仮想現実・夢見る少女

神城 リーナ

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4章.波乱

108.2回目のデート「こんなの嫌~~~!!」

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一番の番号札を持った初々しい高校生カップル。
その姿は何故か幼く見えてしまう・・

何故なんだろう?
何げにそんな風に思ってしまっていた私。
達也はそんな私に
「何故なんだろうな咲と同い年位の高校生なのにお前と比べると幼く見えてしまう。
あの子達は一昨日咲に出会った時の感じに似てるな」
と告げてくる。
「じゃ~達也は私がこの2日で老けちゃったとか言いたいの?」
「そういう事じゃ無くてさ~咲出会って3日の間に別人に見えるくらい変わってしまったって言うのが正解だな!!
咲は老けたんじゃなくて、凄く綺麗になったよ」

達也のその言葉を受けて私は恥じらいを隠しながら
「そう見えるとしたら、それは達也が原因よ。
達也に可愛く、そして綺麗に見られたい。
達也の視線を私に釘付けにしてしまいたい。
達也に出会ってから私はずっとそう・・想い続けていたからよ」

そう達也に告げながら小首を追って笑顔で達也の顔を覗き込む。

「そうさ俺は咲の言った通りにそんな咲の姿に釘付けさ」
達也もそう言って私を見つめてきてる。
私はそんな達也の行動をつい気持ちいいって思ってしまっている。

『そう、達也私をその瞳で見つめていて欲しい』

達也に見つめられているだけで私は幸せな気持ちになれる。
私って結構単純・・・かも!!


2番目のカップル、3番目のカップルと思い思いに中央通路を其々のアピールの仕方で歩いてゆく。
そして前面の壇上に上がって最後の決めポーズ!!

その姿を追ってプロのカメラマンがカメラを向けながら

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

『カシャ』

・・・・

っとカメラのシャッターを切ってゆく。





段々と私達にも順番が迫ってきている。
それにつれて私の心は必然的に段々と緊張してきてしまう。
ただ歩くだけならこんなに緊張はしない!!

私はこの
『ベストカップルコンテスト』
でアリーシャと詩織に言われた事を実践しなきゃいけないのだ!!

そして・・9番目のカップル!!そう私と達也だ

私達は手を繋いでゆっくりと歩き出す。

私は達也と歩きながらふわりっと飛び上がる。
私の体はタンポポの綿毛のようにふわりっとゆっくりと空中を移動する。
それは気のせい?

それとも・・・

現実?

多分それは・・・きのせい・・
そんな空中を浮くなんて・・

私はそのまま体を捻り一回転し達也の腕を抱締めてそのあま壇上へ。

最後に達也が壇上に上がって待っている所に4回転半の空中回転フィニッシュで達也の胸に飛び込んでゆく。

そして達也の体を私が抱きしめて片足を少し上げてフィニッシュ。
激しい動きと片足を上げた反動で私のスカートは捲れて私のボーダー柄が可愛く顔をのぞかせる。

「お~」
「お~」
「お~」
「お~」
「お~」
会場からどよめきが・・
そしてプロのカメラマンの目にも止まらない

『カシャ』『カシャ』『カシャ』『カシャ』『カシャ』『カシャ』『カシャ』

と連続シャッター音が同時に響き渡る。


そう・・私がアリーシャと詩織に指示されていたのは・・・

『皆の前でパンチらをして帰って来る事』

だったのだ。
アリーシャも詩織も何て事を私に指示するのよ!!
絶対にあの二人楽しんでるんだろうな!!

だから私はこれをする為に緊張してたんだ!!

私達のフィニッシュの後直ぐに
「それでは今回の『ベストカップルコンテスト』優勝者を発表します。優勝者は・・・」
そう場内放送された後

私達の後ろの400インチの液晶大画面にランダムにプロのカメラマンが取ったカップルの写真が物凄いスピードで切り替わってゆく。

そして・・

その切り替わる速度は・・

段々と遅くなり・・


次の一枚・・

次の一枚・・

・・

次の一枚・・

・・・

次の一枚・・






そして最後の写真が400インチの液晶大画面一杯に表示されて止まった。


それは


一人の男性に女の子が寄り添い・
片足を宙に浮かせている写真・・だった。


そして跳ね上がったスカートからはボーダー柄のパンチラが鮮明に映し出されていた。



「第一回ベストカップルコンテストの優勝者は9番のこの映像に映ったカップルに決定しました。優勝おめでとうございます」


そう店内放送された瞬間私は・・

「こんなの嫌~~~!!」

と叫んでしまっていた。
だって・・私は・・
少しは見えてるかな?っては覚悟してたけど・・
真逆、こんなに大きくパンチラしているとは夢にも思わなかったんだもの!!

つづく・・・
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