幻想パズルパーティ～日常遅生活～

押忍！総長先生

「茜ってあのヤンキーとどういう関係なの？」
「ヤンキー？あぁ、あの子は私の細胞で創った分身です月島桜（つきしまさくら）、苗字だけ変えてくれって頼まれました」
「分身？だけど性格反対だよね...」
「外見だけです、ほら」
　私は桜の職場に彩音さんと足を運んだ。丁度下校時間なので大勢の生徒さんが出入り口から散弾銃の弾のように溢れる。
「総長、お疲れ様です！」「塾長です...」みたいなやり取りをしていた。
「総長って、やっぱり」
「暴走族でもないです。あくまで外見だけです」
　白銀のロングヘアにカラコン着けてるみたいな赤い目してるし。勘違いされても無理はないか...
「お母じゃなくて茜、それに彩音さんも来てたんですか」
「えぇ、まあね。相変わらず誤解されているじゃない」
「そうですねぇ、やっぱり私って不良に見えます？」
「言っていいの分からないけど...」
「そりゃ言いずらいですよね」
「毎日、こんなやり取りしてるの？」
「一週間に何回かはね...」
「気にならない？」
「何か慣れちゃいました！」
　男でも外見のせいで間違われたり、怖がらせたりするけど。中身は普通一般人も居るけど。やっぱり桜可愛いねぇ！自分の娘でもあるから尚更だよ！
「桜、家に戻ってこない？」
「断る」
「寂しくない？」
「私は、子供じゃないし一人でも生活出来ます！」
「男友達は欲しくないの？」
「それはそのぉ、今はその時期じゃない」
　何で私の分身なのに性格が違うんだろう？自分自身の本性がそのまま彼女の自我になっている感じかな？
「じゃ、私先に帰ってるね」
「帰ったら早速、ふふふ！」
「...」
　そんな感じで彩音さんは家に戻った。
久しぶりに桜と一緒に話すことが出来る。
「あれ、帰んないの？」
「うん、少しだけ話したらね」
「暇ではないけどいいよ」
「男に話しかけられた事ある？」
「たまにね、私みたいな女に惹かれる奴がいるんだよ、勿論チンピラじゃないよ」
「あぁ、うん分かってる」
「どうすりゃいいんだ？押しかけていった方が良いの？」
「それだと重い奴だと思われる」
「動画だと、皆やってたぞ」
「何見てんの？」
「見てるって言うか勉強してんだよ『ヤンデレASMR』ってやつ」
「あれは参考にしちゃ駄目、私が教えてあげるから」
「おう、そうか。お願いします」
　ヤンキーな女に惹かれる男って頭の中どうなってるんだろう？世の中変わった人も
いるんだなぁ

「お前ぇが息子のガールフレンドか？」
「遠い昔の事ですけど」
「そうかそうか、ところで姉ちゃんのスリーサイズ教えてくれや」
「嫌です！」
　帰って来たら、家の中に見覚えのある顔の男の幽霊が彩音さんにとんでもないセクハラ発言をしていた。