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覚悟の先にあるのは
しおりを挟むずっと眺めてきたんですよ。
初めて友達の家で見かけた時からずっとピンク色の頭をした彼を。
あのドきついピンクはかなりインパクトが強いと思う。それだけに一度認識してしまえば、目につきました。
街中で男女関係なくいろんな人としゃべる彼。
お店の中で女性をエスコートする彼。
学校の屋上でだるそうに休んでいる彼。
・・・でもいつも窓のついた壁みたいなのがあるような感覚で・・・今思えば、有名人を眺めている感覚だったのかなと。
だから、入試の帰りに怪我した彼を見かけた時も見捨てられなかったんです。
ほっとけばよかったのに、何故かほっておけなくて、結局手当したけれど。
きっと彼は覚えていないだろうなと思いながら、雪道を歩いて行ったのを覚えていますね。
その彼と同じ高校に入り、同じ部に入部するとは何の因果だろうかってびっくりして。
何度も出会うタイミングがあるのって、偶然で片付けていいのかどうか迷ったぐらいです。
・・・・・彼のいる世界と私のいる世界は違うって、最初からわかっていることなのに。
お兄ちゃん達が族をしていたってこともあって、余計に全然違う世界だって、私が入っていける世界じゃないって解っていたつもりだったのに。
でも、彼が意外にも優しくてびっくりしたんですよね。私のことを覚えていないのはすぐに解ったけれど、図書部唯一の新入部員だからか、いろいろと丁寧に指導してくれましたし。
いつのまにか龍野先輩って呼ぶようになって、距離が縮まっていることに気づいて。壁はどこへいったんだろうって。
思い出をつらつら語っていたら、真顔で眉間に皺を寄せた莉里が聞いてきた。
「・・・・何故、族長の告白受けた?」
莉里の疑問はもっとも。自分だってまさか告白されるとは思わなかったし。
「ん・・・多分すぐフラれるだろうなって思っていて、期待してなかったからだと思う」
「具体的に」
「八尋先輩の今までの彼女とかを見てきた限り、胸がでかい人が多くて好みがはっきりしているなって分析はしていたんですよ。だから、私に対してはなんていうか、身体の関係はきっと求めてなくて、なんていうか、毛色の違うのをつまんでみたいな感じなのかと。抱かれるイメージもまったくなかったし、どうせ、こんな機会ないだろうから、ちょっと短い間でも八尋先輩の見ている世界を知れるかなって」
メロンソーダを飲みながら説明している香帆をいきなり抱きしめたのは当の噂されていた八尋本人。
「・・・はぁっ!!!?そんな風に思ってたの!?香帆が間食なわけないでしょ!間食どころか、デザートつきの豪華なコースのメインディッシュですよ?!こっちは最初からヤル気満々でしたよ?」
「八尋、その例えおかしくないか・・・・・そして、どさくさ紛れに本音を混ぜるな」
香帆をぎゅうぎゅうに抱きしめている八尋の頭をベシっと叩いたのは八尋の親友であり苦労人である虎矢。ちなみに、莉里の同棲中の彼氏でもあったりする。
ちなみに、4人がいるのは、『ブロッサム』の一室。カラオケをしに集まっていたのだが、話は莉里の疑問をきっかけに香帆への質問タイムみたいな流れになっていた。香帆がまさかの理由で告白を受けたことに(改めて)落ち込んでいる八尋を余所に、八尋の腕の中で香帆は話を止めることなく続けていた。
「まぁ、簡単にまとめると好奇心からですね」
「恋愛感情は?」
「一切なかったです。どちらかというと・・・芸能人の世界にちょっと入れるかも?みたいな感じで」
「・・・族長にちょっと同情」
「小娘に同情されたんじゃ終わ・・・いたっ、叩くな、虎矢のバカー!」
「お前が莉里に対する態度を直したら叩かずに済むんだよ?」
「・・・・・・・・」
「じゃ、香帆ちゃんの恋愛感情はいつから芽生えたのかな?」
再び八尋の頭を叩いた虎矢が思いついたように聞くと、香帆は腕を組みながら思いだすように答えた。
「・・・・・多分ですけど、あの時・・・かな、と」
「あの時っていつなのー?」
「・・・えっと、創文祭の時です」
「創文祭・・・文化祭と学校創立記念日を合わせた学校の一大イベント」
「誰に説明してるのかな?」
「ん・・・見てる人。それより、話、続けて?」
「あ、はい・・・」
誤魔化された気がしないでもないが、莉里や虎矢に促されて説明することにした香帆は口を開いた。
ハロウィンが終わった頃、学校では創文祭の準備で大わらわだった。
香帆のクラスではすでに模擬店をすることになっていて、動物をモチーフにしたZOOカフェを開くことになっていた。この時ばかりは冴帆お兄ちゃんがいてよかったと思う。
最近準備で遅く帰ることが増えた香帆に迎えをかってでたのが、付き合い始めた頃の八尋だった。余談だがこの時、教室に残っていた女子生徒達が黄色い悲鳴をあげたのはいうまでもない。
「香帆~帰ろうか♪」
「あ、先輩・・・・もうこんな時間でしたか」
「おお・・・耳がついてる・・・あっ、もしかして不思議の国のアリスから?!」
「あ、ハイ、不思議のアリスとかけて、うさぎさんにしてみました」
「服装がイメージ的にアリスっぽいよね。可愛いなぁ」
(そういえば、先輩ってよく可愛いって言ってくれるなぁ。なんでだろう。)
周りを総スルーして、香帆を可愛いとべた褒めしながら近寄ってきた八尋に香帆は不思議な気持ちでいっぱいだった。過去に他人でしかなかった八尋と交わした数々の言葉を思い返してみても、過去の自分を振り返ってみても、可愛いとかそんなことを言われるような容姿ではなかったと思う。本当に胸もささやかなBカップで、自分でもちょっと頭が固い性格だと思うし、容姿だってごくごく平凡な姿なはず。
(本当にモブキャラレベルの私がこの人と付き合っていると思うとちょっと不思議。)
「着替えてきますので少し待っていて下さい」
「りょーかい」
香帆の席に座りだした八尋に一言告げてから、廊下へ行くと、クラスの委員長が声をかけてきた。ちなみに香帆は副委員長をやっているので、結構話すことが多い。どうやらカフェについての相談だったようで、少し話し込む形になった。
「あ、田城さん、丁度よかった。実は相談が・・・」
「委員長?あ、はい・・・・ここはこういう風にするつもりなんですけど」
話が終わった後、急いで更衣室に向かい、着替えを終えて教室に戻ってきた。すると珍しく憮然としていた表情をみせていた八尋が机に伏していた。
「・・・先輩?」
「さっきのヤツ、誰?」
「さっきの・・・・?」
「ほら、廊下でカフェのことを話していた爽やかイケメン君いたデショ。このクラスの委員長なのは知っているけれど、香帆との関係は何なのかなーって」
膨れながらグチグチ言っている八尋にきょとんとしていたが、ようやくさっきの砂野君のことだと思い当たり、机を片付けながら返事を返した。
「ああ、砂野君ですね。彼が委員長、私が副委員長ということもあって、よく話をするだけですよ」
「スナノね・・・ふーん」
「お待たせしました。じゃあ、帰りましょうか。みなさん、お先に失礼します・・・あっ、急がなくても逃げませんから!」
挨拶をしている途中で八尋に引っ張られて驚いた香帆だが、当の八尋は頬を膨らませたまま香帆の手を握って歩いている。
「・・・・先輩?」
「んー、なんでもなーい。それより、香帆・・・いい加減俺のこと、名前で呼んでよ~?」
「またその話ですか?先輩呼びがもう癖になってるんで、諦めて下さい」
(本当は、名前を呼ぶと別れた時に困るかなって思ってるだけなんだけれど・・・。)
香帆の予想ではこの関係は長くても半年ぐらいで終わるだろうと予想している。万が一の身体目当てってことも考えるとクリスマスあたりにってことも考えられるなぁと計算もしていた。拗れてしまうのも嫌だし、あまり深入りしても自分が困るだけだと解っていたので、適度に距離を置いていた。
「・・・・・香帆、俺達本当に付き合ってるよねー?」
「はい、もちろんですよー?」
「ならいいけど・・なんだかな・・・」
不安そうな顔をしている八尋を敢えて見ないふりしながら、香帆は帰り道を歩き出した。その日はそんな会話で終わったが・・・創文祭当日に思いもよらないことが起こった。少なくとも、香帆にとっては。
それはカフェで当番を交代して休憩中にいきなり委員長から声をかけられた時のこと。
「ふーさすがに人もいっぱいで疲れたね」
「あの・・・田城さん、前から気になっていたけれど、龍野先輩と付き合っているって本当かな?」
「ああ、はい。ちょっと信じられないかも知れませんが、一応付き合っていますね」
(普通な私と派手な彼が一緒だもの。そりゃ驚くのも無理ないよね・・・。)
「あのさ、何か弱みでも握られているの?それなら、その、僕がなんとかしようか?」
「は?いえいえ、私の意思で付き合っているので、全然大丈夫ですよ」
(まぁ、いずれは別れるんだろうけれど。)
「強がることないよ。これでも親が警察だから脅されたとしても逆に訴えることもできるし」
「・・・いえいえ、本当に大丈夫ですってば」
なぜかしつこくし出した委員長に困惑しながら香帆は首を振った。その時、だった、いきなり委員長が抱きしめてきたのは。いきなりのことに香帆は驚きながらも、這い上がる嫌悪感を抑えるのに必死に振りほどこうとしていた。
「いたっ・・・砂野君、離してください」
「なんで?あんな不良のどこがいいんだ?君は学年首位だよ?そんな君があんな女狂いとまで噂が広がっている男と付き合うだなんて止めた方がいい。どう考えたって遊ばれているに決まっているだろう!それに、彼は父親しかいないと聞いているから、苦労するよ。その点、僕なら親が警察だし両方いるし、君には及ばないけれど学年2位だし、つり合いだって・・・」
囁かれた言葉に思わず香帆は委員長を突き放して叫んでいた。
「っ・・・・離してくださいっ!!あなたみたいな人が一番嫌いです。確かに龍野先輩のいい噂は聞かないけれど・・・っ・・・」
決して不良であることをひけらかすことはしない。
なんだかかんだいって、入学した時に首位って聞いてるし、テストで満点をとったことがあるぐらい頭だっていい。
でも、それを決して自慢なんてしない。
(確かに、遊ばれているかもっていうのは否定できないけれど・・・!)
「第一、あなたに私達の関係を止める権利があるんですか?別れるかどうかを決めるのは貴方ではなく、私と龍野先輩です」
(別れがいつになるとしても、それは私と龍野先輩で決めればいいだけ。周りなんか関係ない。)
「何より、親の職業をあてにするその図々しさが一番ダメですし、嫌いです。龍野先輩に片親しかいないことをバカにするなら、両親がいない私はもっとバカにされるんでしょう?どれだけ委員長が立派な人間でも・・・人を見下せるその性格では絶対に好きになれませんし、なりません!」
顔を真っ赤にさせた委員長がいきなり拳を振り下ろしてきたのを見た香帆は思わず目を瞑った。このままでは殴られると思ったが、しばらく待っても、殴られる気配がない。恐る恐る閉じていた目を開くと、委員長が鼻血を出して床に倒れているのを、八尋が足蹴にしているのが見える。傍にはスマホで動画を撮っているであろう莉里と笑い転げる虎矢もいた。
「・・・・たつ、の先輩」
「おい、砂野。俺のすっごい大切にしている彼女に何してくれてんのかな~?俺が頑張って、頑張って、やっと付き合えた子なんだよ?結婚までしたいと思って、ようやく手に入れた超大事な香帆が遊び相手なわけないデショ。というか、俺のこと言える立場?お前は学年首位で自慢できる彼女が欲しいってだけでしょー?」
「莉里ちゃんに、虎矢さんも・・・どうしてここが?」
「族長や隆が来たから、香帆を呼ぼうと思って来たの。そしたら、話し声が聞こえてきてちょっと雲行きが怪しいなって思ったから、録音と録画して決定瞬間を待っていたっていうだけ」
「小娘、お前、普通に喋れるなら、普段からそうやって喋ればっ!?」
「八尋、莉里がこうなるのはキレたってことだからね?香帆ちゃん曰く、こうなった莉里は本気らしいから、今は邪魔しないであげて。で、後で俺達もお仕置きすればいいじゃん?」
その方が香帆ちゃんのためにもなるし?とアクドイ笑みを見せた虎矢が多分一番質が悪いと思った香帆だったが、身体が動かないので何も言えなかった。
我に返った八尋が慌てて香帆を抱きしめて大丈夫かと何度も話しかけて心配そうな顔を見せた。
「・・・だい、じょうぶです」
「いやいや、震えている時点で大丈夫じゃないからねっ?こんな状態で手伝える訳ないよ。ほら、おいで。こむ・・・いや、登良野、香帆を連れて別の部屋に行くから後を任せていーい?」
「不本意だけれど任せる。でも、香帆をこれ以上泣かしたら許さない」
「はいはい~。八尋、俺はここに残ってフォローするから。香帆ちゃん、無理することないよ、いざとなったら俺が代わりにクラスを手伝うからゆっくり休んでおいで」
莉里と虎矢の援護を受けた八尋は香帆をお姫様だっこで連れ出して、屋上へと向かった。
「さすがに今日はどこも人がいっぱいだし、保健室も難しそうだから、ここで我慢して?」
そう言いながら八尋は屋上の鍵を開けて香帆を風の吹かない日陰へ連れて座らせた。そして、ブレザーを脱いで香帆に羽織らせた後、一応風よけにと向かい合って座った。
「少しは落ち着いたー?」
「はい、助けて下さってありがとうございます」
「良かった」
ほっとしたように頭を撫でてくる八尋の髪は光に透けて金色にも見えている。見上げていた香帆は、八尋が香帆の一言であっさりと茶色に染めてくれたことを思いだした。
(・・・そういえば、ここずっと茶色のままだよね。あれ?もしや、私と別れたらまたピンク色に戻るのかな。それは・・・ちょっと・・・いや、だな。)
「・・・・たつ、の先輩」
「うんー?」
「私達は・・・いつ別れる予定ですか?」
「香帆さんっ!!!!!!????もしかしてあのバカのせいで俺のこと嫌になった?いやいや、別れないからね?ち、ちょっと、落ち着こうか、香帆、お願いだから、思いとどまって?やっぱりまだ香帆は動揺してるんだ・・・だから、別れなんて言葉が・・・いや、とにかく、よぼよぼのお祖父ちゃんになってもずっと香帆が好きでいる自信あるよ、だから別れるなんて考えちゃダメっ!!あのバカ・・・締めてこ・・・!!」
・・・思わず口に出してしまったからまずいと思っていたのに、八尋の方がさらに驚いたことで香帆は呆気にとられた。冷や汗を垂らしながら立ち上がろうとした八尋に我にかえった香帆は、慌てて八尋を押し止めた。
「大丈夫です。それより、ここにいて欲しいです」
「・・・それならここにいるけれど・・・もう別れるとか言わないで?俺、本当に本当に香帆だけだからね?」
(・・・・なんか・・ちょっと、嬉しい、かも。こういう先輩を見られるのって、付き合っている特権でもあるんだよね。・・・いいなぁ、前の彼女さん達も先輩のいろんな顔を見たんだろうな。)
チクリと胸が痛むのに気づいた香帆はふいと疑問を感じた。
(なんで、私・・・元彼女のことを考えて・・・・あれ・・・もしかして、私・・・?)
前と違って、何故か羨望を感じるようになったと気づいたその時、八尋が抱きしめて耳元で囁いてきた。
「何か考えてるの~?あのね、あのバカが何をいったか知らないけど、別れるつもりはないからね?確かに素行はよろしくないし、女狂いについては・・・過去があるから否定できない、け、けど、今は本当に香帆だけだから信じて!?ほら、スマホだって見てー?ほとんど入ってないでしょ?男ばっかりでしょ?女の子は香帆だけだよー?なんなら香帆命!のタトゥー彫ってでも小指を切ってでも証明し・・・・」
「タトゥーもやくざみたいに指を切るのもやめてください。とりあえず別れるつもりがないことは解りました」
「本当に本当に?今だけじゃないからね?これからもずっと別れるつもりはないからねー死んでもずっと一緒にいるんだからね?」
「・・・・分かりましたからもう黙ってください・・・やひろ」
「・・・え、香帆、香帆っ、今名前呼んでくれたよねーもう一回、もう一回言って?!」
「お断りです、龍野先輩」
「香帆さんっーーーー!!!」
ため息をつきながらも、赤い顔を見られまいと香帆は八尋に抱きついた。慌てふためく八尋をよそに香帆はやっと自分の気持ちを自覚した。
(・・・さすがに羨望は好奇心で誤魔化せるものじゃないですよね・・・。)
解って、いるんです。
本当はこの気持ちが好奇心からじゃないって。
でもね、そうしないと、怖いじゃないですか。
これから先ずっと一緒にいられる保障はないですし。
ただ、認められなかっただけ、気づかないふりをしていただけ。
・・・本当は多分、眺めている内に少しずつ芽生えていたんだと思います。
だから、目が離せなくて。
最低だなって思っていても、やっぱりどこか探している自分に気づいていて。
でも、好きだって認めたら自分が傷つくのは解っていましたから。
もう、覚悟を決めないとって思ったのは八尋先輩が助けてくれた時の言葉を信じたいと思ったから。
(・・・もう、いっそ諦めよう。捨てられても良いって気持ちで開き直れば、ちょっとは楽しく過ごせるかも。別れなんて、その時になってから考えればいいですよね・・・。)
「うん、やっぱり、委員長から助けてくれたことがきっかけですね」
「委員長・・・ああ~思いだした、あの香帆を襲おうとした砂野っていう馬鹿だ~」
晴れ晴れとした顔で告げた香帆の言葉に、八尋は思い当たったのか、何度も頷いていた。それにつられて虎矢や莉里もああーと納得した声をあげた。その後は委員長のその後の話で盛り上がっていた。
(・・・正直、クリスマスやお正月も過ぎているのに、予想外に長く続いていて驚いています。でも、こんな気持ちを抱えてるとは、八尋先輩にはとても言えない。いつ終わるか不安で怖いだなんて。一日一日、八尋先輩の言葉を聞いて安堵している自分がいるだなんて。きっと私は今までの彼女の誰よりも浅ましくて、醜い。もし、こんな気持ちを抱えてるって八尋先輩に知られたら、どうなるんだろう。)
それでも、香帆は願うし、信じたいと思っている。
叶うなら、八尋が言っていたようにずっと一緒にいられたらと。
余談
「そういえば・・・砂野は結局どうなったんだっけ~?」
「創文祭が終わった直後にいきなりの転校でいなくなったよ」
「そういえば突然だったので、慌てて委員長を決めなおした覚えがあります。結局繰り上がりで私になりましたけれど・・・あれは何だったんでしょうね」
「・・・さぁね(・・・実際は莉里の父親の圧力に負けての逃亡なんだけれど)」
「これ、美味。隆、これもっと欲しい(・・・親の権威には親の権威で返すのが一番手っ取り早い)」
「はいはい~ほっんとう、莉里はマイペースだね」
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