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第9話 お風呂は嫌い
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ヨリくんはお風呂が嫌いだ。
あの三度の飯より好奇心が勝り、何事にも興味を持ってしまうヨリくんにでも嫌いな事はあった。
それこそ、お風呂に入る事だ。
そして今日は、二週間に一度のお風呂に入る日。
いつも抵抗虚しく連戦連敗しているヨリくんであるが、今日も全力でお風呂を拒絶する準備は万端であった。
以前は、一ヶ月に一度のペースで洗われていたが、真菌症を患ってからは、二週間に一度のペースに変わり、半ば強引にお風呂場へ連れ込まれる様になっていた。
ちなみに、ヨリくんが猫耳ショタになる前までは、母と妹の力を借りて、三人掛りで嫌がるヨリくんを洗っていました。
お風呂が嫌いなのか、濡れるのが嫌なのか。
ヨリくんの抵抗は凄まじく、脱衣所へ向かっただけでも、嫌いなお風呂を察知して体をよじらせながら抵抗します。
当時、ヨリくんの抵抗は変わっていました。
普通なら下に降りて足早に逃げれば良いのに、何故か決まって退路のない肩へよじ登っては、頑なにお風呂に入る事を拒みます。
その拒みっぷりは凄まじく、お兄さんの肩に"しがみついた"ヨリくんを妹が強引に引き剥がすると、ヨリくんは妹の肩へよじ登り、それを母が同じ様に引き剥がすと、今度は母の肩へよじ登ったりして、懲りない動作を繰り返していました。
しかもこの動作は、ヨリくんをお風呂に入れている最中でも繰り返されるため、ヨリくんを洗い終わった時には、三人共びしょ濡れでした。
そして今現在。
ヨリくんの風呂嫌いは、猫耳ショタになった事で更にレベルが上がっていました。
お兄さんが、一人でヨリくんをお風呂に入れる時は、必ず猫耳ショタの姿になって抵抗して来ます。
しかし、お兄さんの母と妹が参戦する時は、嫌でも猫の姿になっていないとダメなので、お兄さんと二人っきりの時よりも激しく抵抗します。
肩によじ登るのはもちろん、下に降りて走り回ったり、甘噛みをして応戦して来たりと、その抵抗の勢いは凄まじいものです。
しかし今日は、少しは自由が利くお兄さんと二人だけの日。
猫耳ショタのヨリくんは、お風呂場へ連れて行こうとするお兄さんに対して、扉に"しがみつき"ながら、頑なにお風呂場へ行く事を拒否していた。
兄「ぐぐっ、こら暴れんなって~!?大人しく扉から手を離せって~!?」
ヨリ「やだやだ~!今日はお風呂に入る日って事は分かっているんだぞ~!僕は絶対に濡れるは嫌だからな~!」
兄「ぐぬぬっ、わ、わがままを言うな!それに、動物病院の先生だって言ってただろ!?定期的にお風呂に入れて上げて、フケとカビの部分を洗い流した方が良いって!?」
ヨリ「そ、それなら、消毒液でもつけて拭いてくれれば良いじゃないか~!?」
兄「それとこれは別だよ!ほら、いい加減に手を離せって~!」
いくらヨリくんが、猫耳ショタになったとは言え、二人の力の差は明らかであった。
ヨリくんの両足を掴んで引っ張っていたお兄さんは、ここで持ち方を変え、一度ヨリくんの両足を下ろすと、瞬時にヨリくんのお腹周りに右腕を回した。
ヨリ「みゃっ!?に、兄さん?」
兄「よっと、さてと、その手を離してもらおうか。」
ヨリ「みゃっ!?や、やめてよ兄さん!?ぼ、僕の手を剥がさないでよ!?」
兄「はいはい、言う事を聞いてくれない、この悪い手を離しましょうね~。」
お兄さんにお腹周りをホールドされ、上手く身動きが取れないヨリくんは、体をモゾモゾとさせながら抵抗をしていた。
そのため、二人が作り出したこの光景は、傍から見たらハレンチ極まりない体勢であった。
両手で扉に"しがみつく"ヨリくんは、小ぶりなお尻をお兄さんに突き出しており、対してお兄さんは、ヨリくんの手を扉から剥がそうとして、ヨリくんの背後から覆い被さる様な姿勢を取っていた。
そのためヨリくんのお尻と背中には、お兄さんの下半身と上半身が布越しを通して触れ合っていた。
更にここで、ヨリくんが抵抗して体を揺さぶる度に、お兄さんの腰が動いてしまうため、人には見せられない卑猥な光景がしばらく続いた。
それから二分後。
ヨリくんを扉から引き剥がしたお兄さんは、そのまま有無を言わさずお風呂場へ直行した。
そして脱衣所にて、第二ラウンドが始まった。
そう、ヨリくんが着ている服を脱がす作業であった。
兄「ほらほら、もうここまで来たんだから大人しく服を脱がせろって~!」
ヨリ「やだやだ~!絶対に服は脱がないぞ~!」
兄「嫌ならそのまま入れるぞ?」
ヨリ「それも嫌だ~!兄さんを動物愛護法で訴えてやる~!」
兄「一体どこでそんな言葉を覚えたんだよ……、てか、そもそも今のヨリは、猫の姿じゃないんだし、そんなの適応するかよ!」
ヨリ「そ、そんな!?じゃあ幼児虐待で訴えてやる~!」
兄「っ、本当にどこでそんな言葉を覚えたんだよ……。」
意外とおバカに見えて、そこそこ頭が良いヨリくんは、テレビ、アニメ、ゲームなどの情報網から無意識に学んでいました。
しかしヨリくんは、言葉の意味を何となく理解しているだけで、ハッキリとした使い方を理解していません。
そのため、普通の人が聞いたら不審に思わせたり、不快に思わせてしまう可能性が十分にありました。
今のご時世、小さな事でも世間の目に止まって、叩かれてしまう様な時代。
そんな恐ろしい時代の中で、ただでさえ、声が響いて外に漏れ出てしまう様な脱衣所で、こうもヨリくんに騒がれては、お兄さんとしても色々と悩ましい所であった。
一応、猫耳ショタのヨリくんには、親戚の子供と言う設定にしている。もし、この騒ぎを耳にした人たちが、賑やかで仲の良い二人だと思ってくれれば幸いだが、逆に不審がられてしまったら一発アウトである。
その時は、児童相談所と警察が来て面倒な事になりかねない。ヨリくんについては、猫の姿にすれば猫耳ショタとしての正体を隠せるが、猫耳ショタのヨリくんの言い訳が難しかった。
下手をしたら未成年誘拐の疑いをかけられても、おかしくはないため、お兄さんは、脱衣所での騒ぎを避けようとしました。
兄「はぁ、分かったよ……。」
ヨリ「っ、ふぇ?」
世間の目を気にしたお兄さんは、落胆した様な声を上げながら、ヨリくんの拘束を緩めました。
兄「ふぅ、こうも大きな声で騒がれては、ご近所の皆さんに下手な誤解を与えてしまう…。」
ヨリ「っ、じゃ、じゃあ、今日はお風呂に入らなくてもいいんだね!?」
兄「ふっ……、んなわけないだろ♪」
ヨリ「ふぇ?ぬわぁ~!?」
涼し気な顔をしたお兄さんは、瞬時にヨリくんを抱き抱えると、お互い服を着たままお風呂場へ連れ込んだ。
まさに、相手の気を緩ませ、タイミングが噛み合わない所を狙った速攻の掌返しであった。
密閉空間の風呂場に連れ込んでしまえばこちらのもの、お兄さんは暴れるヨリくんを左腕で押さえ込むと、右手でシャワーのお湯出した。
兄「よーし、ここまで来ればもう逃げられないよ?」
ヨリ「に、兄さんよくも騙したな!?」
兄「人聞きの悪い事を言うな。俺はただ、一呼吸置いただけだぞ?」
ヨリ「そ、そんな、あんな兄さんを見たら誰だって…にゃうっ!?んんっ~!?」
密閉空間のお風呂場で、必死に抗議するヨリくんを無視したお兄さんは、固定位置に置かれたシャワーの向きをヨリくんの方へと向けた。
突然、体にかかったお湯の感触にヨリくんが驚く中、お兄さんは透かさず、ヨリくんの服の中に手を入れて洗い始めた。
お兄さんもお湯を被る中、ヨリくんは目を大きく開けながらお兄さんにしがみついた。
お風呂場から逃げたくても、お兄さんの左腕によって上半身がホールドされているため、身動きが取れないヨリくんは、今回も抵抗する気力を削がれてしまうのであった。
それどころか、目に涙を溜め始めていた。
兄「うぅ~、俺までビシャビシャだ。」
ヨリ「うぅ~、ひっく。(酷いよ……兄さん…。)」
兄「よしよし、頑張れヨリ?ほら、次は濡れた服とズボンを脱がすよ。」
お湯を被ってから力が抜けたヨリくんは、お兄さんに服とズボンを脱がされました。
兄「うーん、まだ赤みが取れないか。やっぱり飲み薬を飲ませた方がいいのかな……。」
ヨリ「はぁはぁ……にいひゃん……。」
兄「ん?どうしたヨリ?」
ヨリ「ま、まだ……終わらないの…?」
兄「まだだよ、今から全身を洗うからな。」
ヨリ「うぅ……。」
兄「もし怖かったら、俺の服に"しがみつい"てても良いからな?」
ヨリ「コクコク、~~っ。」
極度の不安に陥っているヨリくんは、お兄さんの優しい言葉に甘えると、直ぐにお兄さんの服にしがみついた。
これにお兄さんは、ヨリくんを落ち着かせるため、声をかけながら優しく頭を撫でた。
兄「よしよし、今から洗うからな~?我慢しててくれよ?」
手始めにお兄さんは、肌に優しい人間用のボディーソープに手を伸ばし、ヨリくんの尻尾から洗い始めました。
ヨリ「みゃぁ~っ、あぅ……うぅ~。」
性感帯でもある尻尾を洗われたヨリくんは、反射的にお兄さんの服を強めに握ると、気持ち良さそうな声を漏らした。
兄「相変わらずヨリは尻尾が弱いな~。普通なら嫌がって直ぐに逃げたり、反射的に攻撃して来たりするって聞くけど、ヨリの場合は大人しくなるんだもんな。」
ヨリ「ふぁっ、だ、だっへっ、に、にいひゃんの手つきが、んんっ…、い、嫌らしいから……みゃうん♪」
兄「っ、そ、そんなに嫌らしいか?」
ヨリ「う、うん……はぁはぁ、今も先端ばかりコリコリして……はぁはぁ、」
兄「っ、おっとわりぃ、つい感触良くてな。」
ヨリ「ふぇ、はぁはぁ、や、止めないで……にいひゃん。」
兄「っ!?~っ///」
少しやり過ぎたと思い、直ぐに尻尾から手を離したお兄さんであったが、ヨリくんの弱々しい声と共に、蕩けた上目遣いに心を射抜かれてしまい、再びヨリくんの尻尾を洗い始めました。
前回のヨリくんは、敏感な耳を重点的に責められた事で呆気なく完落ちしましたが、今回は尻尾を責められた事で完落ちしてしまいました。
その後のヨリくんは、無駄な抵抗は一切見せず、お兄さんに心身を委ねがら、お兄さんの指を咥えたり、甘噛みをしたりしながら、何とかヨリくんの嫌いなお風呂タイムは、終わるのであった。
プチ話。
ずぶ濡れのヨリくんを乾かす際、猫の姿なら吸水性の高いタオルを始め、ドライヤーとストーブを使って三十分以上掛かります。
一方で猫耳ショタの場合は、一枚のタオルとドライヤーだけで五分から十分程度で乾くため、家計的にも浪費の面においても楽なものです。
兄「よーし、乾いた。やっぱり猫耳ショタの方が乾きが早いな。」
ヨリ「はぁはぁ……はぁはぁ……。」
今回も強気な抵抗を心掛けていたヨリくんであったが、結局、一枚上手なお兄さんに勝てるはずもなく、お風呂場へ連れ込まれては、調教染みた洗われ方をされ、今では布団の上でぐったりとしていた。
兄「ふぅ~、まあ、お風呂が嫌いだとは言え、普段から大人しくお風呂に入ってくれたら助かるのにな~。」
ヨリ「……はぁはぁ。(兄ひゃん…、覚えていろ~、絶対に大きくなったら、兄さんに仕返ししてやるからな~。)」
ヨリくんの心の声が聞こえないお兄さんは、今回もヨリくんの復讐心を買いながら、呑気にヨリくんの頭を撫でるのであった。
あの三度の飯より好奇心が勝り、何事にも興味を持ってしまうヨリくんにでも嫌いな事はあった。
それこそ、お風呂に入る事だ。
そして今日は、二週間に一度のお風呂に入る日。
いつも抵抗虚しく連戦連敗しているヨリくんであるが、今日も全力でお風呂を拒絶する準備は万端であった。
以前は、一ヶ月に一度のペースで洗われていたが、真菌症を患ってからは、二週間に一度のペースに変わり、半ば強引にお風呂場へ連れ込まれる様になっていた。
ちなみに、ヨリくんが猫耳ショタになる前までは、母と妹の力を借りて、三人掛りで嫌がるヨリくんを洗っていました。
お風呂が嫌いなのか、濡れるのが嫌なのか。
ヨリくんの抵抗は凄まじく、脱衣所へ向かっただけでも、嫌いなお風呂を察知して体をよじらせながら抵抗します。
当時、ヨリくんの抵抗は変わっていました。
普通なら下に降りて足早に逃げれば良いのに、何故か決まって退路のない肩へよじ登っては、頑なにお風呂に入る事を拒みます。
その拒みっぷりは凄まじく、お兄さんの肩に"しがみついた"ヨリくんを妹が強引に引き剥がすると、ヨリくんは妹の肩へよじ登り、それを母が同じ様に引き剥がすと、今度は母の肩へよじ登ったりして、懲りない動作を繰り返していました。
しかもこの動作は、ヨリくんをお風呂に入れている最中でも繰り返されるため、ヨリくんを洗い終わった時には、三人共びしょ濡れでした。
そして今現在。
ヨリくんの風呂嫌いは、猫耳ショタになった事で更にレベルが上がっていました。
お兄さんが、一人でヨリくんをお風呂に入れる時は、必ず猫耳ショタの姿になって抵抗して来ます。
しかし、お兄さんの母と妹が参戦する時は、嫌でも猫の姿になっていないとダメなので、お兄さんと二人っきりの時よりも激しく抵抗します。
肩によじ登るのはもちろん、下に降りて走り回ったり、甘噛みをして応戦して来たりと、その抵抗の勢いは凄まじいものです。
しかし今日は、少しは自由が利くお兄さんと二人だけの日。
猫耳ショタのヨリくんは、お風呂場へ連れて行こうとするお兄さんに対して、扉に"しがみつき"ながら、頑なにお風呂場へ行く事を拒否していた。
兄「ぐぐっ、こら暴れんなって~!?大人しく扉から手を離せって~!?」
ヨリ「やだやだ~!今日はお風呂に入る日って事は分かっているんだぞ~!僕は絶対に濡れるは嫌だからな~!」
兄「ぐぬぬっ、わ、わがままを言うな!それに、動物病院の先生だって言ってただろ!?定期的にお風呂に入れて上げて、フケとカビの部分を洗い流した方が良いって!?」
ヨリ「そ、それなら、消毒液でもつけて拭いてくれれば良いじゃないか~!?」
兄「それとこれは別だよ!ほら、いい加減に手を離せって~!」
いくらヨリくんが、猫耳ショタになったとは言え、二人の力の差は明らかであった。
ヨリくんの両足を掴んで引っ張っていたお兄さんは、ここで持ち方を変え、一度ヨリくんの両足を下ろすと、瞬時にヨリくんのお腹周りに右腕を回した。
ヨリ「みゃっ!?に、兄さん?」
兄「よっと、さてと、その手を離してもらおうか。」
ヨリ「みゃっ!?や、やめてよ兄さん!?ぼ、僕の手を剥がさないでよ!?」
兄「はいはい、言う事を聞いてくれない、この悪い手を離しましょうね~。」
お兄さんにお腹周りをホールドされ、上手く身動きが取れないヨリくんは、体をモゾモゾとさせながら抵抗をしていた。
そのため、二人が作り出したこの光景は、傍から見たらハレンチ極まりない体勢であった。
両手で扉に"しがみつく"ヨリくんは、小ぶりなお尻をお兄さんに突き出しており、対してお兄さんは、ヨリくんの手を扉から剥がそうとして、ヨリくんの背後から覆い被さる様な姿勢を取っていた。
そのためヨリくんのお尻と背中には、お兄さんの下半身と上半身が布越しを通して触れ合っていた。
更にここで、ヨリくんが抵抗して体を揺さぶる度に、お兄さんの腰が動いてしまうため、人には見せられない卑猥な光景がしばらく続いた。
それから二分後。
ヨリくんを扉から引き剥がしたお兄さんは、そのまま有無を言わさずお風呂場へ直行した。
そして脱衣所にて、第二ラウンドが始まった。
そう、ヨリくんが着ている服を脱がす作業であった。
兄「ほらほら、もうここまで来たんだから大人しく服を脱がせろって~!」
ヨリ「やだやだ~!絶対に服は脱がないぞ~!」
兄「嫌ならそのまま入れるぞ?」
ヨリ「それも嫌だ~!兄さんを動物愛護法で訴えてやる~!」
兄「一体どこでそんな言葉を覚えたんだよ……、てか、そもそも今のヨリは、猫の姿じゃないんだし、そんなの適応するかよ!」
ヨリ「そ、そんな!?じゃあ幼児虐待で訴えてやる~!」
兄「っ、本当にどこでそんな言葉を覚えたんだよ……。」
意外とおバカに見えて、そこそこ頭が良いヨリくんは、テレビ、アニメ、ゲームなどの情報網から無意識に学んでいました。
しかしヨリくんは、言葉の意味を何となく理解しているだけで、ハッキリとした使い方を理解していません。
そのため、普通の人が聞いたら不審に思わせたり、不快に思わせてしまう可能性が十分にありました。
今のご時世、小さな事でも世間の目に止まって、叩かれてしまう様な時代。
そんな恐ろしい時代の中で、ただでさえ、声が響いて外に漏れ出てしまう様な脱衣所で、こうもヨリくんに騒がれては、お兄さんとしても色々と悩ましい所であった。
一応、猫耳ショタのヨリくんには、親戚の子供と言う設定にしている。もし、この騒ぎを耳にした人たちが、賑やかで仲の良い二人だと思ってくれれば幸いだが、逆に不審がられてしまったら一発アウトである。
その時は、児童相談所と警察が来て面倒な事になりかねない。ヨリくんについては、猫の姿にすれば猫耳ショタとしての正体を隠せるが、猫耳ショタのヨリくんの言い訳が難しかった。
下手をしたら未成年誘拐の疑いをかけられても、おかしくはないため、お兄さんは、脱衣所での騒ぎを避けようとしました。
兄「はぁ、分かったよ……。」
ヨリ「っ、ふぇ?」
世間の目を気にしたお兄さんは、落胆した様な声を上げながら、ヨリくんの拘束を緩めました。
兄「ふぅ、こうも大きな声で騒がれては、ご近所の皆さんに下手な誤解を与えてしまう…。」
ヨリ「っ、じゃ、じゃあ、今日はお風呂に入らなくてもいいんだね!?」
兄「ふっ……、んなわけないだろ♪」
ヨリ「ふぇ?ぬわぁ~!?」
涼し気な顔をしたお兄さんは、瞬時にヨリくんを抱き抱えると、お互い服を着たままお風呂場へ連れ込んだ。
まさに、相手の気を緩ませ、タイミングが噛み合わない所を狙った速攻の掌返しであった。
密閉空間の風呂場に連れ込んでしまえばこちらのもの、お兄さんは暴れるヨリくんを左腕で押さえ込むと、右手でシャワーのお湯出した。
兄「よーし、ここまで来ればもう逃げられないよ?」
ヨリ「に、兄さんよくも騙したな!?」
兄「人聞きの悪い事を言うな。俺はただ、一呼吸置いただけだぞ?」
ヨリ「そ、そんな、あんな兄さんを見たら誰だって…にゃうっ!?んんっ~!?」
密閉空間のお風呂場で、必死に抗議するヨリくんを無視したお兄さんは、固定位置に置かれたシャワーの向きをヨリくんの方へと向けた。
突然、体にかかったお湯の感触にヨリくんが驚く中、お兄さんは透かさず、ヨリくんの服の中に手を入れて洗い始めた。
お兄さんもお湯を被る中、ヨリくんは目を大きく開けながらお兄さんにしがみついた。
お風呂場から逃げたくても、お兄さんの左腕によって上半身がホールドされているため、身動きが取れないヨリくんは、今回も抵抗する気力を削がれてしまうのであった。
それどころか、目に涙を溜め始めていた。
兄「うぅ~、俺までビシャビシャだ。」
ヨリ「うぅ~、ひっく。(酷いよ……兄さん…。)」
兄「よしよし、頑張れヨリ?ほら、次は濡れた服とズボンを脱がすよ。」
お湯を被ってから力が抜けたヨリくんは、お兄さんに服とズボンを脱がされました。
兄「うーん、まだ赤みが取れないか。やっぱり飲み薬を飲ませた方がいいのかな……。」
ヨリ「はぁはぁ……にいひゃん……。」
兄「ん?どうしたヨリ?」
ヨリ「ま、まだ……終わらないの…?」
兄「まだだよ、今から全身を洗うからな。」
ヨリ「うぅ……。」
兄「もし怖かったら、俺の服に"しがみつい"てても良いからな?」
ヨリ「コクコク、~~っ。」
極度の不安に陥っているヨリくんは、お兄さんの優しい言葉に甘えると、直ぐにお兄さんの服にしがみついた。
これにお兄さんは、ヨリくんを落ち着かせるため、声をかけながら優しく頭を撫でた。
兄「よしよし、今から洗うからな~?我慢しててくれよ?」
手始めにお兄さんは、肌に優しい人間用のボディーソープに手を伸ばし、ヨリくんの尻尾から洗い始めました。
ヨリ「みゃぁ~っ、あぅ……うぅ~。」
性感帯でもある尻尾を洗われたヨリくんは、反射的にお兄さんの服を強めに握ると、気持ち良さそうな声を漏らした。
兄「相変わらずヨリは尻尾が弱いな~。普通なら嫌がって直ぐに逃げたり、反射的に攻撃して来たりするって聞くけど、ヨリの場合は大人しくなるんだもんな。」
ヨリ「ふぁっ、だ、だっへっ、に、にいひゃんの手つきが、んんっ…、い、嫌らしいから……みゃうん♪」
兄「っ、そ、そんなに嫌らしいか?」
ヨリ「う、うん……はぁはぁ、今も先端ばかりコリコリして……はぁはぁ、」
兄「っ、おっとわりぃ、つい感触良くてな。」
ヨリ「ふぇ、はぁはぁ、や、止めないで……にいひゃん。」
兄「っ!?~っ///」
少しやり過ぎたと思い、直ぐに尻尾から手を離したお兄さんであったが、ヨリくんの弱々しい声と共に、蕩けた上目遣いに心を射抜かれてしまい、再びヨリくんの尻尾を洗い始めました。
前回のヨリくんは、敏感な耳を重点的に責められた事で呆気なく完落ちしましたが、今回は尻尾を責められた事で完落ちしてしまいました。
その後のヨリくんは、無駄な抵抗は一切見せず、お兄さんに心身を委ねがら、お兄さんの指を咥えたり、甘噛みをしたりしながら、何とかヨリくんの嫌いなお風呂タイムは、終わるのであった。
プチ話。
ずぶ濡れのヨリくんを乾かす際、猫の姿なら吸水性の高いタオルを始め、ドライヤーとストーブを使って三十分以上掛かります。
一方で猫耳ショタの場合は、一枚のタオルとドライヤーだけで五分から十分程度で乾くため、家計的にも浪費の面においても楽なものです。
兄「よーし、乾いた。やっぱり猫耳ショタの方が乾きが早いな。」
ヨリ「はぁはぁ……はぁはぁ……。」
今回も強気な抵抗を心掛けていたヨリくんであったが、結局、一枚上手なお兄さんに勝てるはずもなく、お風呂場へ連れ込まれては、調教染みた洗われ方をされ、今では布団の上でぐったりとしていた。
兄「ふぅ~、まあ、お風呂が嫌いだとは言え、普段から大人しくお風呂に入ってくれたら助かるのにな~。」
ヨリ「……はぁはぁ。(兄ひゃん…、覚えていろ~、絶対に大きくなったら、兄さんに仕返ししてやるからな~。)」
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