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第一章 吸血少女は傷つけたい
プレゼントを選びたい
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学校が冬休みに入り、寮生のほとんどは家に帰ってのんびり過ごすのだろうと思われる。
渚ももちろん家に帰るようで、大荷物をかかえて桜花寮から出てきた。
「……そんなに荷物いる?」
「あー、ちょっと色々ね。念には念をと思ってさ」
「でも寮に戻る時も大変じゃない?」
「ううん、大丈夫だよ! ……多分ね」
渚は自信なさげな様子で言った。
どうやら何か理由があるようだ。
少し気になったけど、あまり追求はしない方がいいかと思ってそれ以上は踏み込まないようにする。
「じゃあ、一緒に行こうか」
「え、一緒に行くの? 花恋ちゃんの家は学校と近いところにあるのに?」
「だってあたしたちは幼なじみで恋人でしょ。渚の家行きたいなー」
「いやいや、私電車乗るんだよ? さすがに花恋ちゃんに余計なお金払わせるわけには……」
この前も結局渚の親には会えなくて電車代が無駄になったんだっけ。
確かにそれはきついなという思いと、渚と一緒にいたいという思いがせめぎあっている。
悩みに悩んだ結果、駅まで一緒に行くという結論が出た。
これならば問題はないだろう。
渚の家に行けないのは残念だけど、親同士も付き合いが続いているみたいだからそこに期待して機会を待つことにする。
なにも焦る必要はない。
あたしたちは付き合っているのだから。
「あ、そういえば妹から聞いたんだけどうちに来たんだって?」
二人で駅に向かって歩いている途中、何気なく話していたらふと渚が思い出したように口を開いた。
「そうだけど……中には入れなかったよ」
「え、なんで!?」
なんでと言われても、説明ができない。
妹とあたしの関係を渚に伝えるのは少しはばかられる。
恋敵なんて知ったら、渚は妹にどんな態度を取るだろうか。
優しいからいつも通りに振る舞うだろうけど、心の奥底では悩んでしまうに違いない。
その光景を見たくはないのだ。
「……まぁ、そのうちね」
曖昧に濁したら渚は首を傾げた。
ごめんね、渚。
今は言えないの。
「じゃあ今度うちに遊びに来てね。私もまた花恋ちゃんの家に遊びに行くから」
「うん、わかった。そういえばもうすぐクリスマスだよね」
「唐突だね」
渚は驚いたように目を丸くして苦笑する。
でも大事なことだ。
クリスマスと言えば恋人たちの一大イベント。
プレゼント交換したりデートしたりする日だ。
あたしはこの前からプレゼントについて悩みまくっている。
渚はなんでも喜んでくれそうだから、逆に困る。
一体なにを贈ればいいのか。
そして渚の欲しいものはなんだろうとずっと考えているけれど、全然わからない。
「花恋ちゃんはなにかほしいものある?」
「あたし? 渚がいてくれたらそれで充分だけど」
「えっと、そういうことじゃないんだけど……うーん、じゃあクリスマスはいつも通りデートしようか」
「えへへ、さすが渚! クリスマスデート楽しみ!」
あたしが嬉しさを全面に押し出して笑うと、なぜか渚の顔が赤くなった気がした。
どうしたんだろう?
体調でも悪いのかなと思ったけど、特に変わったところもない。
あたしが心配していると、渚が「そろそろ駅に着くね」と言って歩き出したので、あたしも慌ててその後を追った。
結局渚のほしいものを聞けずに終わった。
もうこうなったら自分で選ぶしかないかと周りを見回した時、ふと両手で抱えるくらいの大きな犬のぬいぐるみが目に入った。
ふわふわで手触りがよさそうで、見ているだけで癒される。
それと同時に、こうも思った。
――渚へのクリスマスプレゼントはこれにしよう、と。
渚ももちろん家に帰るようで、大荷物をかかえて桜花寮から出てきた。
「……そんなに荷物いる?」
「あー、ちょっと色々ね。念には念をと思ってさ」
「でも寮に戻る時も大変じゃない?」
「ううん、大丈夫だよ! ……多分ね」
渚は自信なさげな様子で言った。
どうやら何か理由があるようだ。
少し気になったけど、あまり追求はしない方がいいかと思ってそれ以上は踏み込まないようにする。
「じゃあ、一緒に行こうか」
「え、一緒に行くの? 花恋ちゃんの家は学校と近いところにあるのに?」
「だってあたしたちは幼なじみで恋人でしょ。渚の家行きたいなー」
「いやいや、私電車乗るんだよ? さすがに花恋ちゃんに余計なお金払わせるわけには……」
この前も結局渚の親には会えなくて電車代が無駄になったんだっけ。
確かにそれはきついなという思いと、渚と一緒にいたいという思いがせめぎあっている。
悩みに悩んだ結果、駅まで一緒に行くという結論が出た。
これならば問題はないだろう。
渚の家に行けないのは残念だけど、親同士も付き合いが続いているみたいだからそこに期待して機会を待つことにする。
なにも焦る必要はない。
あたしたちは付き合っているのだから。
「あ、そういえば妹から聞いたんだけどうちに来たんだって?」
二人で駅に向かって歩いている途中、何気なく話していたらふと渚が思い出したように口を開いた。
「そうだけど……中には入れなかったよ」
「え、なんで!?」
なんでと言われても、説明ができない。
妹とあたしの関係を渚に伝えるのは少しはばかられる。
恋敵なんて知ったら、渚は妹にどんな態度を取るだろうか。
優しいからいつも通りに振る舞うだろうけど、心の奥底では悩んでしまうに違いない。
その光景を見たくはないのだ。
「……まぁ、そのうちね」
曖昧に濁したら渚は首を傾げた。
ごめんね、渚。
今は言えないの。
「じゃあ今度うちに遊びに来てね。私もまた花恋ちゃんの家に遊びに行くから」
「うん、わかった。そういえばもうすぐクリスマスだよね」
「唐突だね」
渚は驚いたように目を丸くして苦笑する。
でも大事なことだ。
クリスマスと言えば恋人たちの一大イベント。
プレゼント交換したりデートしたりする日だ。
あたしはこの前からプレゼントについて悩みまくっている。
渚はなんでも喜んでくれそうだから、逆に困る。
一体なにを贈ればいいのか。
そして渚の欲しいものはなんだろうとずっと考えているけれど、全然わからない。
「花恋ちゃんはなにかほしいものある?」
「あたし? 渚がいてくれたらそれで充分だけど」
「えっと、そういうことじゃないんだけど……うーん、じゃあクリスマスはいつも通りデートしようか」
「えへへ、さすが渚! クリスマスデート楽しみ!」
あたしが嬉しさを全面に押し出して笑うと、なぜか渚の顔が赤くなった気がした。
どうしたんだろう?
体調でも悪いのかなと思ったけど、特に変わったところもない。
あたしが心配していると、渚が「そろそろ駅に着くね」と言って歩き出したので、あたしも慌ててその後を追った。
結局渚のほしいものを聞けずに終わった。
もうこうなったら自分で選ぶしかないかと周りを見回した時、ふと両手で抱えるくらいの大きな犬のぬいぐるみが目に入った。
ふわふわで手触りがよさそうで、見ているだけで癒される。
それと同時に、こうも思った。
――渚へのクリスマスプレゼントはこれにしよう、と。
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