社会復帰日記

社会復帰中

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19.04.06

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 Twitterの別アカウントで、メンヘラを数人フォローし、観測している。彼女たちは愛されていないことを誇りみたいにつらつらと並べている。秒でいいねを付けても、その時にはツイートが削除されていたりする。弱さや恥を武器にすること自体の恥ずかしさと承認欲求との間で葛藤しているのかもしれない。顔を出してそういうことをしていたりするものだから驚く。だが、不幸や不運を吐き出すことで楽になる気持ちは非常によくわかるし、まさにこの日記の数々がその類のものなので、彼女たちを馬鹿にすることは出来ないばかりか、彼女たちとは仲良くなれるとこっそり思っている。しかし、彼女たちが意中の男性から1番の扱いにならないように、私はいつまで経っても彼女たちの1番になれない。

 昨日からの続き。長い有給休暇という感触の休職期間が始まる。趣味のことを楽しんでいた私に、異性の後輩から食事の誘いが届いた。

 その女性は、私が2年前に先輩社員として、新入社員研修をした子のうちの1人だった。明るく快活で、嘘が吐けないところがあり、その分人の好き嫌いが激しいが、裏表の無さが多くの人から好かれているような子だった。

 私の状況を知ってのことだったのか。先輩社員としての役目を果たし、彼女の正式な配属後から殆ど連絡を取っていなかったのに、休職に入ってから1ヵ月しか経っていない9月に貰った連絡だった。タイミングが良すぎるように思えたが、今となっても知っていたのかはわからない。ただ、文面を見ただけでは、何も知らないようだった。ただ、久し振りに食事がしたい、と言うだけだった。

 かなり悩んだ。人と会えない程重い症状では無かったし、誰かと久し振りに話したい思いもあった。しかし、休職は大きい。鬱で休んでいるのに、後輩の女性社員と会うなんて、明らかにおかしい。まともならそう思う。会社にばれたら、面倒臭いことになりそうだ。私だけではなく、彼女共々。

 何時間か考えて、素直に打ち明けることにした。今、鬱で休職をしており、食事をしたいのは山々だが、会ったことが会社にばれたらお互いにとって良くないので、少し待ってくれないか、と。

 こう送ってから、何故一対一を想定していたのか、過剰な自意識が恥ずかしくもなったが、彼女は特にその想定を否定することなく「食事をしてくれる気があるなら、会社から遠く離れたところで場所をとります!私が行きたいお店があるので!」とこの状況を踏まえた上で、食事をする案を出してきてくれた。そこまで言って貰えると、私としても、これ以上拒む理由も無く、それどころか望んで食事がしたくなり、会うことにして、日程を固めた。

 細かい話は明日以降に続ける。
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