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ドタバタ宴会準備編
何の妖怪ですか?
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そこに現れた女性は、テレビで見た遠い存在。圧倒的存在感を見せつけた、それは一国の美女、傾国の美女。
モデルの、榧さん…!
「人の子や。ここはあやかしの世界ぞ。何故ここにおる?」
「…わ、私、その…ここに辿り着いて、居候させて貰ってるんです。会社が倒産して、寮を追い出されて、それで」
び、美人に睨まれるとここまで怖いのか…。
後ろからホオノキさんとカシワくんが、怯えた様子で何かを叫んでいる。叫んでいるが声が聞こえないのは、声も出せないほど怖がっているからか…。
「……あんた」
「は、はいいっ!」
「大変やったねぇ!こんな場所でも住んだらきっと楽しいわぁ、ゆっくりしていき?それにしてもあんた、ちょいと訳ありやなぁ…」
「え?」
榧さんはぷい、と顔を背けるとホオノキさんに1歩ずつ近付いて行く。その足が近付く度にカシワくんとくっついて後ずさり。
「のう、雷獣。久しぶりのわらわに、何か言うことないん?」
「い、いう……こと…!?」
「愛してるの一言ぐらい、言ってぇや…。200年は会ってへんやろ?」
「か、榧のお姉様…!つい10年前、来てたけど!」
「あらぁ?柏、元気しとったか?いつからいたん?」
「ずっといたけど!」
ホオノキさんが私に向かって手を伸ばすあいだ、私は必死に考えていた。
あ、愛してるの一言ぐらい言って…!?ま、まさかこの人榧さんの…!
想い人…!?
「違う、違う!蓬ちゃん、心の中、思ってるの違う!」
「あれっ、私声に出てました?」
「心の中、読めるんだよ!助けてくんない!?この人怖いんだって!」
こんなに慌てるホオノキさんは初めて見た。ちょっと新鮮なホオノキさんを見て、わくわくしてしまう。
榧さんは膝をおりしゃがむと、ホオノキさんの頬を愛おしそうに撫でる。その様子を見てカシワくんが何故か気絶した。カクッ、と肩を下げて動かない。
「ちょ、榧さん…。榧さん、落ち着いて」
「落ち着いとるよぉ。それより、人の子。あんた、名前は?」
「え、佐原蓬です…。それより、ホオノキさん、死んじゃいますって!」
「えぇ~、近付いただけやのにぃ。雷獣ったら、嬉しくてそないな顔して~」
ホオノキさんが怖いと言っていた理由が分かった。
榧さん、この人は自分のペースに持っていくのがうまい。
客間へと移動して、ホオノキさん、カシワくん、私の向かいに、榧さんが煙管を吸って座っていた。煙をふぅ、とふくこと、色っぽい。
「蓬。ええ名や」
「ありがとうございます…」
「わらわは榧。遠慮せず、榧って呼んでな?」
「お、恐れ多いです…」
「久しぶりに京都に来たから。ついここに来てしもて」
「は、はぁ。榧さんは、その、妖怪…?」
「そらそよぉ。ここに来れるんやから」
見た限り、カシワくん同等、滅茶苦茶美人な人にしか見えない。でも彼女は妖怪だと言う。
少しショックといえば、ショックだったかもしれない。
好きなモデルさんが、妖怪だったとは。
「ふふ、驚いた?わらわが妖怪で。あんたも知っとるやろ、モデルの榧」
「あ、はい。本名やったんですね、榧ってお名前」
「うん。わらわな、いい男探して人間の世界に行ったはええけど、やっぱあかんわ。雷獣みたいな可愛い子、おらんもん」
「え、そんな理由やったんですか!?モデルしてるの!」
「うん。やっぱ妖怪は妖怪。人間は人間や」
それを聞いていたホオノキさんが、顔を俯かせたのが気になった。煙管の煙がゆらゆらと揺れ、少しの間沈黙。その沈黙に耐えきれず、私は元気よく尋ねた。
「あの、榧さんって何の妖怪なんですか!?」
「ん?気になる?」
「ええ、とっても!」
「当、て、て、み、て?」
いちいち綺麗な人やな、もう!
私の知っている妖怪は、小豆洗いでしょ、猫娘でしょ、それからねずみ男でしょ。って、全部昔見た妖怪のアニメに出てきた名前や……。
あとは雷獣に、座敷童子。うーん、この中なら猫娘が妥当かな。
「ね、猫娘やろ!違います!?」
「……えぇ?」
隣でホオノキさん、「あっはは!」と大笑い。
隣でカシワくん、「えっへへへ!」と大爆笑。
前で榧さん、微笑みを浮かべる。
この笑いは、間違った笑いなのだろうか?
「この榧が猫娘?有り得へん。正解は、こ、れ」
榧さんは目を丸くして、うっすらと笑う。
そして呟いた時、ぶわぁっ、と大きな風が舞った。思わず目を瞑った私の頬に、ふわふわした何かが当たる。
そうっと手を触れると、それはふわふわしていて、暖かい。恐る恐る目を開けた私は驚いて、そして軽く叫んだ。
「わ…!」
狐の耳に、9本の尾…!
「正解は、玉藻前。日本三大妖怪の一匹や。よろしゅうな、人の子、蓬」
玉藻前。かつて、鳥羽上皇から寵愛を受け、その名を授かる。しかしその正体は九尾の狐であり、陰陽師によって討伐され、その怨霊は殺生石という毒石になり、近付く動物生物全ての命を奪った。
「玉藻前って、妖怪本来のお名前じゃないんや…。本当は九尾の狐?」
「うん、真名は九尾の狐。玉藻前って名前は気に入っててな、そっちを名乗ってるん。九尾の狐より、格好ええやろ?他にも中国、殷時代は妲己、周時代は褒姒って呼ばれてたわぁ」
「ええっ、そんな前からいたんですか!?」
歴史の教科書で学んだことがある。妲己、褒姒共々絶世の美女だったらしい。それがまさか、玉藻前もとい、榧さんだったとは…。
驚いて目を見開いた私を、榧さんはいたずらっ子のように目を細めて見つめてくる。そんな表情も綺麗である。
「榧って名前は、雷獣がつけてくれたんよぉ。のう、雷獣?」
「そうだったかな、柏…?」
「確か、宴会中にみんなで名前をつけあったんじゃなかったっけ…?」
「あぁん、もう。そんな小さいこと気にせんでええのにぃ」
「しかも、榧さんのお名前を決めたのは椚だったんじゃなかった?」
椚…?
初めて聞く名前に首を傾げると、榧さんが可愛らしい唇を尖らせて肩を下ろす。溜息混じりに煙管の煙をはいた。
「椚…。あいつがつけた名前の割には気に入っとるよ?」
「椚とは仲がいいもんね、榧のお姉様!」
「ふん。あいつとは長い付き合いやからねぇ…」
長い付き合いといえど、人間の私が思うより、もっと長い付き合いなんだろう。
妖怪の世界はあまり分からないが、少なくとも殷時代…、今からざっと3600年ほど前には、妖怪は存在していた訳だ。
「…榧さん、殺生石って石になったんやないんですか?陰陽師に討伐されたって書いてありますけど…」
私がスマホの画面を見せると、榧さんはじとーっとした目で画面を睨み、鼻を高くさせた。
「ふふ、わらわは陰陽師の目を欺くため、わざと殺生石になって封印したと勘違いさせたったんよ。その後自分が殺生石なのを忘れて50年ぐらいそんままやったけど」
「……50年、自分が殺生石なのを忘れて何してたんですか…」
「寝てた。退屈やったから」
ズコーっとテレビのごとくこけてみせる。
榧さんは、陰陽師を騙すためわざと殺生石になって、その後50年ぐらい寝ていたと。
妖怪のスケールでかーい…。
「その寝てる間に色んなことが起きた。やからね、蓬。人間の世は短いんやから、好きなことしとき。儚い一生、大事にするんよ?」
榧さんはそう言うと、ふ、と柔らかい笑みを浮かべた。
人の世は短い。私はまだ22年しか生きていないけど、それでも後悔することなんて、沢山あった。好きなことをする。それが生きるうえでの、大切なことなんかもしれへん。
上司に媚び売ってた生活が嘆かわしい。
飲み会でも酌をしていたのが酷く滑稽。
「ありがとう、榧さん。素敵なお話、聞かせてくれて」
私が感謝を伝え、頭を下げると、3人の妖怪は目を丸くして、笑ってくれた。
その顔はとても嬉しそうで、頬を赤くさせ、照れているように。
「蓬は不思議な子やわぁ」
「…似ているよね、よもぎの姉ちゃんは。ね、朴!」
カシワくんがホオノキさんの膝に乗って尋ねると、ホオノキさんは何かを思い出すように目を閉じ、頷いた。
私には分からない話やったけれど、空気を読んで静かにしようと思った。
風が吹き、木々が揺れる音がし、その空気を震わせる。
鯉が泳ぐ池の水面が、微かに響いた。
「そろそろ帰ることにするよ。またね、雷獣。柏も、お元気で」
榧さんは立ち上がり、尻尾と耳を隠した。
それからベレー帽を被り、いちょう色のカーディガンを着たいつもの、モデルの榧さんへと姿を変えた。人間スタイルだ。口調もテレビで見ている通り、現代の若者風だ。
「じゃあね、蓬。会えて嬉しかったよ」
「もう行くんですか?」
「うん。今からロケでね、北野天満宮に行くの。菅原道真公、お元気かな」
「……気をつけて下さいね、榧さん」
「やん!心配してくれてるん?雷獣、可愛いわぁ!ふふ、また来るわぁ。またねえ!」
そう笑顔で告げると、榧さんのお姿はふっと一瞬で消えた。瞬きして、妖怪の存在をまた確かに受け止める。
モデルの、榧さん…!
「人の子や。ここはあやかしの世界ぞ。何故ここにおる?」
「…わ、私、その…ここに辿り着いて、居候させて貰ってるんです。会社が倒産して、寮を追い出されて、それで」
び、美人に睨まれるとここまで怖いのか…。
後ろからホオノキさんとカシワくんが、怯えた様子で何かを叫んでいる。叫んでいるが声が聞こえないのは、声も出せないほど怖がっているからか…。
「……あんた」
「は、はいいっ!」
「大変やったねぇ!こんな場所でも住んだらきっと楽しいわぁ、ゆっくりしていき?それにしてもあんた、ちょいと訳ありやなぁ…」
「え?」
榧さんはぷい、と顔を背けるとホオノキさんに1歩ずつ近付いて行く。その足が近付く度にカシワくんとくっついて後ずさり。
「のう、雷獣。久しぶりのわらわに、何か言うことないん?」
「い、いう……こと…!?」
「愛してるの一言ぐらい、言ってぇや…。200年は会ってへんやろ?」
「か、榧のお姉様…!つい10年前、来てたけど!」
「あらぁ?柏、元気しとったか?いつからいたん?」
「ずっといたけど!」
ホオノキさんが私に向かって手を伸ばすあいだ、私は必死に考えていた。
あ、愛してるの一言ぐらい言って…!?ま、まさかこの人榧さんの…!
想い人…!?
「違う、違う!蓬ちゃん、心の中、思ってるの違う!」
「あれっ、私声に出てました?」
「心の中、読めるんだよ!助けてくんない!?この人怖いんだって!」
こんなに慌てるホオノキさんは初めて見た。ちょっと新鮮なホオノキさんを見て、わくわくしてしまう。
榧さんは膝をおりしゃがむと、ホオノキさんの頬を愛おしそうに撫でる。その様子を見てカシワくんが何故か気絶した。カクッ、と肩を下げて動かない。
「ちょ、榧さん…。榧さん、落ち着いて」
「落ち着いとるよぉ。それより、人の子。あんた、名前は?」
「え、佐原蓬です…。それより、ホオノキさん、死んじゃいますって!」
「えぇ~、近付いただけやのにぃ。雷獣ったら、嬉しくてそないな顔して~」
ホオノキさんが怖いと言っていた理由が分かった。
榧さん、この人は自分のペースに持っていくのがうまい。
客間へと移動して、ホオノキさん、カシワくん、私の向かいに、榧さんが煙管を吸って座っていた。煙をふぅ、とふくこと、色っぽい。
「蓬。ええ名や」
「ありがとうございます…」
「わらわは榧。遠慮せず、榧って呼んでな?」
「お、恐れ多いです…」
「久しぶりに京都に来たから。ついここに来てしもて」
「は、はぁ。榧さんは、その、妖怪…?」
「そらそよぉ。ここに来れるんやから」
見た限り、カシワくん同等、滅茶苦茶美人な人にしか見えない。でも彼女は妖怪だと言う。
少しショックといえば、ショックだったかもしれない。
好きなモデルさんが、妖怪だったとは。
「ふふ、驚いた?わらわが妖怪で。あんたも知っとるやろ、モデルの榧」
「あ、はい。本名やったんですね、榧ってお名前」
「うん。わらわな、いい男探して人間の世界に行ったはええけど、やっぱあかんわ。雷獣みたいな可愛い子、おらんもん」
「え、そんな理由やったんですか!?モデルしてるの!」
「うん。やっぱ妖怪は妖怪。人間は人間や」
それを聞いていたホオノキさんが、顔を俯かせたのが気になった。煙管の煙がゆらゆらと揺れ、少しの間沈黙。その沈黙に耐えきれず、私は元気よく尋ねた。
「あの、榧さんって何の妖怪なんですか!?」
「ん?気になる?」
「ええ、とっても!」
「当、て、て、み、て?」
いちいち綺麗な人やな、もう!
私の知っている妖怪は、小豆洗いでしょ、猫娘でしょ、それからねずみ男でしょ。って、全部昔見た妖怪のアニメに出てきた名前や……。
あとは雷獣に、座敷童子。うーん、この中なら猫娘が妥当かな。
「ね、猫娘やろ!違います!?」
「……えぇ?」
隣でホオノキさん、「あっはは!」と大笑い。
隣でカシワくん、「えっへへへ!」と大爆笑。
前で榧さん、微笑みを浮かべる。
この笑いは、間違った笑いなのだろうか?
「この榧が猫娘?有り得へん。正解は、こ、れ」
榧さんは目を丸くして、うっすらと笑う。
そして呟いた時、ぶわぁっ、と大きな風が舞った。思わず目を瞑った私の頬に、ふわふわした何かが当たる。
そうっと手を触れると、それはふわふわしていて、暖かい。恐る恐る目を開けた私は驚いて、そして軽く叫んだ。
「わ…!」
狐の耳に、9本の尾…!
「正解は、玉藻前。日本三大妖怪の一匹や。よろしゅうな、人の子、蓬」
玉藻前。かつて、鳥羽上皇から寵愛を受け、その名を授かる。しかしその正体は九尾の狐であり、陰陽師によって討伐され、その怨霊は殺生石という毒石になり、近付く動物生物全ての命を奪った。
「玉藻前って、妖怪本来のお名前じゃないんや…。本当は九尾の狐?」
「うん、真名は九尾の狐。玉藻前って名前は気に入っててな、そっちを名乗ってるん。九尾の狐より、格好ええやろ?他にも中国、殷時代は妲己、周時代は褒姒って呼ばれてたわぁ」
「ええっ、そんな前からいたんですか!?」
歴史の教科書で学んだことがある。妲己、褒姒共々絶世の美女だったらしい。それがまさか、玉藻前もとい、榧さんだったとは…。
驚いて目を見開いた私を、榧さんはいたずらっ子のように目を細めて見つめてくる。そんな表情も綺麗である。
「榧って名前は、雷獣がつけてくれたんよぉ。のう、雷獣?」
「そうだったかな、柏…?」
「確か、宴会中にみんなで名前をつけあったんじゃなかったっけ…?」
「あぁん、もう。そんな小さいこと気にせんでええのにぃ」
「しかも、榧さんのお名前を決めたのは椚だったんじゃなかった?」
椚…?
初めて聞く名前に首を傾げると、榧さんが可愛らしい唇を尖らせて肩を下ろす。溜息混じりに煙管の煙をはいた。
「椚…。あいつがつけた名前の割には気に入っとるよ?」
「椚とは仲がいいもんね、榧のお姉様!」
「ふん。あいつとは長い付き合いやからねぇ…」
長い付き合いといえど、人間の私が思うより、もっと長い付き合いなんだろう。
妖怪の世界はあまり分からないが、少なくとも殷時代…、今からざっと3600年ほど前には、妖怪は存在していた訳だ。
「…榧さん、殺生石って石になったんやないんですか?陰陽師に討伐されたって書いてありますけど…」
私がスマホの画面を見せると、榧さんはじとーっとした目で画面を睨み、鼻を高くさせた。
「ふふ、わらわは陰陽師の目を欺くため、わざと殺生石になって封印したと勘違いさせたったんよ。その後自分が殺生石なのを忘れて50年ぐらいそんままやったけど」
「……50年、自分が殺生石なのを忘れて何してたんですか…」
「寝てた。退屈やったから」
ズコーっとテレビのごとくこけてみせる。
榧さんは、陰陽師を騙すためわざと殺生石になって、その後50年ぐらい寝ていたと。
妖怪のスケールでかーい…。
「その寝てる間に色んなことが起きた。やからね、蓬。人間の世は短いんやから、好きなことしとき。儚い一生、大事にするんよ?」
榧さんはそう言うと、ふ、と柔らかい笑みを浮かべた。
人の世は短い。私はまだ22年しか生きていないけど、それでも後悔することなんて、沢山あった。好きなことをする。それが生きるうえでの、大切なことなんかもしれへん。
上司に媚び売ってた生活が嘆かわしい。
飲み会でも酌をしていたのが酷く滑稽。
「ありがとう、榧さん。素敵なお話、聞かせてくれて」
私が感謝を伝え、頭を下げると、3人の妖怪は目を丸くして、笑ってくれた。
その顔はとても嬉しそうで、頬を赤くさせ、照れているように。
「蓬は不思議な子やわぁ」
「…似ているよね、よもぎの姉ちゃんは。ね、朴!」
カシワくんがホオノキさんの膝に乗って尋ねると、ホオノキさんは何かを思い出すように目を閉じ、頷いた。
私には分からない話やったけれど、空気を読んで静かにしようと思った。
風が吹き、木々が揺れる音がし、その空気を震わせる。
鯉が泳ぐ池の水面が、微かに響いた。
「そろそろ帰ることにするよ。またね、雷獣。柏も、お元気で」
榧さんは立ち上がり、尻尾と耳を隠した。
それからベレー帽を被り、いちょう色のカーディガンを着たいつもの、モデルの榧さんへと姿を変えた。人間スタイルだ。口調もテレビで見ている通り、現代の若者風だ。
「じゃあね、蓬。会えて嬉しかったよ」
「もう行くんですか?」
「うん。今からロケでね、北野天満宮に行くの。菅原道真公、お元気かな」
「……気をつけて下さいね、榧さん」
「やん!心配してくれてるん?雷獣、可愛いわぁ!ふふ、また来るわぁ。またねえ!」
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