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17話 レベルアップと初
しおりを挟む『レベルアップしました』
遂に来たか、この時が。
どうもこのゲームはかなりレベルアップがし辛いらしい。まさかレベル2に上がるまでこれほど時間がかかるとは思わなかった。
まあ、ぽんぽん上がってすぐカンストするよりかはこちらの方がやりがいがあると言えるだろう。
それにオタクにはこのくらいが丁度良い。
そういえばまだステータスを見ていなかったな。俺は今どうなっているのだろう?
▪︎パビィ Lv.2
職業:旅人
HP 10/10
MP 10/10
STR:1
INT:1
AGI:1
DEX:1
VIT:1
LUK:1
SP:5
ふむ、非常に見やすいステータスだな。まあ最初はこんなものだろうか。
どんなものか軽くシュミレーションをしてみると、HP、MPはSPを1ポイント消費するごとに10増えるようだ。そして他のステータスは1ポイント1ずつ上昇という感じだな。
まあ、分かりやすいな。
さて、どんなステ振りにするかだが……今はMPに1ポイントだけ使いステイにさせてもらおう。
ステータスは職業によって最適なものが異なる。職業がないゲームであればどういった型が強い、というテンプレがある程度決まってくるのだろうが、このゲームにはそれが通用しない。
現時点では俺のプレイスタイルが確立していないし、職業も決まっていない今、無闇矢鱈にステ振りをするべきではないという判断だ。
では何故MPに振ったのかというと、それは先程獲得したスキル【低級回復】の為だ。
回復手段は恐らくどんな職業になっても使えるだろうからな。その分のMPを増やしておいたのだ。また、回復できるなら今はある程度HPが少なくてもそれをカバーできる。
我ながら良い判断ではなかろうか。さて、次はなんのクエストをしようか、そろそろモンスターを狩りに行ってもいいのだろうが、一抹の不安が残るのも確か、さてどうしようか……
「あ、あのー」
俺が少し思案していると、またもや男から声を掛けられた。やはりこの体は人気が高いのだろう。まあこの俺が手塩にかけて創ったのだから当然と言えば当然だが。
「もしかして、次に行くクエスト。迷っておられますか? もし良かったら私たちと一緒にパーティを組みませんか?」
パーティ、か。確かに悪くない提案だな。俺はMPを増やしたからある程度回復に専念できるし、後は適当に狩りをやらせればいい、綺麗な分業だ。
だが、俺には前世の嫌な記憶がある。そう簡単に他人は信用してはならない。
俺が悩んでいると、相手は更に言葉を続けた。
「向こうに自分のパーティメンバーがいるのですが、女子もいます、ですので変なことは絶対にいたしません! ど、どうでしょう?」
そこまで言うならば付いていくのもやぶさかではない。べ、べ、別に女子に釣られた訳では決してないからな。
「分かったわ」
そう言うと男はパッと顔を輝かせた。
「ただ、一つ条件を付けても良いかしら?」
「条件……?」
「えぇ、私あまりパーティには良い思い出がないの。だからある一定の距離を取らせてもらうわ。ただそれだとパーティの意味がないから、もし危うくなったら私回復魔法を持ってるから回復してあげるわ。どう、それでいいかしら?」
むっ、女口調というのは些か難しいのだな。今まで散々見てきたから見よう見まねでできると思ったのだが、違和感が凄い。不自然じゃないだろうか?
「か、回復魔法をお持ちなんですね! でしたら回復して下さるだけでも結構です!」
そう言って私たちはパーティを組むことになった、って危ない、「俺たち」だな。女性口調を使ってると乗っ取られそうになった。
ただ、回復するだけでも良いと言うのは良いな。俺の戦闘技術の無さが露呈しなくてすむ。
「そういえぱ、何のモンスターを狩りにいくの?」
「え、えーっと……エリアボスです」
「エリアボス!?」
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