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三大海賊団の力
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船内が慌ただしくなる。人の流れが激しくなり、騒がしさが増す。混乱を招いた事態への対応に追われ、本来与えられていた作業がストップしてしまう。
そのことが影響し、レールガンの装填作業にも遅れが生じる。報告はすぐにエイヴリーの元へも伝わった。彼は行っていたクラフトを中断し、何よりも優先してレールガンの積まれた戦艦へ戻る。
「クソッタレッ・・・!よりにもよって・・・」
エイヴリーは心中、穏やかではなかった。同じ作戦は二度は使えない。シャーロットもリーズも、回復するにはまだ程遠い。そんな中でのレールガンへのダメージは、戦いの行方を左右する。
開けられた穴を修復することは可能だ。ただ、エイヴリーの能力もまた、無から有を作り出すものではない。形ある物を別の形へと組み替えるだけ。
つまり、単純に破損した箇所を治すのには、それを補う素材が必要になる。彼の場合、それは戦艦の一部を用いて行う。破損すればするほど、戦艦の大きさや機能が劣化し、元の海賊船を何隻か失っていくことに繋がる。
言い換えれば、その為の大船団とも言える。しかし今は、物資よりも時間が惜しい。そして、エイヴリーが戦艦へ戻るよりも先に、戦場は一気にリヴァイアサン側へと傾き始める。
死に物狂いなのは、怪物も同じだった。身体の再生を行いながらも、本能で今が攻め時であるのを分かっているかのように、攻撃が苛烈さを増していく。
砲撃や弓術など、自らを攻撃してくる方向へ手当たり次第に魔法を放つ。リヴァイアサンの周りに、海水を用いた水の柱が幾つも聳え立つ。
そこから砲弾のように放たれる水の塊は、ただでさえ荒波に足を取られる海賊船を次々に襲い、転覆させていく。その被害は大船団を率いるエイヴリー海賊団とチン・シー海賊団を集中的に襲った。
「チン・シー様ッ!各船より被害報告が多数寄せられています!このままでは我が軍はッ・・・!」
「分かっておる!フーファンの部隊に繋げ。妖術によるカモフラージュで時間を稼ぐ。我々が今、手を緩める訳にはいかぬ・・・!」
何者をも近づけんとするリヴァイアサンの攻撃に対し、付け焼き刃である事を承知の上でも、そうせざるを得なかった。彼女らの炎が絶やされれば、リヴァイアサンの再生は完了してしまい、今以上の被害があることは目に見えていた。
戦況は一刻も早いレールガンによる砲撃を待ち望んでいる。だが、一向に再放出の目処が立たない状況に、周りの者達も不安と焦りに駆られていた。
チン・シーの要請に応じ、フーファンの妖術部隊が術を展開する。チン・シー海賊団の周りに蜃気楼のような歪みが生じると、それまでそこになかった海上に船が姿を現す。
それも一隻二隻ではない。無数の船が彼女らの船団の周りに出現し、リヴァイアサンの攻撃を受ける身代わりとして盾となっていた。攻撃を受けた蜃気楼の船は消えてしまうが、これにより被害を受ける船の確率を少しでも緩和する働きを、見事にこなしている。
「エイヴリーよ・・・。いつまで待たせる気ぞッ・・・!」
三大海賊団が奮戦する最中、敵襲を受け戦力を分断されたキングは、リヴァイアサンや小型モンスターの攻撃を引き受けながら、シンから奪ったツバキのボードを乗り回し身体に馴染ませていた。
「さて・・・。そろそろ雲行きも怪しくなってきたしぃ~?俺ちゃんも本腰入れなきゃねぇ・・・」
キングは突如として進路を変更し、リヴァイアサンへと近づいていった。そして海面から覗かせるリヴァイアサンの首元へとやってくると、彼はボードを止める。
当然、後を追いかけて来ていた小型モンスターが彼の元へ群がるように襲いかかる。すると、水面から飛び上がったモンスター達が、宙で見えない壁のようなものにぶつかり、勢いよく遠くへ弾き飛ばされていった。
「しょうがねぇなぁ~。したくはねぇが、おっさんの尻でも叩いてやるか。だから・・・頼むぜ」
そう言ってキングは腕をリヴァイアサンの頭部へと伸ばし、力強く手のひらを握りしめる。そしてその手を海に叩きつけるようにして振り下ろした。手は途中で止まってしまう。しかし、その上空ではリヴァイアサンの頭部が海面の方へと倒れ込んで来ていた。
これまでにないほど腕に力が入る。その腕は、下へ振り下ろしたいが下ろせないといった様子で、ぷるぷると震えている。それに合わせるように、リヴァイアサンの頭部も、押さえつけようとするその力を拒むように何かに耐えている。
「クソがッ・・・!俺に・・・本気出させんなよッ・・・!!」
額から大粒の汗を垂らし、筋肉は盛り上がり血管が浮き出ている。自らがここまで力を使うのが久しぶりだったキング。しかし、その身体は決して鈍っていた訳ではなかった。それは彼の仕上がった身体が証明している。
「せッ船長・・・!魔物の頭がッ・・・!」
レールガンの修復を行っていたエイヴリーが、船員の声でリヴァイアサンの方へと視線を送る。するとそこには、一人の人物が必死に巨大な魔物を地に引き摺り落とさんと踏ん張っていた。
「野郎・・・。あんなことが出来んのは一人しかいねぇ。じゃなきゃ、あんなガキが俺達に張り合える訳がねぇんだからな。・・・漸く本気になったか、キング・・・」
そのことが影響し、レールガンの装填作業にも遅れが生じる。報告はすぐにエイヴリーの元へも伝わった。彼は行っていたクラフトを中断し、何よりも優先してレールガンの積まれた戦艦へ戻る。
「クソッタレッ・・・!よりにもよって・・・」
エイヴリーは心中、穏やかではなかった。同じ作戦は二度は使えない。シャーロットもリーズも、回復するにはまだ程遠い。そんな中でのレールガンへのダメージは、戦いの行方を左右する。
開けられた穴を修復することは可能だ。ただ、エイヴリーの能力もまた、無から有を作り出すものではない。形ある物を別の形へと組み替えるだけ。
つまり、単純に破損した箇所を治すのには、それを補う素材が必要になる。彼の場合、それは戦艦の一部を用いて行う。破損すればするほど、戦艦の大きさや機能が劣化し、元の海賊船を何隻か失っていくことに繋がる。
言い換えれば、その為の大船団とも言える。しかし今は、物資よりも時間が惜しい。そして、エイヴリーが戦艦へ戻るよりも先に、戦場は一気にリヴァイアサン側へと傾き始める。
死に物狂いなのは、怪物も同じだった。身体の再生を行いながらも、本能で今が攻め時であるのを分かっているかのように、攻撃が苛烈さを増していく。
砲撃や弓術など、自らを攻撃してくる方向へ手当たり次第に魔法を放つ。リヴァイアサンの周りに、海水を用いた水の柱が幾つも聳え立つ。
そこから砲弾のように放たれる水の塊は、ただでさえ荒波に足を取られる海賊船を次々に襲い、転覆させていく。その被害は大船団を率いるエイヴリー海賊団とチン・シー海賊団を集中的に襲った。
「チン・シー様ッ!各船より被害報告が多数寄せられています!このままでは我が軍はッ・・・!」
「分かっておる!フーファンの部隊に繋げ。妖術によるカモフラージュで時間を稼ぐ。我々が今、手を緩める訳にはいかぬ・・・!」
何者をも近づけんとするリヴァイアサンの攻撃に対し、付け焼き刃である事を承知の上でも、そうせざるを得なかった。彼女らの炎が絶やされれば、リヴァイアサンの再生は完了してしまい、今以上の被害があることは目に見えていた。
戦況は一刻も早いレールガンによる砲撃を待ち望んでいる。だが、一向に再放出の目処が立たない状況に、周りの者達も不安と焦りに駆られていた。
チン・シーの要請に応じ、フーファンの妖術部隊が術を展開する。チン・シー海賊団の周りに蜃気楼のような歪みが生じると、それまでそこになかった海上に船が姿を現す。
それも一隻二隻ではない。無数の船が彼女らの船団の周りに出現し、リヴァイアサンの攻撃を受ける身代わりとして盾となっていた。攻撃を受けた蜃気楼の船は消えてしまうが、これにより被害を受ける船の確率を少しでも緩和する働きを、見事にこなしている。
「エイヴリーよ・・・。いつまで待たせる気ぞッ・・・!」
三大海賊団が奮戦する最中、敵襲を受け戦力を分断されたキングは、リヴァイアサンや小型モンスターの攻撃を引き受けながら、シンから奪ったツバキのボードを乗り回し身体に馴染ませていた。
「さて・・・。そろそろ雲行きも怪しくなってきたしぃ~?俺ちゃんも本腰入れなきゃねぇ・・・」
キングは突如として進路を変更し、リヴァイアサンへと近づいていった。そして海面から覗かせるリヴァイアサンの首元へとやってくると、彼はボードを止める。
当然、後を追いかけて来ていた小型モンスターが彼の元へ群がるように襲いかかる。すると、水面から飛び上がったモンスター達が、宙で見えない壁のようなものにぶつかり、勢いよく遠くへ弾き飛ばされていった。
「しょうがねぇなぁ~。したくはねぇが、おっさんの尻でも叩いてやるか。だから・・・頼むぜ」
そう言ってキングは腕をリヴァイアサンの頭部へと伸ばし、力強く手のひらを握りしめる。そしてその手を海に叩きつけるようにして振り下ろした。手は途中で止まってしまう。しかし、その上空ではリヴァイアサンの頭部が海面の方へと倒れ込んで来ていた。
これまでにないほど腕に力が入る。その腕は、下へ振り下ろしたいが下ろせないといった様子で、ぷるぷると震えている。それに合わせるように、リヴァイアサンの頭部も、押さえつけようとするその力を拒むように何かに耐えている。
「クソがッ・・・!俺に・・・本気出させんなよッ・・・!!」
額から大粒の汗を垂らし、筋肉は盛り上がり血管が浮き出ている。自らがここまで力を使うのが久しぶりだったキング。しかし、その身体は決して鈍っていた訳ではなかった。それは彼の仕上がった身体が証明している。
「せッ船長・・・!魔物の頭がッ・・・!」
レールガンの修復を行っていたエイヴリーが、船員の声でリヴァイアサンの方へと視線を送る。するとそこには、一人の人物が必死に巨大な魔物を地に引き摺り落とさんと踏ん張っていた。
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