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第二章 高校二年生(二学期)
すくい(瑠衣)
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「――お疲れ様、瑠衣」
「……さくにゃん」
いつの間にか合同体育で朔良と勝負をしていたようで、体操服を着ていた。
まったく記憶がない。
この突拍子のなさは、夢でも見ているのかもしれない。
でも、とりあえず朔良が勝ったらしいから、それにふさわしい言葉を贈らなければ。
「おめでとにゃ。やっぱり、さくにゃんは強いにゃ!」
「ありがとな。でも、無事に勝負できるかどうか……不安だったんだ」
「……どういうことにゃ?」
朔良は、スポーツ万能な割に身体を壊しやすいと聞いたことはある。
しかし、今の朔良はちっとも苦しそうではない。
むしろとても気持ちよさそうだ。
「実は、途中で足ひねったかもって思ってな。あれはヒヤヒヤしたぜ」
「……そ、そうなのかにゃ……」
どの競技で勝負していたのかはわからないが、足はほとんどのスポーツにおいて重要なものだ。
そこで怪我をすれば、確かにまともに勝負できなくなるだろう。
でも、なんともないようで瑠衣は安心した。
きっと朔良も……というより、朔良の方が安心しているだろう。
「でも、ほんとにお前と勝負できてよかったぜ。美久里も葉奈も弱いからな」
「え、そ、そうなのかにゃ? はなにゃんは割とできそうなイメージだったんだけどにゃ……」
「いやいや、あいつ全然だめだぜ。球技やらせると必ずボールがどっか飛んでくからさ」
「あー、なんとなく想像できるにゃ……」
葉奈が球技をしているところを想像すると、自然と笑顔になった。
きっと、美久里も葉奈と似たようなものだろうと思う。
瑠衣は紫乃とよくペアを組んでいるが、紫乃もできる方ではない。
そう思うと、まともに勝負できそうな子は少ないかもしれない。
柚と萌花は手強そうだけど。
それでも、朔良は瑠衣に勝負を挑んだ。
そのことがなによりも嬉しくて、頬がだらしなくゆるんでいるのがわかった。
「また勝負しようにゃ、さくにゃん!」
瑠衣はそう言って、朔良とかたく握手した。
次はどんな勝負をしようか。
そう考えるだけで、瑠衣の心はトランポリンのように弾むのだった。
「……さくにゃん」
いつの間にか合同体育で朔良と勝負をしていたようで、体操服を着ていた。
まったく記憶がない。
この突拍子のなさは、夢でも見ているのかもしれない。
でも、とりあえず朔良が勝ったらしいから、それにふさわしい言葉を贈らなければ。
「おめでとにゃ。やっぱり、さくにゃんは強いにゃ!」
「ありがとな。でも、無事に勝負できるかどうか……不安だったんだ」
「……どういうことにゃ?」
朔良は、スポーツ万能な割に身体を壊しやすいと聞いたことはある。
しかし、今の朔良はちっとも苦しそうではない。
むしろとても気持ちよさそうだ。
「実は、途中で足ひねったかもって思ってな。あれはヒヤヒヤしたぜ」
「……そ、そうなのかにゃ……」
どの競技で勝負していたのかはわからないが、足はほとんどのスポーツにおいて重要なものだ。
そこで怪我をすれば、確かにまともに勝負できなくなるだろう。
でも、なんともないようで瑠衣は安心した。
きっと朔良も……というより、朔良の方が安心しているだろう。
「でも、ほんとにお前と勝負できてよかったぜ。美久里も葉奈も弱いからな」
「え、そ、そうなのかにゃ? はなにゃんは割とできそうなイメージだったんだけどにゃ……」
「いやいや、あいつ全然だめだぜ。球技やらせると必ずボールがどっか飛んでくからさ」
「あー、なんとなく想像できるにゃ……」
葉奈が球技をしているところを想像すると、自然と笑顔になった。
きっと、美久里も葉奈と似たようなものだろうと思う。
瑠衣は紫乃とよくペアを組んでいるが、紫乃もできる方ではない。
そう思うと、まともに勝負できそうな子は少ないかもしれない。
柚と萌花は手強そうだけど。
それでも、朔良は瑠衣に勝負を挑んだ。
そのことがなによりも嬉しくて、頬がだらしなくゆるんでいるのがわかった。
「また勝負しようにゃ、さくにゃん!」
瑠衣はそう言って、朔良とかたく握手した。
次はどんな勝負をしようか。
そう考えるだけで、瑠衣の心はトランポリンのように弾むのだった。
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