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ニ話
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ボクの名前はエナ。
このエドリアーリアナ国の、守護神獣
エレメンティアなんだ。守護神獣っていうのは、王宮にある聖母樹から生まれる神獣で、風、炎、水、光、地の精霊の加護を受けた聖霊獣のこと。
10才くらいまでは獣の姿で育つんだけど、10才の誕生日が近づくと段々加護の力が強くなって自分の属性がはっきりして、人型に変化する事が出来るようになる。
それが目覚めの日。
神獣は生まれたときは、どの神獣も真っ白な毛並みなんだけど、10才の誕生日が近づくにつれて自分の属性の色が現れてくるんだ。風の属性なら緑、炎の属性なら赤、水の属性なら青、光の属性なら金、地の属性なら茶って具合にね。
同じ属性でも色合いは様々で、淡い色合いの神獣もいれば濃い色合いの神獣もいる。これは能力の違いを表すバロメーターでもあるらしい。
でも…、ボクの毛並みは生まれたときから斑色で…。真っ白な神獣たちのなかで、ボクだけが違ってた。
神獣は聖母樹をぐるりと囲む五本の神樹に宿った、果実のような繭から生まれる。五本の樹はそれぞれの属性を持つから、実った繭は大抵その樹の属性の神獣に成長するんだけど、ボクはどの樹から生まれたのか分からない…。
神樹に繭が実ると10日ほどで自然に落ちて、しばらくすると繭を破って神獣は生まれるんだけど。
神樹を管理する神官さまたちが気付かないうちに、いつの間にか聖母樹の根元に落ちていた繭。
その繭から生まれたのが、ボクなんだって。
異例の生まれの神獣は毛並みまでもが、今まで見たことのないもので。ボクは神獣たちのなかでもただ一匹の、生まれたときから色の付いた変わり者で仲間からも遠巻きにされていた。
神獣は3才までは神殿で暮らし、10才の目覚めの日を迎えるまで里親に育てられる。里親になるのは、将来を嘱望されている若い士官や神官の人たち。自分が育てた神獣が高い能力を持って成長すれば、里親の人も出世が約束されるので神獣の里親を目指す若者は多いみたい。
でもボクはこの毛並みのせいで、誰も里親になりたがらなかった。そうだよね…。自分の将来がかかってるのに、何の属性かも分からない異質なボクを育てたいと思う人なんていない。
だから3才になっても、ずっと神殿に残ってたボクの前に現れたのがシーグさんだった。
シーグさんは、神学校を首席で卒業した優秀な人なのに、なんでかボクの里親になってくれたんだ。
ボクたちは、里親と触れ合うことで成長する。だからシーグさんが里親になってくれなかったら、ボクはきっと小さいままだった。実際、他の同じ頃に生まれた神獣の子と比べると、ボクは小さい。
なかなか里親のなり手がなくって、一人でいたせいだってシーグさんは言ってくれるけど、ホントはボクが出来損ないだからなんじゃないかって、思ったりもする。
せっかく育ててもらったのにそんな事言ったらシーグさんに悪いし、なによりシーグさんを悲しませるから、これはお腹の中にしまってる。
けど、時々その事を考えるとお腹がシクシク痛くなる。
そんな時は隊長さんにお腹を撫でてもらうんだっ。隊長さんのおっきな手でなでなでされると、痛いのがどっかに飛んでっちゃう。
隊長さんのお手々には不思議な力があるんだよっ。
隊長さんは王様に仕える大勢の騎士のなかでも、選り抜きの人しか入れない王侯騎士団で、一番隊の隊長を務める人。
まだ若いのに数々の武勲を立てていて、隊長さんの名声は近隣の国はもちろん、遠くの国にまで知れ渡っているくらいの凄い人なんだっ。
だから、ボクの夢はねっ。立派な神獣になって、そんな隊長さんのパートナーになることなのっ!
目覚めの日を迎えた神獣は、お互いが選んだパートナーとコンビを組んで職務に就く為に、守護神獣としての勉強を学校で学ぶ。そうしてやがて自分のパートナーを見つけたら、二人で力を合わせて魔物を倒したり、工事を手伝ったり、人を癒したりして国を支える一翼になるんだ。
優秀な隊長さんのパートナーになりたがっている神獣はたくさんいるけど、隊長さんはまだ誰ともコンビを組んでいないから、ボクにだってチャンスはある。
だから早く目覚めの日を迎えて一人前になって、隊長さんにボクを選んで欲しいな。その為にお勉強だって頑張ってるし、苦手なお野菜だって食べてる。
隊長さん。大好きな隊長さんの為に、ボク頑張るから待っててくださいね?
このエドリアーリアナ国の、守護神獣
エレメンティアなんだ。守護神獣っていうのは、王宮にある聖母樹から生まれる神獣で、風、炎、水、光、地の精霊の加護を受けた聖霊獣のこと。
10才くらいまでは獣の姿で育つんだけど、10才の誕生日が近づくと段々加護の力が強くなって自分の属性がはっきりして、人型に変化する事が出来るようになる。
それが目覚めの日。
神獣は生まれたときは、どの神獣も真っ白な毛並みなんだけど、10才の誕生日が近づくにつれて自分の属性の色が現れてくるんだ。風の属性なら緑、炎の属性なら赤、水の属性なら青、光の属性なら金、地の属性なら茶って具合にね。
同じ属性でも色合いは様々で、淡い色合いの神獣もいれば濃い色合いの神獣もいる。これは能力の違いを表すバロメーターでもあるらしい。
でも…、ボクの毛並みは生まれたときから斑色で…。真っ白な神獣たちのなかで、ボクだけが違ってた。
神獣は聖母樹をぐるりと囲む五本の神樹に宿った、果実のような繭から生まれる。五本の樹はそれぞれの属性を持つから、実った繭は大抵その樹の属性の神獣に成長するんだけど、ボクはどの樹から生まれたのか分からない…。
神樹に繭が実ると10日ほどで自然に落ちて、しばらくすると繭を破って神獣は生まれるんだけど。
神樹を管理する神官さまたちが気付かないうちに、いつの間にか聖母樹の根元に落ちていた繭。
その繭から生まれたのが、ボクなんだって。
異例の生まれの神獣は毛並みまでもが、今まで見たことのないもので。ボクは神獣たちのなかでもただ一匹の、生まれたときから色の付いた変わり者で仲間からも遠巻きにされていた。
神獣は3才までは神殿で暮らし、10才の目覚めの日を迎えるまで里親に育てられる。里親になるのは、将来を嘱望されている若い士官や神官の人たち。自分が育てた神獣が高い能力を持って成長すれば、里親の人も出世が約束されるので神獣の里親を目指す若者は多いみたい。
でもボクはこの毛並みのせいで、誰も里親になりたがらなかった。そうだよね…。自分の将来がかかってるのに、何の属性かも分からない異質なボクを育てたいと思う人なんていない。
だから3才になっても、ずっと神殿に残ってたボクの前に現れたのがシーグさんだった。
シーグさんは、神学校を首席で卒業した優秀な人なのに、なんでかボクの里親になってくれたんだ。
ボクたちは、里親と触れ合うことで成長する。だからシーグさんが里親になってくれなかったら、ボクはきっと小さいままだった。実際、他の同じ頃に生まれた神獣の子と比べると、ボクは小さい。
なかなか里親のなり手がなくって、一人でいたせいだってシーグさんは言ってくれるけど、ホントはボクが出来損ないだからなんじゃないかって、思ったりもする。
せっかく育ててもらったのにそんな事言ったらシーグさんに悪いし、なによりシーグさんを悲しませるから、これはお腹の中にしまってる。
けど、時々その事を考えるとお腹がシクシク痛くなる。
そんな時は隊長さんにお腹を撫でてもらうんだっ。隊長さんのおっきな手でなでなでされると、痛いのがどっかに飛んでっちゃう。
隊長さんのお手々には不思議な力があるんだよっ。
隊長さんは王様に仕える大勢の騎士のなかでも、選り抜きの人しか入れない王侯騎士団で、一番隊の隊長を務める人。
まだ若いのに数々の武勲を立てていて、隊長さんの名声は近隣の国はもちろん、遠くの国にまで知れ渡っているくらいの凄い人なんだっ。
だから、ボクの夢はねっ。立派な神獣になって、そんな隊長さんのパートナーになることなのっ!
目覚めの日を迎えた神獣は、お互いが選んだパートナーとコンビを組んで職務に就く為に、守護神獣としての勉強を学校で学ぶ。そうしてやがて自分のパートナーを見つけたら、二人で力を合わせて魔物を倒したり、工事を手伝ったり、人を癒したりして国を支える一翼になるんだ。
優秀な隊長さんのパートナーになりたがっている神獣はたくさんいるけど、隊長さんはまだ誰ともコンビを組んでいないから、ボクにだってチャンスはある。
だから早く目覚めの日を迎えて一人前になって、隊長さんにボクを選んで欲しいな。その為にお勉強だって頑張ってるし、苦手なお野菜だって食べてる。
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