まで聞こえてくる。細長く分解能が飛躍的に高まった鼻腔には、一度に三十もの自然の匂いと、三十一番目の匂い。
「あ、う…お、おかみ、さん…」
口を開くと、低く地響きのような唸りが混じった他人の声。いつの間にか人狼の姿になっていた大神さんは、労う様に僕の頭を撫で続ける。
「がんばったね」
その声に、匂いに、鼻先がツンとして涙が出そうになった。尾てい骨が疼いて、太古に失ったはずの器官がふりふりと風を切る。
くぅーん…
自分でもそんな声が出た事に戸惑いながらも、遺伝子にプログラムされた本能が身体をつき動かす。僕は腹を見せる様に仰向けに寝転がり、媚びる様に鼻を鳴らしながら尻尾を振った。
「あぁ…綺麗だね…」
うっとりとした様子で僕の白い腹を撫でる。大神さんの手が触れるたびに脳内麻薬が溢れ、多幸感の洪水の中で舌を出して涎を垂らす。
「もっとぉ…撫でて…」
身を捩りながら催促すると、掻き毟るように爪を立ててわしゃわしゃとかき回される。
「あぁ、すごっ…きもちい…」
下半身が疼き、ちんぽが熱を持ち始める。柔らかい毛に覆われた股座から作られたばかりの人狼のちんぽが飛び出す。
「んっ、あっ、あっ!」
撫でられるだけで赤黒いちんぽからは先走りが放たれて、大神さんの手を汚していく。睾丸が急速に造精を初めて射精の準備を進めていく。
「あぁ…い、いっちゃう……あっ?」
破裂せんばかりにちんぽが張り詰めて、射精への秒読み段階に入った所でふいに手を止められる。抗議と懇願の目で大神さんの方を見ると、大神さんのちんぽも腫れ上がり、先走りに濡れそぼった獣根が月の明かりに照らされていた。
…すん…
鼻から一息吸うと、脳みそを殴りつけられた。
すんすんっ…
大神さんの匂い。オオカミの匂い。ちんぽの匂い。寝転がって撫でられていた身体を翻して、大神さんの股座に埋める。
すん…はっはっ…くんくんっ
「おぉっ…んごっ…!」
豚の様に鼻を鳴らして蒸れた股間の匂いを堪能する。ちんぽの付け根から香る匂いの暴力に思わず白目を剥いて、身体が跳ねた拍子に精液混じりの先走りがびゅる、と飛び出た。
「わ、わたしも…」
たまらず舌を伸ばそうとした所で大神さんに制される。大神さんは頭を僕の股間に持っていき覆いかぶさる様にして鼻を近づけた。
くん…はぁっ…くんくん…
所謂69の格好で、互いの股間を嗅ぎ回る。僕の視界には一面大神さんのちんぽが映し出されて、時折放たれる先走りが顔に降りかかる。べろりと舌を出して顔の先走りを舐めとると、塩辛くていやらしい味がした。
れちゃっ…れろっ…
裏筋に鼻先を密着させて、陰嚢から舌で舐め上げる。
「んっ、あっ!…んむっ」
直後、ちんぽがぬるついた粘膜に絡め取られる。熱い吐息と、唾液がちんぽを満遍なくコーティングしていき、亀頭を撫で回されては吸い付かれる。
ちゅむっ、れるっ…ちゅちゅっ…
快楽にうち震えながらも、僕も目の前のご馳走にかぶり付いた。口の中に獣臭いちんぽの匂いが充満し、鼻先からは股間の匂いが攻め込んでくる。
ちゅぐっ、にゅこっ…にゅっ
「おごっ、んっ、んっ」
自分の声か、大神さんの声か、あるいは両方か。口内のちんぽを夢中で味わい、また口内の感触を貪ろうと自然と腰が動き、ちんぽが口内を往復する音と嬌声が響く。互いの尻尾がはさはさと揺れる。
ごぼっ、じゅこっ、じゅっぷっ
「んんっ、ふおっ…っはぁ」
腰つきが早くなり、息継ぎもろくに出来ずに酸欠気味になりながらも、ちんぽの匂いを精一杯肺に取り込む。唾液によるものか、先走りのよるものか、水音もさらに増していく。
「ふぐっ、おぉっ…!」
ちんぽの溶けそうな感触と、睾丸から送られる精液の感触に、間も無く射精する事を悟り、一滴もこぼす事無く口内に注ぎ込もうと深く腰を突き立てて、ちんぽを根元まで相手の口の中に埋める。
びゅーっ、びゅーびゅっ…ごくっ…びゅるっ
「んふっ、ごぐっ…ごほっ、ごく…」
ちんぽがビクビクと震えて、喉を叩きつける精液にむせ返りながらも、溺れんばかりに放出される精液を飲み下す。焼けそうな喉の感触と、先走りや股間の匂いよりもいっそう濃い精液の匂い。大神さんの口内に射精をして、射精をされる。大神さんに悦びを与える事が出来た事と、与えてもらえた事にこの上ない幸せを感じていた。
ぴゅ…とぷ…ごくっ…
「っはぁ…」
口内で萎え始めたちんぽに名残惜しさを感じて仔犬のように吸うと、尿道に残っていた精液がとろりと出てきた。舌でちんぽを慈しんでいると、大神さんは身体を起こして僕の口内からちんぽを引き抜いて僕の方に向き直る。
「ん、」
差し出された鼻先をぺろりと舐めると、大神さんはくすぐったそうに目を細めた。そのまま口をがぱりと開けて、互いに食らいつくように口内を貪る。僕の手を握ると大神さんはぐったりと脱力してのしかかった。腹の獣毛が擦れ合って雪の冷たさなんて感じなかった。
マンションの扉を開けて、鞄を下ろしてソファーに腰掛ける。長い旅もこれで一段落といったところだろうか。携帯を取り出して、先ほどのメールをもう一度開く。しばらくその文面を眺めた後、寝転がって目を閉じる。
あれからは大変だった。とうに電池の切れた携帯を充電して電波の入る所まで出てみると、山のようにとはいかないが、電話やメールがいくつか残されていた。向こうに居た時は、あまりカレンダーなんて見なかったけれど、僕が帰った頃には冬休みはもう一週間も前に終わっていて、無断欠勤を続けるものだから実家の方にも連絡が入って、あわや音信不通となった僕に捜索願が出される所だった。会社からも親からも散々詰め寄られて、旅先で携帯が壊れてしまったからという苦しい言い訳で平謝りを続けたものだ。
その、大神さんはというと…初めは僕の言う事に反対もしたし、何度も口論になりかけたけれど、粘り強く交渉して許して貰うことが出来た。それでもしぶしぶ了承した割には、僕が帰る時には別に手ぶらでも何の問題も無かったのに、飛行機の重量制限に引っかかりそうな程の土産物を渡されたものだ。土産物を大量に手に抱えて実家に帰った時の親の顔といったら。その後、自分の部屋で寛いでいると母親の呼ぶ時声がした。
「ちょっと!幸博!」
大神さんから渡された荷物の底に「御両親様へ」と書かれた封筒が忍ばせてあったらしい。いつの間にこんなものを書いたんだろうか。どんな事が書いてあるのか気になったものの、結局見せて貰えなかった。ただその日の晩御飯は少し豪勢で、親は終始ニヤニヤしていたのでまあ悪い内容ではなかったのだろう。それにしても気になるが。
大神さんの事を考えると、自然と口角が上がってしまう。劇的な出会いをして、色々あったけれど僕らは恋に落ちたんだ。
あの冬の出来事は、決して忘れないだろう。
UKB-AKJ
手の中の紙切れにはそう印字されている。轟音とともに石油のような匂いが仄かに立ち込める。加速度に背中を押し付けられた後、ぞわりとした感触と共に浮かび上がる。神戸の街はあっという間に雲の下に隠れて見えなくなった。別れを告げるように窓の日除けを下ろして目を閉じた。
二時間ばかりのフライトの後、飛行機は旭川空港へと降り立った。荷物を受け取って到着ロビーを抜けると、もう春先だというのに冷えた風が吹いて身震いする。制限エリアを抜けた先に、見知った顔があった。
「幸博くん、お疲れ様」
この気温にしてはやっぱり薄着の大神さんは、僕を見つけて目を細めた。
「ただいま、豊さん」
外には未だに雪が残っている。さあ明日からは大変だぞ。役所に行って手続きが沢山必要だし、買い揃えなきゃいけないものもある。いくらかはあの時のがあるだろうし、大神さんが事前に用意してくれているものもあるだろうか。これからの生活を思い描いて、頭の中でTODOリストに書き足していく。ああ、でもそんな事よりも。僕は大神さんの手を取って言った。
「これからよろしくね、お父さん」
心地よい揺れの中で微睡んでいると、春の日差しに揺り起こされて思わず顔をしかめる。瞬く間に駆けてゆく駅名標の中に、垂水という文字を見つけた。もう記憶も定かでは無いが、確か五つか六つの時に母に連れられてここによく降りたものだ。当時、地元の病院では診るのが難しい病気にかかっていた母は、神戸に親戚がいるのもあってか月に何度か垂水の大きな病院に通っていた。今ではすっかり良くなって病院に行くことも無くなり、記憶もおぼろげになってしまったのだがこの駅名は何故だか印象的に覚えている。
やがて電車は三ノ宮駅に到着し、ホームに降り立つと自販機でコーヒーを買って、ベンチに座ってフラワーロードを行き交う人や車を眺めていた。今の会社に就職したのにかこつけて、実家を飛び出してここに住んでからもう何年経っただろうか。ホームから見える百貨店も、そのずっと先に見える海も、山奥の田舎に住んでいた僕には随分珍しい光景だったけれども、今では安心感すら感じさせてくれる。思い出がコーヒーの苦味に混じって舌先で溶けていった。
ふいに携帯が震える。画面に映し出されたメールの差出人を見て、手早く返信を済ませると残りのコーヒーを一気に流し込む。空き缶を押し込むようにしてゴミ箱に入れて、大きくため息をついてから改札へと向かった。
「大事な話があるんだ」
朝食を終えて、コーヒーを啜っていると大神さんが神妙な面持ちで切り出してきた。
「はい」
若干気圧されながらもそう答える。昨夜、僕たちは結ばれた。それまでにも何度も身体を重ねたけれど、肉欲に任せたそれではなくてお互いの心が、大げさに言うと魂が結ばれたような気がした。そんな矢先に大事な話ときたものだから、僕は王子様のプロポーズを待つ町娘(実物はそんなに良いものじゃないけれど!)のような気持ちで、或いは目の前に餌を置かれてご主人様のよしの合図を待つ飼い犬のようにじっと次の言葉を待つ。
ゴトリ
無機質な音を立てて、テーブルの上に僕の想像とはおおよそ似つかわしく無いモノが置かれた。サバイバルナイフ。思わず眉を上げて口を開きかける。だが、なんと言えば良いのだろうか。大神さんはナイフをくるりと回して柄を僕の方に向ける。
「もし、私の事を許せないと思ったら…」
大神さんの表情は読み取れない。
「え、あの、え?いやっ、あの」
混乱する僕を尻目に、大神さんは更に何かを取り出す。大きめのレジ袋がくしゃりと音を立ててテーブルの上に置かれる。
「君の服だ」
未だに理解が追いつかないが、促されるままに袋の中を覗き見る。
「…っ!?おえっ!」
胃酸が逆流して喉の奥が酸っぱくなる。生理的反応からか目頭が熱くなる。袋の中には、確かに昨日着ていた僕の服が入っていた。ボロボロで血まみれの。
「僕が見つけるのが遅過ぎたんだ」
片足は折れてしっちゃかめっちゃかになっていた。折れた木の枝が突き刺さって内臓に到達していた。手足の指は僅かに何本かを残して黒ずんで壊死していた。たとえ命が助かったとしても、もうまともに生活する事は出来ないであろう事は明らかだった。大神さんは時折声を詰まらせながらも淡々と状況を説明した。
「本当にごめん…」
「い、いや、でも」
何とも無いじゃないか。僕は自分の身体を見渡し、両手を握っては開いてみる。確かに服からは血と死の匂いが立ち込めているが、僕の身体は至って正常で、そんな惨劇はおろか打撲の痛みすら感じないくらいだ。タチの悪い冗談のつもりなのだろうか、へらへらと笑いながら大神さんを見る。
「私の血を、君に飲ませてしまったんだ」
「へ?」
人狼の血は、それを与えられた者を人狼へと感染させる。血に含まれる人狼因子とでも言うべきそれは、人間の身体に入るとたちどころにあらゆる細胞に感染して自らの遺伝子を人間のそれと結合させ、人狼の細胞へと作り変えていく。人狼の生命力を支えるその血は、宿主の遺伝子への侵略と引き換えに強大な生命力を与え…
「君を助けるには、この血の力に頼るしか無いと思った」
他人事のように大神さんの話を聞いていた。嘘や冗談を言っている様には見えない。本当ならもっと驚いたりするべきなんだろうが、不思議とそんな感情は湧き出て来ない。携帯を買った時にショップの店員が何枚もパンフレットを差し出して見せては、料金やオプションの説明を必死にしているのを前にしてただ無関心に相槌を打つように放たれる言葉を飲み込んでいく。
「それでも、君にこんな運命を背負わせるべきじゃなかったっ…!」
大神さんの語気が強くなってくる。息が荒くなり、握りしめた拳はわなわなと震えている。
「人間である事を奪ってしまったんだ!私はっ…!」
噛み付かんばかりの表情で、そう懺悔をした。
「そうなんですね」
正直な所、驚きはした。未練や後悔や怒りがこれっぽっちも無いかと言うと嘘になってしまう。それまで黙って話を聞いていた僕は、テーブルの上のナイフを手に取った。鈍く光る刃先にノコギリの様な背。生き残るために自然に争い、生き物を効率的に殺すために設計されたそれを眺める。大神さんの顔に僅かに緊張が走った後、悟った様な諦めの様な表情になった。
「ああ、それでいいんだ…君は何も悪く無い」
僕はそれに答えずに、目をつぶって大きく深呼吸してから切っ先に力を込めた。
ポタ…ポタ…
テーブルの上に血が垂れ落ちる。酸素をたっぷりと取り入れて鮮紅色に輝くそれはルビーのようだった。
「な、なにを…」
大神さんは目を見開き、驚いた様子でそう言った。
「綺麗ですね」
僕は指先から流れる血を眺めながら目を細めた。小さな傷口からはチリチリとした痛みがした。早くも血小板が止血を始めたのか、指先で玉を作っている血を舐めとると鉄の味と…
「大神さんと一緒になれたんだ」
目を丸くして硬直していた大神さんは、我にかえると箪笥をひっくり返す様に漁りながらサビオ、サビオとブツブツと繰り返し、ようやく見つけたのか持ってきた絆創膏を慎重に僕の指に巻いた。僕がお礼を言うと大神さんはえらい剣幕で怒るので、思わず笑うと更に怒られた。
静寂に包まれた白銀の世界の中で、月が二人を照らしている。
「怖くない?」
僕は笑顔を作って、大神さんの手を握る。本当は不安でいっぱいで、緊張に押しつぶされそうだ。それでも、寒さからだけではない手の震えも、伝わってくる温もりで和らいでいく。
「ああ、もう…」
大神さんに抱きしめられると、ふわりと優しい匂いがした。
「ぐっ…う、ぐ」
頭の中に閃光が走ったかと思いきや、脳みそをカクテルシェイカーで揺さぶられる。運動中枢から滅茶苦茶な指令が送られて、身体のあらゆる筋肉が跳ね回る。
「大丈夫、大丈夫だからね」
大神さんの声が遠くで聞こえる。インフルエンザにかかった時の様に、身体中が熱くなって脂汗が滲んでくる。制御を失って暴走する手足はギリギリと嫌な音を立てて変形を始めていた。
「うっ、がっ!えっ…おえっげっ」
視界が歪んで世界が周り三半規管が役に立たなくなる。目が回り吐き気がこみ上げて、内臓を全て吐き出してしまうかのような勢いで吐瀉物を撒き散らす。苦しさに耐えかねて身体中を掻き毟ると、鋭く生えた爪が身につけていた衣服を布切れへと変貌させる。次いで背筋を冷たい指先でなぞられた感触がして、思わず身震いをすると全身の毛穴という毛穴から獣毛が生え始め、皮膚の下を虫が這い回るようなこそばゆさと、再構成される骨格が筋肉を引きちぎる痛みに支配される。
「がっ…ぐる…」
大神さんに助けを乞おうと口を開いても、せり出したマズルからは獣の唸り声しか出て来ない。血の味がする口の中で歯茎が疼き、ジャリジャリと砂を噛む様な感触に思わず吐き出すと血に染まった真珠の様な歯がこぼれ落ちた。
「がうっ!うるる…」
生え始めた犬歯があまりにも痒い。怒りにも似た激情が渦巻いて、目の前に差し出された獣の腕に噛み付く。オオカミの牙を持ってしてもそれは突き破れそうになく、ならば食いちぎってやろうと顎に力を込める。
「怖くないからね?」
頭に乗せられた手の感触に、怒りは瞬く間に消し飛んだ。噛みついていた牙を離してゆっくりと深呼吸をする。かつてとは異なる電気信号に耳を澄ませる。耳鳴りがするほど静かだった世界は、遠くで鳴く梟の声や、木の葉が風に揺られる音、キタキツネの寝息、星の音まで聞こえてくる。細長く分解能が飛躍的に高まった鼻腔には、一度に三十もの自然の匂いと、三十一番目の匂い。
「あ、う…お、おかみ、さん…」
口を開くと、低く地響きのような唸りが混じった他人の声。いつの間にか人狼の姿になっていた大神さんは、労う様に僕の頭を撫で続ける。
「がんばったね」
その声に、匂いに、鼻先がツンとして涙が出そうになった。尾てい骨が疼いて、太古に失ったはずの器官がふりふりと風を切る。
くぅーん…
自分でもそんな声が出た事に戸惑いながらも、遺伝子にプログラムされた本能が身体をつき動かす。僕は腹を見せる様に仰向けに寝転がり、媚びる様に鼻を鳴らしながら尻尾を振った。
「あぁ…綺麗だね…」
うっとりとした様子で僕の白い腹を撫でる。大神さんの手が触れるたびに脳内麻薬が溢れ、多幸感の洪水の中で舌を出して涎を垂らす。
「もっとぉ…撫でて…」
身を捩りながら催促すると、掻き毟るように爪を立ててわしゃわしゃとかき回される。
「あぁ、すごっ…きもちい…」
下半身が疼き、ちんぽが熱を持ち始める。柔らかい毛に覆われた股座から作られたばかりの人狼のちんぽが飛び出す。
「んっ、あっ、あっ!」
撫でられるだけで赤黒いちんぽからは先走りが放たれて、大神さんの手を汚していく。睾丸が急速に造精を初めて射精の準備を進めていく。
「あぁ…い、いっちゃう……あっ?」
破裂せんばかりにちんぽが張り詰めて、射精への秒読み段階に入った所でふいに手を止められる。抗議と懇願の目で大神さんの方を見ると、大神さんのちんぽも腫れ上がり、先走りに濡れそぼった獣根が月の明かりに照らされていた。
…すん…
鼻から一息吸うと、脳みそを殴りつけられた。
すんすんっ…
大神さんの匂い。オオカミの匂い。ちんぽの匂い。寝転がって撫でられていた身体を翻して、大神さんの股座に埋める。
すん…はっはっ…くんくんっ
「おぉっ…んごっ…!」
豚の様に鼻を鳴らして蒸れた股間の匂いを堪能する。ちんぽの付け根から香る匂いの暴力に思わず白目を剥いて、身体が跳ねた拍子に精液混じりの先走りがびゅる、と飛び出た。
「わ、わたしも…」
たまらず舌を伸ばそうとした所で大神さんに制される。大神さんは頭を僕の股間に持っていき覆いかぶさる様にして鼻を近づけた。
くん…はぁっ…くんくん…
所謂69の格好で、互いの股間を嗅ぎ回る。僕の視界には一面大神さんのちんぽが映し出されて、時折放たれる先走りが顔に降りかかる。べろりと舌を出して顔の先走りを舐めとると、塩辛くていやらしい味がした。
れちゃっ…れろっ…
裏筋に鼻先を密着させて、陰嚢から舌で舐め上げる。
「んっ、あっ!…んむっ」
直後、ちんぽがぬるついた粘膜に絡め取られる。熱い吐息と、唾液がちんぽを満遍なくコーティングしていき、亀頭を撫で回されては吸い付かれる。
ちゅむっ、れるっ…ちゅちゅっ…
快楽にうち震えながらも、僕も目の前のご馳走にかぶり付いた。口の中に獣臭いちんぽの匂いが充満し、鼻先からは股間の匂いが攻め込んでくる。
ちゅぐっ、にゅこっ…にゅっ
「おごっ、んっ、んっ」
自分の声か、大神さんの声か、あるいは両方か。口内のちんぽを夢中で味わい、また口内の感触を貪ろうと自然と腰が動き、ちんぽが口内を往復する音と嬌声が響く。互いの尻尾がはさはさと揺れる。
ごぼっ、じゅこっ、じゅっぷっ
「んんっ、ふおっ…っはぁ」
腰つきが早くなり、息継ぎもろくに出来ずに酸欠気味になりながらも、ちんぽの匂いを精一杯肺に取り込む。唾液によるものか、先走りのよるものか、水音もさらに増していく。
「ふぐっ、おぉっ…!」
ちんぽの溶けそうな感触と、睾丸から送られる精液の感触に、間も無く射精する事を悟り、一滴もこぼす事無く口内に注ぎ込もうと深く腰を突き立てて、ちんぽを根元まで相手の口の中に埋める。
びゅーっ、びゅーびゅっ…ごくっ…びゅるっ
「んふっ、ごぐっ…ごほっ、ごく…」
ちんぽがビクビクと震えて、喉を叩きつける精液にむせ返りながらも、溺れんばかりに放出される精液を飲み下す。焼けそうな喉の感触と、先走りや股間の匂いよりもいっそう濃い精液の匂い。大神さんの口内に射精をして、射精をされる。大神さんに悦びを与える事が出来た事と、与えてもらえた事にこの上ない幸せを感じていた。
ぴゅ…とぷ…ごくっ…
「っはぁ…」
口内で萎え始めたちんぽに名残惜しさを感じて仔犬のように吸うと、尿道に残っていた精液がとろりと出てきた。舌でちんぽを慈しんでいると、大神さんは身体を起こして僕の口内からちんぽを引き抜いて僕の方に向き直る。
「ん、」
差し出された鼻先をぺろりと舐めると、大神さんはくすぐったそうに目を細めた。そのまま口をがぱりと開けて、互いに食らいつくように口内を貪る。僕の手を握ると大神さんはぐったりと脱力してのしかかった。腹の獣毛が擦れ合って雪の冷たさなんて感じなかった。
マンションの扉を開けて、鞄を下ろしてソファーに腰掛ける。長い旅もこれで一段落といったところだろうか。携帯を取り出して、先ほどのメールをもう一度開く。しばらくその文面を眺めた後、寝転がって目を閉じる。
あれからは大変だった。とうに電池の切れた携帯を充電して電波の入る所まで出てみると、山のようにとはいかないが、電話やメールがいくつか残されていた。向こうに居た時は、あまりカレンダーなんて見なかったけれど、僕が帰った頃には冬休みはもう一週間も前に終わっていて、無断欠勤を続けるものだから実家の方にも連絡が入って、あわや音信不通となった僕に捜索願が出される所だった。会社からも親からも散々詰め寄られて、旅先で携帯が壊れてしまったからという苦しい言い訳で平謝りを続けたものだ。
その、大神さんはというと…初めは僕の言う事に反対もしたし、何度も口論になりかけたけれど、粘り強く交渉して許して貰うことが出来た。それでもしぶしぶ了承した割には、僕が帰る時には別に手ぶらでも何の問題も無かったのに、飛行機の重量制限に引っかかりそうな程の土産物を渡されたものだ。土産物を大量に手に抱えて実家に帰った時の親の顔といったら。その後、自分の部屋で寛いでいると母親の呼ぶ時声がした。
「ちょっと!幸博!」
大神さんから渡された荷物の底に「御両親様へ」と書かれた封筒が忍ばせてあったらしい。いつの間にこんなものを書いたんだろうか。どんな事が書いてあるのか気になったものの、結局見せて貰えなかった。ただその日の晩御飯は少し豪勢で、親は終始ニヤニヤしていたのでまあ悪い内容ではなかったのだろう。それにしても気になるが。
大神さんの事を考えると、自然と口角が上がってしまう。劇的な出会いをして、色々あったけれど僕らは恋に落ちたんだ。
あの冬の出来事は、決して忘れないだろう。
UKB-AKJ
手の中の紙切れにはそう印字されている。轟音とともに石油のような匂いが仄かに立ち込める。加速度に背中を押し付けられた後、ぞわりとした感触と共に浮かび上がる。神戸の街はあっという間に雲の下に隠れて見えなくなった。別れを告げるように窓の日除けを下ろして目を閉じた。
二時間ばかりのフライトの後、飛行機は旭川空港へと降り立った。荷物を受け取って到着ロビーを抜けると、もう春先だというのに冷えた風が吹いて身震いする。制限エリアを抜けた先に、見知った顔があった。
「幸博くん、お疲れ様」
この気温にしてはやっぱり薄着の大神さんは、僕を見つけて目を細めた。
「ただいま、豊さん」
外には未だに雪が残っている。さあ明日からは大変だぞ。役所に行って手続きが沢山必要だし、買い揃えなきゃいけないものもある。いくらかはあの時のがあるだろうし、大神さんが事前に用意してくれているものもあるだろうか。これからの生活を思い描いて、頭の中でTODOリストに書き足していく。ああ、でもそんな事よりも。僕は大神さんの手を取って言った。
「これからよろしくね、お父さん」
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退会済ユーザのコメントです
読んで頂きましてありがとうございます!
ご認識の通り、2人で生きていくために養子縁組したという感じです。
最近はパートナーシップ制度なんかもありますが…
ご感想頂きましてありがとうございます!
書いている時はあまり意識はしていなかったのですが、確かにヤンデレ気味ですね…
濃密ないちゃらぶエッチが書けるように精進したいと思います。