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人生の選択編
【人はなぜ生きるのか】運命の炎
しおりを挟む《登場人物》
『主人公』人間
『主人公の親』???
『女性』カグヤ
【はじめに】
目を開けると、世界は炎に包まれていた。
赤黒い光が空を裂き、焼き焦げだ大地が煙を上げる。
遠くで誰かが泣き叫んでいた。
私の右手には、燃え盛る炎が宿っていた。
???「・・・・また、僕がやったのか?」
足元に横たわる人々を見て、僕は唇をかみしめた。
???「人間よ、お前は世界を滅ぼす運命だ」
かつて、育ての親である???がそう言った。
僕は、炎の神の血を継ぐ「神炎の継承者」だ。
僕の中に宿る炎は、世界を焼き尽くすほどの力を持つ。
人間「こんな力、いらないのに」
僕はこぶしを握り締めた。
誰かを傷つけるために、生まれてきたわけじゃない。
それなのに、僕がいるだけで、世界は壊れていく。
人間「僕は、何のために生まれてきたんだ?」
答えを探す旅が、これから始まる。
一 追われる者
人々「いたぞ!神炎の継承者だ!」
怒声が響く。僕は息を切らしながら森を駆けた。
どこへ行っても、僕は「災厄」として追われる。
ある町では、盗賊に襲われた村を炎で救ったのに、夜になると
「悪魔めっ!」と言われて石を投げられた。
ある国では、「救世主」として歓迎されたのに、王の密偵は、
「利用価値がなくなれば処刑する」と発言した。
結局、どこにも居場所なんてなかった。
人間「なぜ、僕はこんな目に遭わなきゃいけないんだ?」
そんな時だった。
女性「あなたが、『神炎の継承者』ね?」
旅の途中、僕はカグヤという女性に出会った。
彼女は、「終焉の書」と呼ばれる古文書を持っていた。
そこには、こう記されていた。
『神炎の継承者が世界の終焉を導く』
「あなたは、本当に『破滅の運命』を背負っているの?」
僕は、答えられなかった。
「僕が生きてて良いのか? 僕の存在は、本当に世界のためにならないのか?」
その答えを探すため、カグヤと共に旅を続けることにした。
二 選択の時
旅の果てで、僕たちは「永炎の塔」と呼ばれる遺跡に辿り着いた。
そこには、僕と同じ炎の力を持つ者が眠るとされている。
しかし、そこで待ち受けていたのは、『大国の王』だった。
王「人間よ。お前が生きる限り、この世界は苦しみ続ける」
王は冷たい目で僕を見下ろした。
王「お前の力がある限り、人々は争いをやめない。
人々はその力を恐れ、奪い、利用しようとする。その果てにあるのは、滅びだ」
人間「つまり、僕は死なないといけないの?」
王「そうだ。お前が死ねば、この世界は平和になる」
僕は唇をかみしめた。
『僕が生きているせいで、世界が苦しんでいる?
それなら、僕がいなくなればいいのか?』
でも、その時にカグヤが叫んだ
カグヤ「そんなの違う!世界の都合であなたが消えてよいはずないよ!」
人間「でも、僕にはわからない」
僕はこぶしを握り締めた
人間「僕が生きる理由は、なに?」
その時、目の前に『もう一人の僕』が現れた。
分身「お前は、自分の力を否定して生きるつもりか?
じゃあ、お前は力におぼれて破滅するつもりなのか?
生きる意味がないなら、いっそのこと燃やし尽くせばよい」
僕は、初めて気づいた。
『この世界にとって、善悪は関係ない。生きる意味を決めるのは、自分自身である』
人間「僕は…」
僕は、決断した。
人間「僕は、僕のために生きる!」
炎が燃え上がった。
運命なんかにとらわれず、自分の選んだ道を歩くために
三 運命を超えて
王を退けた僕は、「永炎の塔」の最深部へと向かった。
そこには、世界を滅ぼしかけた「炎の神」の魂が眠っていた。
神「人間よ。お前は、この炎をどう使う?」
神が問いかける。
僕は、迷わず答えた。
人間「この炎は、僕のものだ。破壊のためでも、誰かの道具でもない。僕は、この炎を『生きるため』に使う!」
すると、炎が僕の体を包み込み、穏やかな光へと変わった。
僕の炎は、もはや破滅の力ではない。
これは、僕の意思で生まれた、『希望の炎』だ!
【エピローグ】生きる理由
世界はまだ混乱の中にある。けれど、僕は歩き続ける。
運命にあらがうのではなく、『自分の意志で選び続ける』ために。
人間「僕が生まれた意味?そんなの、わからないよ
でも生きる意味なら、これから僕が決める」
炎を灯しながら、僕は前へ進む。
この炎は、運命のためじゃない。これは、僕が生きる証だ。
僕は、僕の人生を燃やして生きる!『完』
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