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第二章 高校二年生(二学期)
かんちがい(萌花)
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その日はちょうど寝坊をしてしまい、少し遅れて学校前の心臓破りの坂をのぼっていた。
やはり、この坂は何度のぼっても慣れない。
平地に学校を立ててほしかったものだ。
「んー? んんんー?」
萌花は校舎の方を見つめ、首を傾げる。
いつも生徒たちや教師の声で賑わっているはずの学校は、まるで別物のようにシーンと静まり返っていた。
まさか休みなんてことはあるまいし、と困惑する。
頭の中で絶えず警鐘が鳴らされている。
これで学校が休みだったら、ドジっ子なんかのレベルではない。
軽い記憶障害を起こしていることになるのではないだろうか。
「ま、まさかね……」
萌花はそう呟くも、不安はどんどん大きくなっていく。
本当に休みだったらどうしよう。
もしそうだとしたら、萌花は自分が嫌すぎて泣くしかできなくなるだろう。
もうこの時点で少し涙目になっているが。
「うぅ……」
「どうしたの~?」
我慢できず泣き出しそうになった時、よく知った声が前の方から聞こえてきた。
下を向いていたから、向かってくる人影に気づくことができなかったのだ。
「し、紫乃ちゃん……?」
「え、な、なんで泣いてるの~? ほらほら、泣かないで~?」
紫乃はわたわた慌て、カバンからハンカチを取り出して萌花に渡す。
申し訳ないと思いながらも、萌花はハンカチを受け取る。
涙をふき、気持ちを整える。
「ありがとうございます、紫乃ちゃん。おかげで落ち着きました」
「それはよかったよ~。でも、なんで泣いてたの~?」
「えっ、あ、そ、それは……」
なんと言えばいいのか。
休みと間違えて来ちゃったかもなんて、恥ずかしすぎて言えな――
……あれ?
「し、紫乃ちゃん……その……今日って学校ありますよね?」
「え? うん、あるよ~。寝坊して慌てて学校来たんだけど、もうホームルーム始まってるっぽくて急ぐの諦めたんだよね~」
「そ、そうだったんですか。って、ホームルーム始まってるんですか!? 急がないと!」
「えー、急ぐの~? もう間に合わないんだからゆっくりでもいい気が……」
「つべこべ言わずにはやく……!」
萌花は紫乃の手を取って走り出す。
もう間に合わないとしても、誠意は見せないと。
誰も見ていないけれど。
「……まあ、こういうのもたまにはいいかな~……」
「なにか言いました?」
「いや~? なんでもないよ~」
そう笑う紫乃が嬉しそうに見えたのは、気のせいだろうか。
やはり、この坂は何度のぼっても慣れない。
平地に学校を立ててほしかったものだ。
「んー? んんんー?」
萌花は校舎の方を見つめ、首を傾げる。
いつも生徒たちや教師の声で賑わっているはずの学校は、まるで別物のようにシーンと静まり返っていた。
まさか休みなんてことはあるまいし、と困惑する。
頭の中で絶えず警鐘が鳴らされている。
これで学校が休みだったら、ドジっ子なんかのレベルではない。
軽い記憶障害を起こしていることになるのではないだろうか。
「ま、まさかね……」
萌花はそう呟くも、不安はどんどん大きくなっていく。
本当に休みだったらどうしよう。
もしそうだとしたら、萌花は自分が嫌すぎて泣くしかできなくなるだろう。
もうこの時点で少し涙目になっているが。
「うぅ……」
「どうしたの~?」
我慢できず泣き出しそうになった時、よく知った声が前の方から聞こえてきた。
下を向いていたから、向かってくる人影に気づくことができなかったのだ。
「し、紫乃ちゃん……?」
「え、な、なんで泣いてるの~? ほらほら、泣かないで~?」
紫乃はわたわた慌て、カバンからハンカチを取り出して萌花に渡す。
申し訳ないと思いながらも、萌花はハンカチを受け取る。
涙をふき、気持ちを整える。
「ありがとうございます、紫乃ちゃん。おかげで落ち着きました」
「それはよかったよ~。でも、なんで泣いてたの~?」
「えっ、あ、そ、それは……」
なんと言えばいいのか。
休みと間違えて来ちゃったかもなんて、恥ずかしすぎて言えな――
……あれ?
「し、紫乃ちゃん……その……今日って学校ありますよね?」
「え? うん、あるよ~。寝坊して慌てて学校来たんだけど、もうホームルーム始まってるっぽくて急ぐの諦めたんだよね~」
「そ、そうだったんですか。って、ホームルーム始まってるんですか!? 急がないと!」
「えー、急ぐの~? もう間に合わないんだからゆっくりでもいい気が……」
「つべこべ言わずにはやく……!」
萌花は紫乃の手を取って走り出す。
もう間に合わないとしても、誠意は見せないと。
誰も見ていないけれど。
「……まあ、こういうのもたまにはいいかな~……」
「なにか言いました?」
「いや~? なんでもないよ~」
そう笑う紫乃が嬉しそうに見えたのは、気のせいだろうか。
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