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パンプさせたら懐かれて草
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アクティの誕生日パーティーに参加した数日後。
ハラスメント領に帰宅し、筋トレライフを満喫しようとしていたセクシャルを尋ねる者達がいた。
「アクティ様! どうぞこちらへ、セクシャル様のところまでご案内いたします」
「ええ、ありがとう」
まず1人、アクティ・レストである。
そのままアクティは屋敷のものに案内され、セクシャルの部屋に到着。コンコンコン、と礼儀正しく3回ノックをしてみせた。
「セク? 入るわよ?」
「来い! 来い! もう1発!」
「? よく分からないけど、入るわよ」
そしてアクティが部屋に入ると……なぜかそこには、先日セクシャルに絡んでいたはずのコウセイ・ワルイヒトがいた。
それに、なんだか仲良さげに筋トレをしているではないか。
アクティは表情を疑問に染め、ズコズコとセクシャルに近づいていった。
「ちょっと! せっかく遊びにきたのになんでコイツがいるのよ!」
「おお、誰かと思ったらアクティ。きてたのか」
「来てたのか。じゃないわよ! 今日から遊びに行くって、お手紙出したじゃない!」
「……」
「あんたまさか!」
【悲報】アクティさん、部屋に入って第一声で一応貴族のコウセイくんをコイツ呼ばわりしてしまう。
せっかく遊びに来たのに他にも知らない人が遊びに来ていたものだから、若干キレ気味のアクティ。
そこに追い討ちをかけるように、セクシャルはアクティか送ったという手紙を読んでいないことがバレた。ガチギレである。
幼く、細く、白く可憐で華やかなはずのアクティ。神々しい金色の髪の毛と能力も相まって、原作ではテンプレの聖女様と呼ばれていたアクティが、今は悪魔のような形相をしている。
そのままの勢いでアクティがセクシャルを殺害しようとした時、アクティを宥めるものが存在した。コウセイ・ワルイヒトくんである。
「まあまあアクティ嬢落ち着いて。」
「そもそもあんたはなんなのよ! あんなにセクに絡んでたくせに、何仲良く筋トレしてんのよ!」
「いやぁ、あの時は本当にすまなかった。でもね、俺はあの時セクくんに筋トレの気持ちよさを教えてもらったんだ……。翌日訪れる筋肉痛すらもが気持ちいい。努力が目に見える形で現れるなんて、こんな素晴らしいことはないよ。ほら、僕の腕、少し太くなったと思わない?」
謝罪から始まり、コイツまともなんじゃね?と思わせておきながら、途中から気持ちよさそうな顔で筋トレの良さを語って見せるコウセイ。
やっべ、またイカレキャラが1人増えた。こいつ、原作だとイジワルする系のイケメンドSキャラみたいな感じだったはずなんだがな。
何が起こってしまったのか、気持ち悪い惚け顔のまま腕に力を入れ、筋肉アピールをして見せた。
「あんたの素の腕の太さなんて知らないわよ。」
「いや、それはパンプアップしてるだけだ。たった数日のトレーニングで体が変わると思うな。しばくぞ。」
「あ、はい……。」
庇ってあげたはずのセクシャルからも非難されるコウセイ。落ち込んだ姿が悲惨である。
だが、そんな数日で筋肉がつくはずがないという意見には同意である。調子乗んなよ。
「だが、お前はフォームがキレイで見込みがある。さあ、もう1セットやるぞ」
「おう! よっしゃぁ!」
セクシャル、恐ろしい子……! 一旦落としてから上げる。飴と鞭を使いこなし、疲弊しきっていたコウセイにもう1セット筋トレをさせるつもりである。
そして、単純なコウセイは喜んでそれに引っかかった。まあ、筋トレ楽しいしね。
そんな感じで、キレていたはずのアクティを放置して再び筋トレを再開しようとする男2人。
ハラハラしながらアクティの様子を伺うも、この状況を楽しんでいるように見えた。
セクシャルのようなバカと幼い頃から仲良くしているくらいなのだから、この子も普通ではないみたい。
「よし、これで100キロだ。いけるな?」
「頑張るよ、もし潰れたら頼むね?」
「任せておけ、俺の補助は一流だ」
どうやら、コウセイがベンチプレス100キロに挑戦するらしい。
先程まで80キロで散々追い込んでいたのだから、筋肉と神経に疲労がかなり残っていることだろう。その状況で100キロをあげられるとは思わないが、どうだろうか。
それと、セクシャル。お前ぼっち家トレーニーだろ。補助なんかしたことないだろどうせ。
「スーーーッ!」
そして、コウセイは息を大量に吸い込み腹圧をかけ、100キロに挑戦を始めた。
セクシャルがフォームを褒めていたように、初心者とは思えないほどのキレイなフォームでバーベルを下ろしていく。
貴族の子息などは元より剣術などを学び鍛えているものが多いからか、基礎筋力や体幹部の筋力が発達しているように見えた。そのおかげで出せるキレイなフォームである。
「ふんっ! ぐ……ぐぁぁぁぁ!」
そして、胸の前でバーベルを一時停止させ、一気に半分まで挙上した。
しかし、そこからがなかなか上がらないのがベンチプレス。プルプルと震えながらなんとか上げようと粘るが、途中でフッと力が抜けた。
セクシャルもコウセイが潰れたかと思ったようで手をスッとバーベルに添えた。
しかし、次の瞬間。コウセイの体が赤色にゆらめくオーラを纏った。
そして、先程までのが嘘だったかのように軽々と挙上。そこから10回ほどさらにあげてみせたのである。
「なんだと……!?」
この時、セクシャルは新たなる可能性を目にしたらしい。
ハラスメント領に帰宅し、筋トレライフを満喫しようとしていたセクシャルを尋ねる者達がいた。
「アクティ様! どうぞこちらへ、セクシャル様のところまでご案内いたします」
「ええ、ありがとう」
まず1人、アクティ・レストである。
そのままアクティは屋敷のものに案内され、セクシャルの部屋に到着。コンコンコン、と礼儀正しく3回ノックをしてみせた。
「セク? 入るわよ?」
「来い! 来い! もう1発!」
「? よく分からないけど、入るわよ」
そしてアクティが部屋に入ると……なぜかそこには、先日セクシャルに絡んでいたはずのコウセイ・ワルイヒトがいた。
それに、なんだか仲良さげに筋トレをしているではないか。
アクティは表情を疑問に染め、ズコズコとセクシャルに近づいていった。
「ちょっと! せっかく遊びにきたのになんでコイツがいるのよ!」
「おお、誰かと思ったらアクティ。きてたのか」
「来てたのか。じゃないわよ! 今日から遊びに行くって、お手紙出したじゃない!」
「……」
「あんたまさか!」
【悲報】アクティさん、部屋に入って第一声で一応貴族のコウセイくんをコイツ呼ばわりしてしまう。
せっかく遊びに来たのに他にも知らない人が遊びに来ていたものだから、若干キレ気味のアクティ。
そこに追い討ちをかけるように、セクシャルはアクティか送ったという手紙を読んでいないことがバレた。ガチギレである。
幼く、細く、白く可憐で華やかなはずのアクティ。神々しい金色の髪の毛と能力も相まって、原作ではテンプレの聖女様と呼ばれていたアクティが、今は悪魔のような形相をしている。
そのままの勢いでアクティがセクシャルを殺害しようとした時、アクティを宥めるものが存在した。コウセイ・ワルイヒトくんである。
「まあまあアクティ嬢落ち着いて。」
「そもそもあんたはなんなのよ! あんなにセクに絡んでたくせに、何仲良く筋トレしてんのよ!」
「いやぁ、あの時は本当にすまなかった。でもね、俺はあの時セクくんに筋トレの気持ちよさを教えてもらったんだ……。翌日訪れる筋肉痛すらもが気持ちいい。努力が目に見える形で現れるなんて、こんな素晴らしいことはないよ。ほら、僕の腕、少し太くなったと思わない?」
謝罪から始まり、コイツまともなんじゃね?と思わせておきながら、途中から気持ちよさそうな顔で筋トレの良さを語って見せるコウセイ。
やっべ、またイカレキャラが1人増えた。こいつ、原作だとイジワルする系のイケメンドSキャラみたいな感じだったはずなんだがな。
何が起こってしまったのか、気持ち悪い惚け顔のまま腕に力を入れ、筋肉アピールをして見せた。
「あんたの素の腕の太さなんて知らないわよ。」
「いや、それはパンプアップしてるだけだ。たった数日のトレーニングで体が変わると思うな。しばくぞ。」
「あ、はい……。」
庇ってあげたはずのセクシャルからも非難されるコウセイ。落ち込んだ姿が悲惨である。
だが、そんな数日で筋肉がつくはずがないという意見には同意である。調子乗んなよ。
「だが、お前はフォームがキレイで見込みがある。さあ、もう1セットやるぞ」
「おう! よっしゃぁ!」
セクシャル、恐ろしい子……! 一旦落としてから上げる。飴と鞭を使いこなし、疲弊しきっていたコウセイにもう1セット筋トレをさせるつもりである。
そして、単純なコウセイは喜んでそれに引っかかった。まあ、筋トレ楽しいしね。
そんな感じで、キレていたはずのアクティを放置して再び筋トレを再開しようとする男2人。
ハラハラしながらアクティの様子を伺うも、この状況を楽しんでいるように見えた。
セクシャルのようなバカと幼い頃から仲良くしているくらいなのだから、この子も普通ではないみたい。
「よし、これで100キロだ。いけるな?」
「頑張るよ、もし潰れたら頼むね?」
「任せておけ、俺の補助は一流だ」
どうやら、コウセイがベンチプレス100キロに挑戦するらしい。
先程まで80キロで散々追い込んでいたのだから、筋肉と神経に疲労がかなり残っていることだろう。その状況で100キロをあげられるとは思わないが、どうだろうか。
それと、セクシャル。お前ぼっち家トレーニーだろ。補助なんかしたことないだろどうせ。
「スーーーッ!」
そして、コウセイは息を大量に吸い込み腹圧をかけ、100キロに挑戦を始めた。
セクシャルがフォームを褒めていたように、初心者とは思えないほどのキレイなフォームでバーベルを下ろしていく。
貴族の子息などは元より剣術などを学び鍛えているものが多いからか、基礎筋力や体幹部の筋力が発達しているように見えた。そのおかげで出せるキレイなフォームである。
「ふんっ! ぐ……ぐぁぁぁぁ!」
そして、胸の前でバーベルを一時停止させ、一気に半分まで挙上した。
しかし、そこからがなかなか上がらないのがベンチプレス。プルプルと震えながらなんとか上げようと粘るが、途中でフッと力が抜けた。
セクシャルもコウセイが潰れたかと思ったようで手をスッとバーベルに添えた。
しかし、次の瞬間。コウセイの体が赤色にゆらめくオーラを纏った。
そして、先程までのが嘘だったかのように軽々と挙上。そこから10回ほどさらにあげてみせたのである。
「なんだと……!?」
この時、セクシャルは新たなる可能性を目にしたらしい。
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