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第一章 高校一年生(一学期)
おもいやり(朔良)
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このタピ女では、思いやりを大切にしている。
なのだが……正直あまり気乗りはしない。
理由は自分でもわからないが。
「あら、朔良さん」
「……あ、シスター……」
登校してきた朔良を、校門前でシスターが出迎えた。
そのシスターは、初めての授業で強烈な爪痕を残していった先生だ。
「うふふ。今日も神の祝福がありますように」
「……う……あ、はい……」
「……? どうしました?」
「いや、なんでもないです……」
神様のことを一番に考えている変人に、朔良はどう反応すればいいかわからず適当な返事しか出来なかった。
だが、シスターはそんな朔良に笑いかけて言う。
「……やっぱり、戸惑いますよね」
「…………え?」
どこか悲しそうな笑顔を見せるシスターに、朔良はそれにこそ戸惑った。
神様のことを語っていない時の清楚に見えるシスターでも、神様のことを語っている時の生き生きしたシスターでもなかったから。
今まで見たことのない表情を浮かべるシスターに、かける言葉が見つからない。
「神様という存在は人には見えない……そういうものだから、信じる人と信じない人がいるのは当然です」
……もしかしたら、シスターは自分が神様を信じていることに不安を感じているのかもしれない。
でも、朔良は『私は神様を信じている』と嘘つくことも出来なかった。
そういうのは、優しさではないと思ったから。
「……先生。この世界は、色んな人がいるから楽しいんだと思います。みんな一緒だったら、それは機械と変わりません」
「……朔良さん……」
朔良は、この時初めてちゃんとシスターの顔を見た。
ただ真っ直ぐに、堂々と。
そして、シスターを元気づけるように笑う。
「だから、神様を信じている自分のこと、大事にしてくださいね」
「……ふふ、ありがとうございます。まさか生徒にそんなことを言われるなんて……嬉しいです」
シスターは、初めて生徒に涙を見せる。
そしてこの時無自覚に、朔良は思いやりを実践していた。
なのだが……正直あまり気乗りはしない。
理由は自分でもわからないが。
「あら、朔良さん」
「……あ、シスター……」
登校してきた朔良を、校門前でシスターが出迎えた。
そのシスターは、初めての授業で強烈な爪痕を残していった先生だ。
「うふふ。今日も神の祝福がありますように」
「……う……あ、はい……」
「……? どうしました?」
「いや、なんでもないです……」
神様のことを一番に考えている変人に、朔良はどう反応すればいいかわからず適当な返事しか出来なかった。
だが、シスターはそんな朔良に笑いかけて言う。
「……やっぱり、戸惑いますよね」
「…………え?」
どこか悲しそうな笑顔を見せるシスターに、朔良はそれにこそ戸惑った。
神様のことを語っていない時の清楚に見えるシスターでも、神様のことを語っている時の生き生きしたシスターでもなかったから。
今まで見たことのない表情を浮かべるシスターに、かける言葉が見つからない。
「神様という存在は人には見えない……そういうものだから、信じる人と信じない人がいるのは当然です」
……もしかしたら、シスターは自分が神様を信じていることに不安を感じているのかもしれない。
でも、朔良は『私は神様を信じている』と嘘つくことも出来なかった。
そういうのは、優しさではないと思ったから。
「……先生。この世界は、色んな人がいるから楽しいんだと思います。みんな一緒だったら、それは機械と変わりません」
「……朔良さん……」
朔良は、この時初めてちゃんとシスターの顔を見た。
ただ真っ直ぐに、堂々と。
そして、シスターを元気づけるように笑う。
「だから、神様を信じている自分のこと、大事にしてくださいね」
「……ふふ、ありがとうございます。まさか生徒にそんなことを言われるなんて……嬉しいです」
シスターは、初めて生徒に涙を見せる。
そしてこの時無自覚に、朔良は思いやりを実践していた。
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