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第二章 仲良しのその先へ!
お見舞いは修羅場?
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○月○日
やっぱこうなっちゃうよねー……
理沙ちゃんもさっちゃん先輩のこと大事に思ってるみたいだし……そうだよね。
さっちゃん先輩も理沙ちゃんが大事みたいだから大目に見てたけど。
そろそろ本性出さなきゃ、大切なものは手に入らない。
そうでしょう、さっちゃん先輩?
――稲津華緒、『さっちゃん先輩観察日記』より。
☆ ☆ ☆
『……いくらシシミミ様と言えどブランの事を嗅ぎ回るのはやめていただきたいと思いまして』
『ほう……建国の神である私はこの国の“親”も同然――その私に指図するのか? 一人の使い魔でしかない貴様が?』
まさに一触即発の空気。そこで影が姿を見せた。
それは――ウサギの耳を持ち、キツネの様な尻尾を揺らす不思議生物。
首周りはふわふわした白い毛に覆われていて、檸檬色の全身の毛が夕日に当てられ――シシミミほどではないが、キラキラと輝いている。所々に赤茶色のしま模様が入っている。
身体は二頭身程しかなく、シシミミにとってはまさに人間で言う虫ケラ同様。
その虫ケラが『神』に刃向かっているのだ。
『使い魔だからこそ、主人を護りたいのです』
紅い目で、真っ直ぐ相手を見据える。
その目には、明確な意志が感じ取られた。
それには流石に耐えかねたのか、シシミミはやれやれと言うようにため息を吐いた。
『分かった……元からあのような者に興味などない』
そう言われた不思議生物は――にっこりと、ブランがしたような笑顔をシシミミに見せた。
『ありがとうございます! シシミミ様!』
『お、おう…………』
シシミミは物凄く戸惑った様子で、その不思議生物を見送った。
が、クルッと向きを変え、シシミミに寄る不思議生物の姿が。
『まだ何か用か?』
訝しげな様子で、シシミミは問うた。
『いえ、名前を伝え忘れていたなと思いまして』
『……さっさと名乗れ』
『はい! メレンゲと申します。どうぞお見知りおきを』
今度は本当に去って行った。気配がギリギリなくなるまで気を抜かずに、シシミミは見送った。
『不思議なやつも居たもんだな』
シシミミは呆れたような――どこか嬉しそうな、そんな顔をした。
『さーてと!』
と立ち上がり、“序盤”のようなあの奇妙なテンションを取り戻した。
『シリアスな空気なんて、私には似合うわけなかろう』
ふぅ……と一息。
『……“興味がない”ってのは嘘かねぇ』
意味深な言葉を残し、シシミミも祠の中へと姿を消した。
――『シシミミ国のブランちゃん』が終わり、理沙が心配になって玄関へ向かうと。
沙友理が倒れていた。
「ねーちゃん!?」
理沙は素早く沙友理の元へ駆けつけた。
そのすぐそばには、すごく不安そうに沙友理を見つめている華緒がいる。
なぜか理沙は妙にイラつき、華緒に訊ねる。
「華緒さん、何かしたんですか?」
「ふぇっ!? いや、別にっ……何もしてないよ……!?」
「……怪しいですね」
理沙に訊かれると、華緒は急に顔色を赤くさせ、あたふたと慌てた様子を見せる。
その慌てぶりが怪しいが、理沙は華緒が本気で何かをしたとは思っていない。
ただ意地悪したかっただけだ。
「それにしても、ねーちゃんがこんなになるなんて……」
理沙が見下ろす先には、顔を赤くして肩で息をしている沙友理の姿があった。
しかも、靴を履く場所に倒れている。
「ねーちゃん、汚ねーからベッド戻るぞ」
理沙はそう言って沙友理を起こそうとするが、一向に起き上がらない。
「ふーむ、こうなったら……」
そう独り言を呟くと。
すぐさま華緒を見つめて、嬉しそうに笑う。
「華緒さん。ねーちゃんをおんぶして運んでくれませんか?」
「……え、な、なんで私が……?」
「だって、この中じゃ華緒さんが一番大きいですし」
「で、でも……さっちゃん先輩を運ぶなんて……」
「じゃ、お願いしまーす」
そう言って、理沙はスタコラサッサとどこかへ去っていく。
残された華緒は一瞬どうしようか迷った後、さすがにずっと玄関にいるわけにもいかず、沙友理を部屋まで運ぶことにした。
恐る恐る沙友理を持ち上げると、予想以上に軽かった。
「え、軽っ!?」
思わず声を上げ、落としてしまいそうになるぐらい驚く。
だが、しっかりと持ち直し、二階まで来ることが出来た。
「うぅ……」
うなされている沙友理をベッドに寝かし、華緒は可愛らしいピンクの座布団の上に乗る。
こうして見ると、沙友理は本当に小学生みたいだ。
何を食べたらこんなにも身体が成長しないのだろうか。
そこが謎である。
「ねーちゃーん! 起きてるかぁー?」
「うぅ……理沙? なんなのですか?」
理沙の少し大きな呼びかけに、沙友理は目を擦りながら応じる。
華緒も不思議に思っていると、その小さな手にはあの頭を冷やすシートが握られていた。
「ねーちゃんのために持ってきてやったんだぞ! 感謝しろよ!」
「え……あ、ありがとなのです。玄関で倒れちゃったみたいでなんだか面目ないのです」
「心配ねーって。ちゃんとあたしがここまで運んできてやったんだから」
「――……え?」
理沙の言葉に、華緒は目を剥く。
自分がここまで運んできたのに、理沙は何を言っているのだろう。
そんな華緒の視線を感じたのか、沙友理にシートをつけた理沙が少し肩を揺らしたような気がした……
やっぱこうなっちゃうよねー……
理沙ちゃんもさっちゃん先輩のこと大事に思ってるみたいだし……そうだよね。
さっちゃん先輩も理沙ちゃんが大事みたいだから大目に見てたけど。
そろそろ本性出さなきゃ、大切なものは手に入らない。
そうでしょう、さっちゃん先輩?
――稲津華緒、『さっちゃん先輩観察日記』より。
☆ ☆ ☆
『……いくらシシミミ様と言えどブランの事を嗅ぎ回るのはやめていただきたいと思いまして』
『ほう……建国の神である私はこの国の“親”も同然――その私に指図するのか? 一人の使い魔でしかない貴様が?』
まさに一触即発の空気。そこで影が姿を見せた。
それは――ウサギの耳を持ち、キツネの様な尻尾を揺らす不思議生物。
首周りはふわふわした白い毛に覆われていて、檸檬色の全身の毛が夕日に当てられ――シシミミほどではないが、キラキラと輝いている。所々に赤茶色のしま模様が入っている。
身体は二頭身程しかなく、シシミミにとってはまさに人間で言う虫ケラ同様。
その虫ケラが『神』に刃向かっているのだ。
『使い魔だからこそ、主人を護りたいのです』
紅い目で、真っ直ぐ相手を見据える。
その目には、明確な意志が感じ取られた。
それには流石に耐えかねたのか、シシミミはやれやれと言うようにため息を吐いた。
『分かった……元からあのような者に興味などない』
そう言われた不思議生物は――にっこりと、ブランがしたような笑顔をシシミミに見せた。
『ありがとうございます! シシミミ様!』
『お、おう…………』
シシミミは物凄く戸惑った様子で、その不思議生物を見送った。
が、クルッと向きを変え、シシミミに寄る不思議生物の姿が。
『まだ何か用か?』
訝しげな様子で、シシミミは問うた。
『いえ、名前を伝え忘れていたなと思いまして』
『……さっさと名乗れ』
『はい! メレンゲと申します。どうぞお見知りおきを』
今度は本当に去って行った。気配がギリギリなくなるまで気を抜かずに、シシミミは見送った。
『不思議なやつも居たもんだな』
シシミミは呆れたような――どこか嬉しそうな、そんな顔をした。
『さーてと!』
と立ち上がり、“序盤”のようなあの奇妙なテンションを取り戻した。
『シリアスな空気なんて、私には似合うわけなかろう』
ふぅ……と一息。
『……“興味がない”ってのは嘘かねぇ』
意味深な言葉を残し、シシミミも祠の中へと姿を消した。
――『シシミミ国のブランちゃん』が終わり、理沙が心配になって玄関へ向かうと。
沙友理が倒れていた。
「ねーちゃん!?」
理沙は素早く沙友理の元へ駆けつけた。
そのすぐそばには、すごく不安そうに沙友理を見つめている華緒がいる。
なぜか理沙は妙にイラつき、華緒に訊ねる。
「華緒さん、何かしたんですか?」
「ふぇっ!? いや、別にっ……何もしてないよ……!?」
「……怪しいですね」
理沙に訊かれると、華緒は急に顔色を赤くさせ、あたふたと慌てた様子を見せる。
その慌てぶりが怪しいが、理沙は華緒が本気で何かをしたとは思っていない。
ただ意地悪したかっただけだ。
「それにしても、ねーちゃんがこんなになるなんて……」
理沙が見下ろす先には、顔を赤くして肩で息をしている沙友理の姿があった。
しかも、靴を履く場所に倒れている。
「ねーちゃん、汚ねーからベッド戻るぞ」
理沙はそう言って沙友理を起こそうとするが、一向に起き上がらない。
「ふーむ、こうなったら……」
そう独り言を呟くと。
すぐさま華緒を見つめて、嬉しそうに笑う。
「華緒さん。ねーちゃんをおんぶして運んでくれませんか?」
「……え、な、なんで私が……?」
「だって、この中じゃ華緒さんが一番大きいですし」
「で、でも……さっちゃん先輩を運ぶなんて……」
「じゃ、お願いしまーす」
そう言って、理沙はスタコラサッサとどこかへ去っていく。
残された華緒は一瞬どうしようか迷った後、さすがにずっと玄関にいるわけにもいかず、沙友理を部屋まで運ぶことにした。
恐る恐る沙友理を持ち上げると、予想以上に軽かった。
「え、軽っ!?」
思わず声を上げ、落としてしまいそうになるぐらい驚く。
だが、しっかりと持ち直し、二階まで来ることが出来た。
「うぅ……」
うなされている沙友理をベッドに寝かし、華緒は可愛らしいピンクの座布団の上に乗る。
こうして見ると、沙友理は本当に小学生みたいだ。
何を食べたらこんなにも身体が成長しないのだろうか。
そこが謎である。
「ねーちゃーん! 起きてるかぁー?」
「うぅ……理沙? なんなのですか?」
理沙の少し大きな呼びかけに、沙友理は目を擦りながら応じる。
華緒も不思議に思っていると、その小さな手にはあの頭を冷やすシートが握られていた。
「ねーちゃんのために持ってきてやったんだぞ! 感謝しろよ!」
「え……あ、ありがとなのです。玄関で倒れちゃったみたいでなんだか面目ないのです」
「心配ねーって。ちゃんとあたしがここまで運んできてやったんだから」
「――……え?」
理沙の言葉に、華緒は目を剥く。
自分がここまで運んできたのに、理沙は何を言っているのだろう。
そんな華緒の視線を感じたのか、沙友理にシートをつけた理沙が少し肩を揺らしたような気がした……
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