出張ホスト 邂逅神代です

乍冥かたる

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高崎市 奈美のこと

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狭いガラステーブル。

灰皿をどかし、道すがら、コンビニで買ったお菓子を広げた。

奈美はソファーに座り、俺は、大和と二人、床に座ってリラックス。

テレビを点けながら、親子水入らず。

絵でいうと、本当にそんな感じだ。


不意に、大和が俺の腕をとった。


「ねんね」


小さな人差し指で、ベッドを指差している。


ママに言えとも思ったが、話が早めに通じるのはこっちのほうだと値踏みされているらしい。


「眠いのかな」

「そうみたい」


俺は大和を抱きかかえ、ベッドに連れて行った。

そうすると、今度は俺と二人きりなのが不安なのか、大和は奈美を呼んだ。


「かっか」


「かっか?」


「うん、ママだと、まんまと一緒になっちゃうから、かかと呼ばせてるんです」


奈美がベッドにやってきた。

不思議な空間だった。

ベッドで三人。

独り暮らしの長い俺には、味わったことのない感覚。


いや、この感覚には覚えがあった。


子供の頃、妹と母親と同じ部屋で一緒に寝ていた。

神経質な父親は、別室で一人だったが、俺は寝る時は、寝る寸前まで妹と遊び、母親の家事が終わるのを待ったものだ。

そういっても、子供が寝る時間は早い。だいたいは、母親は家事の手を止めて、先に俺たち二人を寝かしつけたものだ。

俺たちが寝たあとは、母親は家事に戻ったのだろうが、安心の幸福の中で眠りに入った俺には分からない時間だった。


枕を抱きかかえて、大和がうつ伏せになっている。

枕は大きく、大和と同じくらいの大きさだった。


しばらくしたら、ひょっこりと起き出して、さらには立ち上がったりする。

さすがに、落ち着かないのだろうか。


しっとりとした空間の中で、俺は、心地よく落ち着いていた。

家族の幸福とは、こういった時間の中にあるのだろうか。結婚願望のない俺でも、そんな想いがした。


左隣に奈美がいて、俺と二人で、大和に向き合っている。


俺は自然と、奈美の腰に手を回していた。


これは駄目だとも思った。

家族の雰囲気は当然、現実のものではなく、隣の女は顧客に過ぎない。


顧客が求めていないものを、プロである俺が自身の欲望のために動くとしたら、それはプロ失格であり、奉仕に殉ずると決めた俺の信念とも食い違う。

ましてや、相手はシングルだ。


この女を引き寄せようとするのなら、それは、この女とこの子の面倒を見るという決意ということになり、そうでなければ、ただの遊びに過ぎない。


だけど、手が止まらない。

この状況で、手を出さない男なんているのだろうか。

いや、それは、一般論に逃げることだ。これは俺の行動であって、この左手は、俺の意思だ。


奈美の動きが止まった。

だけど、拒否する感じではない。

できないのかもしれない。


俺は掛け布団を引っ張り、奈美と二人でくるまるように置いた。

布団に包まれ、大和からの死界ができると、行動は大胆になった。


後ろから奈美のスカートの下に手を入れ、正座する奈美の下着の隙間から、露骨に股のあたりをまさぐった。


奈美は動きを止めたままで、身体は硬直もせず、柔らかなままだった。


( 受け入れてるな )


そうなると、もう止まらなかった。

まさぐる左手を下着からいったん抜き、今度はしっかりと背後に回り、左手で腰に手を回した。

そうして自由な右手で、もう一度、奈美の下着の中へ手を入れた。


左手の時は乾いていたそれが、右手を入れた時には濡れていた。


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