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第一章 ストーキングの恋模様!
この遊びは危険?
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○月○日
今日は休日か……さっちゃん先輩の家に遊びに行った。
それでも中には入れないけど。
妹さんと仲良いのすごく羨ましいなぁ……
私もさっちゃん先輩の妹だったら、毎日一緒に登下校したりゲームしたり出来るのかな。
一緒にご飯食べたり、一緒にお風呂入ったり、一緒に同じ布団で寝たり……最後の二つはなんか違う?
――稲津華緒、『さっちゃん先輩観察日記』より。
☆ ☆ ☆
「そういや、昨日親友が熱出したんだよ」
「そうなのですか。珍しいのですね。親友ちゃんが熱出すなんて」
「そうなんだよ~。あいつ元気だけが取り柄なのにな」
「……何気にひどいのです」
今日は休日である。
沙友理はいつものように、妹の理沙と一緒に朝食を取っていた。
理沙の親友は、天真爛漫といった感じで、よく公園を駆け回っているのを目にする。
元気が取り柄という部分は間違ってないだろう。
元気“だけ”かどうかは知らないが。
「ねーちゃん、今日何する?」
「そうなのですね……『マリコ』やるのです!」
「お、いいな! 今日こそは負けねーぞ!」
二人は早速自室に戻り、テレビの電源をつける。
ゲームを棚から取り出し、慣れた手つきで用意していく。
沙友理と理沙は休日になると、必ずゲームをして遊ぶ。
対戦になると、理沙は沙友理に勝てない。
なぜかはわからないが、理沙はゲームが弱いのだ。
「あー、もう! また負けたぁ!」
「ふふふ。理沙がお姉ちゃんに勝とうとするなんて100年早いのです」
沙友理はラスボスみたいに理沙を煽る。
これは、「まだやるなら受けて立つ」的な意味合いだったのだが、理沙はもうやる気がないようだ。
それを察した沙友理は、気になっていたことを質問する。
「あ、そうなのです。漫画の方は順調なのですか?」
「それがさー、あんまいい構想が浮かばないんだよー」
沙友理の問いかけに、一瞬ドキリとする理沙。
いい構想が浮かばないというのは、本当のようである。
しかし、理沙の机の上には、真っ白な原稿用紙が。
「まあ、その、なんて言うか……リアルさ? ってのがどうにも苦手でさ」
「リアルさ……なのですか?」
「そうそう。共感とかも大事だと思うしさ……身近に感じてもらいたいっていうか……」
「大変なのですね。物語を作るのって」
そう言うと、おもむろに理沙に近づく。
理沙の目の前まで歩いて、いつもの笑顔のまま頬を赤らめた。
「リアルさが欲しいなら、わたしを利用してみるのもいいのですよ?」
「……は?」
理沙の口から、間の抜けた声が出る。
すごく変な顔をしている。
「な、何言ってんだよ……ねーちゃん」
「嫌なら別にいいのですよ?」
「いや、別に嫌ってわけじゃないけど……」
理沙はすごく驚いているが、沙友理を拒否しようとはしない。
沙友理は拒否されたら普通にやめようとしていた。
理沙が嫌でなければ、このままリアルさを出させるのもいいかもしれない。
「けどさ、あたしとねーちゃんで何しようって――うおっ!」
理沙が言い終わらないうちに、沙友理が理沙を押し倒した。
理沙は何がなんだかわからず狼狽えている。
当の沙友理はというと……よくわからない。
「“体験”してみれば、リアリティー出るんじゃないのですか?」
「た、体験って……具体的に何すんだよ……」
「例えばこんな……」
そう言い、沙友理は理沙に近づく。
運動神経のいい理沙は、その気になれば運動音痴の沙友理のことを払いのけられるはずだ。
それなのに、されるがままになっている。
これの意味することは――
「えいっ、なのです!」
「ひゃあっ!」
沙友理はすごくいい笑顔を浮かべている。
理沙はあまりにも唐突な出来事に、ついていけずにいた。
床の上で、沙友理が理沙に抱きついているのだ。
「な、なんだよ……! や、やめろって……ねーちゃん」
「やめないのです~。どうなのですか? 温かくて気持ちいいのですよね」
「だ、断定しないでくれねーかな……否定はしねーけど」
この姉妹のイチャつきは、誰にも見られることはない……と、思いきや。
ドアの隙間からこっそりと様子を窺っている者がいた。
「ふむふむ、沙友理と理沙はそういう仲だと……」
エプロンを巻いたお父さんが、微笑ましそうに眺めていたのである。
そろそろお昼頃になるため、ご飯を食べようと呼びに来たのだ。
だが――
「これは邪魔しちゃいかんよな、うん」
「聞こえてんぞ、とーちゃん」
「あ、バレた?」
一人で勝手に納得して退散しようとしていたお父さんを、理沙が呼び止める。
なぜか妙に機嫌が悪くなってしまった理沙を、お父さんがものすごく刺激した。
「いや~、いいもの見れたよ。まさか沙友理と理沙がそこまでの仲だったなんてな」
「ぶっっっ殺す……!!」
ついに怒りを顕にした理沙。
そして、お父さんを追いかけて走り出す。
沙友理は特に何も思うことはなく、「眠いのです……」と言って昼寝をした。
今日は休日か……さっちゃん先輩の家に遊びに行った。
それでも中には入れないけど。
妹さんと仲良いのすごく羨ましいなぁ……
私もさっちゃん先輩の妹だったら、毎日一緒に登下校したりゲームしたり出来るのかな。
一緒にご飯食べたり、一緒にお風呂入ったり、一緒に同じ布団で寝たり……最後の二つはなんか違う?
――稲津華緒、『さっちゃん先輩観察日記』より。
☆ ☆ ☆
「そういや、昨日親友が熱出したんだよ」
「そうなのですか。珍しいのですね。親友ちゃんが熱出すなんて」
「そうなんだよ~。あいつ元気だけが取り柄なのにな」
「……何気にひどいのです」
今日は休日である。
沙友理はいつものように、妹の理沙と一緒に朝食を取っていた。
理沙の親友は、天真爛漫といった感じで、よく公園を駆け回っているのを目にする。
元気が取り柄という部分は間違ってないだろう。
元気“だけ”かどうかは知らないが。
「ねーちゃん、今日何する?」
「そうなのですね……『マリコ』やるのです!」
「お、いいな! 今日こそは負けねーぞ!」
二人は早速自室に戻り、テレビの電源をつける。
ゲームを棚から取り出し、慣れた手つきで用意していく。
沙友理と理沙は休日になると、必ずゲームをして遊ぶ。
対戦になると、理沙は沙友理に勝てない。
なぜかはわからないが、理沙はゲームが弱いのだ。
「あー、もう! また負けたぁ!」
「ふふふ。理沙がお姉ちゃんに勝とうとするなんて100年早いのです」
沙友理はラスボスみたいに理沙を煽る。
これは、「まだやるなら受けて立つ」的な意味合いだったのだが、理沙はもうやる気がないようだ。
それを察した沙友理は、気になっていたことを質問する。
「あ、そうなのです。漫画の方は順調なのですか?」
「それがさー、あんまいい構想が浮かばないんだよー」
沙友理の問いかけに、一瞬ドキリとする理沙。
いい構想が浮かばないというのは、本当のようである。
しかし、理沙の机の上には、真っ白な原稿用紙が。
「まあ、その、なんて言うか……リアルさ? ってのがどうにも苦手でさ」
「リアルさ……なのですか?」
「そうそう。共感とかも大事だと思うしさ……身近に感じてもらいたいっていうか……」
「大変なのですね。物語を作るのって」
そう言うと、おもむろに理沙に近づく。
理沙の目の前まで歩いて、いつもの笑顔のまま頬を赤らめた。
「リアルさが欲しいなら、わたしを利用してみるのもいいのですよ?」
「……は?」
理沙の口から、間の抜けた声が出る。
すごく変な顔をしている。
「な、何言ってんだよ……ねーちゃん」
「嫌なら別にいいのですよ?」
「いや、別に嫌ってわけじゃないけど……」
理沙はすごく驚いているが、沙友理を拒否しようとはしない。
沙友理は拒否されたら普通にやめようとしていた。
理沙が嫌でなければ、このままリアルさを出させるのもいいかもしれない。
「けどさ、あたしとねーちゃんで何しようって――うおっ!」
理沙が言い終わらないうちに、沙友理が理沙を押し倒した。
理沙は何がなんだかわからず狼狽えている。
当の沙友理はというと……よくわからない。
「“体験”してみれば、リアリティー出るんじゃないのですか?」
「た、体験って……具体的に何すんだよ……」
「例えばこんな……」
そう言い、沙友理は理沙に近づく。
運動神経のいい理沙は、その気になれば運動音痴の沙友理のことを払いのけられるはずだ。
それなのに、されるがままになっている。
これの意味することは――
「えいっ、なのです!」
「ひゃあっ!」
沙友理はすごくいい笑顔を浮かべている。
理沙はあまりにも唐突な出来事に、ついていけずにいた。
床の上で、沙友理が理沙に抱きついているのだ。
「な、なんだよ……! や、やめろって……ねーちゃん」
「やめないのです~。どうなのですか? 温かくて気持ちいいのですよね」
「だ、断定しないでくれねーかな……否定はしねーけど」
この姉妹のイチャつきは、誰にも見られることはない……と、思いきや。
ドアの隙間からこっそりと様子を窺っている者がいた。
「ふむふむ、沙友理と理沙はそういう仲だと……」
エプロンを巻いたお父さんが、微笑ましそうに眺めていたのである。
そろそろお昼頃になるため、ご飯を食べようと呼びに来たのだ。
だが――
「これは邪魔しちゃいかんよな、うん」
「聞こえてんぞ、とーちゃん」
「あ、バレた?」
一人で勝手に納得して退散しようとしていたお父さんを、理沙が呼び止める。
なぜか妙に機嫌が悪くなってしまった理沙を、お父さんがものすごく刺激した。
「いや~、いいもの見れたよ。まさか沙友理と理沙がそこまでの仲だったなんてな」
「ぶっっっ殺す……!!」
ついに怒りを顕にした理沙。
そして、お父さんを追いかけて走り出す。
沙友理は特に何も思うことはなく、「眠いのです……」と言って昼寝をした。
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