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02 3つのルール
このキモチハート工場には3つのルールがある。
1「必ずあたたかいうちに届けること」
2「必ず本人にわたすこと」
3「必ず、届けること」
この3つのルールを守らなければ大変なことになるらしいが、詳しいことはよくわからない。
1と2はなんとなくわかる気がするが、3番目の「必ず届ける」って、1と意味が同じじゃん、と新米ネズミは思って、全くよく分からないルールだなぁと感じていた。
この工場の仕事の内容はとてもシンプルなもので、データを打ち込む係、工場内で商品を詰める係とそれを配達する係とに分かれている。
新米ネズミはその配達係に属していた。
出来上がった商品の箱をバイクの荷台に乗せて届け先の伝票を受け取り、バイクを走らせる。
それがいつもの一連の流れだ。
新米ネズミと荷物を乗せたバイクは今日は、バッタ野原を抜けてアヒル池の橋を渡り、タンポポ畑のある丘の上のこども園に行くコースだった。
ネズミはエンジンを止めてバイクのスタンドをおろした。
少し大きめの荷物を抱えて、入り口の柵を体で押し開けて入ると外で遊んでいた子供ネズミたちが新人ネズミに気がついて「わぁっ」と集まってくる。
「キモチハート工場ですが、、」と言いかけると園の方に先生らしき女性ネズミの手を子供ネズミ数匹で引っ張って連れて来ているのが見えた。
「ご苦労さまです。」
にこにことした先生ネズミは新米ネズミのもとへやって来た。
気が付くと沢山の子供ネズミたちもほとんど遊びをやめて近くに集まっていた。
子供ネズミたちはみんなワクワクした表情で、新米ネズミの顔をじっと見ている。
「スミレ野原の老ネズミホームから、お届け物です。」
そう言って少し恥ずかしそうに新米ネズミは持っていた箱を先生ネズミの手へと渡す。
箱を先生ネズミが受け取ると、中からハートがポンッと飛び出してふわりと浮かんだ。
その瞬間「わぁ~」と子供ネズミたちの嬉しそうな歓声があがり皆、目を輝かせてじっとハートを見つめている。
「素敵なお手紙をたくさん、ありがとう。」
先生ネズミがハートに浮かんでいる文字をゆっくり、読み上げるとハートは「パンっ」と弾けて代わりにたくさんのキャンディーやお菓子が飛んで出て、一つづつ子供ネズミの手のひらに着地していく。
まだ外に出てこれていない子ネズミの所にもふわふわとマシュマロが飛んでいって手のひらによいしょとばかりに着地する。
子供ネズミたちはその度にとても嬉しそうな顔で「わぁい」と言うのだ。
先生ネズミと子供ネズミたちは「ありがとうございます。」と丁寧にみんなでお辞儀をして手を振って新米ネズミを見送った。
そして新米ネズミもペコリとお辞儀をして門を後にした。
子供ネズミたちの笑顔を振り返りながらネズミはバイクにまたがり、とても温かい気持ちになった。
この瞬間、新米ネズミは世界一、自分は幸せな仕事をしているなと感じた。
だからネズミはこの場所へ荷物を配達するのがとても好きだった。
ネズミは少しだけこども園を眺めてから、また工場へとバイクを走らせるのだった。
1「必ずあたたかいうちに届けること」
2「必ず本人にわたすこと」
3「必ず、届けること」
この3つのルールを守らなければ大変なことになるらしいが、詳しいことはよくわからない。
1と2はなんとなくわかる気がするが、3番目の「必ず届ける」って、1と意味が同じじゃん、と新米ネズミは思って、全くよく分からないルールだなぁと感じていた。
この工場の仕事の内容はとてもシンプルなもので、データを打ち込む係、工場内で商品を詰める係とそれを配達する係とに分かれている。
新米ネズミはその配達係に属していた。
出来上がった商品の箱をバイクの荷台に乗せて届け先の伝票を受け取り、バイクを走らせる。
それがいつもの一連の流れだ。
新米ネズミと荷物を乗せたバイクは今日は、バッタ野原を抜けてアヒル池の橋を渡り、タンポポ畑のある丘の上のこども園に行くコースだった。
ネズミはエンジンを止めてバイクのスタンドをおろした。
少し大きめの荷物を抱えて、入り口の柵を体で押し開けて入ると外で遊んでいた子供ネズミたちが新人ネズミに気がついて「わぁっ」と集まってくる。
「キモチハート工場ですが、、」と言いかけると園の方に先生らしき女性ネズミの手を子供ネズミ数匹で引っ張って連れて来ているのが見えた。
「ご苦労さまです。」
にこにことした先生ネズミは新米ネズミのもとへやって来た。
気が付くと沢山の子供ネズミたちもほとんど遊びをやめて近くに集まっていた。
子供ネズミたちはみんなワクワクした表情で、新米ネズミの顔をじっと見ている。
「スミレ野原の老ネズミホームから、お届け物です。」
そう言って少し恥ずかしそうに新米ネズミは持っていた箱を先生ネズミの手へと渡す。
箱を先生ネズミが受け取ると、中からハートがポンッと飛び出してふわりと浮かんだ。
その瞬間「わぁ~」と子供ネズミたちの嬉しそうな歓声があがり皆、目を輝かせてじっとハートを見つめている。
「素敵なお手紙をたくさん、ありがとう。」
先生ネズミがハートに浮かんでいる文字をゆっくり、読み上げるとハートは「パンっ」と弾けて代わりにたくさんのキャンディーやお菓子が飛んで出て、一つづつ子供ネズミの手のひらに着地していく。
まだ外に出てこれていない子ネズミの所にもふわふわとマシュマロが飛んでいって手のひらによいしょとばかりに着地する。
子供ネズミたちはその度にとても嬉しそうな顔で「わぁい」と言うのだ。
先生ネズミと子供ネズミたちは「ありがとうございます。」と丁寧にみんなでお辞儀をして手を振って新米ネズミを見送った。
そして新米ネズミもペコリとお辞儀をして門を後にした。
子供ネズミたちの笑顔を振り返りながらネズミはバイクにまたがり、とても温かい気持ちになった。
この瞬間、新米ネズミは世界一、自分は幸せな仕事をしているなと感じた。
だからネズミはこの場所へ荷物を配達するのがとても好きだった。
ネズミは少しだけこども園を眺めてから、また工場へとバイクを走らせるのだった。
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