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第1部・第6話:ユージーン
第1章
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目の前で繰り広げられる光景に、ルカは潜んだ建物の影で、静かにゆっくりと息を吐き出した。
家の側面と背面の三方を取り囲む東側の林の中で、一組の男女が寄り添うようにして語らっている。男性はルカの幼馴染みであり、(祖母の弟子という意味での)同居人でもあるユージーン。女性の方はルカの知らない顔だ。距離があるために断言は出来ないが、赤毛の、ちょっと可愛いお姉さんのようにも見える。
何だか身に覚えのある状況に、ルカの鼓動は早鐘を打った。あの時と決定的に違う点を挙げるとすれば、女性はルカの祖母、強大な魔力の故に細胞のひとつひとつまでが若さを保っている、黄金のベリンダではないということ。となると、考えられるのは、ユージーンを慕う麓の町の誰かだが、しかし、ベリンダの元で修行中という彼の立場を知っていながら、堂々とこの家まで乗り込んでくる者というのも珍しい。
――もしかして、それほど親しい間柄ということだろうか。
「…………」
女性が慣れた様子でユージーンの腕に触れるのを見て、ルカは自分でも気付かぬうちに眉をひそめていた。
ルカのいる位置からは死角になっているため、ユージーンの表情は読み取れない。声も届く距離ではないから、会話の内容も聞き取れない。近付こうにも、ここから先には身を隠すものは何もなかった。2人に気付かれずに林の木々に紛れるには、ちょっと距離がありすぎる。
ルカがなぜこんな、スパイ紛いの行動に出ているのかといえば、時間を少々遡る。
ルカはつい先日、親友で、領主の跡取り息子でもあるフィンレーを、魔王軍斥候隊に勧誘することに成功した。ジェイク、ネイト、フィンレーと、頼もしい仲間を得て、「自分を守ってくれる人を3人連れてくること」という祖母の課題はクリアできたものと思っている。
しかし、ルカが自らのナイトを選任している間に、別な問題が起こっていた。誰よりも長い時間を一緒に過ごしてきたはずのユージーンの態度が、何となくよそよそしいのだ。優しいのは普段通りなのに、急に黙り込んだかと思えば、何かを考え込んでいたり。彼とは今後のことについても、もっと色々話し合いたいと思っていた矢先だけに、不安にもなってくる。
だからルカは、膝を突き詰めて、ユージーンと話をしようと思っていたのだ。いつもならマンツーマンで彼の指導に当たっている祖母のベリンダは、今日は王宮に招聘されて留守にしている。先日フィンレーが父親の名代として処理をした、グリテンバルド州に現れた魔王軍についての報告が届いたことで、対策を協議する会議に出席せよとのことらしい。
そのため、祖母から自習がてら課題を出されたユージーンは、午後はずっと家の外の林の中で、何事かに取り組んでいた。祖母の魔術の素養をひとかけらも受け継げなかったルカには、彼が修得を課された魔法が何なのかはわからない。おとなしくユージーンの成功を待つつもりで、読書の傍らに2階の自室の窓から見守っていたのだが、何度目かに確認した際、彼の向き合うオレンジツリーの背丈が幾分か伸びているような気はした。
高名なベリンダが殊の外目を掛け、彼女の歴代の弟子の中でも一、二を争う優秀な人物としてユージーンの名が挙げられるというのも、理由のない話ではないのだ。
――ユージーン・バトラーは、王都ヴェスティアの生まれである。家族を魔物に奪われ、教会の孤児院で暮らしていたところを、黄金のベリンダに見出だされて末弟子となった。9歳の頃のことだ。
普段のユージーンは、ベリンダの補佐をしながら、魔術の修業をしている。彼女が育ててきた多くの弟子達の中でも、最も素養に恵まれた、有能な人物との呼び声が高いのは、前述の通りだ。
ユージーンはまた、ベリンダの不在時には各種の取り次ぎと共に、彼女の掌中の珠――孫のルカの保護者役を好んで買って出ている。彼のルカに対する情愛たるや、師にも並び立つほどの深さであり、年頃で見映えも良いユージーンに浮いた話一つないのはその為であると、ハーフェルの町の住民に知らない者はない。
そして何より、ユージーンを語る上で外せないのは、その美貌だった。少し長めの髪は艶やかなプラチナブロンド、優れた彫刻家が細心の注意を払って掘り出したような整った顔立ちに、深い碧色の宝石のような瞳が輝いている。
少年期には美しいばかりだった容貌は、ここ数年の間に男性らしさを増し、その凄味たるや、見る者を圧倒させるほどだ。加えて高身長であるためか、身のこなしは優雅であっても、優男の印象はない。
どこへ行っても人目を引く、完全無欠の美青年は、当然ながら、女性達の人気の的だった。ユージーン自身が、ルカの世話を焼くことに無上の価値を見出だしているようにしか見えない上に、ルカもまた他人の庇護欲を煽って止まない愛らしい容姿をしているため、表立ってアプローチを仕掛けてくる女性こそ少ないけれど、彼を恋慕う者はとても多い。
――だからこそ、ルカは心配になったのだ。
「………………」
自分の心臓の音がやけにうるさく感じられて、ルカは唇を引き結んだ。
ユージーンと見知らぬ女性の会話は、今もほとんど聞こえない。しかし、頬を染めた赤毛の女性は、楽しそうに微笑んでいる。
ユージーンと腰を据えて話をしようと思っていたルカは、彼が課題を終えるのを、読書をしながら待っていた。キリの良いところで顔を上げ、幼馴染みの様子を窺う。これを何度か繰り返していたところで、件の女性がルカの目に飛び込んで来たのである。
妙な胸騒ぎを感じて、ルカは咄嗟に部屋を飛び出した。玄関ではなく裏口から静かに庭に滑り降り――そして現在に至る。
スパイの真似事には、こういった事情があったのだ。
――もしかして。
話し込む様子の二人を盗み見ながら、ルカの不安は増していった。このところのユージーンが、何か言い出しづらそうにしていたのは、これが原因なのかもしれないと思ったからだ。
――恋人、もしくは好きな人が出来たから、一緒には行けない、とか。
「……!」
自分の想像にチクリと胸が痛んで、思わず奥歯を噛み締める。
大事な幼馴染みである、ユージーンの意思は尊重したい。彼がいつまでも、自分を優先してくれると考えるのは傲慢だろう。
しかし、この世界を夢の中だと信じていた小さな頃から、ずっと一緒に育ってきたユージーンに傍に居て貰えないのは、やっぱり不安だった。
ルカ自身の斥候隊加入については、ネイトが立候補してくれたお陰もあって、ベリンダに課された条件はクリアできている。――でも。
話を終えたのか、それとも密会はベリンダが戻るまでと決めていたのか、女性がくるりと背を向けた。
名残惜しそうに何度も振り返りながら帰っていくのに、ユージーンが軽く手を振って応えている。
「――」
ユージーンが課題に戻る前に、ルカもそっとその場を離れた。
彼と向き合う勇気は、完全に萎えてしまっていた。
家の側面と背面の三方を取り囲む東側の林の中で、一組の男女が寄り添うようにして語らっている。男性はルカの幼馴染みであり、(祖母の弟子という意味での)同居人でもあるユージーン。女性の方はルカの知らない顔だ。距離があるために断言は出来ないが、赤毛の、ちょっと可愛いお姉さんのようにも見える。
何だか身に覚えのある状況に、ルカの鼓動は早鐘を打った。あの時と決定的に違う点を挙げるとすれば、女性はルカの祖母、強大な魔力の故に細胞のひとつひとつまでが若さを保っている、黄金のベリンダではないということ。となると、考えられるのは、ユージーンを慕う麓の町の誰かだが、しかし、ベリンダの元で修行中という彼の立場を知っていながら、堂々とこの家まで乗り込んでくる者というのも珍しい。
――もしかして、それほど親しい間柄ということだろうか。
「…………」
女性が慣れた様子でユージーンの腕に触れるのを見て、ルカは自分でも気付かぬうちに眉をひそめていた。
ルカのいる位置からは死角になっているため、ユージーンの表情は読み取れない。声も届く距離ではないから、会話の内容も聞き取れない。近付こうにも、ここから先には身を隠すものは何もなかった。2人に気付かれずに林の木々に紛れるには、ちょっと距離がありすぎる。
ルカがなぜこんな、スパイ紛いの行動に出ているのかといえば、時間を少々遡る。
ルカはつい先日、親友で、領主の跡取り息子でもあるフィンレーを、魔王軍斥候隊に勧誘することに成功した。ジェイク、ネイト、フィンレーと、頼もしい仲間を得て、「自分を守ってくれる人を3人連れてくること」という祖母の課題はクリアできたものと思っている。
しかし、ルカが自らのナイトを選任している間に、別な問題が起こっていた。誰よりも長い時間を一緒に過ごしてきたはずのユージーンの態度が、何となくよそよそしいのだ。優しいのは普段通りなのに、急に黙り込んだかと思えば、何かを考え込んでいたり。彼とは今後のことについても、もっと色々話し合いたいと思っていた矢先だけに、不安にもなってくる。
だからルカは、膝を突き詰めて、ユージーンと話をしようと思っていたのだ。いつもならマンツーマンで彼の指導に当たっている祖母のベリンダは、今日は王宮に招聘されて留守にしている。先日フィンレーが父親の名代として処理をした、グリテンバルド州に現れた魔王軍についての報告が届いたことで、対策を協議する会議に出席せよとのことらしい。
そのため、祖母から自習がてら課題を出されたユージーンは、午後はずっと家の外の林の中で、何事かに取り組んでいた。祖母の魔術の素養をひとかけらも受け継げなかったルカには、彼が修得を課された魔法が何なのかはわからない。おとなしくユージーンの成功を待つつもりで、読書の傍らに2階の自室の窓から見守っていたのだが、何度目かに確認した際、彼の向き合うオレンジツリーの背丈が幾分か伸びているような気はした。
高名なベリンダが殊の外目を掛け、彼女の歴代の弟子の中でも一、二を争う優秀な人物としてユージーンの名が挙げられるというのも、理由のない話ではないのだ。
――ユージーン・バトラーは、王都ヴェスティアの生まれである。家族を魔物に奪われ、教会の孤児院で暮らしていたところを、黄金のベリンダに見出だされて末弟子となった。9歳の頃のことだ。
普段のユージーンは、ベリンダの補佐をしながら、魔術の修業をしている。彼女が育ててきた多くの弟子達の中でも、最も素養に恵まれた、有能な人物との呼び声が高いのは、前述の通りだ。
ユージーンはまた、ベリンダの不在時には各種の取り次ぎと共に、彼女の掌中の珠――孫のルカの保護者役を好んで買って出ている。彼のルカに対する情愛たるや、師にも並び立つほどの深さであり、年頃で見映えも良いユージーンに浮いた話一つないのはその為であると、ハーフェルの町の住民に知らない者はない。
そして何より、ユージーンを語る上で外せないのは、その美貌だった。少し長めの髪は艶やかなプラチナブロンド、優れた彫刻家が細心の注意を払って掘り出したような整った顔立ちに、深い碧色の宝石のような瞳が輝いている。
少年期には美しいばかりだった容貌は、ここ数年の間に男性らしさを増し、その凄味たるや、見る者を圧倒させるほどだ。加えて高身長であるためか、身のこなしは優雅であっても、優男の印象はない。
どこへ行っても人目を引く、完全無欠の美青年は、当然ながら、女性達の人気の的だった。ユージーン自身が、ルカの世話を焼くことに無上の価値を見出だしているようにしか見えない上に、ルカもまた他人の庇護欲を煽って止まない愛らしい容姿をしているため、表立ってアプローチを仕掛けてくる女性こそ少ないけれど、彼を恋慕う者はとても多い。
――だからこそ、ルカは心配になったのだ。
「………………」
自分の心臓の音がやけにうるさく感じられて、ルカは唇を引き結んだ。
ユージーンと見知らぬ女性の会話は、今もほとんど聞こえない。しかし、頬を染めた赤毛の女性は、楽しそうに微笑んでいる。
ユージーンと腰を据えて話をしようと思っていたルカは、彼が課題を終えるのを、読書をしながら待っていた。キリの良いところで顔を上げ、幼馴染みの様子を窺う。これを何度か繰り返していたところで、件の女性がルカの目に飛び込んで来たのである。
妙な胸騒ぎを感じて、ルカは咄嗟に部屋を飛び出した。玄関ではなく裏口から静かに庭に滑り降り――そして現在に至る。
スパイの真似事には、こういった事情があったのだ。
――もしかして。
話し込む様子の二人を盗み見ながら、ルカの不安は増していった。このところのユージーンが、何か言い出しづらそうにしていたのは、これが原因なのかもしれないと思ったからだ。
――恋人、もしくは好きな人が出来たから、一緒には行けない、とか。
「……!」
自分の想像にチクリと胸が痛んで、思わず奥歯を噛み締める。
大事な幼馴染みである、ユージーンの意思は尊重したい。彼がいつまでも、自分を優先してくれると考えるのは傲慢だろう。
しかし、この世界を夢の中だと信じていた小さな頃から、ずっと一緒に育ってきたユージーンに傍に居て貰えないのは、やっぱり不安だった。
ルカ自身の斥候隊加入については、ネイトが立候補してくれたお陰もあって、ベリンダに課された条件はクリアできている。――でも。
話を終えたのか、それとも密会はベリンダが戻るまでと決めていたのか、女性がくるりと背を向けた。
名残惜しそうに何度も振り返りながら帰っていくのに、ユージーンが軽く手を振って応えている。
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ユージーンが課題に戻る前に、ルカもそっとその場を離れた。
彼と向き合う勇気は、完全に萎えてしまっていた。
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