悪役令嬢の兄に転生した俺、なぜか現実世界の義弟にプロポーズされてます。

ちんすこう

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11.5【弟とお兄ちゃん、一線を超える】※

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 ――魔物襲来、ユマ様の襲来。
 そんな深夜の大騒動がいったん落ち着いたあとの話だ。


「この世界に来てから、身の危険を感じる事件ばっか起きるな……」

 毒霧カナリアの処理が終わり、ユマが部屋から出ていくと残ったのは俺と奏だけになった。
 ちなみに破壊されたドアは奏が修復魔法をかけて、あっという間に元と変わらない状態に戻った。魔法、便利だな。

「平和な日本がなつかしい」

 慣れない出来事が続いて嘆息していると、後ろから腕が回されてきた。

「兄ちゃん」
「こら」

 抱き着いてきた奏に、深く息を吸い込む。取り入れた空気を一気に吐いて、その腕を軽く叩いた。

「お前も部屋に帰りなさい」
「やだ。ここまで来て途中でやめるなんて絶対嫌だ」

 俺の肩口に擦りつけて首を振る奏に、溜め息をつく。

「あんな騒ぎのあとで続きしようなんて気分にならねぇだろ――じゃなくて、兄弟でこれ以上やったら駄目なんだって!
 続きなんかありません!」
「けち!」

 なにがけち、だ! ていうか俺は何を口走ってんだよ。

「さっきのアレは――なかったことにするから。明日からはいつも通りにしてやるから、もう帰れ」

 べしべし腕を叩きながら言う。
 すでに一線を超えている気がしないでもないが、俺は譲る気はなかった。

 ……べつに奏が嫌なわけじゃない。
 正直、どうすればいいのか分からない。

「いつも通りになんてしなくていい」
「は?」

 こっちは必死で元通りにふるまおうとしてるのに、奏は離れるどころか、むしろ体を密着させてきた。

「もっと俺を意識してよ。俺、兄ちゃんのこと好きなんだよ」

 うなじに顔を寄せてきた奏は、そこへ舌を這わせてくる。肌を撫でる生ぬるい感触に思わずぞく、と肩を竦めた俺に、甘えた声で強請ってきた。

「ね。続き、しよ?」
「だ……っ、~~~~!」

 注意しようと口を開いたと同時に、太腿のあたりに何かが……ごり、と当たった。

「!? お前っ」
「ていうかさ、兄ちゃん。
 自分だけ気持ち良くなって終わるつもり?」

 あれはお前が勝手にヤッてきたんだろ!!!

 とツッコみたかったがそれより、足に押しつけられるソレ・・に絶句した。

「また勃ってんのか!?」

 そう、先程ベッドの上で存在を主張しはじめていた、奏のソレである。
 硬いし、位置的にも間違いなくアレだ。

「またっていうか、あんな兄ちゃん見たら全然鎮まらなくて」
「おま、その状態でずっと喋ってたの!?」

「そうだけど?」とシレッと頷く奏。
 こいつ、魔物の性質とか俺の暗殺対策とか真面目な話してるときにずっと臨戦態勢だったの!? あんな涼しい顔で!?

 衝撃で固まっている間に、シャツの襟から手を突っ込まれていた。せっかく正した服をまた乱されていき、剥き出しにされた首に口付けられる。

「や、やめろ奏っ、ひっ」

 俺は。俺は何をされてるんだ。
 脱がされた肩に鼻先を当てられ、太腿に男の象徴を擦り付けられながら、体をまさぐられている。

「ゆう、いい匂い」
「なぁっ、う……っ!」

 荒々しく弄られて、身体を暴かれていく。

 夢中で欲を押しつけてくる奏はいつもの軽い雰囲気じゃなくて、飢えた獣みたいなオーラを放っていた。
 俺の知らないかおをした奏に抱き締められていると、言いようのない不安に駆られた。


「抱かせて、ゆう……っ」
「う、あっ……!」


 ……嫌だ。

 奏は嫌じゃないけど、これは嫌だ。

 だって俺――――全然、心の準備ができてない。


「やめて、くれ」


 ズボンに伸ばされた手を、震える手で掴む。
 声も想像以上に情けないものになってしまったけど、それがかえって功を奏したのか、奏の動きがぴたりと止まった。

「……本当に、そんなに嫌?」

 訊ねてきた声は、不安そうだった。

 つい今さっきまで強引にコトを進めていたくせに、急に大人の顔色を窺う子供みたいになるのはずるい。

 俺は奏の手を握り締めながら、そっと首を横に振った。



「違くて……。

 こ。……こわ、い」


「………………………………」



 ――――な、なんだこの沈黙は!? なにか言えよ!


 いろんな恐怖からぷるぷる震えつつ返答を待っていると、奏は一度ぐっと言葉に詰まり、それから止めていた呼吸を再開するように大きく息を吐き出した。


「ああああ……かわいーー」

「ヒッ」


 なにか万感の意が込められたような心からの唸りが聞こえて、俺はびくっと体をすくめる。
 奏はそんなダサい兄の姿を見て憐れんだのか、いたわるように肩を撫でてきた。

「ごめんね。
 俺、全然余裕なくて、兄ちゃんのこと考えてあげられなかった」

 ごめん、ともう一度謝った奏は、いやらしい感じのしないキスを俺の頬に落とした。

「奏……」
「十年我慢してきたのが、やっと手に入るって思ったら――それで頭いっぱいになっちゃって」

 十年って、それ出会ってからほぼすぐじゃねぇか……? と考える間もなく、手を取られた。
 それを後ろに持っていかれて、硬いものに触れさせられる。


「っ! お、俺、やめてくれって」

「分かってる。最後までしないから」


 警戒する俺を落ち着かせようとしてか、さっきとは全く違う手つきで体を撫でられる。
 不快感はなく、性的なものより家族とのスキンシップに近い情を感じられて、昂っていた気持ちが静まっていった。


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