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戦力の違い
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白獅の方へ歩み寄ろうとしたドウは、弱った身体のせいか足元が覚束ない。思わず駆け寄ろうとする白獅だったが、老人の羽織っているコートのようなものの中から機械の足が現れ、身体を支えている。
「これは・・・」
彼の視線に気づき足元を確認するドウ。機械を見てすぐにこれの存在が気になったのかと把握した彼は、立て直した体勢から足元で機械を僅かに遊ばせて見せる。
「あぁ、これですか。恥ずかしながら、身体にガタが来てしまいまして。これの力に頼らざるを得なくなってしまったのです」
「どういう原理で」
「私の脳が発する指令で身体を僅かに動かすと、それを感知して動きをサポートすると言うわけです。もちろん、システムを変えれば自由に動かすことも可能ですよ?」
どうやら彼は機械に強いらしく、プログラムに関しても知識があるようだ。瑜那にもハッキング等の知識はあったが、ドウの場合それ以上であることが予想できる。
彼なら電力の回路を繋ぎ、電気を流す為のポートは開くことも可能だろう。それに移動に関しても、身体に備えられている機械や転移スキルを用いれば簡単に向かうことができるに違いない。
「貴方に頼みがある。このアジトへの電力供給量を増やすことは出来ないか?」
すると、ドウの表情は曇り、目を閉じて首を横に振る。彼の知識や能力を持ってしても難しいのだろうか。
「過度な電力の流用は、我々の動きを探る者達からの標的になってしまいます。それに新たなポートの開設や回路を増設すれば、それこそこの時代の人々に不可視の異物が紛れ込んでいることを探られてしまいます」
「少しの間だけでいい!せめて怪我人の治療が終わるまでの間だけ・・・」
「なりません。貴方達を襲った連中の技術力は、今の分断された我々よりも遥かに進んでいる。実際に東京のアジトが襲われた際は、たった一人の人物に壊滅まで追い込まれたのでしょう?」
「それは・・・」
何も言い返すことが出来なかった。不意を突かれ、任務に出張っていた者達がいたとはいえ、これほどまでに追い込まれてしまうとは誰も思ってもいなかった事態だ。
もし、それほどの力を持った者が相手の戦力に複数いたとするならば、他のアジトが目をつけられ潰されてしまう可能性も、大いに想像できる。
ましては相手は東京の電力を奪い、一時的に都心部のライフラインを断ってしまうほどの戦力を有しているのだ。一人二人、戦線から撤退させ各地のアジトに向かわせて潰すなど、容易に出来ることなのかもしれない。
「後手に回ってはしまいますが、今は現地に向かわれた彼らを待ちましょう。それかこの世界の住人達が、自分達の手で解決してくれてもいい。その後再び、東京にアジトを再建すればいい。それに・・・」
「それに・・・?」
「我々にも戦力は必要です。相手側は既に多くの兵力を有しています。それに立ち向かうには、相応の部隊が必要になるでしょう・・・」
問題は山積みだった。今回の襲撃に然り、戦力差然り。未だ全貌の見えない敵は、アサシンギルドよりも技術力の面で優れており、人材の数でも強大になりつつある。
それは高速道路でシン達を襲った、機械の獣からも分かることだ。もしあんな兵器のようなものを生産することが可能だとするのなら、更に危険な存在となるだろう。
「しかしご安心を。組織というものは、大きくなればなるほど制御が難しくなるものです。それは生き物であれ機械であれ同じことです」
「何かいい考えがあると?」
ドウの言葉は白獅の顔を上げさせるような、希望の込められたものに聞こえた。だが、どうやらドウにも、現状何か策や考えがあるのではなかった。
「それはまだわかりません。相手のことを知らなければ何も出来ませんから・・・。しかし幸か不幸か、この世界にはハッカーと呼ばれる人種が多くいるそうですね」
「この世界の人間を利用しようというのか?」
「利用するとは人聞きが悪い。彼らの力も借りられるということです。ましてや、相手が機械に強いのであれば尚更・・・ね」
そう言うとドウは再び椅子に座り、モニターの方を向いてキーボードを叩き始めた。
「あぁ、そういえば。昔使っていた治療器具が倉庫のどこかにしまってあった筈です。外の彼女に聞けば分かると思います。使う薬品に関しては、アジトの外に打って付けの施設がありますから、そちらから拝借してきて下さい。調合の資料もある筈ですから」
急なことで把握していなかったが、白獅らのいる千葉のアジトの側には、大規模な植物園があり、いくらでも薬品の生成が可能という優れた環境下にあることには変わりなかったのだ。
「これは・・・」
彼の視線に気づき足元を確認するドウ。機械を見てすぐにこれの存在が気になったのかと把握した彼は、立て直した体勢から足元で機械を僅かに遊ばせて見せる。
「あぁ、これですか。恥ずかしながら、身体にガタが来てしまいまして。これの力に頼らざるを得なくなってしまったのです」
「どういう原理で」
「私の脳が発する指令で身体を僅かに動かすと、それを感知して動きをサポートすると言うわけです。もちろん、システムを変えれば自由に動かすことも可能ですよ?」
どうやら彼は機械に強いらしく、プログラムに関しても知識があるようだ。瑜那にもハッキング等の知識はあったが、ドウの場合それ以上であることが予想できる。
彼なら電力の回路を繋ぎ、電気を流す為のポートは開くことも可能だろう。それに移動に関しても、身体に備えられている機械や転移スキルを用いれば簡単に向かうことができるに違いない。
「貴方に頼みがある。このアジトへの電力供給量を増やすことは出来ないか?」
すると、ドウの表情は曇り、目を閉じて首を横に振る。彼の知識や能力を持ってしても難しいのだろうか。
「過度な電力の流用は、我々の動きを探る者達からの標的になってしまいます。それに新たなポートの開設や回路を増設すれば、それこそこの時代の人々に不可視の異物が紛れ込んでいることを探られてしまいます」
「少しの間だけでいい!せめて怪我人の治療が終わるまでの間だけ・・・」
「なりません。貴方達を襲った連中の技術力は、今の分断された我々よりも遥かに進んでいる。実際に東京のアジトが襲われた際は、たった一人の人物に壊滅まで追い込まれたのでしょう?」
「それは・・・」
何も言い返すことが出来なかった。不意を突かれ、任務に出張っていた者達がいたとはいえ、これほどまでに追い込まれてしまうとは誰も思ってもいなかった事態だ。
もし、それほどの力を持った者が相手の戦力に複数いたとするならば、他のアジトが目をつけられ潰されてしまう可能性も、大いに想像できる。
ましては相手は東京の電力を奪い、一時的に都心部のライフラインを断ってしまうほどの戦力を有しているのだ。一人二人、戦線から撤退させ各地のアジトに向かわせて潰すなど、容易に出来ることなのかもしれない。
「後手に回ってはしまいますが、今は現地に向かわれた彼らを待ちましょう。それかこの世界の住人達が、自分達の手で解決してくれてもいい。その後再び、東京にアジトを再建すればいい。それに・・・」
「それに・・・?」
「我々にも戦力は必要です。相手側は既に多くの兵力を有しています。それに立ち向かうには、相応の部隊が必要になるでしょう・・・」
問題は山積みだった。今回の襲撃に然り、戦力差然り。未だ全貌の見えない敵は、アサシンギルドよりも技術力の面で優れており、人材の数でも強大になりつつある。
それは高速道路でシン達を襲った、機械の獣からも分かることだ。もしあんな兵器のようなものを生産することが可能だとするのなら、更に危険な存在となるだろう。
「しかしご安心を。組織というものは、大きくなればなるほど制御が難しくなるものです。それは生き物であれ機械であれ同じことです」
「何かいい考えがあると?」
ドウの言葉は白獅の顔を上げさせるような、希望の込められたものに聞こえた。だが、どうやらドウにも、現状何か策や考えがあるのではなかった。
「それはまだわかりません。相手のことを知らなければ何も出来ませんから・・・。しかし幸か不幸か、この世界にはハッカーと呼ばれる人種が多くいるそうですね」
「この世界の人間を利用しようというのか?」
「利用するとは人聞きが悪い。彼らの力も借りられるということです。ましてや、相手が機械に強いのであれば尚更・・・ね」
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