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束の間
44:学園 オレリア
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「エルデがフラン様の専属侍女?」
「はい。王妃陛下が私にダンスや社交の教育をして下さると…その間、殿下の専属侍女として仕える様、お申し出頂きました」
「王妃様が…それはとても光栄な事だわ。エルデ、貴女なら立派な淑女になれる。だから、そんな不安そうな顔をしないで、学園に戻ったら手紙を書くわね」
殿下の事を相談したかったけれど、エルデに負担はかけられない…
不安な心を隠す様にエルデを抱き締めた。
ーーー
「オレリア様、緊張されてます?」
「ええ、少しだけ…」
王立学園へ向かう馬車の中、向かいに座ったエイラが、久し振りの学園に緊張する私に話しかけてくれる。
貴族子女が通う事を義務付けられている王立学園。
伯爵令嬢のエルデも勿論通ったが、ダンスや社交の授業は選択しなかったと知った王妃陛下のご提案で、殿下の専属侍女をしながら教育を受ける事が急遽決まり、代わりにエイラが私の専属侍女として付き添ってくれている。
「エルデさんも居なくて心細いかもしれせんが、エイラがおります。粗雑で狭量な殿下の事など、気に病む必要はございません。」
「ありがとう、エイラ」
「ところで…オレリア様は、殿下の事を何と呼んでいらっしゃいますか?」
「?フラン様とお呼びしてるわ」
フラン様の名前に心臓が締まる。
殿下とは気まずいまま…形式張った手紙を数度交わしただけ。
このままではいけないと分かっていても、どうすればいいのか分からない。
「心の内でも?」
「……心…の内?」
「因みに、私は主人の事を旦那様と呼んでおりますが、心の内では地理狂と呼んでおります」
「…地理卿?」
「卿ではなく狂です。学者の性分なのでしょうか、地理の事となると狂った様に熱中してしまい、寝食も忘れてしまうのです」
「それは…心配ね…」
「話が逸脱してしまいましたね。私が言いたいのは、心の内で思った事は、どれだけ隠しても態度に出ます。オレリア様の心が遠慮したままでは歩み寄れません。オレリア様が心の内で殿下とお呼びしている間は畏まった態度しか取れないからです。先ずは、オレリア様の内で呼び方を変えられるのはいかがですか?王妃様は心の声が時折出てしまい、陛下の事を…これは不敬に当たるので口には出せませんが…」
「フフッ…ありがとう、エイラ。…そういえば、ゲイル男爵は王城で地理学者をされてるのよね?暫くの間、会えなくなるけれど大丈夫なの?」
「各領地の魔物討伐の報告書が上がるこの時期は、一年の間で一番忙しいので、殆ど王城に泊まり込みで営舎にも戻りません。私達には子供もおりませんから、オレリア様がお心を砕かれる必要はございません。オレリア様の優しさは美徳ですが、私達にも遠慮せずに、もっと図々しくおなり下さいね」
「ぜ、善処するわ…」
「登校は明日からですので、今日はゆっくりなさって下さいね」
ーーー
「オレリア!会いたかった」
「お久しぶり、エレノア。私も会えて嬉しいわ、マリーも元気そうね」
「過分なお言葉痛み入ります。マリーもオレリア様にお会い出来て嬉しゅうございます」
「手紙だけでは心許なくて、とても心配してたの…少し痩せてしまったのではない?」
「そうかしら?でも、そうね、伏せてた時期もあったから…でも今はとても元気よ」
「良かった…」
涙ぐむエレノアをそっと抱き締める。ナシェル様との婚約破棄破棄以来、エレノアには沢山心配をかけてしまった…
「エレノア、心配かけてごめんなさい…貴女の手紙にたくさん支えられたわ、ありがとう」
エレノア・ファン・ラスター侯爵令嬢。幼い頃からの親友で、私の一番の理解者。
緩いウェーブがかかったミルクティー色の髪と、蜂蜜色の瞳が、優しくて明るい彼女を一層引き立てている。
黒髪、灰色瞳の婚約者のカイン様と並ぶ姿は、苦いコーヒーと甘いミルクティーを連想させる。
「折角会えたのに、しんみりしてしまったわね…オレリアの復学のお祝いに、お菓子を持って来たのよ」
「ありがとう、エレノア。お茶を用意する前に紹介させて、フラン殿下の専属侍女のエイラよ」
「!?フラン殿下の?…初めまして、ラスター侯爵家が長女、エレノア・ファン・ラスターです」
「エレノア様の専属侍女をしております。マリー・ファン・ギールと申します」
「初めまして、フラン殿下の専属侍女のエイラ・ファン・ゲイルと申します。」
「ゲイル男爵の奥方でしたのね!ゲイル男爵には瘴気の調査で、とてもお世話にになっているわ」
「過分なお言葉痛み入ります。オレリア様、お2人で積もるお話もおありでしょう。私とマリーさんは隣室に居りますから、何かあればお呼び下さい」
「ありがとう。エイラ、マリーも」
お茶とお菓子を出してくれたエイラとマリーが隣室に下がり、エレノアと久しぶりのお茶を楽しむ。
「海沿いの領地は魔物の出現率が上がっていると、お父様も仰っていたわ。エルデの所は王宮騎士団から調査隊を出すそうよ」
「アズール領はデュバル領とキリング領の間に位置しているものね……そういえば、エルデは?」
「エルデは王城よ」
「王城?」
「結婚が決まって、今は期間限定で殿下の専属侍女をしているの」
「まあ!エルデが結婚?おめでとう!どなたと?」
「フラン殿下の専属護衛をされてるソアデン卿と」
「ソアデン卿って…もしかして、ネイト様?」
「エレノアは、ネイト様をご存知なの?」
「勿論よ!入婿候補として貴族家からの人気も高いし、近衛騎士団の訓練場はネイト様目当ての令嬢で溢れているわ」
「…知らなかったわ」
「美男美女の素敵な夫婦になるわね」
「そうなの、とても素敵な2人よ」
「自分の事の様に喜んでいるけれど、オレリアと殿下はどうなの?」
一番触れて欲しくない話題…問題ないと隠したところで、聡いエレノアはきっと気付いてる…
「………エレノアは…カイン様の事をなんてお呼びしているの?」
「カイン様?カイン様だけど?」
「そうじゃなくて!心の内で…なんとお呼びしているの?」
「それは…」
「それは?」
「王子様とか……お母様とか…」
「……お母様?」
「だって!とても細かいのよ。領地に行っても大人しくしてろとか、物は吟味して珍しいだけで飛び付くなとか…この間の剣舞の衣装だって、肌が見え過ぎだとか、はしたないだとか…いつまでも子供扱いしないで欲しいわ」
「フッ…フフ…」
「笑わないでよ…」
「ごめんなさい、エレノアが可愛くて…フフッ」
「私の事はいいのよ。それで?どうして呼び方の話を?」
庭園での事、エイラに提案された殿下の呼び方の事を話すと、エレノアが吹き出した。
「フハッ…フッ、クク……殿下ってッフ…狭量なのね…」
「…不敬よ、エレノア」
「ごめんさい、殿下には内緒にしてね。でも、エイラの言う通りよ。遠慮している内は歩み寄る事なんて出来ないわ。今日から、殿下の事を、フラン様と呼ぶ様に、そうね…先ずは挨拶から、おはようございますフラン様、おやすみなさいませフラン様ってね?」
ーーー
制服のリボンを結ぶ。
開いた窓からは登校する生徒達の挨拶を交わす声が聞こえる。
…行って参ります、フラン様。
「はい。王妃陛下が私にダンスや社交の教育をして下さると…その間、殿下の専属侍女として仕える様、お申し出頂きました」
「王妃様が…それはとても光栄な事だわ。エルデ、貴女なら立派な淑女になれる。だから、そんな不安そうな顔をしないで、学園に戻ったら手紙を書くわね」
殿下の事を相談したかったけれど、エルデに負担はかけられない…
不安な心を隠す様にエルデを抱き締めた。
ーーー
「オレリア様、緊張されてます?」
「ええ、少しだけ…」
王立学園へ向かう馬車の中、向かいに座ったエイラが、久し振りの学園に緊張する私に話しかけてくれる。
貴族子女が通う事を義務付けられている王立学園。
伯爵令嬢のエルデも勿論通ったが、ダンスや社交の授業は選択しなかったと知った王妃陛下のご提案で、殿下の専属侍女をしながら教育を受ける事が急遽決まり、代わりにエイラが私の専属侍女として付き添ってくれている。
「エルデさんも居なくて心細いかもしれせんが、エイラがおります。粗雑で狭量な殿下の事など、気に病む必要はございません。」
「ありがとう、エイラ」
「ところで…オレリア様は、殿下の事を何と呼んでいらっしゃいますか?」
「?フラン様とお呼びしてるわ」
フラン様の名前に心臓が締まる。
殿下とは気まずいまま…形式張った手紙を数度交わしただけ。
このままではいけないと分かっていても、どうすればいいのか分からない。
「心の内でも?」
「……心…の内?」
「因みに、私は主人の事を旦那様と呼んでおりますが、心の内では地理狂と呼んでおります」
「…地理卿?」
「卿ではなく狂です。学者の性分なのでしょうか、地理の事となると狂った様に熱中してしまい、寝食も忘れてしまうのです」
「それは…心配ね…」
「話が逸脱してしまいましたね。私が言いたいのは、心の内で思った事は、どれだけ隠しても態度に出ます。オレリア様の心が遠慮したままでは歩み寄れません。オレリア様が心の内で殿下とお呼びしている間は畏まった態度しか取れないからです。先ずは、オレリア様の内で呼び方を変えられるのはいかがですか?王妃様は心の声が時折出てしまい、陛下の事を…これは不敬に当たるので口には出せませんが…」
「フフッ…ありがとう、エイラ。…そういえば、ゲイル男爵は王城で地理学者をされてるのよね?暫くの間、会えなくなるけれど大丈夫なの?」
「各領地の魔物討伐の報告書が上がるこの時期は、一年の間で一番忙しいので、殆ど王城に泊まり込みで営舎にも戻りません。私達には子供もおりませんから、オレリア様がお心を砕かれる必要はございません。オレリア様の優しさは美徳ですが、私達にも遠慮せずに、もっと図々しくおなり下さいね」
「ぜ、善処するわ…」
「登校は明日からですので、今日はゆっくりなさって下さいね」
ーーー
「オレリア!会いたかった」
「お久しぶり、エレノア。私も会えて嬉しいわ、マリーも元気そうね」
「過分なお言葉痛み入ります。マリーもオレリア様にお会い出来て嬉しゅうございます」
「手紙だけでは心許なくて、とても心配してたの…少し痩せてしまったのではない?」
「そうかしら?でも、そうね、伏せてた時期もあったから…でも今はとても元気よ」
「良かった…」
涙ぐむエレノアをそっと抱き締める。ナシェル様との婚約破棄破棄以来、エレノアには沢山心配をかけてしまった…
「エレノア、心配かけてごめんなさい…貴女の手紙にたくさん支えられたわ、ありがとう」
エレノア・ファン・ラスター侯爵令嬢。幼い頃からの親友で、私の一番の理解者。
緩いウェーブがかかったミルクティー色の髪と、蜂蜜色の瞳が、優しくて明るい彼女を一層引き立てている。
黒髪、灰色瞳の婚約者のカイン様と並ぶ姿は、苦いコーヒーと甘いミルクティーを連想させる。
「折角会えたのに、しんみりしてしまったわね…オレリアの復学のお祝いに、お菓子を持って来たのよ」
「ありがとう、エレノア。お茶を用意する前に紹介させて、フラン殿下の専属侍女のエイラよ」
「!?フラン殿下の?…初めまして、ラスター侯爵家が長女、エレノア・ファン・ラスターです」
「エレノア様の専属侍女をしております。マリー・ファン・ギールと申します」
「初めまして、フラン殿下の専属侍女のエイラ・ファン・ゲイルと申します。」
「ゲイル男爵の奥方でしたのね!ゲイル男爵には瘴気の調査で、とてもお世話にになっているわ」
「過分なお言葉痛み入ります。オレリア様、お2人で積もるお話もおありでしょう。私とマリーさんは隣室に居りますから、何かあればお呼び下さい」
「ありがとう。エイラ、マリーも」
お茶とお菓子を出してくれたエイラとマリーが隣室に下がり、エレノアと久しぶりのお茶を楽しむ。
「海沿いの領地は魔物の出現率が上がっていると、お父様も仰っていたわ。エルデの所は王宮騎士団から調査隊を出すそうよ」
「アズール領はデュバル領とキリング領の間に位置しているものね……そういえば、エルデは?」
「エルデは王城よ」
「王城?」
「結婚が決まって、今は期間限定で殿下の専属侍女をしているの」
「まあ!エルデが結婚?おめでとう!どなたと?」
「フラン殿下の専属護衛をされてるソアデン卿と」
「ソアデン卿って…もしかして、ネイト様?」
「エレノアは、ネイト様をご存知なの?」
「勿論よ!入婿候補として貴族家からの人気も高いし、近衛騎士団の訓練場はネイト様目当ての令嬢で溢れているわ」
「…知らなかったわ」
「美男美女の素敵な夫婦になるわね」
「そうなの、とても素敵な2人よ」
「自分の事の様に喜んでいるけれど、オレリアと殿下はどうなの?」
一番触れて欲しくない話題…問題ないと隠したところで、聡いエレノアはきっと気付いてる…
「………エレノアは…カイン様の事をなんてお呼びしているの?」
「カイン様?カイン様だけど?」
「そうじゃなくて!心の内で…なんとお呼びしているの?」
「それは…」
「それは?」
「王子様とか……お母様とか…」
「……お母様?」
「だって!とても細かいのよ。領地に行っても大人しくしてろとか、物は吟味して珍しいだけで飛び付くなとか…この間の剣舞の衣装だって、肌が見え過ぎだとか、はしたないだとか…いつまでも子供扱いしないで欲しいわ」
「フッ…フフ…」
「笑わないでよ…」
「ごめんなさい、エレノアが可愛くて…フフッ」
「私の事はいいのよ。それで?どうして呼び方の話を?」
庭園での事、エイラに提案された殿下の呼び方の事を話すと、エレノアが吹き出した。
「フハッ…フッ、クク……殿下ってッフ…狭量なのね…」
「…不敬よ、エレノア」
「ごめんさい、殿下には内緒にしてね。でも、エイラの言う通りよ。遠慮している内は歩み寄る事なんて出来ないわ。今日から、殿下の事を、フラン様と呼ぶ様に、そうね…先ずは挨拶から、おはようございますフラン様、おやすみなさいませフラン様ってね?」
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