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キングの組織を敵に回すのも恐ろしい事だが、そんな彼らが慎重になるほどの相手となれば、到底手放しに挑めるようなものではない。仮に、身に余る報酬が用意されていても、普通なら断るところだ。
誰だって寿命を縮めてまで幸福を求めようとはしないだろう。目先の欲に身を任せていては、命がいくつあっても足りない。命あっての幸福なのだ。
「まぁ、そりゃぁそうなるか・・・。ボスに口を利いてやるっつっても、すぐに連絡が取れる訳じゃねぇしな・・・」
「でも、目的が同じなら場所を教えてくれるだけでもいいんじゃないかな?どの道私達も、その研究所に用がある訳だし」
「勝手に奴らの実験を荒らしてくれんならそれはそれで構わねぇが、正直なところお前らだけで挑んでも、仮にその場は上手くいったとしてもだな・・・」
ダラーヒムが言葉を続けようとしたところで、何を口にしようとしているのか察しのついていたミアが、二人の会話の中に割って入る。
「後の命の補償はない・・・」
「え?」
「・・・・・」
キングの組織は、この世界においてそれなりの規模を持った一大勢力と言ってもいい。しかし、そんな彼らでも抑えきれぬ勢力に狙われれば、ただの数人のパーティなど最も容易くその存在すら残らぬ程に抹消されてしまう。
ツバキが託された、オスカーや実験体となった子供達の願いというのは、それ程危険なものなのだ。故にオスカーはツバキの身を案じ、危ないと感じたら自分の身を第一にしてくれと念を押していてくれた。
その時は敵対する組織の規模が漠然としか見えていなかったが、キングという物差しを得てその大きさが露わとなった。それを目にした今、願いを託された時のように向こうみずに挑めるという気持ちは、だいぶ抑えられてしまっていた。
「だが或いは、キングの組織に根回しをしてもらえるのなら・・・」
「あぁ、誰がやったのかくらいなら有耶無耶に出来るかもしれねぇな」
「ッ!?確かにそれなら、私達も事を成した後姿を眩まし易いな」
「ボスとしても、そんな施設は一刻も早くぶっ潰したいと思ってる筈だ。お前らの手を借りられるなら、こちらも出せるものがある。どうだ?悪い話じゃない筈だ」
彼の言うように、何の後ろ盾も無くアークシティの事業に手を出せば、それこそオスカーの危惧していたように、生きている限り気の休まる暇もない日々を送ることになるかもしれない。
そんな時にキングの組織の幹部と再会できたのは、真っ暗な闇の中で光明を見るようなものだった。
「シン、如何する?正直受けない手はないと思うが・・・」
ミアはシンに彼自身の考えを伺う。だが、シンの考えも彼女と同じだった。それにシンは、ミアほどキングの事を疑っている訳ではなかったし、その実力も人間性も認めている。
「あぁ勿論だ。ダラーヒム、キングへの口利き頼めるか?」
「こいつぁ思わぬ収穫だ。ボスもきっと喜ぶ!」
キングの組織の協力をこぎつけたところで、一行を乗せたリナムルへ向かっている馬車は、突如その足を止めた。
「何だ?リナムルへはまだ時間が掛かる筈だが・・・」
予期せぬ馬車の停止に困惑する一同。そこへ馬車を引いていた者から、彼らへ伝言が届いた。如何やら商人の彼らが、冒険者であるシン達を乗せた目的を果たす時がやってきたようだった。
「冒険者の皆さん、出番のようです!急ぎ表へ」
護衛がてら乗せてもらえると聞いた時から、嫌な予感はしていた。護衛が必要となる事が起きるのだと言う予感を残したまま馬車に身を委ねていた。しかし、ただの護衛にしては些か数が多いのが気になっていた。
兎にも角にも、伝言にあった通り一行はすぐに馬車から降りて外の様子を確認することにした。
陽の光に瞼を狭めながらも周囲を確認すると、そこには多くのモンスターが馬車を取り囲んでいた。
「何だ、ただのモンスターじゃないか。しっかり乗せてもらってる恩を返さなきゃね!」
「大したことはないな、だがぬかるなよ」
「・・・妙だな・・・」
意気揚々と武器を構え、戦闘態勢に入るシン達だったが、一人周囲のモンスターを見て何かおかしなことに気づいた様子のダラーヒム。無防備なまま、何か物思いに耽っているようだった。
「ダラーヒム?どうしたんだ?」
「こいつら、“この辺の“モンスターじゃねぇ。どういう事だ?」
周辺の事を調べてきていると言っていたからか、ダラーヒムは移動中に出現するであろうモンスターの生態や種類についてもだいぶ詳しいようだった。しかし、そんな彼が不自然に思うようなモンスターが、彼らを乗せた馬車を襲っていると言ったところだろう。
「どんなモンスターだろうと、いく手を阻むなら倒す!それだけだ」
ミアの言う通り、今はそんなことを気にしている場合ではない。ダラーヒムの抱える疑問は置いておいて、彼らはまず迫り来る目の前の障壁を打ち破ることにした。
誰だって寿命を縮めてまで幸福を求めようとはしないだろう。目先の欲に身を任せていては、命がいくつあっても足りない。命あっての幸福なのだ。
「まぁ、そりゃぁそうなるか・・・。ボスに口を利いてやるっつっても、すぐに連絡が取れる訳じゃねぇしな・・・」
「でも、目的が同じなら場所を教えてくれるだけでもいいんじゃないかな?どの道私達も、その研究所に用がある訳だし」
「勝手に奴らの実験を荒らしてくれんならそれはそれで構わねぇが、正直なところお前らだけで挑んでも、仮にその場は上手くいったとしてもだな・・・」
ダラーヒムが言葉を続けようとしたところで、何を口にしようとしているのか察しのついていたミアが、二人の会話の中に割って入る。
「後の命の補償はない・・・」
「え?」
「・・・・・」
キングの組織は、この世界においてそれなりの規模を持った一大勢力と言ってもいい。しかし、そんな彼らでも抑えきれぬ勢力に狙われれば、ただの数人のパーティなど最も容易くその存在すら残らぬ程に抹消されてしまう。
ツバキが託された、オスカーや実験体となった子供達の願いというのは、それ程危険なものなのだ。故にオスカーはツバキの身を案じ、危ないと感じたら自分の身を第一にしてくれと念を押していてくれた。
その時は敵対する組織の規模が漠然としか見えていなかったが、キングという物差しを得てその大きさが露わとなった。それを目にした今、願いを託された時のように向こうみずに挑めるという気持ちは、だいぶ抑えられてしまっていた。
「だが或いは、キングの組織に根回しをしてもらえるのなら・・・」
「あぁ、誰がやったのかくらいなら有耶無耶に出来るかもしれねぇな」
「ッ!?確かにそれなら、私達も事を成した後姿を眩まし易いな」
「ボスとしても、そんな施設は一刻も早くぶっ潰したいと思ってる筈だ。お前らの手を借りられるなら、こちらも出せるものがある。どうだ?悪い話じゃない筈だ」
彼の言うように、何の後ろ盾も無くアークシティの事業に手を出せば、それこそオスカーの危惧していたように、生きている限り気の休まる暇もない日々を送ることになるかもしれない。
そんな時にキングの組織の幹部と再会できたのは、真っ暗な闇の中で光明を見るようなものだった。
「シン、如何する?正直受けない手はないと思うが・・・」
ミアはシンに彼自身の考えを伺う。だが、シンの考えも彼女と同じだった。それにシンは、ミアほどキングの事を疑っている訳ではなかったし、その実力も人間性も認めている。
「あぁ勿論だ。ダラーヒム、キングへの口利き頼めるか?」
「こいつぁ思わぬ収穫だ。ボスもきっと喜ぶ!」
キングの組織の協力をこぎつけたところで、一行を乗せたリナムルへ向かっている馬車は、突如その足を止めた。
「何だ?リナムルへはまだ時間が掛かる筈だが・・・」
予期せぬ馬車の停止に困惑する一同。そこへ馬車を引いていた者から、彼らへ伝言が届いた。如何やら商人の彼らが、冒険者であるシン達を乗せた目的を果たす時がやってきたようだった。
「冒険者の皆さん、出番のようです!急ぎ表へ」
護衛がてら乗せてもらえると聞いた時から、嫌な予感はしていた。護衛が必要となる事が起きるのだと言う予感を残したまま馬車に身を委ねていた。しかし、ただの護衛にしては些か数が多いのが気になっていた。
兎にも角にも、伝言にあった通り一行はすぐに馬車から降りて外の様子を確認することにした。
陽の光に瞼を狭めながらも周囲を確認すると、そこには多くのモンスターが馬車を取り囲んでいた。
「何だ、ただのモンスターじゃないか。しっかり乗せてもらってる恩を返さなきゃね!」
「大したことはないな、だがぬかるなよ」
「・・・妙だな・・・」
意気揚々と武器を構え、戦闘態勢に入るシン達だったが、一人周囲のモンスターを見て何かおかしなことに気づいた様子のダラーヒム。無防備なまま、何か物思いに耽っているようだった。
「ダラーヒム?どうしたんだ?」
「こいつら、“この辺の“モンスターじゃねぇ。どういう事だ?」
周辺の事を調べてきていると言っていたからか、ダラーヒムは移動中に出現するであろうモンスターの生態や種類についてもだいぶ詳しいようだった。しかし、そんな彼が不自然に思うようなモンスターが、彼らを乗せた馬車を襲っていると言ったところだろう。
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