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2章 壊れた日常。
9話 再開
しおりを挟む「あ……、っふ………」
無意識に近かった。
藍花の口の中に自分の舌をねじ込んで、舌を絡める。
水音と藍花の漏れた声だけが浴室の中に響いた。
「っふ…、……ん、」
あつくて気持ちが良くて、頭がぼーっとする。
「……ん、あいか、…あいか」
何も考えられなくなった。
「…………」
これ以上続けていたらもっと先に進んでしまう。
既に視線はそっちを向いていた、が、
「風深乃、藍花!大丈夫?遅いけど…………」
……叔母さんが脱衣場に来た。
それでどちらも我に返り、すぐに口を離す。
「「……ぷは」」
…………ッ
「は…はい!!ごめんなさい、すぐにあがります!」
「あら……急がせた訳じゃないから大丈夫よ、冷えないようにね」
それだけ言って叔母さんは脱衣場を出て行った。
「…………ふぅ……」
危なかった…………色々と。
「……藍花、あがりましょう」
「……うん」
ーーー
(千月side)
「……ねぇ、柚鳥」
「…なに?」
リビングでニュースを見ながら、ふと思っていた。
「そろそろだよ。あの人達が出てくるの。」
俺達を苦しめたあの男達が。
「……!」
………怖くてたまらない、
「……チヅ、大丈夫。……僕がチヅを守る。」
それなのに、柚鳥はそう言ってくれて、
「…………柚鳥……………………」
けど、その手は確かに震えていた。
ーーー
『あ……あぁぁ”ッ、あつい、あついよぉ…………』
『はいはい我慢しようね~、うん、上手に出来た』
タバコでつけられた痣。
『いや…ッ、やだ、やめて許して』
『大人しくしようねぇ、殺すよ?』
暴力で出来た傷。
服の下の傷や痣は消えなくて、隠すしか無かった。
「……ッ、」
もう思い出したくない。
…………それなのに、
「チヅ…………大丈夫?」
どうしてもあの日々が忘れられなかった。
ーーー
(??side)
「よぉーし、ようやく出れた」
もう待ちくたびれた。
「遅かったなぁ、待ちくたびれたよ」
「ごめんって、でもようやく千月君を攫いに行けるね。」
………………さて、
「ようやく再開だね、楽しい時間が。」
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