仮想現実・夢見る少女

神城 リーナ

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4章.波乱

80.ガールズトーク「アリーシャ最強の協力者」

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アリーシャと詩織さんはアリーシャが白沢高校に入学して暫くは両親の住んでいる家に居たらしいけれど、ある事件に遭遇してから此処鮎香さんの家に引越しして着たらしい。

鮎香さんとセシルちゃん、シェリルちゃんはお隣の渡辺第2病院最上階に住んでて此処の家は空家同然だったらしいけれど、アリーシャの料理が美味しいからって結局此処に一緒に住み始めたみたい。

『じゃ~この家って鮎香さんとセシル、シェリル、アリーシャ、詩織さんの5人なんだ!!』
って私が言うとまだ他に6人この家に居るらしい・・

じゃ~~合計11人の大家族?

って事になる!!

『すご~~~い!!』
私なんてパパとママと私の3人家族。
その4倍の人数がこの家で住んでるなんて!!

他の6人って言うのは、千歳、渚、明菜、亜美、苺、杏奈って6人の女の子なんだそう。
アリーシャと詩織さんが此処に越してくる原因になった事件絡みで引き取った女の子達みたいだけど、この家でその6人には私はまだ・・・会ってはいない・・・・

アリーシャ曰く
「向こうの世界の居心地が良くってこっちの世界に帰ってきたく無いんじゃないかな?」
と意味不明な事を平気で言ってる。
全員アリーシャと同じ学年らしく、朝学校に行く時間位に何時も姿を見せるらしい。

タダ・・・
明日、明後日は土曜日、日曜日なのであすの朝こっちに帰ってくるかは不明・・だそう。
私がこの家に居る間に会えるのかな?

向こうの世界?
『霊界?』
って私は一瞬思ったんだけど、アリーシャの話の中で異次元?って言葉が出てきた。
アリーシャ、詩織さん、鮎香さんを含めて私には理解の出来ない家族達?って感じだ。



そうそう!!
幾らアリーシャの両親がアリーシャを女の子にするって言っても、この世界はじゃ~明日から女の子でなんてそう容易くない!!
性別を変えて生きていくって大変なんじゃって思う?

それとなくアリーシャに聞いてみると、どうも鮎香さんが全て対応してくれたそうだ。



・・・


・・・

またまたアリーシャは思い出すように上を向いてゆっくりと話しだした。


・・・

親父の行動は早かった!
親父は詩織の4歳の誕生日に詩織に妹が欲しいとお願い?されてから、俺を妹にすべく翌朝から行動を起こしたんだ。
まず翌日の朝、親戚のおじいちゃんが亡くなって葬式だという事で、会社に電話して有給扱いにして貰った後、親父の知り合いの病院の院長に電話を入れて俺を連れて相談に行ったんだ。

そこは都内の、渡辺病院って所なんだが、俺の親父の親戚がやっている病院で関東周辺に5箇所ほどある病院を経営している。

その親戚の娘が任されている第2渡辺病院に行った訳だが
娘の名前は
渡辺 鮎香(わたなべ あゆか) 32歳
独身・・・だそうだ。
院長件女医

親父の話だと、凄い才女・・だそうだ。
鮎香院長は、女医としても仕事をしているがそれは忙しくて人が回らない時だけで、普段は院長としての管理業務のみだ。
俺と親父は直ぐに呼ばれて診察室に俺と親父が入った途端に

「きゃ~~かわいい~~こんなの有り?有なの?こんな可愛い生き物私、見た事ないわ!」

俺はその鮎香院長に抱き上げられて抱き締められたまま頬ずりされてしまっていた。
そして俺達が帰るまで結局そのまま鮎香院長は俺を抱き締めたまま離してはくれなかった。
こんな生き物?俺をペットか何かと勘違いしてるんじゃないのか?多分今の俺なら即言っているだろう・・・

俺は鮎香院長に相当に気に入られてしまったみたいだ。ペットとして?それとも赤ちゃんとして?

親父は昨日の詩織との一連の騒動を話して俺を女の子として育てる協力を仰いだんだ。
親父のそんな依頼を聞いた鮎香院長は・・
「私こんなにも可愛い赤ちゃん見たこと無いわ~この子私に頂戴ねえ良いでしょ~?」
ととんでもない事を言い出した。
親父も流石に詩織と俺を妹として育てて良いって言ってしまったものだから
「鮎香ちゃんそれはちょっとマズイんだ。詩織に妹として育てて良いって言ってしまったから、こうして鮎香ちゃんにたのみに来てるんだよ」
「そうだったわね~私もこんな可愛い赤ちゃんだったら私の好きなように改造してみたかったの。ざんね~~ん。

じゃ~優希、相談なんだけど、この依頼を受ける条件として一ヶ月に一度で良いからこの子を私の好きなようにさせてくれないかな?
その私の願い呑んでくれたら、診察代は要らないわ!!どう?」

鮎香院長は、またとんでもないことを言い出した。
オヤジにとっては美味しい取引だ。

診察代がタダ!!
この甘美な響きに親父は負けてしまった。
「優香それで本当に良いのか?」
「うう~ん・・ちょっと私損してるよね!!じゃ~~この子が空いてる時だったら私の好きにさせてもらって良いかな?

そしたら私はこの子を世界中の誰もが羨むような最高に美しい妖精に作り上げてみせるわ!!これならどう優希?」

「商談成立だな!!鮎香ちゃんにまかせた!!」
「OK~~でも未だにこの子が男の子だなんて信じられないわね」
そう言って鮎香院長は俺に何と・・・・キスをしてきた・・・

俺の初めてのファーストキスはこうして鮎香ちゃんに奪われてしまった。
鮎香ちゃん、キスは良いけど・・・舌入れるのは止めて・・・

優からのささやかなお願い?

そういう事言うとキスは良いのかよ?って言われそうだな。
大人の利害が絡んだ駆け引きっていうのは良く解らない世界だ。

そういう訳でその後、俺がある事を始めるまでは一週間に2回、鮎香院長が直々に家まで迎えに来てこの世界で一番美しい女性になるべく、鮎香院長の調整を受ける事になってしまった」

幼稚園、小学校、中学校に入学する時は、俺と両親と鮎香先生と4人で学校に行って挨拶。
そして鮎香先生が・・・

「私はこの都内で開業している渡辺第二病院の院長をしています渡辺鮎香と申します。今日は親御さんの依頼でこの子の状態を説明させて頂く為に此処に来ました。この子は、男の子ですが過度の性同一性障害の為に、長時間男の格好でいると、過呼吸になり最悪死亡してしまいます。私も色々治療している最中ですが未だに治療方法が解っていない状況です。

なのでこの子を女の子として通学させて頂きたく今日此処に来た次第です」

と真しやかに先生方の前で宣ったのだ。
そんな見え透いた嘘皆信じるはずねえだろ!!俺はそう言いたい!!今なら絶対に言っている!!・・ハズ?
大病院の院長の有難いお言葉の重みのせいで皆、完全に信じきってしまっていたんだ。
そんな感じで何故かすんなりと俺は女の子として幼稚園、小学校、中学と過ごしてしまった訳だ!!
誰か少しぐらい疑れよな!!

考えてみれば鮎香が居なければ俺はどんな悲惨な運命を歩んでいたのか恐ろしくなるぜ。
考えてみれば鮎香って最高の俺の協力者だな!!



・・・・


・・・・

そんな独り言にも聞こえるような話をしてくれた。

『鮎香さんって何者?』
思わず私はそう・・思わずにはいれれなかった・・


つづく・・・
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