5 / 7
ドタバタ宴会準備編
宴会来ませんか?
しおりを挟む
修学旅行生が行き交うのは鞍馬寺。鴨川の水はこの、鞍馬山から流れ出ており、かの有名な天狗が住まう地域だ。
寺は山奥にたっており、貴船神社と近い為、鞍馬寺と貴船神社を繋ぐハイキングコースが存在している。
そして私、それから自称雷獣、今は訳あり人間スタイルホオノキさん、それから元気いっぱいわんぱく男の子、自称座敷童子と共に、その道を歩いている。
理由は宴会をすべく、鞍馬の天狗様に来ませんか?というお誘いをする為らしい。
わざわざ向かわなくても、と思ったそこの人。鞍馬の天狗様は、それはそれは飛ぶのが大好きらしく、じっとしているのが苦手な為、向かって直接伝えないと届かないんだと。
「ふぅ…。修学旅行生、いっぱいやなぁ…」
「そうだね。京都は観光地いっぱいあるから」
「私、中学の時は長崎で、高校の時は東京でした…。やっぱりビルとかめちゃでかかったです…、はぁ、なんであんな元気なん中学生…」
ハイキングコースを元気よく歩く制服たちを横目に、私は息を切れされながら歩く。何故か元気なカシワくんに、余裕の顔で歩くホオノキさんがどこか憎らしい…。私より歳上の癖に私が1番おばさんみたいやないかい!
「大丈夫?よもぎの姉ちゃん!こっからもっときついよ!」
「む、無理…。私を置いて先に行け…」
「それ、死亡フラグだよ、蓬ちゃん」
そんなグダグダでダラダラな私達の目的の人は、すぐそこに現れることになる。
カシワくんについていくと、中学生からどんどん離れていく。中学生達は道が外れて歩く私達には目もくれず、どんどん進んでいく。そのことを不思議に思い、私はホオノキさんに尋ねた。
「あの、中学生達には私達見えてないんですか?全然違う道行く私達のこと、誰も気にしてないんですけど」
ホオノキさんは「ん?」と首を傾げて、ひとつの木に手を触れて立ち止まる。その木にはしめ縄がしめられている。
「この道からは鞍馬の天狗の結界なんだ。人の目には見えない、天狗の聖域」
「へえ…」
そう言ったホオノキさんは、いつも通り袴姿に耳と尻尾を生やす妖怪スタイルにスタイルチェンジする。
「わ、わわっ、わわわっ。あぶなっ」
「大丈夫?はい、捕まって」
木の根っこにつまづきこけかけた私に、ホオノキさんが手を貸してくれる。
「何してんの?よもぎの姉ちゃん!」
「いや、めちゃ暗くて、足元見えへん」
「そっかぁ。……よもぎの姉ちゃんでも、影響受けるの……」
「今、なんて?」
ハイキングコースから外れた道は急に暗くなり、森の木が高く見える。まるで覆い被され逃げられないような、そんな圧力を感じる…。
「…来おったか、朴、柏よ」
はっとして、上を見上げた。暗かったのが嘘みたいに明るくなり、真っ青な空に鼻を高々とさせた赤い顔がこちらを見下ろしている。
「来たよ!久しぶりだね、杓のおじさん!」
「柏は相も変わらずちっこいな」
低く、凛とした声に貫禄を感じる。
黒い着物に白い羽を生やし、下駄をはくその姿は、想像通りの天狗だ。ホオノキさんやカシワくんより、妖怪っぽい。
「そちは人間か?名はなんという」
「あ、佐原蓬です。……はじめまして」
「いい名じゃ。儂は杓。鞍馬を統べる天狗である」
「あ、見た感じそうかなって…」
背中には紅葉の葉を大きくさせたようなものがあった。よく見る、風を起こすあれだろうか。
ホオノキさんとカシワくんは下りてきたヒシャクさんに近寄り、色々と話して笑っている。仲がいいみたいだ。
「何?榧の奴が来てたのか!」
「うん、怖かった、相変わらず」
「あやつも変わらんのう、化け狐め。道理でこの有様よ…」
顎髭をさわさわと触れて「はっはっは」とわらうヒシャクさん。
榧さんとも顔見知りらしく、話に花を咲かせている。
「蓬、そちはどうしてこやつらと一緒におる?」
「あ、会社クビになって、寮追い出されて、迷家にたどり着きいて、それで」
「ほう?…………成程、そういうことか…」
そう言うとヒシャクさんはその赤い首を傾げた。
何に納得したのか分からず、「あの…」と声をかけたが、その声はカシワくんによってかき消される。
「ね、ね!杓のおじさんのお家行こうよ!」
「なんじゃ、疲れたのか。構わんぞ」
「やったあ!」
「蓬ちゃん?どうかした?」
「あ、や、なんでも」
ホオノキさんが顔を覗かせ尋ねてくれたが、私は曖昧に返事した。榧さんといい、カシワくんといい、このヒシャクさんといい、妖怪は何かをもったいぶる傾向があるのだろうか。
案内されたのは、森の中のずっと奥にある、瓦屋根の御屋敷だった。非常に迷家と似ている作りの、純和風な御屋敷だ。本当に天狗が住んでんの?ってぐらい綺麗なままで、森の奥にある御屋敷としては、馴染んでいない。
中も迷家同様、長い廊下に幾つにも区切られた部屋が並んでいた。
「ヒシャクさん、この家って住んでるの、ヒシャクさんだけなんですか?」
私が先を歩き…というか飛んで案内してくれるヒシャクさんに尋ねると、堂々と答えてくれた。
「うむ。儂だけの屋敷よ。森に住まう小妖怪がたまに来るぐらいじゃ」
「小妖怪?」
「ちっちゃい妖怪のことだよ、よもぎの姉ちゃん」
「カシワくんもちっこいけど、もしかして、そう?」
「何言ってんの、よもぎの姉ちゃん!僕、おっきいよ!小妖怪じゃないもん!」
「柏は小さくないよね、子供サイズなだけだよね」
「それフォローなってないよ、朴!」
………
……
…
案内された場所は純和風で、畳はもちろん、生花に掛け軸、高そうな壺と、まさに想像通りの御屋敷だった。
天狗が住まう場所とは思えない。
「ようこそ、我が屋敷へ。それで、如何様だったのじゃ?何しに来よった」
重々しく、仰々しく、ヒシャクさんは尋ねた。その赤い顔からは表情が読みにくいが、言葉の端々から受け取れる。
「ん」
「え?」
カシワくんが私の方を見て、顎をくいっとヒシャクさんの方に動かした。私が言えってことなんだろうか。
「あの、宴会来ませんか?宴会、しようと思ってるんです」
「宴会じゃと?またやるのか?」
「また?」
「100年しかあいとらんぞ、お前らは好きじゃのう、宴会が」
「100年って!そんだけ空いたら十分やん!」
机をバンッと大きく叩き立ち上がった私に、そうかな?とでも言うように首を傾げる妖怪さんたち。
私はふぅ、と溜息をついて座り直す。髪が乱れたので前髪を整える。
「すまんが、儂はパスじゃ。京都は今、荒れとるからの。お前らも、遊んどる場合じゃあない。儂は鞍馬を統べるものなり。鞍馬を守らにゃいかん」
「…荒れてる?なんで?なんかなってるんですか?」
「気付かんか、そちは。朴、柏は気付いとったじゃろ?」
こくん、と頷くお2人。その顔は意外と呑気でお気楽そうである。その表情を見て、頭を抱えるヒシャクさんはお茶を一口飲んで落ち着く。
「榧じゃよ」
「榧さん?」
「あやつが京都に来たじゃろ。それであやつの眷属が影響を受け好き放題しとる。あやつは自分勝手じゃからのう、己の眷属を大事にせぬ」
「仕方ないよ、榧のお姉様だし!」
「そうだよ、杓。榧さんだし、仕方ないって」
「仕方ない。宴会をするなら椚たちが来るじゃろ。これ持ってゆけ。破魔の矢じゃ」
ヒシャクさんが棚から1本の矢を取り出した。
私にはただの矢にしか見えなかったが、それは妖怪にとっては違ったらしい。ホオノキさんは顔をしかめ、カシワくんは大喜びで手に取った。
「破魔の矢!これだけ霊力がこもってれば椚たち大人しくなるよ!」
子供の姿やのに大喜びで矢を握る光景に少し苦笑いしつつ、私はホオノキさんの方を見た。袴姿であぐらをかいていたホオノキさんは、私の視線に気付き、説明をしてくれた。
「あぁ…、僕は触れないんだ。蓬ちゃん…、も、触らない方がいいよ。あれは座敷童子とか、清々なものしか触れないから」
「清々ですか。はぁ~、確かに私、部屋とかめちゃ汚いわ…。なんか怖いんで触らん方が多分いいですよね」
「本当に来ないのか?杓」
「うむ。鞍馬にも化け狐共が多いのでな、貴船の方で大暴れじゃ。好き放題しとる」
「大変だね!頑張ってね!」
ヒシャクさんは渋々といった様子で立ち上がり、カシワくんの頭を撫でた。
その後、お茶のおかわりを頂き、私達は御屋敷から退出した。帰る時間帯には、修学旅行生はおらず、静まっている。どうやら、私達だけみたいだ。
「鞍馬の天狗は有名ですけど、まさかほんまに会えるなんて!なんか楽しかったー」
「そう、良かった」
「宴会するのって、毎回こんな大変なんですか?わざわざ会いに行ったり。なんか手紙出すとかじゃ、駄目なんですか?」
「んー…。顔を見たいってのもあるよね、柏」
「そうだね!中々会えないんだよ?榧のお姉様や杓のおじさんみたいな、大妖怪。榧のお姉様が朴のことを気に入ってるから会いに来るだけで、普通会えないんだから!」
「そうなんや…」
静かな森の木々がゆらゆら揺れる。
ヒシャクさんがお見送りしてくれているみたいだった。
寺は山奥にたっており、貴船神社と近い為、鞍馬寺と貴船神社を繋ぐハイキングコースが存在している。
そして私、それから自称雷獣、今は訳あり人間スタイルホオノキさん、それから元気いっぱいわんぱく男の子、自称座敷童子と共に、その道を歩いている。
理由は宴会をすべく、鞍馬の天狗様に来ませんか?というお誘いをする為らしい。
わざわざ向かわなくても、と思ったそこの人。鞍馬の天狗様は、それはそれは飛ぶのが大好きらしく、じっとしているのが苦手な為、向かって直接伝えないと届かないんだと。
「ふぅ…。修学旅行生、いっぱいやなぁ…」
「そうだね。京都は観光地いっぱいあるから」
「私、中学の時は長崎で、高校の時は東京でした…。やっぱりビルとかめちゃでかかったです…、はぁ、なんであんな元気なん中学生…」
ハイキングコースを元気よく歩く制服たちを横目に、私は息を切れされながら歩く。何故か元気なカシワくんに、余裕の顔で歩くホオノキさんがどこか憎らしい…。私より歳上の癖に私が1番おばさんみたいやないかい!
「大丈夫?よもぎの姉ちゃん!こっからもっときついよ!」
「む、無理…。私を置いて先に行け…」
「それ、死亡フラグだよ、蓬ちゃん」
そんなグダグダでダラダラな私達の目的の人は、すぐそこに現れることになる。
カシワくんについていくと、中学生からどんどん離れていく。中学生達は道が外れて歩く私達には目もくれず、どんどん進んでいく。そのことを不思議に思い、私はホオノキさんに尋ねた。
「あの、中学生達には私達見えてないんですか?全然違う道行く私達のこと、誰も気にしてないんですけど」
ホオノキさんは「ん?」と首を傾げて、ひとつの木に手を触れて立ち止まる。その木にはしめ縄がしめられている。
「この道からは鞍馬の天狗の結界なんだ。人の目には見えない、天狗の聖域」
「へえ…」
そう言ったホオノキさんは、いつも通り袴姿に耳と尻尾を生やす妖怪スタイルにスタイルチェンジする。
「わ、わわっ、わわわっ。あぶなっ」
「大丈夫?はい、捕まって」
木の根っこにつまづきこけかけた私に、ホオノキさんが手を貸してくれる。
「何してんの?よもぎの姉ちゃん!」
「いや、めちゃ暗くて、足元見えへん」
「そっかぁ。……よもぎの姉ちゃんでも、影響受けるの……」
「今、なんて?」
ハイキングコースから外れた道は急に暗くなり、森の木が高く見える。まるで覆い被され逃げられないような、そんな圧力を感じる…。
「…来おったか、朴、柏よ」
はっとして、上を見上げた。暗かったのが嘘みたいに明るくなり、真っ青な空に鼻を高々とさせた赤い顔がこちらを見下ろしている。
「来たよ!久しぶりだね、杓のおじさん!」
「柏は相も変わらずちっこいな」
低く、凛とした声に貫禄を感じる。
黒い着物に白い羽を生やし、下駄をはくその姿は、想像通りの天狗だ。ホオノキさんやカシワくんより、妖怪っぽい。
「そちは人間か?名はなんという」
「あ、佐原蓬です。……はじめまして」
「いい名じゃ。儂は杓。鞍馬を統べる天狗である」
「あ、見た感じそうかなって…」
背中には紅葉の葉を大きくさせたようなものがあった。よく見る、風を起こすあれだろうか。
ホオノキさんとカシワくんは下りてきたヒシャクさんに近寄り、色々と話して笑っている。仲がいいみたいだ。
「何?榧の奴が来てたのか!」
「うん、怖かった、相変わらず」
「あやつも変わらんのう、化け狐め。道理でこの有様よ…」
顎髭をさわさわと触れて「はっはっは」とわらうヒシャクさん。
榧さんとも顔見知りらしく、話に花を咲かせている。
「蓬、そちはどうしてこやつらと一緒におる?」
「あ、会社クビになって、寮追い出されて、迷家にたどり着きいて、それで」
「ほう?…………成程、そういうことか…」
そう言うとヒシャクさんはその赤い首を傾げた。
何に納得したのか分からず、「あの…」と声をかけたが、その声はカシワくんによってかき消される。
「ね、ね!杓のおじさんのお家行こうよ!」
「なんじゃ、疲れたのか。構わんぞ」
「やったあ!」
「蓬ちゃん?どうかした?」
「あ、や、なんでも」
ホオノキさんが顔を覗かせ尋ねてくれたが、私は曖昧に返事した。榧さんといい、カシワくんといい、このヒシャクさんといい、妖怪は何かをもったいぶる傾向があるのだろうか。
案内されたのは、森の中のずっと奥にある、瓦屋根の御屋敷だった。非常に迷家と似ている作りの、純和風な御屋敷だ。本当に天狗が住んでんの?ってぐらい綺麗なままで、森の奥にある御屋敷としては、馴染んでいない。
中も迷家同様、長い廊下に幾つにも区切られた部屋が並んでいた。
「ヒシャクさん、この家って住んでるの、ヒシャクさんだけなんですか?」
私が先を歩き…というか飛んで案内してくれるヒシャクさんに尋ねると、堂々と答えてくれた。
「うむ。儂だけの屋敷よ。森に住まう小妖怪がたまに来るぐらいじゃ」
「小妖怪?」
「ちっちゃい妖怪のことだよ、よもぎの姉ちゃん」
「カシワくんもちっこいけど、もしかして、そう?」
「何言ってんの、よもぎの姉ちゃん!僕、おっきいよ!小妖怪じゃないもん!」
「柏は小さくないよね、子供サイズなだけだよね」
「それフォローなってないよ、朴!」
………
……
…
案内された場所は純和風で、畳はもちろん、生花に掛け軸、高そうな壺と、まさに想像通りの御屋敷だった。
天狗が住まう場所とは思えない。
「ようこそ、我が屋敷へ。それで、如何様だったのじゃ?何しに来よった」
重々しく、仰々しく、ヒシャクさんは尋ねた。その赤い顔からは表情が読みにくいが、言葉の端々から受け取れる。
「ん」
「え?」
カシワくんが私の方を見て、顎をくいっとヒシャクさんの方に動かした。私が言えってことなんだろうか。
「あの、宴会来ませんか?宴会、しようと思ってるんです」
「宴会じゃと?またやるのか?」
「また?」
「100年しかあいとらんぞ、お前らは好きじゃのう、宴会が」
「100年って!そんだけ空いたら十分やん!」
机をバンッと大きく叩き立ち上がった私に、そうかな?とでも言うように首を傾げる妖怪さんたち。
私はふぅ、と溜息をついて座り直す。髪が乱れたので前髪を整える。
「すまんが、儂はパスじゃ。京都は今、荒れとるからの。お前らも、遊んどる場合じゃあない。儂は鞍馬を統べるものなり。鞍馬を守らにゃいかん」
「…荒れてる?なんで?なんかなってるんですか?」
「気付かんか、そちは。朴、柏は気付いとったじゃろ?」
こくん、と頷くお2人。その顔は意外と呑気でお気楽そうである。その表情を見て、頭を抱えるヒシャクさんはお茶を一口飲んで落ち着く。
「榧じゃよ」
「榧さん?」
「あやつが京都に来たじゃろ。それであやつの眷属が影響を受け好き放題しとる。あやつは自分勝手じゃからのう、己の眷属を大事にせぬ」
「仕方ないよ、榧のお姉様だし!」
「そうだよ、杓。榧さんだし、仕方ないって」
「仕方ない。宴会をするなら椚たちが来るじゃろ。これ持ってゆけ。破魔の矢じゃ」
ヒシャクさんが棚から1本の矢を取り出した。
私にはただの矢にしか見えなかったが、それは妖怪にとっては違ったらしい。ホオノキさんは顔をしかめ、カシワくんは大喜びで手に取った。
「破魔の矢!これだけ霊力がこもってれば椚たち大人しくなるよ!」
子供の姿やのに大喜びで矢を握る光景に少し苦笑いしつつ、私はホオノキさんの方を見た。袴姿であぐらをかいていたホオノキさんは、私の視線に気付き、説明をしてくれた。
「あぁ…、僕は触れないんだ。蓬ちゃん…、も、触らない方がいいよ。あれは座敷童子とか、清々なものしか触れないから」
「清々ですか。はぁ~、確かに私、部屋とかめちゃ汚いわ…。なんか怖いんで触らん方が多分いいですよね」
「本当に来ないのか?杓」
「うむ。鞍馬にも化け狐共が多いのでな、貴船の方で大暴れじゃ。好き放題しとる」
「大変だね!頑張ってね!」
ヒシャクさんは渋々といった様子で立ち上がり、カシワくんの頭を撫でた。
その後、お茶のおかわりを頂き、私達は御屋敷から退出した。帰る時間帯には、修学旅行生はおらず、静まっている。どうやら、私達だけみたいだ。
「鞍馬の天狗は有名ですけど、まさかほんまに会えるなんて!なんか楽しかったー」
「そう、良かった」
「宴会するのって、毎回こんな大変なんですか?わざわざ会いに行ったり。なんか手紙出すとかじゃ、駄目なんですか?」
「んー…。顔を見たいってのもあるよね、柏」
「そうだね!中々会えないんだよ?榧のお姉様や杓のおじさんみたいな、大妖怪。榧のお姉様が朴のことを気に入ってるから会いに来るだけで、普通会えないんだから!」
「そうなんや…」
静かな森の木々がゆらゆら揺れる。
ヒシャクさんがお見送りしてくれているみたいだった。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる