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『トンネルに入ると』
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近づくトンネル、瞬きの時間ですらわざらしいほど気が急いていた。都市伝説の類で、ある条件を満たしトンネルに入ると、意識を過去に戻すことができる。
瞬きすると僕は高校の最寄り駅のホームに立っていた。前に歩いているのは、将来僕のお嫁さんになる人。コンタクトを入れるのがずっと怖いといって無駄に大きくてダサいメガネをかけている。大学入学とともにコンタクトに変えたのだけれど。
僕らの恰好は学生服とセーラー服。君は僕の前を少し歩いてこちらに振り向いた。
「好きだよ」
高校生最後の日に僕たちは結ばれた。
見つめあって照れ臭くて、頬を赤くするあの顔を今でも忘れることができない。
君との生活は流れ星のように、綺麗な光の筋を残していった。
幸せだった・・・・・・。
病院のベットの上で彼女は眠っていた。痛々しい身体の痣、電子音が一定のリズムでなり続ける。結婚式の式場に向かう途中に交通事故。
彼女はかえらぬ人になった。愛する人の死に僕は耐えられない。僕と結婚しなければ彼女は死なずに済んだのだ。
それならば僕と結ばれなければいい。
そして僕はあのトンネルをくぐり、彼女の告白を断った。
その後も僕は彼女と交流を続けている。同じ大学で入るサークルが一緒なら仕方がない。彼女はサークル仲間の1人と付き合い、結婚した。
あの日、歩けなかったヴァージンロードを彼女は歩いている。幸せそうだ・・・・・・。隣が僕ではないことだけが悔やまれるが、そこは仕方がないのだ。目が霞み、手の上に雨粒が落ちた。
ーー同じ会場の、違うテーブルーー
「あいつなんで泣いてんだ?」
「ほら、新婦のことずっと好きだったのに振り向いてもらえなかった」
「あー、いたなサークルにそんな奴」
「くる時もトンネルに入るたびに、あの日に戻ってとかブツブツ言ってノートに書いてたな」
「今も何か書いてるな」
「漫画家なんだっけ?」
「ああ、売れてないな」
「失恋もネタになるんだろう」
会場は誓いのキスへと移った。
瞬きすると僕は高校の最寄り駅のホームに立っていた。前に歩いているのは、将来僕のお嫁さんになる人。コンタクトを入れるのがずっと怖いといって無駄に大きくてダサいメガネをかけている。大学入学とともにコンタクトに変えたのだけれど。
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「好きだよ」
高校生最後の日に僕たちは結ばれた。
見つめあって照れ臭くて、頬を赤くするあの顔を今でも忘れることができない。
君との生活は流れ星のように、綺麗な光の筋を残していった。
幸せだった・・・・・・。
病院のベットの上で彼女は眠っていた。痛々しい身体の痣、電子音が一定のリズムでなり続ける。結婚式の式場に向かう途中に交通事故。
彼女はかえらぬ人になった。愛する人の死に僕は耐えられない。僕と結婚しなければ彼女は死なずに済んだのだ。
それならば僕と結ばれなければいい。
そして僕はあのトンネルをくぐり、彼女の告白を断った。
その後も僕は彼女と交流を続けている。同じ大学で入るサークルが一緒なら仕方がない。彼女はサークル仲間の1人と付き合い、結婚した。
あの日、歩けなかったヴァージンロードを彼女は歩いている。幸せそうだ・・・・・・。隣が僕ではないことだけが悔やまれるが、そこは仕方がないのだ。目が霞み、手の上に雨粒が落ちた。
ーー同じ会場の、違うテーブルーー
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「ほら、新婦のことずっと好きだったのに振り向いてもらえなかった」
「あー、いたなサークルにそんな奴」
「くる時もトンネルに入るたびに、あの日に戻ってとかブツブツ言ってノートに書いてたな」
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会場は誓いのキスへと移った。
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