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第一章 高校一年生(二学期)
がくえんさい5(葉奈)
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「いらっしゃいませっす」
葉奈は店番をしている。
お客に食べ物を売る係に割り振られていた。
……ちなみに、メイド服とかではない。
学校側がなぜか、コスプレを禁じているからである。
理由は不明。
「どら焼き二つっすね。300円でっす!」
葉奈は割と仕事が出来るようだ。
手際よくお金を管理し、愛想よく笑顔を振りまく。
俗に言う“営業スマイル”などではなく、心の底から楽しそうにしている。
「葉奈ちゃんはすごいね~……僕、そこまで上手く接客出来ないよ~」
それは嫌味でもなんでもなく、紫乃の本心からの言葉だった。
紫乃は接客があまり得意ではないため、呼び込みに回っていたのだ。
「そんなにすごくないっすよ。適当にやってるだけっす」
なんでもないように笑う葉奈だったか、正直少し疲れている。
店番も楽ではないな……と、実感している最中のこと。
一人の少女が入口付近に立っているのを見つけた。
ツインテールを振りかざし、少々あざとい仕草をしながら首を動かしている。
……誰か探しているのだろうか。
「あ、あの~……」
「にゃん! ……あー、びっくりしたにゃ……」
葉奈がおそるおそる声をかけると、その少女は驚くほど飛び上がった。
それよりも気になったのが、この『語尾にゃん口調』である。
あざとすぎるにもほどがあるだろう。
「え、えっと……誰か探しているんすか?」
「にゃ? うん、ちょっとねー。でも多分大丈夫だにゃん」
明るく朗らかに笑う少女。
だが、それがどうにも嘘っぽく見えるのはどうしてだろう。
葉奈と会話している間も、真っ黒な瞳をキョロキョロと動かしているからだろうか。
「んー……ここにはいないのかぁ……どこに行ったにゃ?」
独り言を呟きながら、少女はこの場を離れていく。
小さくなっていく背中を見送りながら、葉奈は思う。
(なんかまた嵐がやってきそうな予感がするっす……)
嵐の予感に、葉奈は身震いした。
葉奈は店番をしている。
お客に食べ物を売る係に割り振られていた。
……ちなみに、メイド服とかではない。
学校側がなぜか、コスプレを禁じているからである。
理由は不明。
「どら焼き二つっすね。300円でっす!」
葉奈は割と仕事が出来るようだ。
手際よくお金を管理し、愛想よく笑顔を振りまく。
俗に言う“営業スマイル”などではなく、心の底から楽しそうにしている。
「葉奈ちゃんはすごいね~……僕、そこまで上手く接客出来ないよ~」
それは嫌味でもなんでもなく、紫乃の本心からの言葉だった。
紫乃は接客があまり得意ではないため、呼び込みに回っていたのだ。
「そんなにすごくないっすよ。適当にやってるだけっす」
なんでもないように笑う葉奈だったか、正直少し疲れている。
店番も楽ではないな……と、実感している最中のこと。
一人の少女が入口付近に立っているのを見つけた。
ツインテールを振りかざし、少々あざとい仕草をしながら首を動かしている。
……誰か探しているのだろうか。
「あ、あの~……」
「にゃん! ……あー、びっくりしたにゃ……」
葉奈がおそるおそる声をかけると、その少女は驚くほど飛び上がった。
それよりも気になったのが、この『語尾にゃん口調』である。
あざとすぎるにもほどがあるだろう。
「え、えっと……誰か探しているんすか?」
「にゃ? うん、ちょっとねー。でも多分大丈夫だにゃん」
明るく朗らかに笑う少女。
だが、それがどうにも嘘っぽく見えるのはどうしてだろう。
葉奈と会話している間も、真っ黒な瞳をキョロキョロと動かしているからだろうか。
「んー……ここにはいないのかぁ……どこに行ったにゃ?」
独り言を呟きながら、少女はこの場を離れていく。
小さくなっていく背中を見送りながら、葉奈は思う。
(なんかまた嵐がやってきそうな予感がするっす……)
嵐の予感に、葉奈は身震いした。
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