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第2話 生活ルーティン お昼前後編
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朝食を終えたヨリくんとお兄さんは、何かと忙しい。
まず、お兄さんは悪い事をしたヨリくんのお仕置を済ませると、二人が寝ていた部屋の掃除を終わらせ、そのまま別室にて、未だ売れていないWeb小説の執筆に奮闘する。
一方、猫耳ショタのヨリくんは、お兄さんからお仕置を受けてもなお、更に構ってもらおうと扉の隙間から尻尾を振りながら隙を伺っていた。
普通の猫だった頃は、構ってもらえないと分かれば、すぐに寝てくれていましたが、今では構ってもらうまで、じっとお兄さんを見つめながら、行き詰まっている瞬間を狙っています。
兄「うーん、ん?うわぁ~、やっぱり過去に書いた話は酷いな。今の俺でも分かるくら滅茶苦茶な文章構成だ。よかった~、二年間修行と称して利益が得られない某サイトに投稿していて……、こんなのでお金をもらっていたと考えると……、うぅ、恥ずかしい。」
ヨリ「でも、兄さんの話は不思議と伝わるよ?」
兄「ん?まあ確かに、友達からもそう言われたけど、なんか嫌じゃん?キャラの立ち位置のズレとかもあるし……ん、って、こらヨリ、また勝手に入って来たな?いつも執筆中は入って来ちゃダメって言ってるだろ?」
ヨリ「あぅ、だ、だって、兄さんがマイナスな事言ってたから……。」
兄「っ、うぅ、そ、そうか、気にかけてくれてありがとう。そう思ってくれるだけでも嬉しいよ。ほら、お昼になるまでゲームでもしてなさい。」
ヨリ「う、うん、ぅぅ、」
兄「どうしたヨリ?」
ヨリ「兄さん、ここでしちゃダメ?」
兄「だ~め、文章構成で行き詰まると小さな物音でも気が散ってしまうからね。」
ヨリ「むぅ、静かにするから……。」
兄「そう言って昨日は、ゴロゴロ、うーうー言いながらゲームをしてただろう?」
ヨリ「あぅ、そ、それは……。」
兄「良いかいヨリ?いつも言ってるけど、俺は、この小説活動に人生を捧げているんだよ。与えられた期間は一年も満たない半年だ。それまで何とかして、この先ずっと、ヨリと一緒に楽しく過ごせる様に、この小説活動を一日でも早く開花させて、今の人生を変えたいんだよ。」
ヨリ「あぅ、ごめんなさい兄さん……。」
お兄さんの事情を知るヨリくんは、お兄さんの本気の意気込みに押されて、一時のわがままな思いを封じた。
対して言い過ぎてしまったと感じたお兄さんは、ヨリくんを慰めに入る。
兄「…ふぅ、ヨリが謝る事は無いさ。謝るのは、むしろ俺の方だ。」
ヨリ「ふぇ?」
兄「俺がもっとしっかりして、普通の会社勤めだったら、こんな不安定な考えはしなくていいんだけどな。」
段々本心を打ち明けるに連れて、闇に落ちそうになるお兄さん。
お兄さんの悪い癖は、自分絡みの良くない事が起こると、全部自分のせいにして丸く終わらせようとする事だ。
そんな癖を知っているヨリくんは、お兄さんの両手を握るなり、励ます様に力強く語りかけた。
ヨリ「そんな事言わないでよ兄さん!」
兄「っ、よ、ヨリ…。」
ヨリ「僕…兄さんが家にいないと寂しいよ。今まで兄さんが小説家でずっと家に居てくれたから、僕は凄く安心して過ごせてたんだよ?会社勤めも確かに良いけど、十時間以上一人ぼっちで家に居るのは嫌だよ!」
兄「っ!」
ヨリくんの心の叫びに、お兄さんの心は痛烈に響いた。
"ヨリの言う通りだ。"
猫耳ショタの姿のせいで忘れていたが、まだヨリは一歳にも満たない子猫だ。とは言っても、人間の歳で八歳くらいだが、それでも、不安になる要素は十分にある。
感情的になったヨリくんの瞳には、涙を溜めており、今にも泣き出してしまいそうであった。
これにお兄さんは、慌ててヨリくんを抱き寄せた。
兄「よしよし、ごめんなヨリ。そうかそうか、ヨリはずっと、そう思っていてくれてたんだな。」
ヨリ「う、うん。兄さんは優しくてしっかりしてるよ。」
兄「うん、うん、ありがとうな。」
ヨリ「んんっ~♪ニヤッ♪(ふふ~ん♪兄さんはちょろいな~♪ちょっと弱々しい僕の姿を見せれば、簡単に落ちちゃうんだから~♪)」
残念な事に、二人の感動的な展開は、ヨリくんが即席で仕組んだ計画的なシナリオであった。
しかし、お兄さんに対する想いは偽りはなく、純粋に"ラブ"の気持ちを込めていた。
ヨリ「きゅるる~♪(ふへぇ~、朝受けた罰の感覚が蘇る~♪にいひゃん、にいひゃん♪もっとナデナデして~♪)」
さっきまで泣きそうになっていたヨリくんは、嬉しそうに尻尾を振り、調子に乗って頬を擦り寄せながらキュルキュルと甘えた声を発した。
これにお兄さんは、微妙に引っかかる違和感を感じていた。
兄「………ん?。(何かおかしい…。何か一杯食わされている様な感じがする。ヨリの言ってた事は本音だと思うけど、このご機嫌な尻尾と、キュルキュル言いながら頬を擦り寄せる行為…、ちょっと気になるな。)」
ヨリくんの行動を少し不審に感じたお兄さんは、一旦、ヨリくんのナデナデを止め、抱き寄せ体を離した。
ヨリ「んんっ……んっ?どうしたの兄さん?(やべっ、気づいちゃったかな。)」
兄「なあヨリ、もしかしてだけど、本心に"かづけて"私情を挟んでないか?」
ヨリ「ふぇ?ど、どうしてそんな事を言うの?」
兄「…いや、なんか、切り替えが早いって言うか、その…何だ、本心を言いつつも内心は甘えるための口実なんかじゃないかって感じたからさ。」
ヨリ「っ、(ま、まずい、やっぱり気づかれた。もう、どうして兄さんは、こう言う時だけ勘が良いんだよ。と、取り敢えず、ここで本心を言ったついでに、甘えていたなんてバレたら、今日一日、構ってもらえなくなるかも。)」
完全に行動を読まれたヨリくんは、一瞬言葉を詰まらせるも、すぐに弱々しい表情で反論した。
ヨリ「うぅ、そんな…僕はただ、兄さんへの率直な想いを伝えただけなのに、酷いよ。(ど、どうだ兄さん、僕は嘘は言ってないぞ。それでも弱々しい僕の表情を見て疑うのか。)」
傍から見ては、完璧な被害者面に誰もが心を打たれる所だが、しかし、お兄さんは騙されなかった。
兄「正直に言えば許してやるよ。それと内容によってはご褒美も上げよう。」
ヨリ「っ、ご褒美!?」
兄「あぁ~、ご褒美だ。あっ、でもヨリは、率直な想いで俺を励ましてくれたんだもんな~。そもそも、正直もへったくれもないか。」
ヨリ「あぅ、う、うん、そうだね。(しまった、兄さんに主導権を取られた!?これじゃあ、兄さんを落として構ってもらう即席の計画が台無しだよ。うぅ、このままだと、僕が負けを認めてご褒美をもらうか、このまま僕の意見を貫いて"おあずけ"を受けるかのどちらかじゃないか。)」
即席で作った計画とは言え、途中まで完璧であったヨリくんの計画が、お兄さんによって逆手に取られてしまった。
このままでは、お兄さんに負けを認めてご褒美をもらうか。それとも、寸止めプレイからの焦らされる彼女の様に、不完全な状態で"おあずけ"にされるか。
ヨリくんの道は、二つに一つであった。
兄(ふふっ、葛藤してるな。それより、猫耳ショタの時のヨリは、本当にわかりやすいな。あんなに尻尾と耳を直立させて、しかも目も泳がせるなんて、自分では気づいてないのかな。)
追い詰められたヨリくんは、動揺と迷いが混在して"そわそわ"している。
まるで悪い事をしてしまった子供が、必死で隠すかの様に、それはそれは可愛らしい仕草であった。
兄「そう深刻に考えるなよ。ヨリが言った事は本心なんだろ?」
ヨリ「…うん。」
兄さんの問いに、ヨリは大人しく頷いた。
兄「ふぅ、構って欲しいのは分かるけど、一応これが今の仕事なんだ。悪いけど分かってくれよ。」
ヨリ「いやだ……。」
兄「ヨリ…。」
ヨリ「ヤダヤダ~!僕は兄さんと遊びたい~、もっと構って欲しい~!」
とうとう隠していた内心を露にしたヨリは、床に背中を付けて駄々をこね始めた。
こうなっては、お互い何かしらの提案を受け入れなければ、この状態から脱出する事は不可能である。
当然、一番困るのはお兄さんの方である。
そのため、お兄さんはとある提案を持ち出した。
兄「わ、わかった。じゃあ、小説で行き詰まって進まない時や休憩の気晴らしの時は、構ってやるからそれでいいだろ?」
ヨリ「それじゃあ、いつ構ってもらうか分からないから嫌だ。」
兄「んな事言ったって、猫だって気分屋だろ?俺も同じ土俵に立たないと不公平だよ。」
ヨリ「っ、うぅ…うーん、わ、わかった。」
兄「決まりだな。さて、早速だけど、ヨリのせいで小説を手掛ける興が醒めてしまった。どう責任を取ってもらおうかな。」
ヨリ「ふぇ…、そ、そんな急に、だめだよ兄さん。ぼ、僕、まだ心の準備が…。」
ヨリくんに映るお兄さんは、強烈な物欲思考によって補正され、性欲に飢えた獣に見えていた。
兄「さて…、ヨリには早速、小説の参考資料になってもらうぞ。」
ヨリ「はぅっ♪に、兄さぁ~ん♪」
お兄さんに頬を触れられたヨリは、色っぽい声を出した。その後、ヨリくんは、目隠しとギャグボールを噛まされ、再びお兄さんに色々とお仕置されるのでした。
今回は、とある一日の"お昼前"に起きたお話です。この日の前までの二人の日常は、本編をご覧になられてのご察しの通り、小説に奮闘するお兄さんに、ヨリくんがちょっかいをかけては、随時お仕置されると言う、ほのぼのしい日々を送っていました。
もしかしたら、ヨリくんが"こんなにいけない"猫に育ってしまったのは、お兄さんのせいかもしれません。
まず、お兄さんは悪い事をしたヨリくんのお仕置を済ませると、二人が寝ていた部屋の掃除を終わらせ、そのまま別室にて、未だ売れていないWeb小説の執筆に奮闘する。
一方、猫耳ショタのヨリくんは、お兄さんからお仕置を受けてもなお、更に構ってもらおうと扉の隙間から尻尾を振りながら隙を伺っていた。
普通の猫だった頃は、構ってもらえないと分かれば、すぐに寝てくれていましたが、今では構ってもらうまで、じっとお兄さんを見つめながら、行き詰まっている瞬間を狙っています。
兄「うーん、ん?うわぁ~、やっぱり過去に書いた話は酷いな。今の俺でも分かるくら滅茶苦茶な文章構成だ。よかった~、二年間修行と称して利益が得られない某サイトに投稿していて……、こんなのでお金をもらっていたと考えると……、うぅ、恥ずかしい。」
ヨリ「でも、兄さんの話は不思議と伝わるよ?」
兄「ん?まあ確かに、友達からもそう言われたけど、なんか嫌じゃん?キャラの立ち位置のズレとかもあるし……ん、って、こらヨリ、また勝手に入って来たな?いつも執筆中は入って来ちゃダメって言ってるだろ?」
ヨリ「あぅ、だ、だって、兄さんがマイナスな事言ってたから……。」
兄「っ、うぅ、そ、そうか、気にかけてくれてありがとう。そう思ってくれるだけでも嬉しいよ。ほら、お昼になるまでゲームでもしてなさい。」
ヨリ「う、うん、ぅぅ、」
兄「どうしたヨリ?」
ヨリ「兄さん、ここでしちゃダメ?」
兄「だ~め、文章構成で行き詰まると小さな物音でも気が散ってしまうからね。」
ヨリ「むぅ、静かにするから……。」
兄「そう言って昨日は、ゴロゴロ、うーうー言いながらゲームをしてただろう?」
ヨリ「あぅ、そ、それは……。」
兄「良いかいヨリ?いつも言ってるけど、俺は、この小説活動に人生を捧げているんだよ。与えられた期間は一年も満たない半年だ。それまで何とかして、この先ずっと、ヨリと一緒に楽しく過ごせる様に、この小説活動を一日でも早く開花させて、今の人生を変えたいんだよ。」
ヨリ「あぅ、ごめんなさい兄さん……。」
お兄さんの事情を知るヨリくんは、お兄さんの本気の意気込みに押されて、一時のわがままな思いを封じた。
対して言い過ぎてしまったと感じたお兄さんは、ヨリくんを慰めに入る。
兄「…ふぅ、ヨリが謝る事は無いさ。謝るのは、むしろ俺の方だ。」
ヨリ「ふぇ?」
兄「俺がもっとしっかりして、普通の会社勤めだったら、こんな不安定な考えはしなくていいんだけどな。」
段々本心を打ち明けるに連れて、闇に落ちそうになるお兄さん。
お兄さんの悪い癖は、自分絡みの良くない事が起こると、全部自分のせいにして丸く終わらせようとする事だ。
そんな癖を知っているヨリくんは、お兄さんの両手を握るなり、励ます様に力強く語りかけた。
ヨリ「そんな事言わないでよ兄さん!」
兄「っ、よ、ヨリ…。」
ヨリ「僕…兄さんが家にいないと寂しいよ。今まで兄さんが小説家でずっと家に居てくれたから、僕は凄く安心して過ごせてたんだよ?会社勤めも確かに良いけど、十時間以上一人ぼっちで家に居るのは嫌だよ!」
兄「っ!」
ヨリくんの心の叫びに、お兄さんの心は痛烈に響いた。
"ヨリの言う通りだ。"
猫耳ショタの姿のせいで忘れていたが、まだヨリは一歳にも満たない子猫だ。とは言っても、人間の歳で八歳くらいだが、それでも、不安になる要素は十分にある。
感情的になったヨリくんの瞳には、涙を溜めており、今にも泣き出してしまいそうであった。
これにお兄さんは、慌ててヨリくんを抱き寄せた。
兄「よしよし、ごめんなヨリ。そうかそうか、ヨリはずっと、そう思っていてくれてたんだな。」
ヨリ「う、うん。兄さんは優しくてしっかりしてるよ。」
兄「うん、うん、ありがとうな。」
ヨリ「んんっ~♪ニヤッ♪(ふふ~ん♪兄さんはちょろいな~♪ちょっと弱々しい僕の姿を見せれば、簡単に落ちちゃうんだから~♪)」
残念な事に、二人の感動的な展開は、ヨリくんが即席で仕組んだ計画的なシナリオであった。
しかし、お兄さんに対する想いは偽りはなく、純粋に"ラブ"の気持ちを込めていた。
ヨリ「きゅるる~♪(ふへぇ~、朝受けた罰の感覚が蘇る~♪にいひゃん、にいひゃん♪もっとナデナデして~♪)」
さっきまで泣きそうになっていたヨリくんは、嬉しそうに尻尾を振り、調子に乗って頬を擦り寄せながらキュルキュルと甘えた声を発した。
これにお兄さんは、微妙に引っかかる違和感を感じていた。
兄「………ん?。(何かおかしい…。何か一杯食わされている様な感じがする。ヨリの言ってた事は本音だと思うけど、このご機嫌な尻尾と、キュルキュル言いながら頬を擦り寄せる行為…、ちょっと気になるな。)」
ヨリくんの行動を少し不審に感じたお兄さんは、一旦、ヨリくんのナデナデを止め、抱き寄せ体を離した。
ヨリ「んんっ……んっ?どうしたの兄さん?(やべっ、気づいちゃったかな。)」
兄「なあヨリ、もしかしてだけど、本心に"かづけて"私情を挟んでないか?」
ヨリ「ふぇ?ど、どうしてそんな事を言うの?」
兄「…いや、なんか、切り替えが早いって言うか、その…何だ、本心を言いつつも内心は甘えるための口実なんかじゃないかって感じたからさ。」
ヨリ「っ、(ま、まずい、やっぱり気づかれた。もう、どうして兄さんは、こう言う時だけ勘が良いんだよ。と、取り敢えず、ここで本心を言ったついでに、甘えていたなんてバレたら、今日一日、構ってもらえなくなるかも。)」
完全に行動を読まれたヨリくんは、一瞬言葉を詰まらせるも、すぐに弱々しい表情で反論した。
ヨリ「うぅ、そんな…僕はただ、兄さんへの率直な想いを伝えただけなのに、酷いよ。(ど、どうだ兄さん、僕は嘘は言ってないぞ。それでも弱々しい僕の表情を見て疑うのか。)」
傍から見ては、完璧な被害者面に誰もが心を打たれる所だが、しかし、お兄さんは騙されなかった。
兄「正直に言えば許してやるよ。それと内容によってはご褒美も上げよう。」
ヨリ「っ、ご褒美!?」
兄「あぁ~、ご褒美だ。あっ、でもヨリは、率直な想いで俺を励ましてくれたんだもんな~。そもそも、正直もへったくれもないか。」
ヨリ「あぅ、う、うん、そうだね。(しまった、兄さんに主導権を取られた!?これじゃあ、兄さんを落として構ってもらう即席の計画が台無しだよ。うぅ、このままだと、僕が負けを認めてご褒美をもらうか、このまま僕の意見を貫いて"おあずけ"を受けるかのどちらかじゃないか。)」
即席で作った計画とは言え、途中まで完璧であったヨリくんの計画が、お兄さんによって逆手に取られてしまった。
このままでは、お兄さんに負けを認めてご褒美をもらうか。それとも、寸止めプレイからの焦らされる彼女の様に、不完全な状態で"おあずけ"にされるか。
ヨリくんの道は、二つに一つであった。
兄(ふふっ、葛藤してるな。それより、猫耳ショタの時のヨリは、本当にわかりやすいな。あんなに尻尾と耳を直立させて、しかも目も泳がせるなんて、自分では気づいてないのかな。)
追い詰められたヨリくんは、動揺と迷いが混在して"そわそわ"している。
まるで悪い事をしてしまった子供が、必死で隠すかの様に、それはそれは可愛らしい仕草であった。
兄「そう深刻に考えるなよ。ヨリが言った事は本心なんだろ?」
ヨリ「…うん。」
兄さんの問いに、ヨリは大人しく頷いた。
兄「ふぅ、構って欲しいのは分かるけど、一応これが今の仕事なんだ。悪いけど分かってくれよ。」
ヨリ「いやだ……。」
兄「ヨリ…。」
ヨリ「ヤダヤダ~!僕は兄さんと遊びたい~、もっと構って欲しい~!」
とうとう隠していた内心を露にしたヨリは、床に背中を付けて駄々をこね始めた。
こうなっては、お互い何かしらの提案を受け入れなければ、この状態から脱出する事は不可能である。
当然、一番困るのはお兄さんの方である。
そのため、お兄さんはとある提案を持ち出した。
兄「わ、わかった。じゃあ、小説で行き詰まって進まない時や休憩の気晴らしの時は、構ってやるからそれでいいだろ?」
ヨリ「それじゃあ、いつ構ってもらうか分からないから嫌だ。」
兄「んな事言ったって、猫だって気分屋だろ?俺も同じ土俵に立たないと不公平だよ。」
ヨリ「っ、うぅ…うーん、わ、わかった。」
兄「決まりだな。さて、早速だけど、ヨリのせいで小説を手掛ける興が醒めてしまった。どう責任を取ってもらおうかな。」
ヨリ「ふぇ…、そ、そんな急に、だめだよ兄さん。ぼ、僕、まだ心の準備が…。」
ヨリくんに映るお兄さんは、強烈な物欲思考によって補正され、性欲に飢えた獣に見えていた。
兄「さて…、ヨリには早速、小説の参考資料になってもらうぞ。」
ヨリ「はぅっ♪に、兄さぁ~ん♪」
お兄さんに頬を触れられたヨリは、色っぽい声を出した。その後、ヨリくんは、目隠しとギャグボールを噛まされ、再びお兄さんに色々とお仕置されるのでした。
今回は、とある一日の"お昼前"に起きたお話です。この日の前までの二人の日常は、本編をご覧になられてのご察しの通り、小説に奮闘するお兄さんに、ヨリくんがちょっかいをかけては、随時お仕置されると言う、ほのぼのしい日々を送っていました。
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