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03 先輩ネズミ
、、、キィー、、ガチャン。
新米ネズミが配達から帰ってきてバイクを停めた。
工場の駐輪場にズラリと並んだ赤いバイクにそれぞれ違うナンバーのプレートがヘッドライトの下に大きく見えるように付いている。
「8818」これが新米ネズミの彼のナンバーである。このナンバーの付いた自分のバイクを朝、荷物置き場へと運んで配達を始めるようになっていた。
「ふぅ。」
本日の配達を終えて新米ネズミは安心して息をついた。
「どぉだパパイヤ、だいぶ仕事は覚えたか?」
工場に繋がる階段の上の方から声をかけてくるものがいる。歳は中年で小太りの男性ネズミが汗を拭きながらニヤニヤしてこちらを見下ろしている。
「みみずく先輩。お疲れ様デス。」
新米ネズミは階段を軽い足取りで駆け上がりながらペコリと頭を下げた。
「いやー、入ってもう一ヶ月経ちますけど未だにふくろう森の脇を通るときは本当にヒヤヒヤしますよ。」
汗をふきふき新米ネズミが話す。
ガッハッハ、と男性ネズミは笑うと「お疲れさん!」と新米ネズミの頭をくしゃくしゃと撫でた。
この『みみずく先輩』というネズミはこの工場に来て10年経つ。新米ネズミは彼に色々と仕事を教わっていた。
因みにこの『みみずく』というのは彼のあだ名でバイクのナンバーが「3329」だからだ。
ここでは皆、ナンバーをあだ名にして呼ばれることが多かった。
そして当然、新米ネズミは「8818」だから、『パパイヤ』と呼ばれているという訳だ。
「、、ちょっと避けてくれないか?」
後ろから軽く小突かれて振り返ると、中年で細身の無愛想なネズミが眼鏡越しにこちらを見ている。
「ご、ごめんなさい。」
二人が道をあけると「フン」っと鼻を鳴らして足早に彼は工場へと入っていった。
「なんだよ、みずむし!機嫌が悪いの八つ当たりしてんじゃねーぞっ!」
この『みずむし先輩』はみみずく先輩の同期で最近、配達間違いをしたとかで噂になっていた。
彼の名誉の為に言っておくが「3264」がバイクナンバーなのである。
「昔はあんなじゃ無かったんだけどな。」
「それだけルールってもんは大事なんだろうな、、、。」とみみずく先輩が呟いた。
新米ネズミが配達から帰ってきてバイクを停めた。
工場の駐輪場にズラリと並んだ赤いバイクにそれぞれ違うナンバーのプレートがヘッドライトの下に大きく見えるように付いている。
「8818」これが新米ネズミの彼のナンバーである。このナンバーの付いた自分のバイクを朝、荷物置き場へと運んで配達を始めるようになっていた。
「ふぅ。」
本日の配達を終えて新米ネズミは安心して息をついた。
「どぉだパパイヤ、だいぶ仕事は覚えたか?」
工場に繋がる階段の上の方から声をかけてくるものがいる。歳は中年で小太りの男性ネズミが汗を拭きながらニヤニヤしてこちらを見下ろしている。
「みみずく先輩。お疲れ様デス。」
新米ネズミは階段を軽い足取りで駆け上がりながらペコリと頭を下げた。
「いやー、入ってもう一ヶ月経ちますけど未だにふくろう森の脇を通るときは本当にヒヤヒヤしますよ。」
汗をふきふき新米ネズミが話す。
ガッハッハ、と男性ネズミは笑うと「お疲れさん!」と新米ネズミの頭をくしゃくしゃと撫でた。
この『みみずく先輩』というネズミはこの工場に来て10年経つ。新米ネズミは彼に色々と仕事を教わっていた。
因みにこの『みみずく』というのは彼のあだ名でバイクのナンバーが「3329」だからだ。
ここでは皆、ナンバーをあだ名にして呼ばれることが多かった。
そして当然、新米ネズミは「8818」だから、『パパイヤ』と呼ばれているという訳だ。
「、、ちょっと避けてくれないか?」
後ろから軽く小突かれて振り返ると、中年で細身の無愛想なネズミが眼鏡越しにこちらを見ている。
「ご、ごめんなさい。」
二人が道をあけると「フン」っと鼻を鳴らして足早に彼は工場へと入っていった。
「なんだよ、みずむし!機嫌が悪いの八つ当たりしてんじゃねーぞっ!」
この『みずむし先輩』はみみずく先輩の同期で最近、配達間違いをしたとかで噂になっていた。
彼の名誉の為に言っておくが「3264」がバイクナンバーなのである。
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