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第二章 高校二年生(二学期)
やんでれ(萌花)
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「もえにゃん……瑠衣、もう我慢できないにゃ……」
「ちょ、ちょっと……待ってください! 待てはできますか?」
「……瑠衣は犬じゃないにゃよ?」
知っている。気が動転しているだけで、普段の萌花ならこんなこと言わない。
それでも瑠衣は徐々に距離を詰めてくる。
こんな狭い空き教室では逃げ場がない。
そもそも、なんでこんなことになったのだろうか。
萌花は瑠衣の友人として、いつも通りに会話していただけだ。
記憶をたどるも、瑠衣になにかした覚えはない。
我慢できない……とは、一体どういうことなのだろう。
「もえにゃん……」
まずい。なにも対策が浮かばないまま、距離が狭まっている。
まずは瑠衣を落ち着かせなければ。
「どうして――瑠衣だけを見てくれないのにゃ!?」
「……んん?」
この子はなにを言っているのやら。
今、萌花の目にはしっかりと瑠衣だけしかうつっていないというのに。
この状況でもまだ不満だというのか。
「瑠衣は、ずっともえにゃんのことばかり考えているというのに……もえにゃんは瑠衣のことなんて眼中にないんだよにゃ……」
そうだったのか。初耳である。
瑠衣が一番興味あるのは朔良だと思っていたから。
前から薄々気づいてはいたが、瑠衣はかなりの浮気者のようだ。
まだ付き合っていない自分に対してもこんな風に好意ダダ漏れで接してくるのだから。
それでも、萌花は瑠衣のことを“そういう目”では見ていないのだが。
でも、そうすると問題がある。
それをハッキリと伝える勇気が、萌花にはなかったのだ。
「もういいにゃ。さよならにゃ」
瑠衣の寂しげな言葉に、ハッとさせられる。
ハッキリ言えないことは、自分も相手も幸せになれないことに気付かされた。
きちんと伝えなくては。
萌花は覚悟を決め、瑠衣の袖口を掴んだ。
「わ、私は……瑠衣ちゃんにそう言ってもらえて嬉しいです。だけど、お気持ちには……私では応えられないといいますか……」
「……ふ、ふふっ。にゃははっ!」
「え、あ、あの、瑠衣ちゃん……?」
「ごめんにゃ。ちょっとやりすぎちゃったにゃ。冗談だからそこまで本気にしなくていいにゃよ?」
冗談……よかったと安堵するような、ここまで振り回すなんてと怒りが込み上げてくるような。
萌花の思考はショートし、目をぱちくりと見開くことしかできなかった。
「瑠衣の演技がどんなものか、自分で確認したかったのにゃ~」
「もう! そんなことに巻き込まないでくださいよ……!」
少し仕返ししてやろうという気持ちが芽生え、萌花は秘密にすることにした。
瑠衣に「我慢できない」と言われた時に、一瞬ときめいてしまったことを。
「ちょ、ちょっと……待ってください! 待てはできますか?」
「……瑠衣は犬じゃないにゃよ?」
知っている。気が動転しているだけで、普段の萌花ならこんなこと言わない。
それでも瑠衣は徐々に距離を詰めてくる。
こんな狭い空き教室では逃げ場がない。
そもそも、なんでこんなことになったのだろうか。
萌花は瑠衣の友人として、いつも通りに会話していただけだ。
記憶をたどるも、瑠衣になにかした覚えはない。
我慢できない……とは、一体どういうことなのだろう。
「もえにゃん……」
まずい。なにも対策が浮かばないまま、距離が狭まっている。
まずは瑠衣を落ち着かせなければ。
「どうして――瑠衣だけを見てくれないのにゃ!?」
「……んん?」
この子はなにを言っているのやら。
今、萌花の目にはしっかりと瑠衣だけしかうつっていないというのに。
この状況でもまだ不満だというのか。
「瑠衣は、ずっともえにゃんのことばかり考えているというのに……もえにゃんは瑠衣のことなんて眼中にないんだよにゃ……」
そうだったのか。初耳である。
瑠衣が一番興味あるのは朔良だと思っていたから。
前から薄々気づいてはいたが、瑠衣はかなりの浮気者のようだ。
まだ付き合っていない自分に対してもこんな風に好意ダダ漏れで接してくるのだから。
それでも、萌花は瑠衣のことを“そういう目”では見ていないのだが。
でも、そうすると問題がある。
それをハッキリと伝える勇気が、萌花にはなかったのだ。
「もういいにゃ。さよならにゃ」
瑠衣の寂しげな言葉に、ハッとさせられる。
ハッキリ言えないことは、自分も相手も幸せになれないことに気付かされた。
きちんと伝えなくては。
萌花は覚悟を決め、瑠衣の袖口を掴んだ。
「わ、私は……瑠衣ちゃんにそう言ってもらえて嬉しいです。だけど、お気持ちには……私では応えられないといいますか……」
「……ふ、ふふっ。にゃははっ!」
「え、あ、あの、瑠衣ちゃん……?」
「ごめんにゃ。ちょっとやりすぎちゃったにゃ。冗談だからそこまで本気にしなくていいにゃよ?」
冗談……よかったと安堵するような、ここまで振り回すなんてと怒りが込み上げてくるような。
萌花の思考はショートし、目をぱちくりと見開くことしかできなかった。
「瑠衣の演技がどんなものか、自分で確認したかったのにゃ~」
「もう! そんなことに巻き込まないでくださいよ……!」
少し仕返ししてやろうという気持ちが芽生え、萌花は秘密にすることにした。
瑠衣に「我慢できない」と言われた時に、一瞬ときめいてしまったことを。
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