個性派JK☆勢揃いっ!【完結済み】

M・A・J・O

文字の大きさ
187 / 239
第二章 高校二年生(二学期)

きーほるだー(美久里)

しおりを挟む
「……りー! おーい! 美久里ー?」

  誰かの呼ぶ声が聞こえて、美久里はゆっくりと意識を取り戻した。
 いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
 しかも、授業中に。
 先生に起こされた感覚はないから、多分バレてはいないと思うが……

 「美久里ー。お、起きたか。もうお昼だから飯食いにいこうぜ」 
「あ、朔良……おはよ……」

  心配そうな顔で美久里を覗き込んでいたのは、お弁当を手に持っている朔良だった。

 「授業中、よく寝てたよな。いい夢でも見てたのか?」 
「うーん……いい夢だったような気がするんだけど……よく覚えてないんだよね。まほなれ関連の夢を見ていたような気はするんだけど」

  美久里の脳内から、夢の出来事はほぼ消え去っていた。
 授業中に寝てそのまま起きないくらいなら、きっといい夢だったに違いない。
 だけど、それ以上のことはわからない。

 「ふーん、詳しく聞きてぇけど覚えてないなら仕方ないな」
 
 朔良はそれほど興味なさそうに言う。
 余計なことは言わないし聞かない。
 本当にさっぱりした性格をしている。

 「それよりさ、今日用事あるとか休んでるやつ多いし久々に二人で食べようぜ」
「う、うん……! そうする……!」

  美久里もお弁当をカバンから取り出し、机を合わせる。
 教室には今日もたくさんの生徒がいるが、なんだかここだけ別世界のような雰囲気が漂う。
 周りと空気感が違うというか、この空間を独り占めしたいというか。
 気持ちの問題なのかもしれないけど。

 「お、それまだ持ってんだな」 

 朔良の視線の先には、まほなれのキーホルダーがある。
 そう、朔良に話しかけられるきっかけになったキーホルダーが。

 「うん。まほなれ大好きだし、それに……これのおかげで朔良と友だちになれたからね」
「美久里……」

  美久里はそう言って、愛おしげにキーホルダーをなでる。
  本当に、思い出深いキーホルダーだ。
 でも、朔良は面白くなさそうに顔をしかめる。

「お前、まともなこと言うなよ。そんなんじゃやってけねーぞ」 
「なんの話!?」

  朔良はそれほど……というか、全然気にしていないようだ。
  人間関係にドライなところがあるのはわかっていたし、あんまり過去に執着するような人ではないとわかっていた。
 でも、やっぱり改めて気にしていないという現実を突きつけられるのは悲しい。

「ま、でも……大事にしてんだな」

 そう思っていたが、朔良のその一言で考えが変わった。
 その一言に、多くの意味が込められている気がして。

「……うんっ! 当然だよ! これからも大事にする!」
「……そっか」

 お弁当のおかずに甘いものなんて入っていないはずなのに、いつもより甘く感じられた昼休みだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

幼き改革者、皇孫降臨 〜三歳にして朝廷を震わせる〜

由香
キャラ文芸
瑞栄王朝の皇孫・凌曜は、わずか三歳。 泣かず、騒がず、ただ静かに周囲を見つめる幼子だった。 しかしその「無邪気な疑問」は、後宮の不正を暴き、腐敗した朝廷を揺るがしていく。 皇帝である祖父の絶対的な溺愛と後ろ盾のもと、血を流すことなく失脚者を生み、国の歪みを正していく凌曜。 やがて反改革派の最後の抵抗を越え、彼は“決める者”ではなく、“問い続ける存在”として朝廷に立つ。 これは、剣も権謀も持たぬ幼き改革者が、「なぜ?」という一言で国を変えていく物語。

最強転生悪役令嬢は人生を謳歌したい!~今更SSクラスに戻れと言われても『もう遅い!』Cクラスで最強を目指します!~【改稿版】

てんてんどんどん
ファンタジー
 ベビーベッドの上からこんにちは。  私はセレスティア・ラル・シャンデール(0歳)。聖王国のお姫様。  私はなぜかRPGの裏ボス令嬢に転生したようです。  何故それを思い出したかというと、ごくごくとミルクを飲んでいるときに、兄(4歳)のアレスが、「僕も飲みたいー!」と哺乳瓶を取り上げてしまい、「何してくれるんじゃワレ!??」と怒った途端――私は闇の女神の力が覚醒しました。  闇の女神の力も、転生した記憶も。  本来なら、愛する家族が目の前で魔族に惨殺され、愛した国民たちが目の前で魔族に食われていく様に泣き崩れ見ながら、魔王に復讐を誓ったその途端目覚める力を、私はミルクを取られた途端に目覚めさせてしまったのです。  とりあえず、0歳は何も出来なくて暇なのでちょっと魔王を倒して来ようと思います。デコピンで。 --これは最強裏ボスに転生した脳筋主人公が最弱クラスで最強を目指す勘違いTueee物語-- ※最強裏ボス転生令嬢は友情を謳歌したい!の改稿版です(5万文字から10万文字にふえています) ※27話あたりからが新規です ※作中で主人公最強、たぶん神様も敵わない(でも陰キャ) ※超ご都合主義。深く考えたらきっと負け ※主人公はそこまで考えてないのに周囲が勝手に深読みして有能に祀り上げられる勘違いもの。 ※副題が完結した時点で物語は終了します。俺たちの戦いはこれからだ! ※他Webサイトにも投稿しております。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

余命僅かな大富豪を看取って、円満に未亡人になるはずでした

ぜんだ 夕里
恋愛
傾きかけた家を救うため、私が結んだのはあまりにも不謹慎な契約――余命いくばくもない大富豪の辺境伯様と結婚し、彼の最期を穏やかに看取ることで莫大な遺産を相続する、というものだった。 しかし、人の死を利用して富を得るなど不正義! そう考えた私が立てたのは、前代未聞の計画。 「そうだ、遺産が残らないくらい贅沢の限りを尽くしてもらえば、すべて丸く収まるじゃない!」

『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』

KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。 日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。 アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。 「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。 貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。 集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。 そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。 これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。 今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう? ※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは 似て非なる物として見て下さい

芙蓉は後宮で花開く

速見 沙弥
キャラ文芸
下級貴族の親をもつ5人姉弟の長女 蓮花《リェンファ》。 借金返済で苦しむ家計を助けるために後宮へと働きに出る。忙しくも穏やかな暮らしの中、出会ったのは翡翠の色の目をした青年。さらに思いもよらぬ思惑に巻き込まれてゆくーーー カクヨムでも連載しております。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

【完結】後宮の片隅にいた王女を拾いましたが、才女すぎて妃にしたくなりました

藤原遊
恋愛
【溺愛・成長・政略・糖度高め】 ※ヒーロー目線で進んでいきます。 王位継承権を放棄し、外交を司る第六王子ユーリ・サファイア・アレスト。 ある日、後宮の片隅でひっそりと暮らす少女――カティア・アゲート・アレストに出会う。 不遇の生まれながらも聡明で健気な少女を、ユーリは自らの正妃候補として引き取る決断を下す。 才能を開花させ成長していくカティア。 そして、次第に彼女を「妹」としてではなく「たった一人の妃」として深く愛していくユーリ。 立場も政略も超えた二人の絆が、やがて王宮の静かな波紋を生んでいく──。 「私はもう一人ではありませんわ、ユーリ」 「これからも、私の隣には君がいる」 甘く静かな後宮成長溺愛物語、ここに開幕。

処理中です...