10 / 13
死への時間
しおりを挟む
ベッドの上で、天井を見つめた。
丸太が綺麗に並んでいて、寝返りを打つと、鼻腔内に木材のいい香りがやってきた。
しばらくすると、身体が小さく重くなり、寝入ってしまいそうになった。
「んー、だめだめ」
あと一時間もすれば、食事の時間だ。
どんな食事だろう。冬でもない美瑛では、カニやホタテという感じでもないし、美味しい野菜が食べたい。
そう思いながら、わたしは自然と股間に手を当てていた。
特に、変な気持ちになったという訳でもなく、いつものことなのだ。
自室でも、ベッドに横たわり、寝る前にこうして自慰をする。
初めて自慰を覚えたのは、小学生の時だった。あれは、五年生だったか、六年だったか。
愛用の抱き枕を抱えていた。それも、その日はいつもより強めに抱いていた。
抱き枕に当てた腰のあたりに覚えた妙な感覚。感覚は、中毒性をもって下半身を走り、下半身のその感覚を求めるために、何度も何度も腰を押し当てた。
押し当てながら分かった。感覚を感知している部分は腰ではないということを。
腰よりももっと中心の、もっと敏感な部分であり、抱き枕を離し、その敏感な部分に自分の手でパジャマ越しから触れたとき、トロンとするような、得も言われぬ快感があった。
わたしは、その快感の虜になった。
以来、寝るときは、うつぶせになり、手を股間に当て、そのトロンとした感覚のまま寝入ることが多くなった。
右手を股間に当て、中指や薬指あたりでその部分に触れるようにし、左手をその上から添える。
両手の指を少しギュッと押し付けると、トロンとした感覚が起こる。
そのまま、落ちるように寝てしまうのだが、これは、ひとつの幸福と言えた。
中学に入り、本格的に自慰を覚えた。
自分の指で性器を弄ることに自慰という名詞があり、特にわたしだけに与えられた感覚ではないらしいということ。
そういった世間的な概念と、さらに小学生来の行為を押し進めた新しい世界。
初めて、直接に性器を指で触れたのがその頃だった。
普段、下着を汚すだけの液体状のものが、直接そこに触れるにつけ、程よい滑りをもたらし、過剰な感覚を和らげ、あるいは敏感な感覚を増幅させた。
自分で肩や腰を揉んでも気持ち良さが足りないというが、自慰に関しては違った。
ミリ単位の感覚が、自分だけにしか分からない感覚とリズムがあった。
粘液に絡まりながら、中指が秘部を撫でる。
その一度目の撫で具合が心地良ければ、立て続けに同様に繰り返す。
弱ければ、立ちどころに強めに修正し、貪るように撫でる。
この間、数秒のこと。
一定の撫で具合に無意識に飽きれば、あるいは違和感があれば、また、変化を楽しみたいなら、リズムを変えるのだ。
ゆっくりと、ゆっくりと、焦らすように、ゆっくり、ゆっくりと楽しむときは、わたしは犬だった。
架空の主人がいて、その主人の優しさを涎を垂らしながら待つように、従順に焦らしに耐え、次の一手を待つ。
感覚が極まり、感度が極まると、あとは乱暴に性器を自らの指で犯した。
粘液はわたしの乱暴な指使いを守るように煽るように溢れ出し、感覚だけが脳天を乱舞する。
乱舞する感覚は直接的すぎて、身体はそれに呼応するように痺れ、ある一点の極みに達した時、身体は精神ごと何かに叩きつけられ、あとは解放という名の死だけがあった。
落ちに落ち、
落ちに落ち、
落ち着く先は、あらゆる不条理から脱却した、己自信を崩壊せしめた、心地良いだけの死だった。
丸太が綺麗に並んでいて、寝返りを打つと、鼻腔内に木材のいい香りがやってきた。
しばらくすると、身体が小さく重くなり、寝入ってしまいそうになった。
「んー、だめだめ」
あと一時間もすれば、食事の時間だ。
どんな食事だろう。冬でもない美瑛では、カニやホタテという感じでもないし、美味しい野菜が食べたい。
そう思いながら、わたしは自然と股間に手を当てていた。
特に、変な気持ちになったという訳でもなく、いつものことなのだ。
自室でも、ベッドに横たわり、寝る前にこうして自慰をする。
初めて自慰を覚えたのは、小学生の時だった。あれは、五年生だったか、六年だったか。
愛用の抱き枕を抱えていた。それも、その日はいつもより強めに抱いていた。
抱き枕に当てた腰のあたりに覚えた妙な感覚。感覚は、中毒性をもって下半身を走り、下半身のその感覚を求めるために、何度も何度も腰を押し当てた。
押し当てながら分かった。感覚を感知している部分は腰ではないということを。
腰よりももっと中心の、もっと敏感な部分であり、抱き枕を離し、その敏感な部分に自分の手でパジャマ越しから触れたとき、トロンとするような、得も言われぬ快感があった。
わたしは、その快感の虜になった。
以来、寝るときは、うつぶせになり、手を股間に当て、そのトロンとした感覚のまま寝入ることが多くなった。
右手を股間に当て、中指や薬指あたりでその部分に触れるようにし、左手をその上から添える。
両手の指を少しギュッと押し付けると、トロンとした感覚が起こる。
そのまま、落ちるように寝てしまうのだが、これは、ひとつの幸福と言えた。
中学に入り、本格的に自慰を覚えた。
自分の指で性器を弄ることに自慰という名詞があり、特にわたしだけに与えられた感覚ではないらしいということ。
そういった世間的な概念と、さらに小学生来の行為を押し進めた新しい世界。
初めて、直接に性器を指で触れたのがその頃だった。
普段、下着を汚すだけの液体状のものが、直接そこに触れるにつけ、程よい滑りをもたらし、過剰な感覚を和らげ、あるいは敏感な感覚を増幅させた。
自分で肩や腰を揉んでも気持ち良さが足りないというが、自慰に関しては違った。
ミリ単位の感覚が、自分だけにしか分からない感覚とリズムがあった。
粘液に絡まりながら、中指が秘部を撫でる。
その一度目の撫で具合が心地良ければ、立て続けに同様に繰り返す。
弱ければ、立ちどころに強めに修正し、貪るように撫でる。
この間、数秒のこと。
一定の撫で具合に無意識に飽きれば、あるいは違和感があれば、また、変化を楽しみたいなら、リズムを変えるのだ。
ゆっくりと、ゆっくりと、焦らすように、ゆっくり、ゆっくりと楽しむときは、わたしは犬だった。
架空の主人がいて、その主人の優しさを涎を垂らしながら待つように、従順に焦らしに耐え、次の一手を待つ。
感覚が極まり、感度が極まると、あとは乱暴に性器を自らの指で犯した。
粘液はわたしの乱暴な指使いを守るように煽るように溢れ出し、感覚だけが脳天を乱舞する。
乱舞する感覚は直接的すぎて、身体はそれに呼応するように痺れ、ある一点の極みに達した時、身体は精神ごと何かに叩きつけられ、あとは解放という名の死だけがあった。
落ちに落ち、
落ちに落ち、
落ち着く先は、あらゆる不条理から脱却した、己自信を崩壊せしめた、心地良いだけの死だった。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる