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19.06.24
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3週間目。今日からフルタイムでの勤務となる。仕事を余り与えられていない私からすれば、暇な時間が長くなったに過ぎない。時間を潰すために今まで余り触れてこなかった社内規定に目を通したり、得をしそうな緒制度を調べる。その合間に耳に入ってくる話題には、総務が労務関係も担当していることもあって、社内の長期病欠者のこともあり、かつては自分もこのように扱われていたのだなと考えたところで特別な感慨も無い。ただ、私以外にも駄目な人がそれだけいるのだなと安心する。労災が下りてしまったとか、契約書に捺印があるから突っぱねるとか、制度の上で解釈ゲームをしているように思え、そこで人はステータスを持った駒に過ぎず、なんてどこでも同じことだろうか。経営計画とは異なる質の嫌な感じ。
昨日からの続き。二次面接の連絡が来た。やはり感じていた手応えは正しかったようだ。早速、日程の調整。再び土曜日に場を設けて貰うようお願いをする。平日の夜の方がスーツを着ていても目立たないみたいな考えはもうすっかり忘れてしまっていた。一次面接の結果を貰うまでに時間がかかったこともあって、一旦返してしまっていたので、再びレンタルをしにいった。また10,000円以上も払う。どうにか理由を付けて家に帰れば、予備のスーツがあった気もするが帰れなかった。私はまだ父と面と向かう気分ではなかった。いつかそんな日が来るのかもわからなかった。
しかし、二次面接とは言っても一次面接の時点で社長が登場している以上、次に出てくる者がそれ以上とは思えず、どういったコンセプトで面接が開かれるのかまるで察しがつかなかった。まさか先代の社長が出てくるとは思えなかったし、もし出てきたらそこは辞退しようと考えていた。一族経営で創業者としての目があるにせよ、息子に継いだ事業の採用にまで出てくるような、そしてそれを許してしまうような関係性ならば、先は長くないように思えたと勝手に経営分析をしていた。そう言えば、経営計画にいたにも関わらず、財務諸表を全く見ていなかったことを思い出した。と言うよりも、私は財務諸表が読めない。よく転職しようと思ったものだ。しかし、勤めている人のどれ程の人が財務諸表を読めるのだろう。その当時は今更読む気も起きず、そのままにしてしまった。
そして、あっという間にまた土曜日がきたので、再び出版社へ。相変わらずに先に喫茶店へ入り、時間が近づいたらオフィスへ向かう。緊張はしていたが、一次に比べればずっと楽だった。いい気の抜けよう。常にこういう感じでいられれば、仕事も上手く出来ただろうか。
また同じ受付の女性が出てくる。この人は毎週土曜日に出ているのだろうか。就業条件をちゃんと確認しないといけないのでは、と余計なことを考えられるほどに余裕があった。どこか嘗めていたかもしれない。再び応接室へ通され、今度は筆記試験もなく直ぐに社長が現れた。紙を持っていて、それを元に話し出すと、前回のテスト結果のようだった。可もなく不可もなくといったテスト結果だったようで。凄いとも駄目だとも言われなかったが、ボーダーは越えていたようだ。それからは面接と言うよりも、これからの話を聞いた。従業員の構成やそれぞれのキャリアプランの例など。私の前に勤めていた人は、何故か上手くいかなかったらしく試用期間で辞めて貰ったなど、そういう裏事情まで明け透けに話してくれた。そして業界の話を聞いた。言うまでもなく出版業界は斜陽産業で、これから先どうなるかわからないがそれでも来られるかという確認をされた。これがもう最終面接の意思確認程度であることは察しがついた。先がどうなるかわからないなんて、いつのも変わらないことで、私が休職することだって予測のつくはずがないことだったのだから、私は今更そんなことで悩むはずも無かった。私は私の意思を伝えた。
受付の女性がエレベーターまで見送りに来てくれて、結果は後日連絡すると言われたが、もう結果はわかりきっていて、その予測の通りに、翌日の日曜日には内定の連絡がメールで届いた。
細かい話は明日以降に続ける。
昨日からの続き。二次面接の連絡が来た。やはり感じていた手応えは正しかったようだ。早速、日程の調整。再び土曜日に場を設けて貰うようお願いをする。平日の夜の方がスーツを着ていても目立たないみたいな考えはもうすっかり忘れてしまっていた。一次面接の結果を貰うまでに時間がかかったこともあって、一旦返してしまっていたので、再びレンタルをしにいった。また10,000円以上も払う。どうにか理由を付けて家に帰れば、予備のスーツがあった気もするが帰れなかった。私はまだ父と面と向かう気分ではなかった。いつかそんな日が来るのかもわからなかった。
しかし、二次面接とは言っても一次面接の時点で社長が登場している以上、次に出てくる者がそれ以上とは思えず、どういったコンセプトで面接が開かれるのかまるで察しがつかなかった。まさか先代の社長が出てくるとは思えなかったし、もし出てきたらそこは辞退しようと考えていた。一族経営で創業者としての目があるにせよ、息子に継いだ事業の採用にまで出てくるような、そしてそれを許してしまうような関係性ならば、先は長くないように思えたと勝手に経営分析をしていた。そう言えば、経営計画にいたにも関わらず、財務諸表を全く見ていなかったことを思い出した。と言うよりも、私は財務諸表が読めない。よく転職しようと思ったものだ。しかし、勤めている人のどれ程の人が財務諸表を読めるのだろう。その当時は今更読む気も起きず、そのままにしてしまった。
そして、あっという間にまた土曜日がきたので、再び出版社へ。相変わらずに先に喫茶店へ入り、時間が近づいたらオフィスへ向かう。緊張はしていたが、一次に比べればずっと楽だった。いい気の抜けよう。常にこういう感じでいられれば、仕事も上手く出来ただろうか。
また同じ受付の女性が出てくる。この人は毎週土曜日に出ているのだろうか。就業条件をちゃんと確認しないといけないのでは、と余計なことを考えられるほどに余裕があった。どこか嘗めていたかもしれない。再び応接室へ通され、今度は筆記試験もなく直ぐに社長が現れた。紙を持っていて、それを元に話し出すと、前回のテスト結果のようだった。可もなく不可もなくといったテスト結果だったようで。凄いとも駄目だとも言われなかったが、ボーダーは越えていたようだ。それからは面接と言うよりも、これからの話を聞いた。従業員の構成やそれぞれのキャリアプランの例など。私の前に勤めていた人は、何故か上手くいかなかったらしく試用期間で辞めて貰ったなど、そういう裏事情まで明け透けに話してくれた。そして業界の話を聞いた。言うまでもなく出版業界は斜陽産業で、これから先どうなるかわからないがそれでも来られるかという確認をされた。これがもう最終面接の意思確認程度であることは察しがついた。先がどうなるかわからないなんて、いつのも変わらないことで、私が休職することだって予測のつくはずがないことだったのだから、私は今更そんなことで悩むはずも無かった。私は私の意思を伝えた。
受付の女性がエレベーターまで見送りに来てくれて、結果は後日連絡すると言われたが、もう結果はわかりきっていて、その予測の通りに、翌日の日曜日には内定の連絡がメールで届いた。
細かい話は明日以降に続ける。
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