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ぽわわん
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最悪な一日だった。
あの後、見事に頭が真っ白になった私は、なんとか自分を取り戻し、店長に対してなんとか取り繕ってみせた。
そういえば、子供の頃にこんな場面があったことをイヤでも思い出す。
クラスの子たちが、私の気になる男子を見事に言い当て、それを茶化すという、あの重くガツンとくる精神的ボディーブロー。
子供のわたしは、もうそれだけで、なーんの罪もない好きな男の子を嫌いになったものだ。
貴方さえいなければ、わたしはこんな目には遭わなかった!!
複雑に入り組んだ、だけど、辿っていけば辻褄の確かに合う、女心の色彩の綾ってやつ。
さすがに年を経て、今は、彼をむりくりに敵に仕立て上げて溜飲を下げるなんて幼心は起こさない。
だけど、
すくなくとも、あの店長の前で、、、
( ル ン ル ン 気 分 は ご 法 度 )
気分どころか、かすかな気配さえも許されないわ。
その週は、もうそれだけで彼はお店にやってこなかった。
彼が再び現れたのは、その次の週の水曜日だった。
「いらっしゃいませー」
店長がチラリとこちらを向いた。
意外に軽薄なやつだ。嫌いになりそ。
こうなれば、わたしは女優。ツンとして、至極、平静を保ちつつ、頭に卵を乗せているかのように楚々として振る舞ってみせるわ。
「いらっしゃいませ」
レジも無難にゲット。
ピッ
ピッ
ピッ
「3点で、、、」
ふと目が合う。
静かな澄んだ目。
あー、肌がキレイ。
高身長でスラッとしているのに威圧感がないのは、透き通るほどの清潔感があるから。
だけど、身体はしっかりとしていて、きっと抱き締められたら、わたし死ぬ。
ぽわわん
袋詰め。
この袋に、わたしも入れてくれない?
いつものやつで、お釣りを渡す。
かすかに触れあう肌と肌。
その感覚は、半年通い詰めのヨガ教室に匹敵。
「ありがとうございます」
彼もいつものやつ。
うーん、いい声!
「ありがとうございました!」
女優は頭から卵を落とし、衣装を脱ぎ捨て、思いっきりの部屋着でスキップ。
小鼻を膨らませて振り向くと、瞬殺された女優を哀れむような、目を細めた店長がいた。
あの後、見事に頭が真っ白になった私は、なんとか自分を取り戻し、店長に対してなんとか取り繕ってみせた。
そういえば、子供の頃にこんな場面があったことをイヤでも思い出す。
クラスの子たちが、私の気になる男子を見事に言い当て、それを茶化すという、あの重くガツンとくる精神的ボディーブロー。
子供のわたしは、もうそれだけで、なーんの罪もない好きな男の子を嫌いになったものだ。
貴方さえいなければ、わたしはこんな目には遭わなかった!!
複雑に入り組んだ、だけど、辿っていけば辻褄の確かに合う、女心の色彩の綾ってやつ。
さすがに年を経て、今は、彼をむりくりに敵に仕立て上げて溜飲を下げるなんて幼心は起こさない。
だけど、
すくなくとも、あの店長の前で、、、
( ル ン ル ン 気 分 は ご 法 度 )
気分どころか、かすかな気配さえも許されないわ。
その週は、もうそれだけで彼はお店にやってこなかった。
彼が再び現れたのは、その次の週の水曜日だった。
「いらっしゃいませー」
店長がチラリとこちらを向いた。
意外に軽薄なやつだ。嫌いになりそ。
こうなれば、わたしは女優。ツンとして、至極、平静を保ちつつ、頭に卵を乗せているかのように楚々として振る舞ってみせるわ。
「いらっしゃいませ」
レジも無難にゲット。
ピッ
ピッ
ピッ
「3点で、、、」
ふと目が合う。
静かな澄んだ目。
あー、肌がキレイ。
高身長でスラッとしているのに威圧感がないのは、透き通るほどの清潔感があるから。
だけど、身体はしっかりとしていて、きっと抱き締められたら、わたし死ぬ。
ぽわわん
袋詰め。
この袋に、わたしも入れてくれない?
いつものやつで、お釣りを渡す。
かすかに触れあう肌と肌。
その感覚は、半年通い詰めのヨガ教室に匹敵。
「ありがとうございます」
彼もいつものやつ。
うーん、いい声!
「ありがとうございました!」
女優は頭から卵を落とし、衣装を脱ぎ捨て、思いっきりの部屋着でスキップ。
小鼻を膨らませて振り向くと、瞬殺された女優を哀れむような、目を細めた店長がいた。
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