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07 失敗
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新米ネズミが工場に帰って来たのは夕方の日が落ち始めた頃だった。
、、、キィー、ガチャン。
バイクのスタンドをかけると同時に
「パパイヤー!!」
みみずく先輩が大慌てでこちらにかけて来るなり大声で聞く。
「おまえ!!荷物!どこ置いたっ!!」
「さっき、、修理係から、電話が、あって!」
新米ネズミはみみずく先輩のあまりの様子に驚いたが、『修理係』と聞いた途端に頭から氷水を浴びせられたように一瞬で全身から熱が引くのを感じた。
「あ、、、、荷物!!!」
みみずく先輩はぜぇぜぇと息を切らしたまま『早く行け』のゼスチャーをし、それを横目に新米ネズミは一目散に駆け出した。
猛ダッシュしている間中、新米ネズミの頭の中にはあの薄暗い修理係の部屋で荷物を机に置く瞬間の映像が何度も繰り返されていた。
(あの時、荷物を置いたまま、、どうして!!)
ハァッ、、ハァッ、、ハァ、、
自分の心臓の音と息の音しか聞こえてこない。
ようやく新米ネズミは倒れ込むように修理係の部屋に駆け込むと、片隅の机に目をやった。
そこには今、下ろされたばかりかのようにひっそりとそのままの荷物が在った。
部屋には誰もおらず、静けさで空気が凍りつくようだった。
ネズミはバクバクと鳴っている心臓の音で、自分の体が小刻みに震えているのを感じた。
ハァハァと肩で息をしながら、熱を持ったずっしりと重たい足を必死の思いで前に踏み出す。
ようやく机の前まで来ると、ガタガタと震える手でダンボール箱を触った。
額から汗が滝のように流れ、ひやりと冷えて落ちていく。
指先には熱を感じない。
いつもは温もりのあるダンボールの箱が棺桶のように冷たく、ネズミの背筋にゾクリと寒気が走った。
箱の伝票には『チュー太郎』と書いてある。
それを見たネズミは、我に返ったかのように、冷たくなったその箱を抱えて部屋を、一目散に駆け出していった。
、、、キィー、ガチャン。
バイクのスタンドをかけると同時に
「パパイヤー!!」
みみずく先輩が大慌てでこちらにかけて来るなり大声で聞く。
「おまえ!!荷物!どこ置いたっ!!」
「さっき、、修理係から、電話が、あって!」
新米ネズミはみみずく先輩のあまりの様子に驚いたが、『修理係』と聞いた途端に頭から氷水を浴びせられたように一瞬で全身から熱が引くのを感じた。
「あ、、、、荷物!!!」
みみずく先輩はぜぇぜぇと息を切らしたまま『早く行け』のゼスチャーをし、それを横目に新米ネズミは一目散に駆け出した。
猛ダッシュしている間中、新米ネズミの頭の中にはあの薄暗い修理係の部屋で荷物を机に置く瞬間の映像が何度も繰り返されていた。
(あの時、荷物を置いたまま、、どうして!!)
ハァッ、、ハァッ、、ハァ、、
自分の心臓の音と息の音しか聞こえてこない。
ようやく新米ネズミは倒れ込むように修理係の部屋に駆け込むと、片隅の机に目をやった。
そこには今、下ろされたばかりかのようにひっそりとそのままの荷物が在った。
部屋には誰もおらず、静けさで空気が凍りつくようだった。
ネズミはバクバクと鳴っている心臓の音で、自分の体が小刻みに震えているのを感じた。
ハァハァと肩で息をしながら、熱を持ったずっしりと重たい足を必死の思いで前に踏み出す。
ようやく机の前まで来ると、ガタガタと震える手でダンボール箱を触った。
額から汗が滝のように流れ、ひやりと冷えて落ちていく。
指先には熱を感じない。
いつもは温もりのあるダンボールの箱が棺桶のように冷たく、ネズミの背筋にゾクリと寒気が走った。
箱の伝票には『チュー太郎』と書いてある。
それを見たネズミは、我に返ったかのように、冷たくなったその箱を抱えて部屋を、一目散に駆け出していった。
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